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竹中内閣府特命担当大臣(金融、経済財政政策)記者会見要旨

(平成16年5月25日(火) 9時27分~9時39分 院内)

1.発言要旨

おはようございます。

閣議がございました。閣議、閣僚懇を通じて、私から特に御報告することはございませんが、閣僚懇では、今週の日曜日の旭川での郵政民営化の旭川懇談会の御報告を簡単にさせていただきました。また、帰りがけに、麻生大臣と御一緒に、旭川の地域再生の1つの事例として大変興味深い事例だったのですが、旭川の動物園に寄らせていただきました。これは、麻生大臣から、ぜひその報告をというサジェスチョンがありましたので、その報告をさせていただきました。旭川の動物園は、上野の動物園の次に、期間にもよりますけれども、入場者の多い動物園になっているということで、これは特に珍しい動物がいるということではなくて、非常にその見せ方といいますか、例えばですけれども、ガラスの壁越しにペンギンが頭の上を泳いでいるのが見えるとか、そういう工夫によって、20万人だった入場者が一気に80万人まで増えた。地域再生につながる1つの事例として、私自身、また麻生大臣も、大変興味深かったので、こういった御報告をさせていただきました。

私からは以上であります。

2.質疑応答

問)

昨日、大手銀行の決算が発表になりまして、不良債権の比率が着実に減っているということが示されたわけですが、これについては政府の重要な目標の1つだったと思われますけれども、今日の閣議あるいは閣僚懇では、何かこれについて報告、あるいは他の大臣からの意見等はあったのでしょうか。

答)

特にございません。これは、個別の政策の問題でありますので、閣議で報告する、閣僚懇で報告するという性格のものではないと思っております。

御指摘のとおり、不良債権比率を来年3月までに4%台にするという政策目標、この政策目標を掲げた時点では、大変困難である等々というように多くの御指摘を受けたのでありますけれども、この目標は、恐らく今のペースでいけば、半年前倒しで達成できるだろうというところに差しかかっておりますので、しっかりと政策目標の実現に向けて、一層の努力をしたいと思います。

問)

その実現に向けて、金融当局の取り組みとしてはどのようなことが重要か、改めてお願いします。

答)

これは、やるべきことは「金融再生プログラム」にもう明確に示しておりますので、それをルール通りにしっかりと実行に移していくと。その実行を、銀行業界、銀行の皆さん方にお願いしていくということ、これに尽きると思っております。何か新しい目先のことをやるということではなくて、「金融再生プログラム」に則って、しっかりと着実に実行していくということに尽きると思っております。

問)

公的資金新法の参議院での審議日程がなかなか決まらないということで、残り日数から数えて、かなり今後の審議の見通しが厳しいのではないかという見方が出ています。これについて、どのようにお考えでしょうか。

答)

これは、国会の日程というのは、様々な色々な要因の中で、議運、国対等々で御議論をいただいております。我々としては、この法案は大変重要であると思っておりますので、是非審議を進めていただいて、今国会でこれが成立するように、我々としてのするべき努力をしていきたいと思っております。

問)

総理の訪朝についてですけれども、日朝首脳会談を踏まえて、この結果、成果について、閣僚のお一人として御評価のコメントをいただきたいのですが。

答)

総理の非常に大きな御決断であったと思います。総理が、この時点でいらっしゃらなければ今の時点でどうなっているか、これを考えれば、総理の訪朝、今回の日朝首脳会談には極めて大きな意義と成果があったということは、もう自明であろうかと思います。その意味では、総理の御決断に私は敬意を払っておりますし、この基盤を踏まえて、更にこれまでの対立的な日朝関係が協力的な関係に向かっていくように各所各所でしっかりとした努力を進めていく。この今回の首脳会談の基盤を踏まえて、更に努力をしていくことが我々の課題だと思っております。

問)

サミットの財務相会合で、原油について産油国への増産要請というメッセージを出されたわけですが、マーケットの反応は今一つという気もしますけれども、これの評価と原油の見通しなどについてお聞かせください。

答)

