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竹中内閣府特命担当大臣(金融、経済財政政策)記者会見要旨

(平成16年6月1日(火) 9時22分~9時31分 院内)

1.発言要旨

おはようございます。

閣議がございました。

私から特に御報告すべきこととしましては、閣議ではございませんが、閣僚懇で土曜日のタウンミーティングの報告を、亀井大臣と共にさせていたただきました。農業に関する質問が多かったということに加えて、特区と規制緩和の関係、地域金融の問題等、極めて具体的な問題が多く、高い問題意識を反映していたということ、それと、人口減少の問題とか、非常に長期の構造についての御質問もしっかりとあった、そのような報告をしておきました。

私からは以上です。

2.質疑応答

問)

「骨太の方針」ですが、いわゆる与党プロセスに入る過程かと思うのですけれども、昨日も重点政策の委員会のところで何点か御指摘があって、社会保障の給付費の中期目標について、やはりかなり異論が出たというふうに聞いているのですが、その辺の中期目標が最終的に盛り込まれるかどうかについての大臣の見通しについてお伺いしたいのですが。

答)

これは今プロセスでやっているわけですので、各方面の御意見を聞きながら、しかし同時に、諮問会議で議論したことの主張はしっかりとさせていただきながら、どういう最終的な落ち着きが良いかということを御相談しながら決めていきたいと思います。ここ数日の話でございますから、たくさんまだ問題があると思いますけれども、数日のうちにはぜひ決着させたいと思います。

問)

大臣御自身としては、このテーマについての重要性というものをどういうふうに考えておられるのでしょうか。

答)

基本的には、これは諮問会議の取りまとめとしては、原案で出したものが一番良いと思って出しているわけでありますけれども、しかし、ここは同時に独善的に決めるという性格のものではありませんから、調整は調整としてしっかりといたしたいと思います。

問)

もう一点、「骨太」絡みになるかと思うのですが、三位一体改革のところで、総理の3兆円の税源移譲という御指示があって、代わりに地方の方から補助金の改革の中身について持ってこいというお話だったかと思うのですが、この地方の中で具体的にどういう補助金を改革もしくは削減するのかということについて、なかなか取りまとめが難しいのではないかという議論が早くも出ているようですが、この辺の展望をどういうふうにお考えなのでしょうか。

答)

御指摘のとおり、非常に難しいと思います。しかし、今はそういう制度設計を議論する段階ではもちろんないわけで、総理が仰ったことを基本方針として、どのように政府の意思としてきちっと決めるかということだと思いますので、御指摘のような点は大変難しいと思いますけれども、それを言い出すと難しいことばかりでありますので、そこは今の段階では制度設計の問題ではなくて、基本の方針としてきちっと取りまとめたいと思います。

問)

産業再生機構を使ったカネボウの支援策がまとまったわけですけれども、この中で60以上の銀行が債権放棄なりを求められるということです。一方で、不満などもあるようなのですが、銀行に対して望むこと、それから銀行への影響、この辺りをどんなふうにお考えかお聞かせください。

答)

今の段階では、支援が決まっただけの段階ですから、具体的にどうするかというのは、正にこれからだと思います。これは、詳細を我々は存じ上げているわけではなくて、まさにこの問題でのプロフェッショナル集団である再生機構で本当にしっかりと対応していただきたいと思います。

御質問は、銀行に対して期待することであったと思いますけれども、これはそれぞれ痛みを分かち合わなければいけないところもあるでしょう。しかし、企業、特にカネボウのような社会的な存在感のある企業を再生させることは、銀行のためでもあるし、結果的に日本全体のためでもあるというその趣旨をしっかりと御認識の上、それぞれの立場で汗を流していただきたいと思います。

問)

もう一点、インサイダー取引規制、取引などに関する課徴金等、規制することになっています証取法の改正案、今日これは参院で採決の見通しかと思いますけれども、この法改正を踏まえてどんなことを期待されるのか、改めてお聞かせください。

答)

もちろん、法律そのものはまだ審議中でありますので、しっかりと御答弁させていただきたいと思いますけれども、やはり世界の市場というものが日々すさまじい勢いで進化している。そういう中で、常に我々の市場もできることをやっていかなければいけないという状況だと思います。今回、課徴金というものが新しい制度として導入されるわけですけれども、これはこういうものの必要性を我々としては強く認識しておりますし、まずその趣旨を国会でしっかりと説明させていただく。それで、法律にしていただけるということであるならば、それをしっかりと確実に定着させていくこと、ステップ・バイ・ステップだと思います。

問)

UFJに関する一部報道で、金融庁が刑事告発を視野に法務当局と意見調整をしているという報道がありますが、これについての事実関係と、どう思われますでしょうか。

答)

個別の銀行の検査・監督の内容について申し上げられないというのは、これはもう御理解をいただけると思います。我々としては、法令及び様々なルールに則ってしっかりと検査をして、その検査の結果を踏まえてしっかりとした対応をしていく。粛々とやるつもりでおります。

問)

「骨太」に入っていた、「日本経済21世紀ビジョン」というのは、これはどういう方向性を示すものかということについてお聞かせください。

答)

日本経済の方向性をビジョンとして示すもので、これは議論してみないと、そんなに簡単に今の時点で方向は分からないと思います。

ただ、いずれにしても、先程もタウンミーティングのことで申し上げましたけれども、経済は目の前にやらなければいけないことがもうたくさんあります。金融でいえば不良債権のことであり、経済でいえば規制緩和、特区の問題であると。そういうことをしっかり一方でやりながら、しかし例えば、これから四半世紀後の日本の人口はどうなっているのか、地方の人口分布はどうなっていくのだろうか、日本の貯蓄と投資のバランスはどうなって、その時にマクロ経済のバランスはどうなっているのだろうか、その時に中国経済の大きさはどうなっているのだろうか、そういうことを踏まえて、やはりそのビジョンを持ちながら、それを今の政策に反映させていく、やはりここは大事なことだと思います。このビジョンの部分について、まさに官民の英知を結集してそういうビジョンを議論しようではないかというのが、今、「骨太」の中で1項目として挙げられておりますので、これを私は大変意味のあることだと思っています。しっかりと対応したいと思います。

問)

原油の問題なのですけれども、価格の高騰に関して、航空会社が一般価格への転嫁を始めたようですけれども、景気の回復が見られる中で、その影響とかはどのように考えていらっしゃいますか。

答)

一般的に言いますと、価格の転嫁というのは、今回非常に低いのです。むしろ、各部門、川上、川中、川下の部分で、いろいろな価格の上昇を吸収していっているというのが現状だと思います。今、御指摘のエアラインの話というのは、私は直接所管しておりませんので、個別の事情は詳しくは分かりませんけれども、そうした中で少しそれを転嫁するという話が出てきているということだと思います。

しかし、ここはそれぞれの市場が競争的な中で、一方で経営努力でできることは吸収していって、今の経済全体が動いていると思っています。これは、もちろん経営判断でありますから、経営判断は間違いなくしっかりやっていただきたい。基本的には、コスト削減等の経営努力を踏まえながら、生産性を向上させていっていただきたい、そのように思います。

(以上)

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