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与謝野内閣府特命担当大臣(金融・経済財政政策) 記者会見要旨

(平成18年2月10日(金) 9時06分~9時16分 於 金融庁会見室)

1.発言要旨

閣議は案件どおりでございます。

2.質疑応答

問)

昨日、日銀の福井総裁が、3月以降の判断が重要になるというふうな発言をされておりますが、この件について大臣の受けとめ方をお願いします。

答)

福井総裁は、日本経済が徐々によい方向に動いているということを強く認識されていると思いますが、昨日の御発言は、何か予断をもってこうするというところまでは踏み込んでおられないように私は受けとめております。直接伺った話ではなくて、報道からそのように感じているわけでございます。

今後とも、日銀が中央銀行としての御判断をされると。その御判断の前提というのは、既に量的緩和を導入したときに明確にされているわけですから、色々な指標も御検討になるでしょうし、また日本経済全体のこともお考えの上での御判断になるだろうと思っております。

いずれにしても、政府・日銀一体となって、確実なデフレ脱却への道を歩まなければならないと、そのように思っております。

問)

先日、課徴金制度が始まって以来、初の納付命令が出されたと思うのですが、この課徴金制度を巡っては、対象の拡大ですとか、それから額自体の引き上げですとか、色々な議論があるかと思うのですけれども、今回、4月に制度を導入されて、機動的な処分を行う課徴金制度としては時間がかかったと思うのですけれども、今回の初の命令の評価と、それから今後の課徴金制度のあり方について、大臣のお考えをお願いします。

答)

刑事的な処分と行政処分と2種類、処分の仕方はありますけれども、より機動的に処分を行うためには、課徴金制度というのは迅速ですし、有効な方法であると私は思っております。

例えば、相場操縦については、刑事罰はございますけれども、一部を除き課徴金の制度はないというようなこともありますので、この国会に出します証券取引法改正案の中では、そういう例えばアマチュア投資家がやったような相場操縦で規模の小さいもの等については、課徴金というもので抑止していくという効果が期待できるのではないかと私は思っております。

また、課徴金制度というのは、やはり先ほど申し上げましたように行政処分ですから、ある程度の迅速性、機動性というものがあるというのが、私は特徴であるというふうに思っております。

問)

金融政策に絡んでですけれども、量的緩和解除後、今の3条件に代わる道標という表現を武藤副総裁なども使っていらっしゃいますけれども、今の量的緩和解除後の3条件に代わる新たな道標たるものについて、大臣、何かお考えがあれば伺いたいと思うのですけれども。

答)

世界の先進諸国の経済と比べて、日本の経済は長い間のバブル以降の状況、これを考えますと、やはり正常化しなければならない部分があると私は思っておりまして、日銀の金融政策が、今、有効に機能するためには、やはり公定歩合を上げたり下げたりという極めてオーソドックスですが先進諸国でとられている金融政策、その手段が今なくなっているというところが、中央銀行たる日本銀行のなかなか厳しい状況ではないかと私は思っております。どのぐらい期間はかかるか分かりませんけれども、日銀が金融政策を行うとき、金利の上下、買いオペ、売りオペという、この2つの大きな手段が十分に駆使できる時期が、いずれ私はやってこなければならないと。それは、何年先になるか分かりませんし、どのぐらい先になるか分かりませんけれども、他の先進諸国の中央銀行は、いずれも公定歩合を上下する、あるいは売りオペ、買いオペをやるという市場操作、金利の上下と市場操作というこの2大手段は、いずれ正常な姿に戻った中央銀行として持つべき機能だろうと私は思っております。

問)

その金融機能が復活した場合ですけれども、先進諸国ではインフレターゲットなり、インフレ参照値なりを導入していたり、あとはアメリカのようにFRBの声明等で市場と対話していくやり方をとっていますけれども。

答)

インフレターゲットとかインフレオブジェクティブとかという言葉は非常に難しい言葉で、元々インフレが高進しそうな国でとられている政策がインフレターゲット、物価をある範囲内に抑止していこうと、そういう政策目標をやっておりますけれども、デフレの国でインフレターゲットというものはあるのかという根本問題もありますし、それからターゲットを決めて、ターゲットに到達するような手段というものは一体何かということが議論されないで、いたずらにターゲットという議論だけ進めるということは、私の勉強不足かもしれませんけれども、私は理解できないと思っております。

問)

先日、みずほ銀行の行員が、個人情報を大量に持ち出したということで逮捕される事件が起きていますけれども、こういう件をどのようにご覧になっているかということと、今後の監督当局としての対応についてお願いします。

答)

これは、みずほ銀行の行内での処分もありますでしょうし、また刑事事件としての処分もあるでしょう。また、金融庁としては、みずほ銀行に対して、しかるべきそれ相応のことをしなければならないと思っております。

いずれにしても、顧客の大事な情報が外部に流出する。しかも、今回の流出は、暴力団のフロント企業関係だという報道に接しまして、非常に驚愕するような事件であったと私は実は思っております。どういうことでそういうことが起きたかは、まだ事件は進行中でございますので分かりませんけれども、いずれにしても、情報の管理ということについては、金融機関の信頼性、信用性という観点から、みずほ銀行のみならず、各行とも意を尽くしていただかなければならないことだと思っております。

いずれにしても、金融庁としては、この問題からも更に学ぶべきものがあるのだろうと思っております。

問)

インフレターゲットの話に戻って恐縮ですが、物価水準目標の設定というのがあって、ECBのように緩やかな形の設定という、それも否定と言いますか、理解はできないのでしょうか。

答)

何のために設定するかということと、設定した場合、そこにどうやって到達するかということについて、ターゲット論者からもう少し講義を受けないと、何ともコメントできないという議論だろうと私は思っています。

(以上)

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