竹中内閣府特命担当大臣(金融、経済財政政策)記者会見要旨

(平成16年5月18日(火)9時25分~9時29分 院内)

1.質疑応答

問)

成長率ですが、前期より下がりました。一方で、年度では政府の予想を上回っています。これをどう受け止め、どう分析するか、また、今後の課題についてお願いします。

答)

基本的には、前期比で1.4%ということで、これは民間の予測の平均が0.9%ぐらいでしたから、むしろ我々としては、予測を上回る伸び率であったと思っております。日本経済が、内需を中心に比較的順調に回復を続けているということを裏付けていると思います。また、年度の成長率も3.2%ということで、政府経済見通し2.0%、更には民間の見通しをかなり上回る数字になりました。名目成長率もプラスになりました。我々としては、今の経済の順調な回復が続いているということを改めて確認した上で、これが更に持続性を持つように、更に効果が隅々に行き渡るように、しっかりと経済運営をしていきたいと思います。

問)

一方、現状では株価が下がったりしていますが、今日のQEを踏まえた上で、今後の政策運営の課題についてはどうお考えでしょうか。

答)

株価は様々な、特に短期的に色々な情報等で動きます。我々としては、トレンドが大事だと思っておりますので、短期的な変動に一喜一憂することなく、長期的なトレンドとしての株価が上昇していく、とりもなおさず日本経済の基盤が強くなっていく、そのようになるようにしていきたいと思います。その意味では、今後の政策運営としては、あくまでもこうした好機、チャンスにこそ構造改革を一層加速して、日本経済の基盤を思い切り強くしていくということに尽きると思っております。

問)

昨日の株式市場ですけれども、UFJが3期連続の赤字、それに伴ってトップ辞任という報道を受けて急落しました。まず、UFJを巡る経営環境で、金融庁として今、どの程度何をなされているのか。一方で、昨日のUFJショックによる株価急落について、どう受け止めていらっしゃるか、この2点をお願いします。

答)

個別の銀行についてコメントするということは控えるつもりでございます。一般論としては、今、各行とも決算確定の最終作業を行っておりますので、現時点で何が確定したということではないと承知しています。これは、決算確定に向けて、しっかりと各行において御努力をいただきたいと思います。

株式市場については、先程も申し上げましたとおり、その時々の要因によって、相場は状況を反映して色々と動きますが、我々にとって重要なのは、その中期的なトレンドがどのようになっていくかということであります。是非、トレンドが更に上向いていくように、しっかりと構造改革を進めて経済運営をしたいと思います。

問)

QEですが、デフレ脱却の見通しは、より確かなものになったとお考えですか。

答)

これは、いつも申し上げていることですが、見通し、見方が今回の数字で変わったということはないと思っております。日本の経済は、着実な回復を続けていますが、緩やかなデフレは残っていると思っております。デフレ克服をより確実なものにしていくために、引続き政府、日銀一体となって努力しなければいけないと思います。

問)

設備投資の伸びがやや鈍っていますけれども、これは懸念材料になりませんか。

答)

設備投資の伸びは、引続き堅調であると思っております。一方で、経済成長率を年度について見ますと、内需が7割、外需が3割ぐらいの割合だと思いますけれども、直近の期について見ますと、その内の内需の牽引が、消費と設備投資半々ぐらいになってきている。設備投資が比較的堅調なうちにそれが消費に引き継がれるというような、正に企業から家計への流れが重要だと思いますが、それが徐々に生まれつつあると思っておりますので、この方向を是非伸ばしたいと思います。

(以上)

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