伊藤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成17年5月24日(火) 9時33分~9時42分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

閣議がございまして、本日の閣議及び閣僚懇談会で金融庁に直接関係する案件はございませんでした。閣議の中で中川経済産業大臣からマレーシアへの出張の報告についてお話がございました。また閣僚懇談会で小池大臣から「かりゆしウェア」の展示販売会について御発言があり、4月28日に閣僚懇談会で夏の軽装について申し合わせがなされているところでありますけれども、沖縄で夏の軽装として官公庁を含めて広く着用されている「かりゆしウェア」について御紹介があり、明日5月25日午前10時から午後6時まで、中央合同庁舎第4号館1階売店内で販売会をされると、そのことについて御報告がございました。

以上です。

【質疑応答】

問)

小田急グループの名義株問題ですけれども、金融庁として証券取引法に基づいた報告徴求を出されていると思いますが、今回の問題では金融庁の昨年からの有価証券報告書の点検でも虚偽の報告をしていたという問題も出てきていると思いますが、こうした問題について金融庁として今後、この報告徴求を受けてどのように対応していくのか、またどのようにこの問題を捉えられているのか、これについてお考えをお聞かせください。

答)

大変恐縮ですが、個別の事案に対する今後の監督上の具体的な対応についてのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。一般論として申し上げれば、記載の内容について不備があった場合には、必要に応じ所管の財務局において、訂正内容について確認を行うことといたしているところでございます。その後の対応につきましても、確認された事実関係を踏まえて、法令に基づき適切に対応していくことになろうかと思います。

いずれにいたしましても、これは記者会見で何度もお話させていただいているように、証券市場の信頼性を確保していくためにはディスクロージャーというものが極めて重要であります。従ってディスクロージャーに対する信頼性というものは開示企業、そして関係者の方の不断の取組によって確保されるものでありますので、私共といたしましては、関係者の方々が適切なディスクロージャーに向け継続的に努力していただくことを強く期待いたしているところでございます。

問)

地方銀行大手の横浜銀行の頭取に元大蔵次官の小川さんが就任されることが決まりましたが、色々な天下りの批判等がある中で連続で大蔵次官のOBがトップに就くということについて、個別銀行のことではありますが、こうした天下り批判の中での就任ということですので、これについてどのように受け止められているかお考えをお聞かせください。

答)

今まさしく御質問の中でもございましたように、個別金融機関の人事に関わる問題でありますので、そのような報道がなされていることは承知いたしておりますけれども、直接的なコメントは差し控えさせていただきたいと思います。一般論として申し上げれば、民間企業の役員人事につきましては、これは株主総会及び取締役会において決定されるべきものでありますので、その際に国家公務員のOBが選任されることもあり得るわけでありますけれども、国家公務員法の枠内で適切に対応されていることが前提になると考えております。

問)

各金融機関の決算発表が始まっていますが、いわゆる不良債権比率半減目標、主要行に対して目標としてきましたが、この主要行の目標について現時点でどういうふうに見ておられるかという点と、地銀の中には好調なところもあればまだ不良債権処理に遅れがあると、それで今期赤字になるというところもあると思うのですが、金融機関の決算全体について、現段階でどのように見ておられるかお考えをお願いします。

答)

一部の金融機関において17年3月期の決算の発表が行われていることは承知をいたしておりますけれども、今後決算の発表が予定されている金融機関もございますので、現段階でのコメントは差し控えさせていただきたいと思います。

その中で各金融機関それぞれに「金融再生プログラム」或いは「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム」に基づいて努力をなされてきておられますので、今回の決算については、ある意味ではその目標年次の決算でもありますから、各金融機関の決算の状況を注視していきたいと思っております。

問)

小田急の話と少し重複するのですが、昨夜遅くに介護保険の大手のニチイ学館が純利益を水増ししていたという形で東京証券取引所から監理ポストに入ると、小田急のケースも非常にいかがなものかと思うのですけれども、更に今回ニチイ学館は有価証券報告書そのもの、財務諸表に関わるところにミスがあったということで、これは去年金融庁から「総点検しろ」と言われた時にしっかりされていなかったのではないかというふうにも受け止められるのですけれども、この件も含めて改めてこの問題について伺いたいと思います。

答)

今の件については東京証券取引所から5月23日、ニチイ学館が平成17年3月期半期報告書の訂正を開示したことを受けて、その訂正内容が重要と認められることを踏まえて、事実関係を当事者に周知するために同社株式を監理ポストに割り当てたと、そのような対応をしたと聞いております。個別事案についてのコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として申し上げれば、監理ポストに割り当てられた場合には、東京証券取引所はその後の聴取等も踏まえて上場廃止基準に該当するか否かを判断することになると承知いたしておりますので、金融庁といたしましては、今後の東京証券取引所において自主規制規則に基づいて適切に対処されるものと考えているところです。

一般論で全体として申し上げれば、先程もお話をさせていただいたように、証券市場の信頼性を確保していくためには適切なディスクロージャーが行われるということは極めて重要でありますので、各上場企業におかれましては適切なディスクロージャーが行われるよう更に努めていただきたいと思います。

(以上)

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