伊藤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成16年12月14日(火)11時19分~11時27分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

閣議がございまして、私共に関係して答弁書が二つございました。一件は、櫻井参議院議員提出の「ヤミ金融対策に関する質問に対する答弁書」、これは法務省と共の担当になります。そしてもう一件は、藤末参議院議員提出の「新たな信託業法の運用に関する質問に対する答弁書」でありました。閣議については以上です。

それから私の方から一件、発言をさせていただきたいと思っております。それは、昨日、当庁と米国のFIUとの間の情報交換の枠組みを構築するため、両国当局間の情報交換取極について署名が行われました。本情報交換取極は、犯罪収益やテロ資金に関わる疑いのある取引の情報の交換手続き等を定めたものでありまして、今後、米国FIUとの間で迅速な情報交換が可能となります。

また我が国と米国は、経済・金融面での関係が深いこともあり、米国との間で犯罪収益やテロ資金の疑いのある取引に関して迅速な情報交換を行うことは、我が国の犯罪対策やテロ資金対策の見地からも重要であることから、本取極の締結は、非常に意義あるものと考えているところであります。

なお、この取極の詳細につきましては、後程事務方からご説明をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【質疑応答】

問)

金融審議会ですけれども、ディスクロージャーの改善の問題をやっていると思いますけれども、これは年内に中間的な取りまとめが出来るような情勢になっているのでしょうか。

答)

ディスクロージャーの問題につきましては、昨今の不適切な事例が続く中で、私共として11月16日に対応策を取りまとめさせていただき、その中で金融審議会の担当のワーキンググループでディスクロージャーの問題について、ご議論をいただいているところでございます。現段階において、そうしたご議論がどういう形でスケジュールを含めて進んでいくかということについては、今、私の方からまだ申し上げられる段階にはありませんが、対応策の中で打ち出させていただいた一つ一つの対策というものを強力に進めていくために、私共としてもしっかり取り組んでいきたいと思っているところです。

問)

市場の信頼回復という点では、やはり西武鉄道の有価証券報告書の記載問題の全容の解明が大事だと思いますけれども、証券取引等監視委員会の調査の状況というのは、今、どういう段階にあるのでしょうか。

答)

監視委員会の問題について、個別の事案について、私の方からコメントさせていただくということについては控えさせていただきたいと思います。一般論として申し上げれば、問題のある事案であった場合には、それを調査し、そして調査の結果、法令に抵触するようなことがあれば、法令に基づいて厳正に対応していくものと考えているところであります。

ディスクロージャー制度に対する国民の信頼が揺らぎかねないというこうした状況の中で、先程お話をさせていただいたように、私共として、対応策を発表させていただいたところでありますけれども、この信頼を確保していくためには、まず市場関係者の間で、特に、開示企業、監査法人、公認会計士、そして市場開設者、それぞれが、こうした問題の重要性というものを十分認識をして、それぞれの立場で、信頼を確保するための取組みというものを強力に進めていくことが大変重要なことだと思っております。証券取引市場の信頼を確保するためにも、適切な情報開示、そして公正な取引を行うということは言うまでもないことでありますので、私共もそうした認識の下に先程からお話をさせていただいているように、対応策の一つ一つを強力に推進をしていきたいと思っております。

問)

証券取引等監視委員会の場合、犯則調査でありますから慎重を期すということなのでしょうか。

答)

一般論として申し上げます。疑いのある問題の事案があれば必要に応じて調査を行うことになります。そして調査の結果として法令に基づく違反行為があればルールに基づいて厳正に対応していくことになろうかと思います。

問)

税制改正ですが、定率減税の問題がかなり話題になっていますが、自民党の税調では不良債権も大分減ってきたので、ここで減税を縮小しても景気は維持できるであろうという意見が大勢であると思いますが、金融機関を遍く御覧になっているお立場からして、やはりこういう大勢意見に同意できるものだとお考えなのでしょうか。

答)

私共として、平成17年の税制改正の要望については、貯蓄から投資への推進やそして金融と企業の再生の観点から改正要望を行っているところであります。したがって、こうした観点の中で与党におかれては多くの金融関係税制の改正要望項目について前向きにご議論をいただいていると承知を致しておりますので、そうした点からしますと、与党のご議論に対して心から感謝をいたしているところでございます。税制改正については、与党の税制大綱の中でその結果が公表されるわけでありますが、その中で私共としては要望が実現できるように全力を尽くしていきたいと思っております。

問)

定率減税を縮小しても景気は腰折れしないと思っていらっしゃいますか。

答)

重ねてになりますが、私共は、今回の税制改正要望の中で「貯蓄から投資へ」の推進、そして金融と企業の再生の観点から税制改正要望を行わせていただいているところでありますので、こうした税制改正要望を実現することによって日本経済の活性化に資していきたいと思っているところです。

問)

銀行の代理店の件なのですが、金融庁は郵政の関係で海外調査をされたり、郵政の場でコメントされているようなのですが、大臣としてどのような問題点があるとお考えなのでしょうか。

答)

利用者の方々の利便性を向上させていくために、よりよい環境を作り出していくということは非常に大切なことではないかと思っているところです。それをどうやって実現していくかということについては、色々ご議論のあるところでありますので、利便性の向上と、一方で利用者の方々が安心して利用できる環境をしっかり作り上げていくということ、この二つをしっかりバランスをとって改革を進めていくことが非常に重要なことではないかと思います。

(以上)

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