与謝野内閣府特命担当大臣(金融・経済財政政策) 記者会見要旨
(平成17年12月2日(金)10時24分~10時35分 於 金融庁会見室)
1.発言要旨
閣議では案件どおりに物事が進みまして、特段御報告することはありませんが、谷垣大臣がG7でロンドンに出張され、また、その他の閣僚も何人か出張されますので、何人かは臨時代理を指名されまして、私は谷垣大臣不在中の臨時代理に指名をされました。
御報告することは以上です。
2.質疑応答
- 問)
-
これまで株価については何度か伺ってきましたけれども、昨日また1万5,000円という節目を一つ突破しまして、こうした株価が1万5,000円をつけたことについての大臣の御所見と、あわせて円相場ですが、株高が進む一方で円は1ドル120円ということで、これも久方ぶりの水準に来ているわけですけれども、この株と円の現状につきまして、あわせて伺いたいと思います。
- 答)
-
株価が1万5,000円を突破したことは慶賀の至りだと私は思っております。これによりまして、生保を初め金融機関の資産内容もよくなりますし、経済成長に必要な環境が整っていくという面では大変歓迎すべき状況でございます。
株は先行指標であると同時に、買えば上がる、上がれば買うという、言わばそういう循環過程に入ったのかなというふうにも思えるわけですが、国内の投資家の皆様方も、また海外の投資家の皆様方も、日本の経済の先行きに明るい展望を持ち始めたという証左であると私は思っております。
円の水準はどの程度が適切かということは、為替レートの急激な上下、ボラティリティということは好ましいことではありませんが、円相場というのは、ファンダメンタルズを反映したところで落ち着くのだろうと私は思っておりますが、やはり一番、円の相場に直接影響を与えているのは、日本の長期金利が低位にとどまっているということと、やはりアメリカの長期金利は日本よりはるかに高い水準にあって、また、連邦準備制度理事会がどのような金利政策をとるかわかりませんけれども、アメリカの経済はいつもインフレの懸念に対しては歯止めをかけるというのが多分連邦準備制度理事会の政策だと思いますので、アメリカの長期金利が下向きに動くのか、上向きに動くのかということについては、市場関係者はそれぞれ判断しながら、為替に対して資金を投入しているのだろうと思っております。
- 問)
-
公正取引委員会が三井住友銀行に対して、近く、金融商品の販売の独禁法違反の罪で排除勧告をすると見られているのですけれども、大臣はこの問題についてどういうふうにお考えでしょうか。
- 答)
-
個別のケースについてお答えすることは適当ではありませんが、独占禁止法の中では、優越的な地位を利用するということは禁じられていることでして、仮に優越的な地位を利用して、契約が優越的地位を持っている方に一方的に有利になる、或いは優越的地位を持っている方が不利な条件を相手に押しつけるということが、仮にあるとすれば、それは独禁法としては当然それに関連する条項を、公取としては発動するというのは、法律上当然のことだろうと思っておりますが、個別のケースがどういうふうになっているかということは、私は知りませんので、その部分についてはコメントはできないと思っております。
- 問)
-
金融庁の対応についても、現時点ではそういうような状況だということですか。
- 答)
-
物事がはっきりして、公取の主張する事実というものが事実であれば、それは法令に照らして、金融庁は行政上の措置をするということも、また当然のことであります。法令に照らして然るべきことをするというのは当然のことだと思います。
- 問)
-
今朝8時半からニューオータニで党税調のメンバーが集まっていたようですが、そこに大臣も顔を出されたと思うのですが、どういうようなお話だったのでしょうか。
- 答)
-
政府税調の答申も出ましたし、自民党の税調の方の議論も、まさにこれから佳境に入るわけですけれども、今日お目にかかりましたのは、柳沢税調会長、また小委員長の伊吹文明さん、この3人でお話をしまして、党税調のものの考え方をまず伺って、それぞれの税目についてどういう考え方があるかという、色々な考え方のオプションについて御説明を受けました。
しかし、党の税調の方も税を変更いたしますと、一定の影響が経済に対してあるだろうと、その影響について私の方できちんと勉強して、自分達にそのことを知らせてほしいという御要望がありましたので、これから事務当局で、今月決めます税制のあり方と、それが経済、個人の部門、企業の部門にどういう影響があるのかということは、大まかな考え方であると思いますけれども、それについての私なりの見解をお知らせするというのが、私に今日課せられた宿題であると思っております。
- 問)
-
今お話になった件なのですけれども、その宿題というのは、党税調でのみ示すものなのか、または諮問会議等の場で大臣の見解を示すことをお考えなのか、それはいかがでしょうか。
- 答)
-
いつも増収措置をとる場合も、減収措置をとる場合も、経済に一体どの程度の影響があるのかということは、常に考えなければならないことですし、そのことについて、どの程度精度の高いものかは別にいたしまして、一定の考え方をお示しすると。これは、党の御要望ですので、きちんと勉強してお話を申し上げたいと思っております。
- 問)
-
党以外の場でも御披露するというような考えは。
- 答)
-
今日、私がいただいた宿題というのは、党税調を進めていく上でのバックグラウンドデータを出しなさいということですので、大変大まかなものですけれども、考え方をお伝えしますが、皆様方に御披露するほどの精度があるかどうかというのは、また別問題ですが、いずれにしても、増減税の影響というのは皆様方にもちゃんと考え方をお示しする時期が来ると思います。
(以上)