これは、常に大変難しい問題ではありますけれども、需要の動向、需要に関しては、ここのところの原油需要の増加の内の6割がアメリカと中国の需要増ということで説明できるということで、この点については、アメリカと中国の経済が過熱を避けながら軟着陸、ソフトランディングしていくということが大変重要であると思っておりますし、一方で、原油の価格が、理由はともあれ上昇し過ぎると、これは消費国のみならず産油国にとってもデメリットがあるということは産油国自身が分かっていることでありますので、こうしたことはそれぞれの立場でしっかりと情報を発信していくことによって、適切な対応がとられていくと期待をしています。

問)

先程も御紹介があったのですが、旭川での郵政懇談会では、民営化そのものに対しても、非常に慎重な御意見も出たと聞いているのですけれども、この懇談会を踏まえて大臣の御感想と、今後の民営化の進め方についてお聞かせください。

答)

今日は、閣僚懇でも概要報告したのですけれども、様々な御意見があったということだと思います。民営化すれば、利益重視になって、過疎地の郵便局はちゃんと守られるのだろうかという不安の声も確かにございました。同時に、どうして今のような仕事を公務員で続けなければいけないのだ、それは納得できないではないか、民営化は当然ではなかろうかという御意見も、当然ございました。まさに、この問題に対する今の国民の思いを集約している様々な御意見があるということだと思います。

今回は、主として皆様方の御意見を聞くということを主眼にしておりますけれども、こういう点はまだまだ説明が必要なのだなと思うところが沢山ございます。これは、我々としてなぜ民営化なのか、そういうことを今度詰めていかなければいけないと思います。しっかりと宿題をいただいて、我々としてやるべきことをやっていきたいと思います。

問)

3割ルールですが、去年の8月に業務改善命令が出されて、その命令が履行されない事態が現実にあったのですが、これについて、コメントをお願いします。

答)

これについては、我々としては、先程言いましたように、ルールに基づいてしっかりとやっていくということに尽きると思っております。これは、当然のことながら、決算が出た段階で、必要なことについては報告を求めるというプロセスもございますでしょうし、その中でしっかりと説明していただけるものもあるだろうし、説明していただけないものもあるかもしれません。それらについては、我々としての決めたルールに基づいて、しっかりと淡々と行政を進めていくということになります。

問)

郵政ですけれども、今度の諮問会議の中でそれをとりあげるということで、今度の諮問会議ではどういうことが議題になるのでしょうか。

答)

郵政民営化準備室でのヒアリングも始まります。また、先日の旭川での懇談会もございます。そうしたその後の中間取りまとめ、中間論点整理を行って以降の動きについて、経過を報告して御意見をいただこうと思っています。

問)

銀行決算ですけれども、不良債権比率の方は目途が見えてきたということはありますが、収益力の向上のところはどう評価されているのかお聞かせください。

答)

これは、それぞれ正に選択と集中、自分の得意分野をどのように見出すかということを、各社がしっかりと経営努力をしておられる。その中で、これは当然のことながら、ある程度時間はかかるわけですけれども、収益力の向上についても、努力を今していただいているというふうに思っています。

そもそも、業務純益そのものは、決して低くない水準にあるわけでありますから、まずはその不良債権の処理のコストを小さくするということが、トータルとしての収益力を高める極めて重要な第一歩になるわけです。今回の決算の1つの重要なポイントは、不良債権の処理コストが、トータルで見て明らかにその業務純益の中に収まったということでありますから、この不良債権を処理していくということ自体が、収益力を高める非常に重要な一歩になる。その上で、それぞれの銀行がそれぞれの競争力を生かして、選択と集中の中で更に努力していってもらうということだと思います。

問)

今の点ですけれども、その不良債権処理コストと実質業務純益の比較という点では仰るとおりだと思うのですが、実質業務純益自体は、去年も高い数字だったということは確かなのですけれども、去年よりも若干減っているという数字になっています。このことの評価はどうお考えでしょうか。

答)

ほぼ横ばいという評価なのではないのでしょうか。もちろん、その業務純益そのものを、更に躍進的に高めていっていただくということ、これは重要なことだと思います。

しかし、繰り返しになりますけれども、これは当然のことながら時間のかかることでもあると思います。人材の育成からやらなければいけないという部門もございますでしょう。そうしたことに対して、時間軸をしっかりと自分たち銀行で設定して、積極的に取り組んでいただきたい、そのことに尽きると思います。

(以上)

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