伊藤金融担当大臣閣議後記者会見の概要
(平成17年9月30日(金)8時46分~8時51分 場所:国会内)
【大臣より発言】
本日の閣議でありますが、金融庁に関する案件はございませんでしたが、閣議におきまして、麻生総務大臣から8月の完全失業率は季節調整値で4.3%となり、前月に比べ0.1%ポイントの低下となった旨の報告がございました。そして尾辻厚生労働大臣からも同じく8月の有効求人倍率が季節調整値で0.97倍となり、前月と同水準となったこと、そして有効求人は前月に比べて1.4%の増加となり、有効求職者は1.3%の増加となった旨の御報告があったところでございます。
私から皆様方に御報告を1件させていただきたいと思います。
今般、損害保険会社において臨時費用保険金等を中心とする付随的な保険金等について、追加的な支払いを要する事案が多数判明しましたことは、誠に遺憾なことだと考えております。このような事態を踏まえまして、金融庁といたしましては、本日全ての損害保険会社に対して、これら追加的な支払いを要するものの件数、及びその対応状況、並びに追加的な支払いを要するに至った発生原因分析及び再発防止策について、報告徴求を行うことといたしたところでございます。
この理由につきましては、本件については、まずは損害保険会社各社において自ら適切な保険金等の支払い管理態勢等の構築に努めることが重要であり、またそのための自主的な検証がなされてきたところでありますが、金融庁といたしましてはこの問題についての、統一的・包括的な取組みを確実にするために、このような一斉報告徴求を行うことといたしたところでございます。
なお詳細につきましては、監督局保険課にお問い合わせをいただきたいと思います。
以上です。
【質疑応答】
- 問)
-
損害保険会社に対しての報告徴求につきまして、結果はどのような形で報告なり公表される予定でしょうか。
- 答)
-
まず大体2週間くらいで、10月14日までに報告をしていただきたいと思っております。各社において自主的に点検検証がなされているところでございますし、また一部公表されているところでございますので、2週間くらい、10月14日までに御報告を賜りたいと、その報告を受けてその内容をよく精査した上で、何らかの形で公表させていただく方向で検討させていただきたいと思っております。
- 問)
-
細かい点の確認ですが、生命保険の場合は過去5年に遡っていたのですが、損害保険の場合はそういう区切りというのはあるのでしょうか。
- 答)
-
3年という期限を考えております。今の商法の規定ですと請求権が確か2年ということでありますから、契約者保護の観点から十全を期すために3年という期間の中で、各損害保険会社において検証していただきたいと思っております。
- 問)
-
同様に生命保険会社に対する同じような不払いの点検報告が今日が締切りとなっていたと思いますが、金融庁としてその結果をどのような形で公表される予定でしょうか。
- 答)
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本日が締切りの期限でございますので、本日各社から報告があるものと考えております。その報告を受けてその内容を十分精査した上で、この件についても何らかの形で皆様方に公表する形を考えていきたいと思っております。
- 問)
-
銀行法の改正ですが、昨日自民党の部会で了承が得られて、今後法案を提出されると思いますが、審議の見通し等何か希望とかがございましたらお願いします。
- 答)
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昨日、与党の皆様方にこの法案について御了解をいただいたところでございますので、来週に国会に法案を提出できるように私共として努力していきたいと思っております。
- 問)
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損害保険会社への報告徴求は本日中に行うということでしょうか。
- 答)
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本日中に行いたいと考えております。
- 問)
-
細かいことですが、何社が対象になりますでしょうか。
- 答)
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詳細の数字については正確にお答えさせていただきたいと思いますので、担当課の方から答えさせたいと思います。
- 問)
-
昨日、日銀の福井総裁が年度内の量的緩和政策の解除について言及されましたが、現状のマクロ経済の認識を含めまして大臣のお考えをお聞かせください。
- 答)
-
金融政策そのものについては日銀の所管でございますので、政府日銀が一体となって今後の的確なマクロ経済の運営をしっかりやっていかなければいけないと思っております。今の御質問はおそらく量的緩和その他のことだと思いますが、これも日銀の専管事項でございますから、福井総裁の下で日銀の中で検討がなされていくことだと思っておりますけれども、政府といたしましてはデフレを克服して民間主導の経済成長を確実なものにしていくことが非常に重要なことでありますから、重ねてになりますけれども、日銀と協力をしながら的確なマクロ経済の運営をしていかなければならないと思っております。
(以上)