伊藤金融担当大臣閣議後記者会見の概要

(平成17年6月28日(火)9時41分~9時49分 場所:金融庁会見室)

【大臣より発言】

閣議がございまして、金融庁に関係する案件はございませんでした。

私の方から一件皆様方に御報告をさせていただきたい点があります。

現行規制の総点検のための「目安箱」の設置についてでございます。昨年末に公表しました、「金融改革プログラム 」では、「市場参加者のニーズに応え、健全な競争と新しいビジネスの開拓を促すための現行規制の総点検及び規制緩和の推進」を行うことといたしております。

これを受けまして、当庁所管の規制を総点検し、今後の規制改革の検討・実施に当たっての貴重な材料とするため、国民の皆様方から幅広く御意見を受け付ける「規制の総点検のための目安箱」を本日より1ヶ月間、7月29日まで当庁ホームページに設置することといたしました。

多様な金融商品やサービスを国民が身近に利用できる「金融サービス立国」を実現するためにも、多くの皆様方からの御意見をお待ちいたしたいと思います。

以上です。

【質疑応答】

問)

株主総会の季節になりましたけれども、今年の株主総会の特徴として、買収防衛策について各企業で提案をしているところが出てきています。一方で、その提案が否決されているという例も出ています。こうした防衛策を巡る一連の総会での動きについてどのようにお考えになられますか。

答)

個別のことではなくて、一般論としてお答えさせていただきたいと思いますが、会社法制等を遵守して、そして適切な企業防衛策を講じることは経営の創意工夫としてあり得ることではないかと考えておりますが、その場合でも、株主を始めとしたステークホルダーの利益に十分配慮しながら進めていくことが重要であると認識をいたしているところです。

いずれにいたしましても金融庁といたしましては、証券市場の信頼性を確保するために市場の透明性・公正性が保たれることが極めて重要であると考えており、こうした観点から引続き投資家保護のための制度構築に努めてまいりたいと思います。

問)

先週、偽造キャッシュカード問題に関するスタディグループの最終報告書がまとまりました。防犯対策等について様々な提言があったと思うのですが、今後こうした提言を受けて、金融機関にどういった対応を求めていくことになるのでしょうか。

答)

偽造キャッシュカード問題に関するスタディグループは、2月22日に第一回目の会合を行っていただいて以来19回に亘りまして精力的に御議論をいただいてきましたが、6月24日に被害発生の予防策等を中心とした最終報告書を公表いたしたところでございます。これらの提言には、今後金融機関等がATMシステムにおけるセキュリティ対策を講じていく上で、重要な指摘が多く含まれていると考えております。従いまして、金融関係団体及び各金融機関においては、同スタディグループの最終報告書を踏まえ、被害発生の予防策等について真剣な検討を行っていただきたいと考えております。

問)

目安箱はもう設置されたのですか。

答)

本日からということでございますので、それで先程お話をさせていただいたように7月29日までの1ヶ月間、ホームページに設置をさせていただきます。

問)

規制緩和に関することに限定して意見を求めているのですか。

答)

そうです。私共が所管しております現行の規制というものを総点検していく、或いは規制緩和を推進していくに当たって、国民の皆様方からの幅広い意見をお伺いさせていただきたいと思っております。

問)

今の問題意識として、現状まだまだ規制緩和が足りないという問題意識があるのでしょうか。

答)

これは「金融改革プログラム」を策定・公表させていただいた時にもお話をさせていただきましたように、多様な金融商品やサービスを国民の皆様方が身近に利用できる金融サービス立国というものを目指しておりますので、それを実現するに当たって障害となる規制というものがあるのであれば、それを改革していく必要がございます。私共の庁内の議論だけではなくて、幅広く国民の皆様方からもこの現行規制のあり方について御意見をお伺いさせていただいて、そのことを貴重な材料としながら今後の規制のあり方、規制緩和推進のあり方について私共としての検討を進めていきたいと思っております。

問)

ホームページを通じて幅広く意見を求めるということなのですけれども、逆にその対話という形で、実際に顔と顔をつき合わせながら、規制緩和について考えを聞くというような場等は設ける考えはないのですか。

答)

今、直接にということについて具体的な考え方を皆様方にお示しできるものはございませんが、今回の目安箱に寄せられた現行規制に関する御意見につきましては、その他庁内外の意見も含めて庁内で分類作業を行った上で、その主な内容について、例えば現行規制に係る論点との位置付けで8月を目途に公表することを考えております。こうしたものを公表させていただきながら、規制改革・規制緩和についての議論を深めていきたいと思っております。

また、規制改革会議等々もございますので、そうした村上大臣の下で推進をされます規制改革全体の中でも様々な御議論があろうかと思いますので、そうした御議論とも連携をしながら進めてまいりたいと思っております。

(以上)

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