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伊藤金融担当大臣臨時閣議後記者会見の概要

(平成17年10月31日(月)15時25分~15時33分 場所:金融庁会見室)

【質疑応答】

問)

金融担当相としてのこの1年2ヶ月を振り返っての御感想と、今後の金融行政の課題についてお伺いしたいと思います。

答)

この一年を振り返ってみますと、まず総理からの御指示を踏まえて、金融再生の総仕上げ、そしてペイオフの円滑な解禁ということがひとつございました。この課題については、ペイオフ解禁も予定通り実施をさせていただくことができましたし、また、「金融再生プログラム」の目標を達成して日本の金融システムの信頼性を回復することができたのではないかと思っております。

また、中小企業の再生と地域経済の活性化に貢献できるような地域に密着した機能を強化していく、この課題については今までリレーションシップバンキングのアクションプログラムに基づいた諸施策を展開させていただいて、そして新しいアクションプログラムの下でそれぞれの地域金融機関の方々から計画が提出され、引続き取組みがなされているところでございますけれども、全体として進捗しているのではないかと思っております。

そして3つめは、国際的にも最高水準の金融機能を利用者のニーズに応じて提供できるような金融システムを作り上げるという御指示でございましたけれども、この点についても昨年の12月に金融改革プログラムを策定、公表させていただいたところでありまして、金融再生を実現した後、利用者重視の国民の皆様方にとって満足度の高い金融システムを作り上げていく行政としての2年間の指針を公表させていただくことができたのではないかと思います。

このように私自身総理の御指示をいただいて、そして取り組んでいかなければならないと考えた課題については、精一杯取組みをさせていただいて、一つ一つの課題を乗り越えていくことができたのではないかと思っております。

今後の金融行政の課題は、「金融改革プログラム」の諸施策を着実に実施して行くことによって、活力のある金融システムを作り上げていく、国際的にも高い評価が得られるような金融システムを利用者重視の観点から作り上げていく、そのことに大きな課題があると思っております。

問)

今後の課題で、利用者重視、国際的にも高い評価を得られるような金融システムと仰っていましたが、具体的にどのあたりに力を入れていくべきだとお考えでしょうか。

答)

これは「金融改革プログラム」に全て私の思いは盛り込まさせていただいたところだと思っております。そのためには利用者の方々が日本の金融機能そして金融市場を縦横無尽に活用できる、遺憾なく活用できるような環境をしっかり作り上げていくこと、それと同時にそうした環境を作ることによって、利用者が思わぬ被害、損害を被らないような利用者保護ルールを整備し、徹底させていくことが重要なことだと思いますし、また、監督当局としても国民の方々から信頼できる金融行政を更に確立していくための努力を続けていかなければならないと思っております。

問)

大臣はいわゆる商工族というか、経済産業部会の方をずっと担当されてきて、副大臣、大臣と歴任されたわけですけれど、そういう観点から見て、日本の金融界の抱える課題、あるいは金融行政の抱える課題を、外の目から見てどのようにお感じになられているか振り返って教えていただけますか。

答)

商工族という言葉が死語になりつつあるのではないかと思いますけれども、そういう族議員の視点からということではなく、私自身は今まで構造改革の取組みの中で、二つ重要な視点があると、ひとつは攻めの構造改革、もうひとつは守りの構造改革、この二つを同時に進めていかなくてはならない。攻めの構造改革の中の最大の課題は、イノベーションと需要の好循環を作り上げていく、そうした課題に挑戦していくことであり、守りの構造改革の最大の課題が不良債権問題であったと思っております。今まで日本の金融機関の方々は、この不良債権問題が大きな重荷、足かせになっていて、前向きな取組みがなかなかできなかった。これを解決することによって、今日本の金融を巡るフェーズが大きく展開しつつあるわけでありますから、もっと利用者に向かって、利用者のニーズを正面から捕らえて、利用者の満足度の高い金融商品やサービスを提供していくことが非常に重要なことではないかと思っております。そのためにも、日本の金融が持っている潜在力は相当大きなものがあると私は思っておりますから、この潜在力を引き出すための更なる規制の改革を進めていかなくてはなりませんし、それと同時に利用者を保護していくためのルール作りを進めて、そして利用者保護を徹底させていくことが重要だと思っております。したがって、金融機関の経営者の方々には、今まで以上に利用者に正面から向かい合っていただいて、そしてニーズをしっかり汲み取っていただいて利用者の満足度の高い金融サービスを提供できるような経営に取り組んでいただくことができればと期待をいたしております。

問)

大臣が今仰った利用者保護の観点から、先日金曜日に発表された明治安田生命の行政処分についてお考えをお伺いします。

答)

今回の明治安田生命の問題については、多数の不適切な不払いの事案があり、また、契約者保護に欠けるような不適切な取り扱いが認められたということは極めて遺憾なことだと思っております。したがって、今回の処分を踏まえて徹底した原因究明とそれに基づいた実効性のある業務の改善策が十分に講じられることを期待しておりますし、金融庁としてはそうした取組みを今後注視していきたいと思っております。

(以上)

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