竹中内閣府特命担当大臣(金融、経済財政政策)記者会見要旨

(平成16年6月18日(金) 11時14分~11時27分 金融庁会見室)

1.発言要旨

おはようございます。

閣議がございました。閣議につきまして、私から特に御報告することはありません。閣僚懇についても、同様であります。

1点、閣議で官房長官から、法案の成立状況について御報告がございました。この国会は120件、条約21と伺っております。閣僚懇等々でも、特に発言はありません。

閣議後、若者自立・挑戦戦略会議が開かれました。御承知のように、関係4大臣に今回から官房長官が加わられて、これから「骨太」等々で示された人間力強化のための戦略を検討していくことになります。私からは、

この「若者自立・挑戦プラン」の実効性、効率性を高めるべく、アクションプランを取りまとめるということが「骨太」に織り込まれている。しっかりやっていきたいと。特に、フリーター、無業者に対する働く意欲の涵養、向上等々、この部分については必ずしもこれまで十分ではないと思うと。例えば、NEET──NEETというのは、Not in Education,Employment,Training──NEETや、就職未経験者等も対象に見据えたものであり、内閣府としてもこうした制度に関する提言を検討していきたいと思うので、関係省庁においてもよろしく御検討をお願いしたい。

私からはそのような発言をさせていただきました。

私からは、以上です。

2.質疑応答

問)

昨日、総理が記者会見で、年金とか社会保障を総合的に検討するための新しい一元的な組織を立ち上げるということを仰って、それは1カ月以内にというかなり早い立ち上げをイメージされているようなのですけれども、これは「骨太」の中にも、この年金問題を一元的に論議していくというものがあったと思うのですが、この新しい組織のイメージ、現職の閣僚の方がお入りになってやることになるのかとか、経済財政諮問会議との関係はどうなるのか、その具体的なイメージを、もし現段階でお分かりのことがあったら教えてください。

答)

私の理解では、これは内閣官房の方で色々と御検討だと思っております。色々これまでも議論がなされていました。もちろん、党は党でおやりになると。政党の間でも、与野党を含めてそういうことも検討しておられる。一方で、財界、労働界等々も含めた検討の場を作ると、恐らく昨日言及されたのは、そのような御趣旨ではなかったのかなと思いますけれども、それは内閣官房の方で色々なことをお考えであると思います。我々としては、政府の中での議論の場として、これは厚生労働省の審議会等々もありますが、引続き経済財政諮問会議で、政府の中の議論としては、我々としてはしっかりやっていくということになろうかと思います。その上で、労働界、財界との話というのは、これは内閣官房の方で色々な提案を踏まえて、今、御検討中であると思います。

問)

昨日、大臣は、参院選に向けて党から正式に公認を受けられていると思うのですけれども、改めましてどんなことを選挙で訴えていかれるのかと、それからどんな選挙運動を展開なされるのか、お聞かせ願いたいのですけれども。

答)

一昨日の夜、総理とお話をして急遽決定したと。全く、スタッフもなければ事務所もなければ何も決まっていない状況で、昨日、慌ただしくその準備を始めたという、本当に慌ただしく何もないところから始めたという状況であります。

何を訴えていくかということに関しては、これはもう繰り返し申し上げていますように、構造改革は本当に必要なのだ、どこまで今来ているのだと、今後更にそれを進めていかなければいけない、そのために今パワーアップが必要なのだと、そのようなことを私なりに実直に訴えていきたいと思います。

いずれにしても、政策等々、私なりの公約のようなものは取りまとめなければいけないと思っておりますので、その然るべき時点できちっと発表させていただきたいと思います。

問)

UFJについて1件ですけれども、検査結果及び決算に対して、銀行側のヒアリング、これがかなり大詰めに来ていると思います。来週、株主総会もありますし、総会を前にして、行政としてどのような対応をするのか、そういう最終判断を下す時期に来ていらっしゃるのではないかと思うのですが、これについてまずお願いします。

答)

御承知のように、決算に向けて様々な報告を求めるものは報告を求めて、監督のプロセスを、今、粛々とやっております。その時間的な意味での大詰めといいますか、そういう段階であるという御指摘もそのとおりであると思います。

ただ、これは個別の監督の内容については、まだ正に今、鋭意、一生懸命作業中でありますので、ちょっと今の時点で申し上げるということはできないと思っております。

いずれにしましても、法令に則って、ルールに則って、金融監督の当局として果たすべき役割をしっかりと果たしていきたいと思います。

問)

外国為替証拠金取引についてなのですが、今、金融審議会で法的規制について色々検討なさっていると思います。昨日ですか、福岡県警の方で事件がありまして、このところ、非常に投資家が被害を蒙るトラブルが相次いでいるだけに、法規制までになると、まだかなり時間的なものもあると思いますが、金融庁として何らかの対応ができるのか、業者も、金融機関と色々取引なさっていると思いますので、そこら辺の何かお考えがあれば伺いたいと思います。

