伊藤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成17年2月18日(金)8時55分~9時02分 場所:国会内)

【大臣より発言】

閣議でございますが、金融庁に関係する案件はございませんでしたし、また私から発言させていただくこともございませんでした。

私から特別検査のことについてご報告をさせていただきたいと思います。17年3月期に向けて特別検査を実施するか否かについて検討してまいりましたが、今回は主要行全てに対する特別検査は実施しないものの、特別検査限定フォローアップを実施することといたしました。これは「金融再生プログラム」の最終段階に当たって債務者区分の正確性の確認を行っておく趣旨から、対象を前回の特別検査の対象債務者等の一部に絞った上で、リアルタイム検証を行うものでございます。詳細に関しましては、検査局の方にお問い合わせをいただきたいと思います。

以上です。

【質疑応答】

問)

特別検査の事実上の見送りですけれども、限定フォローアップと言うのは全主要行に入るわけではないということでよろしいのでしょうか。

答)

最近においては、主要行の自己査定の質的な向上が図られ、厳格な資産査定が浸透しつつあります。そして不良債権比率の半減目標の達成が視野に入ってきたと、こうした状況の中で「金融再生プログラム」の最終段階17年3月期は目標の達成の時期でありますので、したがって特別検査の対象を絞り込んだ上で、債務者区分の正確性を確認するために特別検査のフォローアップをしていきたいと思っております。

問)

今後の特別検査についてですが、一応役割は終えたということでよろしいのでしょうか。

答)

特別検査は、事後検証を原則とする検査の例外的なものであります。そして不良債権問題への緊急対応の施策の一つとして実施をしてまいりました。したがって、「金融改革プログラム」という新たなフェーズの下においては、原則として全ての検査は事後検証方式で行うことと考えているところであります。いずれにいたしましても、今後においても主要行の大口債務先に対する信用リスク管理の重要性というものは変わらないことから、通常検査において適宜適切に対応するなど、引続き金融システムの安定強化に向けて私共としても努力をしていきたいと思っています。

問)

今朝一部報道で明治安田生命に対して業務停止命令を金融庁が出す方針を固めたという報道があるのですが、これについて大臣からお話はありますか。

答)

そうした報道がなされていることは承知をいたしておりますけれども、個別の事柄でありますのでコメントは差し控えさせていただきたいと思います。

問)

現在の生命保険会社の販売方式について金融庁は何か問題意識をお持ちですか。

答)

一般論として申し上げれば、もし法令に違反するようなこと、抵触するようなことがありましたら、これは法令に基づいて厳正に対処してまいりましたし、今後とも対処していかなければいけないと思っております。

問)

特別検査の確認ですけれど、限定的とは言え最後の特別検査という位置付けで捉えてよろしいでしょうか。

答)

そうですね。最後の特別検査というお話がございましたが、先程もお話をさせていただきましたように、「金融再生プログラム」の最終段階にありますし、17年3月期というのがその目標達成の時期でもございます。その中で確実に目標を達成していくために今までも改革の手綱を緩めることなく取り組んでいかなければいけないということをお話させていただいてきたところですが、16年9月期の特別検査を実施させていただきました。その対象先を絞り込んで、そして債務者区分の正確性を確認するためにリアルタイムの検証を行うために、特別検査の限定フォローアップを実施していきたいと思っております。

問)

対象先を絞り込むというのは、大臣はどのようなイメージを持たれていますでしょうか、対象先について。

答)

その具体的な基準については言及を控えさせていただきたいと思います。これは個別の金融機関や個別の債務先を風評リスクに晒してしまうことになってしまいますので、この点についての言及は控えさせていただきたいと思います。

問)

月内に通知して3月から入るという感じでしょうか。

答)

スケジュールについても、詳細については検査局の方にお尋ねを賜りたいと思います。いずれにしても17年3月期のリアルタイム検証でございますので、その検証ができるような段取り、スケジュール感で金融機関の皆様方にご協力をいただいて検証を実施させていただきたいと思っています。

問)

ニッポン放送株を巡る時間外取引の見直しについてですが、検討状況がどうなっているかということと、昨日までに森前総理や日銀の総裁などが取引についておかしいのではないかという批判の声が出ているのですが、大臣ご自身はどう受け止められておられますか。

答)

できるだけ速やかに検討を進めていかなければいけないと思っておりますし、また技術的なことでありますので部内での検討を早期にスタートさせていただきたいと思いますが、今この段階で今後の具体的なスケジュール等についてまだお話をさせていただく段階にはないと思っております。

また、私共といたしましては、やはり証券市場の信頼性というものを確保していくためには、市場の透明性或いは公正な取引が確保されるということが極めて重要なことであると認識しております。そうしたことを実現するために、今ある制度の中で何か課題がある、或いは問題があるとするならば、その点について不断の見直しの努力はしていかなければいけないと思っております。

(以上)

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