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伊藤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成16年10月22日(金) 9時20分~9時28分 院内)

【大臣より発言】

今日の閣議でありますが、私共に関係する案件はございませんでした。閣僚懇談会においては、台風23号の非常災害対策本部の設置について村田大臣から御発言があり、今回の災害対策についてしっかりやっていこうということで閣僚間の意見交換があったところでございます。

私の方からお話をさせていただきたいことが一点あります。この度の「基本方針2004」で年末を目途に策定することになっております「金融重点強化プログラム(仮称)」でありますけども、これにつきまして外部有識者より幅広く意見をいただく観点から、私の私的懇談会として有識者による「アドバイザリー・チーム」を設けることといたしたいと思います。メンバーには次の5名の方々に参加をしていただきたいと考えております。ITの実情に精通しているとの観点から経済同友会の副代表幹事を務めておられる金丸恭文(かねまる やすふみ)フューチャーシステムコンサルティング株式会社代表取締役社長。金融・企業財務戦略に精通しているとの観点から木村剛(きむら たけし)KFi株式会社代表。そして事業再生・企業再生の実情に精通しているとの観点から田作朋雄(たさく ともお)PwCアドバイザリー株式会社取締役パートナー。そして金融関連の法制度に精通しているとの観点から金融庁のコンプライアンス室長も務めていただいております野村修也(のむら しゅうや)中央大学法科大学院教授。内外の金融資本市場に精通しているとの観点から水上慎士(みずかみ しんじ)早稲田大学ファイナンス研究センター教授。5名の方々に参加をしていただく予定であります。第一回の会合は10月26日火曜日に開く予定でありまして、今後「金融重点強化プログラム(仮称)」の策定に向けて幅広くご意見をいただきたいと考えております。

【質疑応答】

問)

西武鉄道の有価証券報告書の虚偽記載問題で、親会社のコクドが虚偽記載があるという事実を伏せた上で、取引先の企業に購入を持ちかけていたという問題が浮上しておりますが、この取引はインサイダー取引であるとか、独禁法で禁じられた優越的な地位利用の禁止に抵触するのではないかという疑いが持たれていますが、この件について大臣の御見解をお願いします。

答)

西武鉄道・コクドの問題については、有価証券報告書の虚偽記載やインサイダー取引に関する報道がなされていることは承知をいたしております。西武鉄道・コクド等は関東財務局に有価証券報告書の訂正報告書等を提出をいたしておりまして、個別事案に係る仔細についてのコメントはできないということはお許しいただきたいと思いますが、同財務局において訂正等の内容及び経緯等について必要に応じて確認を行うこととなります。また一般論でありますけれども、仮に有価証券報告書等の虚偽の記載や、或いはインサイダー取引に該当するという事実があると疑える場合には、証券取引等監視委員会が必要に応じて調査を行うことになります。

問)

財務局の方の審査体制の不備と言うか、限界にきていると思いますけれど、大量の提出がある中で少ない人数でやっているということで、審査体制の限界があるのではないかという見方もありますが、体制の見直しとかについて大臣のお考えはありますか。

答)

今ある体制でしっかりやっていかなければいけないと思っております。今ご承知の通り金融庁全体の仕事のあり方ということを見直していくということで、金融庁総点検プロジェクトというものを今させていただいておりますので、その中で今御指摘があった問題も含めて総合的にこれからの金融行政を円滑に推進していくに当たって、どのような形の改革や改善をしていかなければいけないのか、そのことを検討して対応を考えていきたいと思っております。

問)

今日シティバンクから業務改善計画の提出があると思いますが、これから再発防止策、ガバナンスの強化にむけて取り組みがなされていくかと思いますが、改めて大臣の方から御見解と言うか、コメントがありましたらお願いします。

答)

シティバンク・エヌ・エー在日支店においては、公益を害する行為や、或いは重大な法令違反行為等が確認をされたため、9月17日に支店等の認可の取消し、業務の一部停止及び業務改善命令を発出したところであります。またコンプライアンス態勢の構築、ガバナンス態勢の抜本的な見直しとして、役職員の責任の所在の明確化、並びに再発防止に向けた業務改善計画の提出を求めているところであります。当庁といたしましては、本日提出される業務改善計画の内容を精査いたしまして、必要なフォローアップをしっかり行なっていきたいと考えております。

問)

先程のアドバイザリー・チームですけれども、どの位の頻度で行なうのですか。それからどのような意見を求めたいと考えておられますか。

答)

頻度につきましては、メンバーの方々と御相談をさせていただいて今後のスケジュールというものを考えていきたいと思っております。アドバイザリー・チームの皆様方は、各分野に精通した、特に実務に精通した皆様方でありますので、そうした観点から今後の金融行政のあり方、或いは金融改革について幅広く御意見を伺いたいと思っております。

問)

重点強化プログラムにその意見を反映させていこうかという考えですか。

答)

今私が大臣に就任させていただいて、金融庁としての新しいプログラムについての検討をスタートしたところでありますが、こうした外部の有識者の皆様方から幅広く御意見をいただいて、それをそうした検討の中に反映をさせていきたい。また私自身の責任として、そうした皆様方の御意見をいただきながら金融庁としてしっかりとしたプログラムを取りまとめていきたいと思っております。

問)

プログラム自体は年内が取りまとめの目途でしたか。

答)

年内を目途にして取りまとめをしていきたいと思っております。

問)

タスクフォースは並存していくのでしょうか。

答)

タスクフォースは御承知の通り、不良債権問題についての進捗ということについて幅広く御意見をいただくということもありますし、或いは特別支援金融機関に対する事業計画、これの履行状況をモニタリングするという役割を担っていただいておりますので、こうしたタスクフォースの存在は大変貴重なものだと考えておりますから、タスクフォースは存在させていただきたいと思っております。またタスクフォースの先生方につきましても、これからの新しいプログラムについて色々御意見や御提案を賜りたいと思っておりますので、そうした機会も作らさせていただきたいと思っております。

(以上)

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