伊藤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成17年2月10日(木)9時40分~9時51分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

閣議がございまして、私共に関係する案件がございました。「証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令」及び「証券取引法の審判手続における参考人及び鑑定人の旅費及び手当に関する政令」が閣議決定されたところでございます。閣僚懇について私から特に発言はいたしておりません。

以上です。

【質疑応答】

問)

三井住友フィナンシャルグループと大和証券グループが経営統合に向けて本格交渉を進めているという一部報道がありますけれども、事実とすれば金融庁が環境整備を進めております金融コングロマリットに向けた動きも加速する可能性がありますけれども、これについて御意見、御感想をお願いいたします。

答)

そうした報道がなされていることは承知いたしておりますけれども、これは個別の問題でありますので私共としてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。

問)

個別の問題ですけれども、銀行と証券が業態の垣根を越えて融合していくとか、もしくはそういった形で統合していくというような流れについては、今後の日本の金融業界の例えば国際競争力とか、サービスの色々なラインナップを揃えるとか、そういった点からどういうふうに好ましいものなのか、その辺どういうふうに考えられているでしょうか。

答)

一般論としてお話をさせていただくとすれば、そうした金融機関の統合、或いは業態の垣根を越えた事業提携、アライアンスというものは各金融機関の高度な経営の判断の問題でありますけれども、利用者の視点に立って企業統治の向上でありますとか、或いは事業戦略、財務戦略上の効果につながって収益力や信頼性というものが向上していく、そのことに資することが重要なことではないかと思います。

問)

金融当局としてはコングロマリットの法整備を、そういった基盤整備をやっていこうということだと思うのですが、そういう意味ではこういう業態を越えた統合という流れはある程度将来の日本の金融のあり方として、一つの形として想定されていると思うのですが、その辺は如何でしょうか。

答)

まず誤解がないように申し上げたいと思うのですが、私共が現時点の段階で今お話がありましたようなコングロマリット法を具体的に準備させていただくということではございません。「金融改革プログラム」の発表の時にもお話をさせていただいたように、今業態を越えて国際的な議論の場で世界の監督当局者が集い、そこで金融のコングロマリットについての監督上の諸問題でありますとか、その中でリスク遮断や金融機関の健全性というものを確保していくために様々な議論がなされておりますので、その議論を踏まえて金融のコングロマリットに対して監督上どう対応していくのか、法制的な整備が必要であればそうしたことを踏まえて検討していきたいということを「金融改革プログラム」の中で表させていただいたところであります。

また金融のコングロマリット化ということを行政が奨励するとかしないとかという問題ではなくて、先程お話をさせていただいたように、こうした問題というのは極めて高度な経営戦略の問題、或いは高度な経営判断の問題であります。そうした中で一番大切なことは、利用者の視点に立ってどのような経営展開をしていくのかということでありますので、それぞれの金融機関の方々が利用者の方々から評価されるような、多様でそして質の高い金融商品やサービスというものを提供していくに当たっての経営の様々な戦略というものが展開されていかれるということではないかと思います。

問)

メガバンクについてなのですけれども、前の竹中大臣がよく仰っていたのが、日本におけるメガバンクの役割というのは、不良債権問題から早く脱却して国際マーケットで十分勝負できる、そういう銀行になっていくべきだということを仰っていて、伊藤大臣も当時から一緒にやっていらっしゃったのでその考えは一緒ではないかと推察するのですけれども、そういう視点からいった場合、今回の交渉が実際実現した場合、国際マーケットにおける日本のメガバンクという意味での評価と言いますか、どういったことを期待されるかという点では如何でしょうか。

答)

重ねてになりますけれども、個別のことについてのコメントは差し控えさせていただきたいと思いますし、個別の問題を前提にしたお話というのは控えさせていただければと思います。一般論で申し上げれば「金融改革プログラム」を策定させていただきましたのは、金融を巡る状況、局面というものが不良債権問題の緊急対応から、将来の望ましい金融システムを目指す未来志向へ局面が変わりつつあると、その中で活力ある金融システムを構築していくための私共としての構想を発表させていただいたところでございます。私共からすれば金融機関の方々が利用者の様々なニーズに的確に答えていただけるような創意工夫が活かされるようなフィールドというものをしっかり整備していくということになろうかと思います。利用者の側から見れば国際的にも最高水準の金融機能というものが利用者のニーズに応じた形で提供されていくということも非常に重要なことではないかと思いますので、そうした様々なニーズというものに対して的確に答えていただけるような経営ができる環境整備というものを私共としてもこれから更に一層努力をして取り組んでいきたいと思っております。

問)

偽造キャッシュカードの問題なのですけれども、金融庁が対策を要請するということを表明してからメガバンクを始め少しずつ重い腰を上げて対策を徐々に取り出したという印象があるのですが、そういった動きについて大臣として今どのように見ていらっしゃるかというのを教えていただきたいのですけれども。

答)

この問題については先般も全国銀行協会において申し合わせがなされたところでありますので、私共とすればそうした申し合わせの中でより一層取組みというものが強化されて、そしてそのことによって着実にこの問題に対する成果がなされていくことを期待しているところであります。またそうした取組みの実効性というものが本当に上がっていかなければいけないわけでありますので、実効性というものが本当に上がっていくのかどうかということを私共としても注意深く見守っていきたいと思っているところでございます。

(以上)

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