伊藤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成17年3月11日(金) 9時09分~9時18分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

本日閣議がございまして私共金融庁に関係する法律案が二件ございました。皆様方御承知の通り、一つは「保険業法等の一部を改正する法律案」でございまして、この法律案は金融資本市場の構造改革を推進し、保険契約者等の保護の一層の充実を図るため保険業法の定義を見直し、特定の者を相手方として保険の引受けを行う事業について、原則として保険業法の規定を適用するとともに、保険契約者保護制度に関し保険契約者の特性に合わせた補償内容等の見直しを行う等、所要の措置を講ずるものであります。

もう一つの法律案は「証券取引法の一部を改正する法律案」でございまして、本法律案は最近の証券市場を巡る情勢の変化に対応し、及び我が国の証券市場の国際競争力の向上を図るため、公開買付制度の適用範囲の見直し、親会社等状況報告書制度の導入、外国会社等の英文による開示制度の導入等、所要の制度整備を行うものであります。

以上でございまして、閣僚懇等で私が発言することはございませんでした。

以上です。

【質疑応答】

問)

今の法案ですけれども、これから国会で審議が始まるということで、今もちょっと仰いましたけれども、保険業法とか、あと証券取引法は立会外取引の規制、TOB規制の対象に含めるという話も入りましたけれども、改めて今後の審議に向けて、この国会で審議していくことの意義をお願いします。

また銀行法はまだ手続が遅れているという状況が続いていると思うのですけれども、これについて今後の見通しも含めて大臣のご所見をお伺いしたいのですが。

答)

保険業法の改正案の方でありますけれども、この改正は現行制度で規制の対象外となっております共済について契約者保護のためのルールを適用するものであり、保険のセーフティネット制度の見直しと併せて、契約者保護の充実を図るために大変重要なものだと考えております。

また証券取引法の改正案につきましては、証券市場に対する信頼性を確保すると同時に、市場の国際競争力を向上させる観点から重要な改正であると考えておりますので、両法律案につきまして今国会での早期の審議・成立をお願いするものでございます。

それから「銀行法の一部を改正する法律案」ですけれども、御承知の通り今自民党の財務金融部会長、そして金融調査会長が預かるとされているところでございます。金融庁といたしましては、予算非関連法案の締切日が3月15日、来週ということでございますので、提出することは極めて厳しい状況にあると認識いたしておりますけれども、与党における御議論等も踏まえながら、与党と十分調整させていただいて引続き法案提出に向けた準備作業を進めていきたいと考えております。

問)

ライブドアですけれども、ニッポン放送の新株予約権の発行差止め請求の仮処分申請ですけれども、今日中にも結果が出るのではないかとされているのですが、大臣のご所見をお願いします。

答)

今の御質問はまさに個別の事案でありますし、司法に判断を委ねられている事案でございますのでコメントは差し控えさせていただきたいと思います。

一般論として申し上げれば、金融資本市場の発展のためにはそれぞれの関係省庁が適切な対応をしていくということが極めて重要でありますし、私共といたしましては証券市場の信頼性を確保していくためには透明性、公正性というものを保っていくことが大変重要なことだと考えております。こうした観点から仮に措置を講じる必要性が生じてくるとするならば、適切に対応していかなければいけないと思っておりますし、関係省庁とも密接に連携を図りながら投資家の保護、或いは株主の権利の保護に資するように適切に対応していかなければいけないと思っております。

問)

立会外取引の改正の件ですけれども、去る2月4日に発端となった事案があったのですけれど、僅か一月余りで閣議決定という霞が関の常識から考えますと異例のスピードで対応したと、しかも施行についても公布後僅か10日ということでこれも異例のスピードということなのですが、その狙いと言いますか意気込みというのを改めて伺いたいのですが。

答)

「金融改革プログラム」の中でも金融資本市場の発展の重要性というものは明示させていただいておりますし、今後日本経済が発展していくためにも金融資本市場の健全な発展というものは非常に重要なことだと思っております。従って私共といたしましては市場の動向というものを常に注視していかなければいけないわけでありますので、その中で仮に市場の公正性というものを確保する観点から措置を講じる必要性が生じれば適切に対応していくことが必要だと思っております。今回の公開買付制度、TOB制度の規制の適用範囲の見直しというものは、こうした観点から市場の公正性の確保に資するものにつながるということを期待いたしているところでございます。

問)

二法案は閣議決定されたということでよろしいのでしょうか。

答)

はい、法律案を閣議決定させていただいて、それでこれから国会での御審議をお願いさせていただきたいと思っております。

問)

足利銀行の一時国有化に関して現在、栃木県内の複数企業、かなり多くの企業なのですが、国を相手取って訴訟を起こしているところです。先日あしぎんフィナンシャルグループの更生計画に関して、これは預金保険機構なり整理回収機構なりで検討されていることだと思うのですが、更生計画に関して国側が同意してくれるのならば、国に対しての訴訟は取り下げる方針だという意向を地元企業が明らかにしました。早期決着を図るためにかなり地元企業の方々も切実な思いがあると思うのですが、これに関して大臣の御見解をお伺いできればと思うのですが。

答)

今御質問の件につきましては、預金保険機構において適切に対応されていると思いますし、私共といたしましては以前もこの点について御質問がございましたが、国民負担をできるだけ最小限にしていくという観点の中で、更生手続について預金保険機構とも連携を取りながら適切な対応をしていきたいと思っております。

(以上)

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