伊藤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成17年4月5日(火)9時50分~10時01分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

閣議でありますけれども金融庁に関係する案件はございませんでした。閣僚懇で官房長官から、故ヨハネ・パウロ2世ローマ法王の葬儀への特派大使の派遣について、川口順子総理大臣補佐官を特派大使として派遣する方向で調整中である旨の発言がございました。

また郵政の民営化の問題について、昨日政府としての案を発表したわけですけれども、そのことについて官房長官からお話がございました。また総理からも与党との議論を進め、そして4月中に法案を提出していきたい旨の御発言があったところでございます。

以上です。

【質疑応答】

問)

郵政民営化の件ですけれども、大臣は関係閣僚としてこの骨子の取りまとめにも関わられてこられたと思うのですが、そういった立場からまず大臣の方から内容について御所見を伺いたい。

答)

総理の下で関係閣僚が議論をしながら、政府としての考え方の取りまとめの作業を週末も含めて続けてきたわけであります。そうした議論の中で今まで皆様方にお話をさせていただいているように、私共金融庁といたしましては民間金融機関との競争条件や、或いは金融資本市場への影響等、金融行政の観点を踏まえて議論に参加させていただいたところでございます。今回取りまとめた内容というのは、昨年9月の基本方針に基づき制度設計が行われた結果のものと考えておりますので、今後与党と十分議論をして、そして与党の皆様方の理解が得られるように閣僚の一人としても対応していきたいと思っておりますし、また今回の取りまとめの内容に沿って適切に金融庁として対応していきたいと思っております。

問)

議論の中で焦点になった郵貯と簡保の株の持合いですけれども、この株について2017年までの10年間で完全売却ということになって、ただそれ以降は株の持合いを容認するという内容になっているわけですが、これについて骨抜きになっているのではないかといった声も出ているのですけれども、大臣はどのように見られていますでしょうか。

答)

今御質問のありました民営化後の各会社間の株式持合いについては、持ち株会社の下でのグループ経営を可能とするため、移行期間が終了した後には特殊会社としての性格を考慮しつつ、経営判断により他の民間金融機関と同様の株式持合いを可能とする。移行期間中については代理店契約の法律上の義務付けと持ち株会社による郵便貯金銀行、郵便保険会社株式の保有により一体的経営は確保されているところでございまして、基本方針に基づき制度設計を行ってきた結果このような取りまとめの内容になったものと認識いたしているところであります。

問)

カード犯罪の被害補償ルールについてお聞きしたいのですが、大臣は予てから「実効性が大切である」というお話をされてきましたが、被害者の方々のお話を聞くと、「カードがたまたま偽造されたか盗まれたかによって補償のされ方が違ってくるというのは理不尽である」ということを仰る方が多いのですが、つまりルールの実効性に疑問を呈していらっしゃるのですけれども、この点大臣はどのようにお考えでしょうか。

答)

今の御質問は無権限取引一般についてということだと思いますけれども、今回私共が偽造キャッシュカードに焦点を当ててその対応策について議論を進めさせていただいておりますのは、被害者の方々において偽造キャッシュカードによる被害が急増している状況に対して私共としての対応策というものを充実していかなければいけない。そうした問題意識の中で検討させていただき、実態調査を行わさせていただいて、それに基づき金融機関の方々に要請をさせていただき、またスタディグループを設置させていただいて、そして議論を進めさせていただいているところであります。

今後スタディグループにおいても、無権限取引一般について御議論がなされてきた場合にはそうした内容も踏まえて私共としての対応について考えていきたいと思っております。ただ偽造キャッシュカードと盗難キャッシュカード、或いは盗難通帳の問題の被害の発生のあり方というのは、国会でも答弁をさせていただいたように、やはり少し違うところがあろうかと思いますので、そうした実態というものもよく踏まえた上で今後私共として検討を深めていきたい、スタディグループの検討結果というものも踏まえながら考えていきたいと思っております。

問)

今のところ全銀協は被害補償ルールの見直しについて、偽造カードに限定して表明されているのですけれども、全銀協等の団体の対応のあり方として、盗難カードについても何らかの見直しが求められるというお考えでしょうか。それとも現状のルールの運用の改善等で良いのか、お考えはいかがでしょうか。

答)

盗難カード、或いは盗難通帳の実態というものをよく注視していく必要があろうかと思います。今までも被害が発生した場合の適切な対応について、金融機関に対応の充実について要請をしてきたところでございますから、そうしたものの実効性が十分上がっているかどうか、そのことは注視をしていかなければいけないと思いますし、先程もお話をさせていただいたように、スタディグループにおいても無権限取引一般について議論がなされた場合に、そうした議論というものも参考にさせていただきながら、今後の対応のあり方について考えていきたいと思います。

問)

先程郵政の件で、議論の中で民間との競争条件、これはイコールフッティングだと思うのですけれども、それから資本市場の影響等も含まれて議論されたということで、先程のお話の中に含まれているのかもしれませんけれども、改めてそうしたイコールフッティングとか資本市場の影響という観点から今回の政府案というものをどのように評価をされているのかお願いします。

答)

今御指摘のありましたイコールフッティング、或いは金融資本市場への影響、こうした金融行政上の観点からこの政府案の取りまとめの議論に私自身も関係閣僚として参加をさせていただいて、そしてこの案が取りまとめられたと思っております。今後いずれにしましても、与党の方々との議論を十分させていただいて、そして与党の方々の御理解をいただくということが大切でありますので、私も関係閣僚の一人として与党の方々に御理解いただけるように努力をしていきたいと思っております。また今お話をさせていただいた観点は非常に大切な観点でありますので、そうした中で取りまとめられた今回の政府案でありますから、その政府案に沿って金融庁として適切に対応をしていきたいと思っております。

問)

それに関連して、与党の了解が得られなくても法案を提出するということも考えられているみたいですけれども、それについてはいかがでしょうか。

答)

これはとにかく与党の方々と十分議論をして御理解をいただくということが大切なことだと思いますので、私は閣僚の一人としてその努力を小泉総理、そして細田官房長官の下で一生懸命させていただきたいと思います。

(以上)

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