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与謝野内閣府特命担当大臣(金融・経済財政政策) 記者会見要旨

(平成17年12月16日(金) 10時39分~10時54分 於 金融庁会見室)

1.発言要旨

閣議は案件どおりでございますが、金融庁関係では、公認会計士法の中にあります試験のやり方についての政令改正、すなわち最高5回ございました試験を2回にする、受験料についても若干の改定を行うという政令、閣議で御了承いただきました。

なお、閣議後、政策金融改革推進本部が開かれまして、各省大臣からの御発言がございました。最後に、小泉総理から、省益よりも国益という気持ちで改革に取り組んでほしい旨、御発言がありました。

以上です。

2.質疑応答

問)

政策金融改革推進本部で、今日何か新たに決まった方針等がありましたら教えてください。

答)

全くございません。私からは、従来の経緯をお話し申し上げ、国際協力銀行については、官房長官のもとで検討していただいた上で方針を決定する旨、お話をいたしました。

なお、本日午後、官房長官のもとでのいわゆる検討委員会の第1回目が開催される予定になっておりまして、そこに私も呼ばれております。私の役割は、現在までの経緯、事実関係等を事実に基づいて正確に委員の皆様方に御披露申し上げる、御報告申し上げるというのが、私に与えられた今日の午後の会議の役割でございます。

問)

与党の税制改正大綱が決定しまして、2兆円規模の増税となりました。景気への影響をどの程度とお考えでしょうか。特に、家計の負担が重くなるようですが、個人消費への影響はどの程度と考えられていますでしょうか。

答)

あの中で一番大きいものは、定率減税の廃止でございます。これは、皆様方も御承知のとおり、定率減税を導入したときの経済の状況というのは、個人消費が大変冷え込んで、需給ギャップがますます拡大するという中で、異例の措置として定率減税という制度を導入したわけでございます。そういうものについて、党の方でも、昨年の暮れも詳細に検討いたしましたし、また、今年の党税調においても、詳細に検討されたと思います。

なお、柳澤党税調会長からは、私共の方に、定率減税を廃止した場合の経済への影響はどの程度と推定されるかという御質問がございまして、この件につきましては、詳細に検討した結果、経済財政諮問会議において本間議員より、概ね成長率に対して0.2%ぐらいの影響はあるけれども、経済全体としてはこれを吸収できると見込まれるという御報告をいたしました。その点については、同趣旨のことを事務的に、柳澤税調会長初め与党の皆様方に、既に御説明を決定前にいたしたところでございます。

問)

それから、株式の誤発注の問題ですけれども、証券会社が誤発注で出された株式を買い付けて利益を上げた問題で、自主的に利益を返上して基金等に寄附をしようという動きが広がってきているわけですけれども、こうした動きについて、大臣はどういうふうに受けとめていらっしゃるかお願いします。

答)

残念ながら、詳細な事実関係、動きというものについては、金融庁の方から報告が来ておりません。多分、報告に至るところまでの事実関係を把握していないからだろうと思っております。私の知識は、マスコミの知識と同水準でございますから、特に今日、皆様方に新しい事実関係を御披露できるだけの知識を持っておりません。

問)

最高裁が、昨日、消費者金融のリボルビング方式による取り立てに関して、利息制限法を上回る部分については返還すべしという債務者側からの要請を認めたわけですけれども、この点について、消費者金融業界に与える影響を含め、大臣はどういうふうに受けとめていらっしゃるかお願いします。

答)

詳しくわかりませんけれども、利息自体を制限している法律というのは、利息制限法のほか、出資法その他貸金業法等々ございます。これは、昔から貸金業の中では、利息制限法の上限をくぐり抜けるための色々な工夫が一部で行われてきたということは事実で、リボルビングの中で事実上、貸金業法の上限を超えるようなものに対して法的な判断を下されたということは、それは判例としては大変重要なものだと思っております。貸金業にさしたる影響はないというふうに考えております。

問)

