伊藤金融担当副大臣記者会見の概要
(平成14年10月30日(水)21時35分~22時10分)
【質疑応答】
- 問)
-
今日、竹中大臣から遂に金融再生プログラムという事で出されたのですが、ちょっと言葉の端々を捕まえるようで非常に申し訳ないのですが、「検討を求める」とか「要請をする」といった非常にお役所的と言って良いか、そういった表現が目立つのですが、今年度中にちゃんと実現するという見込みはあるのでしょうか。
- 答)
-
ここについては、やはりしっかり実務的に詰めなくてはいけない問題もございますし、また研究を重ねていかなければいけない分野もあります。そういう意味では、ある意味では私達の具体的なスケジュールを明示しているわけでありますから、それに向かってやるべき事をやり、そして世界から見て「なるほど。日本の金融システム、そして金融行政というものの信頼というものはより強固になり、日本の金融市場の信頼というものは十分に確立されている」というふうに思っていただけるように精一杯努力をしていくという事でございます。
- 問)
-
では、「検討する」とかそういった表現のものに関しては、期間に具体的な目処はまだないということでしょうか。
- 答)
-
早急に取り組んで行くということであります。
- 問)
-
今回提出された資料なのですが、「先送り」といった声が、税効果会計に関してもそうなのですが、非常に良く聞こえるのですが、副大臣としてはどのようにお考えになるでしょうか。
- 答)
-
大臣も先程の会見の中でお話になられたように、税効果会計という極めて専門的な問題がこれだけ多くの方々の関心を呼び、そして様々な角度から議論されたということは非常に大きな事ではなかったかなというふうに思います。
そして、そうした事が明らかになる中でいかにこの問題がいろんな意味で非常に難しい問題をはらんでいるのかと。つまり税の問題と企業会計の問題、そしてBISの問題、その3つの視点からこの問題を考えていかなければいけない。しかし、その視点から考えて行く中で日本の銀行の、特に主要行の自己資本の質というものを向上させて、世界の銀行と比べても十分に日本の銀行の自己資本、主要行の自己資本というものは充実させて行く事が出来るのだという方向性を導き出して行くためにどういう視点で議論して行かなければいけないのかという事は、かなり明らかになったのではないかというふうに思っております。そういう意味では、これから速やかに検討するという事でありますので、税の問題も含めて総合的にこの問題について議論をして、そして方向性を導き出して行きたいというふうに思っています。
- 問)
-
今回、竹中大臣のPTがあったと思うのですが、このPTは一切議事録等もなく、非公開ということで行われたのですが、こういった密室で行われた議論の結果が参考にされたという結論なのですが、これに対して国民は納得するとお思いになっておりますでしょうか。
- 答)
-
今回のこうした再生プログラムを作るにあたって、ある意味では金融というのは非常にマーケットに影響を与える問題でありますし、そうした意味で大臣とすれば専門的な方々に色々な意見、あるいは議論、提案というものを聞きながら、そして自分なりに今後の金融行政を強化して行く、その具体的な方向性、基本的な方向性を判断して行きたいということでありましたし、また、PTのメンバーの先生方からしても、自由な議論をして行くためにどうしても今回このような形を採るという事も必要ではなかったかなというふうに思っております。
私は事務局長をさせていただきましたので、今回のPTの中の議論、そして私自身も立法府に籍を置いておりますので、国会の中の議論でありますとか、与党を中心に金融の再生については様々な提案がございました。そうしたものの論点整理をして、十分にPTの議論の中でその論点を潰す事が出来たのかどうか、そうした形でも今回のPTの運営をさせていただきましたし、またPT以外にも出来る限り色々な方々からのご意見を更に詳しくお伺いをして、大臣が最終的に判断が出来る材料というものを一生懸命作らさせていただきました。その中で大臣が、今回ご判断をされ、そして政府の中で、そして与党の皆様方にご理解をいただいて政府・与党が一体になってこの問題を解決して行くという流れの中で、この再生プログラムというものを今日発表させていただけたのではないかというふうに思っています。
- 問)
-
市場への影響を考えた上での、こういった密室性のPTになってしまったという事なのですが、今後もこういった市場への影響が考えられるような場合の緊急事態には非公開という形でやっていくという事は、当然あり得るという理解をしてよろしいのでしょうか。
