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与謝野内閣府特命担当大臣(金融・経済財政政策) 記者会見要旨

(平成17年11月8日(火) 10時34分~10時50分 於 金融庁会見室)

1.発言要旨

今日は、閣議の前に、官邸の地下にあります危機管理センターを見まして、一応、閣僚が緊急事態に備えてどうすべきかという心構えの説明を受けました。

閣議は、予備費の支出と日常的な案件もございましたし、また、法務大臣から犯罪白書の概要について御説明がありました。

閣僚懇に入りましてから、安倍官房長官から、昨日の4大臣会合を踏まえまして、各省にそれぞれ努力目標の数字をお示ししますので、ぜひ三位一体が確実に実現するように、各省、各大臣で御努力いただきたいということでございます。数字自体は、閣僚懇の場では示されませんでしたけれども、昨日、4大臣会合では、具体的な数字が谷垣財務大臣から示され、それについては4大臣とも、まずこの線で各省にお願いするということでございますので、その数字を前提に各省で今日から議論が始まるのではないかと思っております。

以上です。

2.質疑応答

問)

明日、内閣改造後初の経済財政諮問会議が開かれますが、公務員の総人件費改革が議題に上がっていると伺っております。この議論の進め方をまず教えてください。

答)

明日の諮問会議は、私を始め新しいメンバーも加わりましたので、当面、諮問会議として持っている課題を共通認識にするための若干の説明を行います。明日は、公務員の総人件費の縮減を議題といたします。1回の諮問会議で終わるのか、2回かかるかはまだわかりませんけれども、当然、目標でございますから、数値の入った目標を決定したいと思っております。

ただし、短期的な、確実に実現するというお約束ができるものと、それからやや長期的に、こういう目標に進んでいこうという、いわば努力目標とは性質の異なるものでございますが、短期的なものは確実に実現するための努力、また、それを必ず達成するというあらゆる方面の努力が必要だと思っております。

問)

今の公務員の総人件費の縮減については、10年で対GDP比半減という案も出ているそうですが、まず公務員の人件費を経済成長に合わせるという、この合理性について大臣の考えをお伺いしたいのですが。

答)

公務員の人件費あるいは医療費というものを、GDPとの対比において一定の割合にしようという考え方は、一つの考え方ではあると思いますが、それが絶対的な意味を持っているとは思っておりません。自民党におりますときにも、党の政調会としていろいろ勉強したわけでございますけれども、5年で5%というところがまず第1目標であるのだろうというのが政調会幹部の中の有力な意見であったわけですが、そのほか、もうちょっと中・長期のもので大きな数字を言われる方も当然おられましたけれども、やはりそれに至る道筋というものが具体的でなければならないわけでして、大きな目標に向かって進むということは大変大事なことですけれども、やはりそういう数字を出すのであれば、具体的な道筋というものをも示しませんと、十分なものではないというふうに私自身は考えております。

問)

消費税増税論議についてお伺いします。増税すると、歳出カットのたがが緩んでしまうというのが、総理を始め政府内に意見としてあるようですが、この増税のたたき台案をまとめました研究会の会長としてのお立場で、今の御意見を伺いたいのですが。

答)

総理のお立場というのは、歳出削減を徹底的にやるという立場であると同時に、消費税の論議は大いにやれという立場でございます。

したがいまして、消費税の論議は誰かがしなければならないと思っておりまして、消費税の議論をすると歳出削減の努力とか、気持ちが緩むということをお考えになる人がいたとしましたら、日本の財政の深刻さを十分御認識していない方なのではないかと私は思っております。

問)

昨日、東証が1日のシステムトラブルに対して、一義的にはプログラム製造者である富士通のミスだということで発表し、金融庁にも報告されたと思うのですが、現段階における大臣のこの報告に対する御見解というものをお聞かせください。

答)

私どもの立場というのは、ああいうことが繰り返されぬよう、やはり関係者に万全の体制をとっていただきたいというのが金融庁の立場でございます。やはり、あのプログラムミス、あるいはそのシステムというのは、国内的にも国際的にも多くの方に経済上の御迷惑をおかけするわけですから、今後とも原因究明も徹底的にやる。また、今後ああいうことが起きないよう、ハードの面でもソフトの面でも、本当に繰り返し繰り返しのチェック、テスト、こういうものをやっていただきたいと私は思っております。

問)

消費税の件なのですけれども、最近、消費税の引き上げの時期を巡って、各閣僚、それから党の方も、若干、言う方によってニュアンスがずれていると思うのですけれども、例えば、この日曜日、政調会長は拙速だという言葉を使ったり、一方で、谷垣大臣は再来年の法案提出に触れたり、増税についての議論は始まっていると思うのですけれども、その時期を巡って若干認識にずれがあると思うのですが、そういう引き上げの時期という観点から言いますと、大臣はどのようにお考えでしょうか。

答)

党の税調の方の一連の文書を見ていただくとわかるのですけれども、平成19年には法人税、所得税、消費税、その他の税、全体を一体的に見直していこうということが決まっているわけでして、その表現で、ある一つの税が抜け落ちているというわけではありません。全体の税を議論して見直していくというのが党の方針でありまして、私はそのことは党が決定したとおりの手順で物事が進むべきだと思っております。

問)

TBSと楽天の件で統合を提案する一方で、TBSの株を取得していた楽天に対して、一部で批判もあるようですけれども、大臣はこの件に関してどのように見ていらっしゃいますでしょうか。

答)

その問題は、私はあまり関心を持っておりません。

問)

逆に、一般的でも構わないのですけれども、今後、今回のような件が、株式市場あるいは企業経営に与える影響としては、どういったようなことが考えられるとお考えでしょうか。

答)

公開されている株式というのは、市場あるいは市場外で法律に定められた、またその他の規則に定められた方法で取引されている限り、誰が売ろうと誰が買おうと、それが市場の中で行われ、あるいは市場の外で行われていても、法令の範囲内で行われていることをとやかく言うということはできないのだろうと思います。

ただ、放送法との関係、すなわち外資との関係とか、そういう放送会社に関する色々な規制がありますから、それは証券市場にかかわる規則のほかに、業法からの規制というのが当然あって、それはそれでまた守っていただかなければなりません。

ただ、個別具体的な問題について、私はコメントする立場にありませんし、前回も申し上げましたように、やるのであれば、法令の範囲内でフェアにやっていただきたいと思っております。

問)

三位一体の関係で、昨日の4大臣会合で示された各省への補助金の削減目標ですけれども、経済産業大臣が今日、出張中ということなものですから、経済産業省関係の補助金の削減目標の額というのを、差し支えなければ教えていただけますか。

答)

二階さんが海外へ行かれていますので、昨日ちらっと見た数字では、経済産業省の割り当ては100億円ぐらいだったのではないかと思いますけれども、去年の三位一体のところで、もう相当出すものは全部出してしまっているので、100億円といえども大変苦労するのではないかと思っておりますが、いずれにしても、今日11時から、官房長官が具体的な数字を発表されるそうですから、小さいところで10億円、大きいところで5,000億円ちょっとという相当な開きがありますけれども、昨年、本当に各省とも色々出してくださった。その上での数字を求められているわけなので、それはそれなりに大変苦労されるのではないかと思います。

(以上)

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