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竹中内閣府特命担当大臣(金融、経済財政政策)記者会見要旨

(平成16年4月2日(金) 9時45分~9時56分 金融庁会見室)

1.発言要旨

おはようございます。

閣議がございました。

閣議で特にご報告することはございません。

閣僚懇で、私自身一つ発言をさせていただいておりますが、それと関連しますので、ちょっと順番が相前後しますけれども、一つご報告、お知らせをさせていただきたいと思います。

昨年3月に公表しました「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」の中で、中小・地域金融機関に関しまして、多面的な評価に基づく総合的な監督体制を確立するため、中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針を策定するというふうにされております。本日、この監督指針の案について取りまとめを行いまして、16時目途でありますけれども、パブリックコメントに付す予定としております。

詳細は、事務方から報告をさせていただきたいと思います。

それで、閣僚懇での私の発言でありますが、次のような趣旨の発言をさせていただきました。

行政指導をいかに透明なものにしていくかということに関しては、各省とも大変、色々なご苦労をしていると。金融庁も、先の通常国会において、その金融庁が行う行政指導のあり方について、質問を受けるということがございました。こういうことを契機として、行政指導を行う際の留意点を明確にしていこうということで、省内で取り組んで参りました。

こうした観点から、今般、外部専門家の意見も取り入れて、行政指導を行う際の留意点を内規として整備をいたしました。こういう試みは霞ヶ関の中では初めてであると思います。それを今申し上げた、監督指針に織り込むこととしまして、本日パブリックコメントに付すと、こうした透明化、行政指導の一層の透明化についての努力をしておりますので、各省庁においても必要に応じてご参考にしていただきたいという発言をいたしました。

官房長官の方から、「行政の透明化というのは期待されている重要な問題である。金融庁の取り組みを参考にして、各省においても透明性の確保に向けて努力をして欲しい」と、そういう話が閣僚懇で、これは官房長官の方からございました。

私の方からの報告は以上でございます。

2.質疑応答

問)

今、金融庁として行政指導の透明性というか、確保するような内規を作られたということですけれども、もう一度改めまして、このタイミングでまとめられた理由と狙いについて、もう一度大臣からお話いただけますか。

答)

タイミングが何故今日かということに関して、特別の意味があるわけではございません。我々自身、問題意識を持ってずっと検討して参りました。顧問になっていただいている専門家の方々、外部の方々、色々なご意見も伺いながら準備を進めてきて、今般それを取りまとめるタイミングになったと。また、ガイドラインそのものについても、これはずっと一貫して整備、これはアクションプログラムの中に書かれたことでありますので、それを実行すべく整備をしてきましたので、それで今般こういうタイミングで発表させていただくことになった、パブリックコメントに付すことになったということでございます。

問)

それと、関連してですけれども、中小・地域金融機関向けの監督指針の狙いについて、大臣の方からもう一度改めてお話しいただきたいと思います。

答)

リレーションシップバンキングという考え方で、しっかりと中小・地域金融機関の強化・再生を行っていこうということをずっと掲げているわけですけれども、それについて、更にそれを総合的にガイドラインとして示していくということは必要であるということから、アクションプログラムの中にこれは書かれているわけですね。やはり多面的な評価に基づく総合的な監督、これがいわば、このリレーションシップバンキングのキーワードだと思います。

リレーションシップバンキングそのものは、間柄を重視して、数値に表れない定性的な情報を大切にして、地域にコミットをして、地元の中小企業等々をしっかりと再生して欲しい。再生することによって、銀行自らの財務基盤が強化されていくと、そういう理念に基づいているわけですが、我々監督の立場からすると、非常に多面的な評価に基づく総合的な監督体系を作っていかなければいけない、そういう課題が我々の方にはあると認識をしております。そういう問題意識を受けて、今回の指針の取りまとめに至っているわけであります。

問)

昨日、日銀短観で、DIが大企業、非製造業において7年4カ月ぶりにプラスになって、中小企業なども改善していくという状態になっていますけれども、回復の数字も上がってきたという見方が多いと、大臣のご見解は。

答)