- 答)
-
今後の事はまた今後の検討になるのではないかと思います。
- 問)
-
関係府省への要望というところの中で、例えば繰戻税金の部分とか、こういうものは「要望」という表現になっていますけれども、財務省側、相手省庁はどういう反応をしているのでしょうか。
- 答)
-
これから議論になっていくのではないかと思います。私共として問題提起をさせていただいているわけでありますし、政府税調においても、やはり不良債権問題の処理を加速して行くために税の世界でどういうサポートが出来るのかという議論がなされて行く事になると思いますし、また経済財政諮問会議やその他の場でもこうした議論が続いて行くというふうに思います。
また与党の方からも与党税調の中で、あるいはそれぞれの党の税調の中でこの税の議論は非常に重要だという声が私のところにも寄せられておりますから、そうした様々な場面の中でこの税の議論については相当本格的になされるのではないかというふうに思っています。
- 問)
-
まだ要望はしていないのですか。
- 答)
-
事務的にはもう要望させていただいているのではないかと思いますが、ちょっと私は今確認が出来ていないです。2つの点については今までも要望させていただいていますよね。
- 問)
-
RCCと新しく出来るという再生機構ですけれども、住み分けみたいな部分については。
- 答)
-
RCCは特に色々な権利関係を整理して行くという事について、パブリックの力というのは非常に大きいものがございます。そうした視点からRCCが設立されたという事でありますから、そこの機能は非常に重要ではないかと思います。これから新しい機構を作って行くわけでありますが、その機構とRCCが今まで積み重ねてきた色々な機能というものがありますから、それを有機的に連携して、全体として産業再生に役立つような形を実現させて行きたいというふうに思っています。
- 問)
-
実際に買い取るのはこの機構の方ですか。RCCも買うのですか。
- 答)
-
いや、RCCも今までもそうしていますし、新しい機構についてはこれから政府全体で議論して行くという事でございますから。
- 問)
-
破綻懸念先がRCCで、要管理先が新機構という感じでよろしいのですか。
- 答)
-
まだその辺の事をどうするかというのは具体的にはこれからの議論だと思います。
- 問)
-
大手銀行の頭取の皆さん方が共同会見をしたり反対声明を出されたり、与党の方々に直接申し入れをされたりしていますが、こういった一連の動きはこのプログラムにどう反映されているのか、されていないのか。
- 答)
-
銀行業界の代表の方にPTでもヒアリングをさせていただきましたし、またマスコミの皆様方の色々な報道の中で銀行業界の方々が色々な問題意識を持たれたり、ご意見を持たれたという事もございましたし、私共としては首脳の方々と3回意見交換をさせていただきました。
また、与党の方々からも色々なご意見がございましたので、そうした事を十分お伺いをさせていただきながら、竹中大臣としてこの再生プログラムを決めるに当たってご判断をされたのではないかというふうに思います。
- 問)
-
妥協と言ったら変ですけれども、多少そういう部分があったという理解で良いのでしょうか。
- 答)
-
最初に記者会見をさせていただいた時にお話させていただいたと思うのですが、やはり金融の再生というのは総合的な政策の中で実現をしていかなければいけないというふうに思っております。従って、様々な方々の意見というものに耳を傾けながら、総合的にどう成果を出せるのかという事が大臣の決断の中でやはり一番大きい部分ではなかったかというふうに思いますので、そうした中でご判断をされたのだと思います。
- 問)
-
金融庁、あるいは大臣、副大臣としては、今回のアクションプログラムは銀行業界、金融業界の理解を得られた上で発表したものだというふうに認識していらっしゃるのでしょうか。
- 答)
-
私共はある意味では監督官庁でありますので、私共としてどういう監督行政を通じて国民に信頼される金融行政を実現して行くのか、国民のための金融行政のあり方とは何なのかという事が一番大切な視点ではないかというふうに思っております。そうした中で私達の考え方を整理させていただき、関係の業界の方々にもご理解をいただきながら、やはり日本の金融システムの更なる信頼の強化というものを実現させて行きたいというふうに思っています。
- 問)
-