答)

外国為替証拠金取引の話は、これは国会でも確か質疑で出ていたと思いますし、我々も問題意識を持って考えています。これは、顧客の保護ということで、何らかのルールの設定、規制等がやはり必要なのかということで、それについて今、正に検討を審議会でいただいているところであります。どのぐらいのペースで、時間的なスケジュールというのは、正確に聞いておりませんけれども、問題意識は持っております。しっかりと、ここはやはり対応していかなければいけないと思います。

いずれにしましても、色々な新しい金融商品が出てきて、その中での投資の保護のあり方という全体の話、それと今回の外国為替証拠金取引という目の前にある問題、それをやはり整合的にどのようにしていくかという観点からの検討が必要だと思っております。

問)

2点ほどお伺いします。

1点は、選挙のことなのですが、一昨日もお伺いしましたけれども、国民年金の未納問題、一昨日のお話ですと、それも含めて御決断、検討されるというお話でしたけれども、その部分はどう御自身の中で整理されたのか、国民、有権者から理解を得られるというようにお考えかという点が1つと、あと、最近、長期金利は2%台をにらむ形になっていますけれども、これも最近何度か伺っていますが、改めましてこれは良い影響をもたらすのか、あるいはちょっとネガティブな方向の上昇なのか、金利についての御評価が2点目です。2点お願いします。

答)

繰り返し申し上げますけれども、結果的に国民年金の未納期間が11カ月あるということに対しては、繰り返し申しわけなく思っています。その上で、そういうことも含めて、制度に対する不信、不満というようなものが幅広くあるということも認識をしています。この問題、制度に対する信頼感をどのように回復していけるのかと。年金の体系そのものを、どのように整合的に将来持続可能なものにして安心を確保できるのか、そういうことも広くやはり政策の中の重要な問題と位置づけた上で、皆さんにしっかりと訴えていきたいと思っています。

金利についても、度々御質問いただいておりますけれども、金利はポジティブな部分とネガティブな面があると。ネガティブな要因というのは、国債に対する信認が低下した場合はそうであるけれども、現状ではそのようには必ずしも見ておりません。成長期待が高いという、そのポジティブな面が金利に現れているという色彩が強いと思っています。

問題は、その金利上昇のペースでありますけれども、客観的に見ますと、過去の景気上昇局面に比べて、今の金利上昇ペースが早い、過去に比べて早いという状況ではないと認識をしています。しかしながら、そうした点も含めて、やはり注意をして我々としては見ていきたいと考えているところであります。

問)

今回、立候補するということで、いわゆる大臣が仰られていたPolicy Intellectualというものの位置付けと、議員になるということの位置付けの関係というものをどう捉えられているのかと、それに半分関連しますが、失礼ながら、可能性として、得票が低くて落選される、あるいは非常に低得票であった場合に、閣僚をお続けになるのかどうか。この2点について。

答)

まず、Policy Intellectual、よく以前からそういう問題意識を持ってお話ししてきていますけれども、問題意識を共有した政策専門家の集合体というような意味だと思います。それは、例えば大学で教鞭をとっている人、シンクタンクの研究者の人、そして皆さんのようなジャーナリストの方、更には政治家、政治家のスタッフ、どのような職業についているか、どのようなポジションについているかを問わずに、政策をしっかりと科学的に考えて良くしていこうという、そういう問題意識を持った専門集団のネットワーク、それがPolicy Intellectualsだと思っています。

従って、どのような肩書、ポジションにいるかということではなくて、政策を良くしようと。そのために、その政策を、科学的な手法も含めてしっかりと対応していこう、それがPolicy Intellectualsですから、私が立候補するかどうかということとは、これは関係がない問題だと思います。

あと、得票の問題ですけれども、これは選挙ですから、本当にどういうことになるか、分かりません。その上で、こうなったらああなるというような仮定の質問には、やはりお答えのしようがないと思います。立候補させていただく以上、1票でも多くいただけるように頑張るつもりであります。

問)

総理と会った時に、どうやって説得されたのですか。一部の報道で、竹中さんが出馬すれば、かなり集票ができるという調査を自民党がされたようですけれども、やはりそういうものも考慮して決断されたのですか。

答)

そういう票のお話はありません。選挙というのは、やってみないと分からないと。総理から言われたことは、2点ですね。構造改革は、これから更にパワーアップしなければいけないと。そのパワーアップということに関して、今の時点で竹中さんが国会議員に立候補するというのは意義があることなのだと、その話。それともう1点は、あなたは小泉構造改革が何かというものを一番良く説明できる立場にあるのだから、しっかりとこの機会に国民の皆さんに説明してくれと、この2点。大変、説得的な御説明だったと思います。

(以上)

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