昨日ですけれども、自民党で金融政策に関する小委員会というものが始まりまして、その中で、名目成長率目標の導入について、今後、検討するというような話になったのですけれども、諮問会議でも、歳出・歳入一体改革の中で、物価安定の目安というものについて議論するということになっていますけれども、こういったものについての大臣のお考えを改めて伺いたいのですけれども。

答)

インフレターゲット論についての御質問だろうと思うのですけれども、インフレターゲット論というのは、非常に大きな幅を持った概念でして、どういう御主張をされているかということについて、大変内容が違うというふうに私は思っております。

その際、日本銀行の政策について政府・与党が物を申し上げるというのは、当然であるにしても、やはり静かな雰囲気の中で、理を尽くして物を申し上げるということが大変大事な点であると思っております。各国の例を見ましても、一国の政府とその国の中央銀行とが必ずしも意見が一致しないという場合は多々見られるわけですけれども、静かに、なおかつ理性的に話し合いをしていくという手法をとっておられますし、また、日本国政府も日本銀行も、今までそのような雰囲気の中で話し合いを続けてきておりますので、私としても経済財政政策担当としては、日本銀行の首脳の方々と政府の考え方、或いは政府・与党全体の雰囲気を正確にお伝えするという役目はきちんと果たしていきたい、そのように思っております。

問)

自民党の柳澤税制調査会長が、消費税の問題について、諮問会議で行われている歳出・歳入一体改革の議論と並行して、一緒になって考えていくというような意向を示されているようなのですけれども、その点について大臣はどのようにお考えでしょうか。

答)

歳出・歳入の一体改革というのは、歳出の方は徹底的な歳出削減という作業を当然やります。これは、多分痛みを伴う歳出削減になると思いますが、一方では、増収措置としては一体何をするかということを併せて議論するというのが、一体という意味だと私は思っておりまして、柳澤税調会長が税制全般にわたって検討を加えるということを多分仰っているのだろうと思います。今、御質問にあった部分を避けて通るつもりはないという意味を多分仰っているのだろうと、全くの推定でございますが、そういうふうに考えております。

問)

誤発注の件で、東証では、誤った注文で売買が成立した場合に、その売買を無効にするような制度の導入も考えているという話がありますけれども、これについて大臣のお考えはいかがでしょうか。

答)

あれ以来、私の事務所にメールが幾つか来ておりますが、その中で、外国の証券会社の方、日本人の方でございますけれども、諸外国の取引所の例を幾つか申し述べられたメールがございますが、外国ではそういう誤発注のものは取り消せるということで、言わば安心して取引できる制度があるのですということを御紹介してくださったものがございました。それは、どういうふうにするかは別にいたしまして、東証としてはシステムの問題、それからこれだけ取引高が増え、取引の色々なありようも、昔とは随分変わってきているという中で、やはり大量の取引等々に対応できるだけのシステム、規則、これを整備することは当然のことだろうと私は思っています。

問)

誤発注の問題で、昨日出された大量保有報告書で、証券会社ではなくて個人でかなり大量に買い付けて、推定で5億円以上の利益を上げたという個人の方がいらっしゃるようなのですが、個人の方の問題ではあるのですけれども、大臣、その辺はどのような感想をお持ちですか。

答)

六本木の方だというので、私の住んでいる場所の近くの方だなというふうに思っただけで、新聞の報道によればかなり若い方なので、びっくりしました。

問)

インフレターゲットの話について、重ねてお伺いしたいのですけれども、デフレに後戻りしない仕組みという意味において、政府・日銀が安定的な物価目標を共有するというのも一つの仕組みとして有効ではないかと思うのですが、先ほどのお話だと、その点についてはあまり積極的には考えられないという御認識だと受けとめてよろしいでしょうか。

答)

日銀法を読んでいただくと、すぐおわかりいただけると思うのですけれども、日銀の目標というのは物価の安定ということであって、この物価の安定というのは、デフレでもないインフレでもない状態が望ましいということを言っておられるわけですから、その日銀法の精神に基づいて日銀は物を考え、政策を決定されるというふうに私は理解をしております。

(以上)

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