結局、理解は得られたのですか。銀行業界と意見交換をされましたけれども、そこでの議論というのはこちら側から提案があるわけでではなくて、勝手に意見を言ってくれと、意見聴取をしたという形だったのですが、その結果のプランに対して銀行業界は理解を示せるのでしょうか。
- 答)
-
やはりこれからが非常に重要ではないかと思いますし、今、何かそういうお話をされていますけれども、私自身は参加させていただいて、相当建設的で充実した議論が出来たのではないかというふうに思っています。特にこの問題の一番重要な課題というのは、いかに産業と金融を一体的に再生して行くかという事でありますから、その再生の部分については、やはり銀行のトップの方々からその経験に基づいて色々な現場感覚のお話もいただく事も出来ましたし、私は相当充実した議論をさせていただく事が出来たのではないかというふうに思っております。
その事が新しい機構を作るという事に繋がってきておりますので、私は何か対立だけという事では決してないというふうに思っておりますし、これからが非常に重要ではないかというふうに思っています。
- 問)
-
基本的に全然金融業界からの了承を得る必要はないという事なのでしょうか。
- 答)
-
私共は監督官庁として国民のための金融行政をしっかりやって行く事が大変重要だというふうに思っています。
- 問)
-
細かいのですけれども、特別支援金融機関に認定された場合の新勘定と再生勘定との関係と、再生機構との関係というのはあるのでしょうか。
- 答)
-
この新勘定、再生勘定というのは特別支援の中に入った銀行の経営者が判断されて、あくまでも管理上の会計区分でありますので、その中で新勘定、再生勘定というものが分けられるという事になるというふうに思います。
新しい機構との関係についてはこれからの議論でありますので、この連携をどうしていくのかという事は十分に議論をしていかなくてはいけないというふうに思っています。
- 問)
-
場合によっては再生勘定が機構の方に移る可能性というのもあるわけでしょうか。
- 答)
-
ここはまだこれからの議論であります。再生勘定の中身をやはり十分に精査して、その勘定のものをいかに再生して行くかという事が極めて重要でありますので、そうした意味で、それを実現していくために管理上、会計を区分しているということであります。
- 問)
-
同じく産業再生機構についての質問なのですけれども、RCCにいくのか産業再生機構にいくのかという判断は誰が、独立した産業再生委員会というところが判断するのでしょうか。
- 答)
-
この特別支援というのは、基本的に国有化ではなくて民間の活力というものを最大に活用しながら、銀行の再生を実現して行く、金融機関の再生を実現して行くという事にあります。従って、この特別支援を受けている銀行の経営者がこの再生勘定の中の対応をどうするのかという事を考えて行く事になるだろうというふうに思いますので、今この時点で何か決め付けるという事ではないというような事です。
- 問)
-
特別支援を受ける事になった金融機関の代表の経営者の責任の明確化を厳しく求めるとありますけれども、責任の明確化とはどの程度の事を仰っているのでしょうか。
- 答)
-
これはやはり経営者ご自身がご判断されるという事だと思いますので、だた、私共からいたしますと、やはり公的支援ということで、これは日銀の特融というものを使いながら、セーフティネットをしっかり敷いて、底割れをさせない仕組みだという事でありますので、こうした状況に入る経営になってしまったという事について、やはり経営者の方々のご判断というものはあるだろうと。それに対して私共としてはやはり経営責任を明確に考えでいただきたいという事でこうした形のものを書かさせていただいているという事であります。
- 問)
-
それは相手方に求めるという事は、旧経営側の責任に関してはその経営をした彼らの自主的な判断に任せるという事ですよね。
- 答)
-
そうですね。
- 問)
-
では彼らが自分達はそんな事はないと思えばそれまでといった形になるわけですか。
- 答)
-
そこはこれからその銀行がどう再生して行く事が出来るかという事も、私共としてはしっかりモニタリングをしていくわけでありますから、その中で経営の責任というのは自ずとはっきりして行くと思いますし、経営者自らがしっかりご判断をされるのではないかというふうに思います。
- 問)
-
特別支援金融機関の認定の仕方なのですけれども、ここには3ページの中程に「経営難や資本不足もしくはそれに類似した」というふうにあるのですが、これは具体的にはどういう事になっていくのでしょうか。
