伊藤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成17年5月20日(金)9時08分~9時17分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

閣議並びに閣僚懇談会において金融庁に関する案件はございません。

閣議において小池大臣から中国出張の結果について御報告があり、閣僚懇談会においてスポーツの拠点作りについて、国民スポーツ担当の総務大臣並びに文部科学大臣から御発言がございました。

そして警察と法務省との間における出所情報の共有と連携について、国家公安委員長並びに法務大臣から御発言があり、総理からも「犯罪予防のためにしっかりと各省連携をして欲しい」というお話がございました。

以上です。

【質疑応答】

問)

昨日、自民党の財務金融部会で偽造・盗難キャッシュカードによる預金引出し被害の救済法案の要綱が了承されました。盗難カードの補償期間について30日前以降となっていることの他、補償割合についても50%以上と今後公明党との協議で更に引き上げられる余地も残しています。金融庁のスタディグループの示した案と微妙な相違点があるわけですが、大臣はこの原案をどう評価されているのか、また金融庁として、今後偽造・盗難カード対策についてどういう対応を取っていくのか、改めてお聞かせください。

答)

今お話がございましたように、自民党において偽造・盗難キャッシュカードの問題について、被害補償のあり方も含めて精力的な議論が行われ、そして昨日の合同会議において偽造・盗難キャッシュカード被害からの預貯金者の保護等に関する法律案の要綱が了承されたことは承知をいたしております。自民党の法律要綱と第二次中間とりまとめ、スタディグループで示されたルール等の間では補償の対象範囲、そして預金者の無過失の立証に関する規定振りと言った一部の点が異なっておりますが、私共といたしましては引続き与党においての協議が行われることから、議論の動向を注視する必要があると思っております。また自民党の法律要綱とスタディグループが示した第二次中間とりまとめとの間においては、大本の基本的な枠組み、考え方は大きく異ならないものと承知をいたしているところでございます。いずれにいたしましても、議論の動向を私共としても注視をしていきたいと思っております。

問)

金融庁では、顧客情報の紛失を起こしたみちのく銀行に対して是正勧告を出す方針のようですが、同銀行への対応も含めて今後金融庁として金融機関の個人情報保護に関してどういうスタンスを取る方針なのかお聞かせください。

答)

みちのく銀行につきましては、4月22日に顧客情報が記録されているCD-ROM3枚の紛失が発生した旨の公表を行ったところでございますけれども、個別の金融機関に対する行政上の対応に関してのコメントは大変恐縮ですが差し控えさせていただきたいと思います。

一般論として申し上げれば、個人情報保護上の問題が認められた場合には、法令に基づき適切に対処してまいりたいと考えております。

問)

小田急グループの有価証券報告書の提出についてですが、金融庁が有価証券報告書の一斉点検を強制してはいないとは言えお願いをしていて、それに対しては訂正の必要なしと回答していた会社がその後訂正しているということですが、それについての御所見をお聞きしたいと思います。

答)

今御指摘がございましたように、金融庁といたしましては、証券市場に対する信頼性を確保していくためには適切なディスクロージャーがなされることが極めて重要であると考えており、そうした考え方の下で昨年残念ながら不適切な事例が相次いで発生しました。こうしたことを受けて全ての開示企業に対して有価証券報告書の自主点検を実施したわけでありますけれども、それにも関わらず今回新たに不適切な記載が判明したことは遺憾でございます。個別の今後の対応につきましてはコメントは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、一般論として申し上げれば、記載内容に不備があった場合には必要に応じて所管の財務局において訂正内容等について確認を行うこととされております。

問)

本来ならば去年の一斉点検の際にディスクローズしておけば全く問題ないと言うか、彼ら自身これほど騒がれなくても済んだと思うのですけれども、彼らの発表内容を聞いている限りでは、何が何でも隠さなければいけないという案件でもないように思いますと、なぜ半年以上も彼らは発表できなかったのか。しかも今回発表に至った経緯として彼らの会見の中では当局からの再調査要請に基づいてというのもありますし、なぜここまで発表できなかったのかということについて当局としてこれは相当厳しく内容解明していく必要があるのではないかと思うのですけれども、その点について大臣のお考えはいかかでしょうか。

答)

今お話をさせていただいたように、今後の個別の対応についてのコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、先程もお話をさせていただいたように証券市場の信頼性を確保していくためにはディスクロージャーというのは極めて重要な問題であります。昨年、不適切な事例が相次ぐという事態を受けて自主点検の要請をさせていただいたわけでありますけれども、それにも関わらずこのような新たな不適切な記載が判明したことは遺憾なことだと思っております。

これは一般論としてでありますけれども、今後必要があれば私共として然るべき調査、或いは対応を法令上していかなければいけないと思っているところでございますけれども、今一度開示企業の皆様にはディスクロージャーの適正な公開、ディスクロージャーの重要性ということを十分認識していただいて、正確な有価証券報告書の作成・公表というものを是非行っていただきたいと思います。

問)

関連ですけれども、あくまで自主的な点検をお願いしたのですから、そのことについて金融庁に問題があるというふうには全く思わないのですけれど、こういう事案が発生してしまうと、自主点検にも関わらず他にも同じように重大な事実を把握している会社が存在するのではないかという疑念が当然生じるのですが、改めて自主点検を求めるなり、当局として何か追加的な対応が必要なのかどうか、個別の対応ではなくて、必要であるならばどのようなものが考えられるのか、大臣はどのような考えをお持ちでしょうか。

答)

先程もお話をさせていただいたように、昨年全ての開示企業に対して有価証券報告書の自主点検を実施させていただいたわけであります。また私共の要請に対して多くの企業が真摯な対応をなされたものと考えております。従って今回の事案を受けて現時点で再度の自主点検を求めることは考えておりません。いずれにいたしましても、金融庁といたしましては、仮に問題の事案があれば財務局や或いは証券取引等監視委員会とも連携しながら法令に基づき厳正に対処していきたいと思います。

(以上)

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