基本的には、昨日の短観というのは、概ね予想していた範囲ではありますけれども、景気回復が続いているということを裏づけるものであったと思っています。特に、今ご指摘のありましたように、業況判断に関しては、大企業、製造業だけではなくて、非製造業についても、また中小企業についても方向として、良い方向が確認されたということであろうかと思います。また、この持続性についても、企業の経常収益、経常利益が2004年度においても二桁の増益ということで、継続性についても、現状においては良い方向が確認されているということではなかったかと思います。もちろん、リスクファクターは常にあるわけでございますけれども、これが更にしっかりとした足どりになって、前から申し上げているように、家計に及ぶように、そして中小企業、地域に及ぶように、政策のかじ取りも是非しっかりやらなければいけないと思っています。

問)

7日の諮問会議で議論される郵政民営化ですが、中間報告が近付いていますが、そういったものの叩き台みたいなものが出るのかというのと、議論の進め方、次回の主なテーマ、現段階ではどう考えておられますか。

答)

郵政民営化に関しては、これまでも生田総裁、田中直毅氏にもおいでいただいて、包括的な議論をした後、4つの機能について議論を積み重ねてきています。その4つの機能について、その方向性について、その都度取りまとめを行っておりますけれども、今までの議論を踏まえて、一つの論点整理の叩き台のようなものは、やはり私たちの方からお出ししなければいけないのかなと思っております。

次回の諮問会議には、従って、生田総裁、田中直毅氏にもう一度おいでをいただいて、しっかりと議論をしたいと思っています。

問)

水曜日に保険の販売規制の金融審の報告書が出ましたが、それを受けて、行政としての判断というのが今後必要になるということだと思うのですけれども、それはいつ頃を目途にたたき台、行政としての案をまとめたいとお考えか、お考えをお聞かせください。

答)

ワーキング、及びそれを踏まえた部会では、本当に専門家にしっかりと幅広いご議論をいただいたと思っています。それを受けて行政は対応しなければいけないわけですが、いつ頃にということに関しては、明確に申し上げる段階ではないと思っておりますが、まさに我々としては速やかに、その結論を導けるべく努力をしたいと思っています。

問)

その関連ですが、金融審の報告は3年後まで、遅くても3年後の全面解禁と、それと、例えば1年後からの段階解禁という内容でしたが、与党の方が全面解禁には反対の決議をしています。これに対して、行政としてどういう判断をされているのか伺います。

答)

専門家にお集まりをいただいて、第二部会のご報告をいただいています。この報告を踏まえて検討を進めると、そして速やかに結論を得るというのが、私達の立場であります。

この報告の中でも、本報告を踏まえ、今後行政当局において、更に実務面での検討も深め、適正な販売規制の見直しを行うことを求めるとされているわけであります。答申を踏まえながら、実務の、我々の当局として責任のある対応を速やかに出せるように努力をしたいと思います。

問)

確認ですけれども、ということは、すなわち与党よりも専門家の意見を尊重するという理解でよろしいでしょうか。

答)

基本的には、この販売規制の見直しについては、反対意見も含めまして、様々な意見があるということを承知をしております。そうした意見にも謙虚に耳を傾けなければいけないと思っております。同時に、金融庁としては、金融審議会の第二部会の報告もしっかり踏まえて検討を進めて、先程申し上げましたように、実務的な点、金融当局として責任を持って判断をしなければいけない問題はあると思っておりますので、速やかに結論を得るように努めて参りたいと思います。

問)

行政指導の件でお聞きしたいのですけれども、一方の大蔵省の不祥事を受けて、金融行政と民間の対応がしづらくなっているというような声が聞こえるのですけれども、これから金融界と金融行政がどういう距離で関係を結んでいくか、改めてお聞きしたいのですが。

答)

ご質問は非常に大きな枠組みのご質問だと思います。ある種の距離感を置いて、いつも申し上げますように、建設的な緊張関係の中に監督する側と監督される側はいなければいけないと思います。しかし同時に、しっかりとした監督を行うためにも、情報の交換というのは必要なわけでございますから、そこは透明な枠組みの中でしっかりと情報の交換は交換として、していくということだと思います。

そういう努力はしているつもりでありますけれども、今回ルールとしてルール化できるところはルール化すると。透明な枠組みの中で情報交換の機会は増やす、これは試行錯誤の中で一歩一歩作っていくしかないわけですけれども、方向としてはそういう方向で努力を引続き行っているつもりです。

(以上)

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