伊藤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成17年6月24日(金)8時53分~9時02分 場所:国会内)

【大臣より発言】

閣議がございまして、金融庁に関係する政令、決定をされた政令が二件ございます。

まず第一は、金融庁組織令の一部を改正する政令でございまして、内容は総務企画局に企業開示課を置く等を定めるものであります。

もう一つの政令は、証券取引法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令でございまして、内容は証券会社等に対する検査権限の証券取引等監視委員会へ委任する範囲を拡大するために必要な事項等について規定するほか、所要の規定の整備をするため、証券取引法施行令等の改正を行うものであります。

それから皆様方に二つ御報告をさせていただきたいと思います。

まず第一は、偽造キャッシュカード問題に関するスタディグループ最終報告書についてであります。偽造キャッシュカード問題に関するスタディグループは、2月22日の第一回以降、19回に亘り精力的な御議論を行っていただいてまいりましたが、本日、被害発生の予防策等を中心とした最終報告書を公表する予定であると承知いたしております。金融関係団体及び各金融機関においては、当スタディグループの最終報告書を踏まえ、被害発生の予防策等について真剣な検討を行っていただきたいと考えております。なお、11時30分に岩原座長及び事務局から記者の皆様方に対してブリーフィングをさせていただきたいと思いますので、御質問はその時にお願いできればと思います。

もう一点、米国におけるクレジットカード情報流出事案についてお話をさせていただきたいと思います。金融庁は、クレジットカードに一般的に付随しているキャッシング機能について、貸金業規制法に基づき所管しているところであり、今般のクレジットカード情報流出事案については、金融庁としても極めて遺憾であると考えております。クレジットカードのキャッシング機能に関しましては、これまでのところ不正利用の報告はないものの、金融庁としては、昨日、マスターカード及びビザ、国内カード発行会社、更に日本クレジット産業協会に対し、情報流出の原因究明、再発防止、利用者保護等につき遺漏なきよう対処することを文書により求めたところでございます。具体的には、それぞれの立場から、キャッシングに関わる不正利用の実態の把握、情報流出の発生原因の究明、利用者への積極的な情報提供、不正利用の防止、情報システムの安全管理の再点検、再発防止策の策定、等に取り組むことを求めております。なお要請の具体的な内容につきましては、監督局金融会社室にお尋ねをいただきたいと思います。金融庁といたしましては、引続き経済産業省と連携を取りながら、今般要請した事項について、適切な対応がなされるようにまとめてまいりたいと思います。

以上です。

【質疑応答】

問)

経営統合を目指している三菱東京とUFJに対して、金融庁が検査の中でシステム統合の作業が不十分と指摘していたとの一部報道がありましたが、金融庁としては、経営統合日程の見直しを求めていかれるのでしょうか。

答)

そうした報道がなされていることは承知いたしておりますが、個別事案でありますので、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。一般論として申し上げれば、システム統合につきましては、適切なプロジェクトマネージメントの下で混乱なく円滑なシステムの統合がなされることが極めて重要なことであると考えております。

問)

先日の東京証券取引所の株主総会で、西室初代会長が選出され、自主規制のあり方を検討する特別委員会の設置を決めましたが、東京証券取引所は自主規制部門を維持していく考えを崩していません。金融庁として、今後東京証券取引所に対してどのような対応を求めていかれるのでしょうか。

答)

特別委員会を設置していくということは承知しておりますので、特別委員会において、内外の市場環境の変化を踏まえ、自主規制機能を的確に果たすための組織体制について、しっかりとした議論が行われることを期待いたしております。

金融庁といたしましては、先般提出された報告書や金融審議会の審議内容を踏まえ、証券取引所が自主規制機能を十全に発揮するために、利益相反をいかに防止するかなどの課題について、市場機能の充実とそして市場の信頼性の向上といった観点から、引続き東京証券取引所等市場開設者との間での議論を深めて行きたいと考えております。

問)

クレジットカードの件で細かいことですけれど、文書で要請というのは、いわゆる行政指導という意味ですか。

答)

私共としては、先程お話をさせていただいたように、情報流出の原因究明、そして再発防止、そして利用者保護等につき遺漏なきよう対処していただきたい。そのために文書によって、そのことを具体的に要請させていただいたということです。

問)

要請先というのは、具体的に言いますと・・・。

答)

先程お話をさせていただいたように、マスターカード及びビザ、国内カード発行会社、更に日本クレジット産業協会に対して文書により、先程の点について要請をさせていただいたわけです。

問)

クレジットの方では不正利用がかなり出ていますが、キャッシングの方は現段階ではないということですか。

答)

マスターカード及びビザによりますと、キャッシングサービスを受けるには暗証番号が必要でありますけれども、今回流出した情報に暗証番号は含まれておりませんので、流出情報のキャッシングに関わる不正利用が行われる可能性は極めて小さいということであります。またこれまでにキャッシングに関わる不正利用の報告はございません。

問)

国内カード発行会社というのは、マスターカードとビザの国内発行会社ということですか。

答)

国内発行会社は30社ということでありますが、詳細については後程監督局にお伺いしていただければと思いますが、国内の主要発行カード会社30社に対して要請文書を発出させていただいたということでございます。これは経済産業省の要請文書の発行先と同様であります。

(以上)

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