与謝野内閣府特命担当大臣(金融・経済財政政策) 記者会見要旨

(平成17年12月6日(火) 11時02分~11時13分 於 金融庁会見室)

1.発言要旨

閣議は案件どおりでございましたが、今日は、19時から臨時閣議があるという官房長官からの御発言がございまして、案件は平成18年度予算編成の基本方針を閣議決定するということでございます。

2.質疑応答

問)

予算編成の基本方針ですが、諮問会議との関係で言いますと、ちょっと今日というのは早いと思うのですが、このあたり整理はもう既についていると考えてよろしいでしょうか。

答)

もう既に整理はついておりまして、今日、総理の諮問をいただきまして、諮問会議でこれまで検討されてきた予算編成の基本方針を諮問会議で決めていただきまして、それに基づきまして、閣議決定に至ると、こういうことでございます。

問)

新規発行国債の30兆円枠とか、そういった今までの総理の指示というのは、その枠組みどおりということでよろしいでしょうか。

答)

これは総理から、時期は2、3週間前だったと思いますが、国債発行額を30兆円にできるだけ近づけてほしいという御要請がありましたので、その方針に基づいた編成方針になっております。

問)

それと、東証の時価総額が500兆円を超しました。一方で、日本経団連の奥田会長は、今の相場を捉えてバブルだという発言をしております。今の株式市場の盛況についての大臣の御所見をお願いします。

答)

株価は実態経済を反映している部分、或いは将来に対する先行指標的な部分、それから例えば買いが買いを呼ぶという心理的な部分、色々な要素で株価というのは形成されると思いますし、金余り現象が起きているという場合も、過去においては、過剰流動性によって株価が上がったというケースもあります。

今回の急上昇は、一体何によってもたらされているかということは、後になって分析しないとわかりませんけれども、やはり日本経済が踊り場を脱しつつあるという認識を、一般投資家、機関投資家、或いは外国の投資家が持ち始めておられるのではないかと思っております。

ただし、やはり買いが買いを呼ぶということについては、それぞれの投資家が自らの責任で冷静に御判断をされているものと思っております。

問)

今日は閣議の前に、耐震強度偽造問題で関係閣僚会議が開かれたと思うのですけれども、そこで、今回の被害者救済として、金融庁としての対応など何か大臣の方から発言はされたのでしょうか。

答)

私からは特に発言をいたしませんでしたけれども、北側国土交通大臣の御報告の中に、既に都市銀行、或いは例えば農林中金その他の金融機関がリスケジュールを始め、また窓口での御相談に乗るとか、そういった借り入れを行っている方々に対して、懇切丁寧な対応をするということについての御説明がありました。

金融庁関係では既に銀行協会等が自主的にこれに対する対応を決めておられると。そのことも国土交通大臣の方からはあわせて御報告がありましたので、私からは重複を避ける意味で発言をいたしておりません。

問)

「改革と展望」の取りまとめに向けて議論が始まりますが、去年の見通しについて、かなり楽観的じゃないかという声がエコノミストや自民党の財政改革研究会の中間報告にありますが、それについては。

答)

まず、「改革と展望」については数字も出さなければならないわけですけれども、もう一つ我々に課せられた課題というのは、来年6月に向けて歳出・歳入一体改革を行うという、これは今年の骨太の方針にもはっきり書いてございますし、自民党の政権公約の中にもそのことを謳っておりますので、骨太の方針、あるいは政権公約に忠実に我々は作業をしなければならないと思っております。

そこで、やはり作業というのは日本の経済が一体、今後、5年、10年、15年、20年のスパンでどういう展開をしていくのかということをまずきちんと考えなければいけない。また、それを考えていく上で、世界経済全体の流れ、また日本経済の底力、将来展望、あらゆることを考えながら長期の予想をしていかなければならないと思っております。

そういう中で悪い条件が重なった場合の日本の将来の経済の展望、いい条件だけが整った場合の日本経済の状況というのは、全く様相が違うわけでして、そういうある一定の幅の中で物事を考えていかなければならないと思っていますから、日本の経済、また経済がもたらす税収、また経済発展に伴ってやむを得ざる財政支出というものも発生するかもしれないと。そういうあらゆることを考えるわけでございますので、12月、1月にかけましてつくります「改革と展望」は、やはり来年の歳出・歳入一体改革の前提に制約を与えないような、やはりきちんとした前提条件の上に成り立っているということを広くおわかりいただいた上での数字に多分なると思いますし、また「改革と展望」の中で、やはり歳出・歳入一体改革というのが、今後、政府・与党に課せられた課題であるということを強く銘記をしなければならないと思っております。

問)

「改革と展望」と若干絡むかと思いますが、この関連で、この週末のG7で先進各国がインフレ圧力が今後強まることが懸念されるということで、先行きに対する懸念として「インフレ圧力」という言葉が今回出てきたのですけれども、日本はまだデフレということで、若干インフレということと縁遠いような感じもあるのですけれども、先進各国としてそういったような認識を示したことについて、大臣の御所見を伺いたいと思います。

答)

生活者にとって物価が安定しているということは大変大事なことであります。もちろん、私は健全な成長率のもとで、成長するがゆえに発生する健全な物価上昇ということを当然認めているわけでございますけれども、諸外国がインフレを懸念するということは、それぞれの国の国民生活を守る、社会の安定を図るという意味では、各国の政策当局が当然考えるべきことだろうと思います。

日本は、デフレ状況だというふうに定義をされておりますけれども、デフレの状況も0.1とか0.幾つとかという範囲でありますので、私はいわゆる古典的な意味でのデフレというものは少しずつ脱却していくのではないかと期待を込めて考えております。

(以上)

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