- 答)
-
これは、一つにはやはり経営困難に陥っているケースでありまして、預金者を守るために私共として危機対応しなければいけないというケースが一つ考えられると思います。また、金融機関の判断で公的資金を受けたいという事で申請をされるというケースもこの中に入って行く事になるのではないかというふうに思います。更には大臣からも「優先株を普通株に転換する運用ガイドラインを早急に作りたい」という事でございますが、この普通株の割合が一定の割合を超えた場合に、こうした事も一つ想定する事が出来るのではないかというふうに思います。
- 問)
-
金融庁の、いわゆる「bad-bank」、「good-bank」という議論なのですが、公的資金を具体的に入れるのは「good-bank」の方であって、「bad-bank」ではないという理解でよろしいのですか。これは文脈を読んでいきますと、まあ深読みし過ぎかもしれませんが、新しい公的資金制度を非常に幅広くとって、金額に余裕を持たせるというところが最後にきていますから、当然今のいわゆる危機対応勘定だけでは金額的に合わない。それだけでは大変だという事を想定しているように読めますので、そこは要するに「good-bank」についてかなりの銀行があって、その数を支えて行くといったような意気込みが入っているのですか。
- 答)
-
現時点で今の勘定で足りないというふうには私共は思っておりませんので。
- 問)
-
ディスカウント・キャッシュ・フローの引当の期間なのですけれども、早ければ2003年3月期という・・・。
- 答)
-
そういう事ですね。ここについてはこれは「的」と書いてありますように、米国流をそのまま用いるわけではありません。今、いくつかの銀行の中でこの手法を取り入れられているところもございますし、私共として研究を重ねていきたいというふうに思っています。
- 問)
-
11月を目途に作業工程表とありますけれども、それにはどのようなことが入っているのでしょうか。
- 答)
-
この中で更に深掘りしなければならないものがございますので、そうしたものを深掘りをさせていただいて、それから今お話があったようなことも含めて、大体それを何時どのような形で実現していくのかということで工程表を作りたいということになります。
- 問)
-
盛り込まれなかった繰り延べ税金資産の実施の時期についても、ここで示される可能性もあるのですか。
- 答)
-
まずこれは検討するということでありますから、大臣が恐らくそれほど遠からず検討の仕方についてお考えになられて、具体的な検討作業に入るのではないかと思っておりますけれども。ここはちょっと大臣のご判断ではないかと思います。
- 問)
-
検討の場はPTになるのでしょうか。
- 答)
-
PTではないと思いますけれども、ただこれは大臣のご判断でありますので。
- 問)
-
PTは今後どうなるのですか。
- 答)
-
PTでは大臣からは先程から少しご質問があります、産業再生の部分あるいはRCCの機能強化の部分、ここについてですね、より深い議論をしていこうということでございますし、更にリレーションバンキングの話もされておられましたけれども、そうしたテーマについても議論をしていきたいということを最近のPTの中でお話になられていますので、そうしたテーマになるのではないかというふうに思います。
- 問)
-
解散はしないのですか。
- 答)
-
私は今のところはそのお話は聞いておりません。大臣のお考えです。
- 問)
-
ペースはどの位ですか。
- 答)
-
そこもちょっと。私もまだ大臣とゆっくりお話ができてないものですから。
- 問)
-
メンバーは変わらないのですか。
- 答)
-
そこも大臣とお話をしていないものですから。
- 問)
-
PTは結局何回でしたでしょうか。
- 答)
-
そうですね、8回くらいやったのではないですかね。
- 問)
-
今回のこのプログラムで示された項目について、施策を講じるということで、主要行については平成16年度には不良債権額を現状の半分程度に低下させるということは、これはもう実現できるということですか。
- 答)
-
それを実現して、それと総理からもお話がございましたように、金融システム改革だけではなくてあと三つの改革を通じて、日本経済を力強い再生軌道に乗せていくということでありますので、その中の大きな柱の一つが金融再生でありますから、私共としてはこの課題に取り組んで、そしてしっかりとした成果を出して行きたいというふうに思っております。
- 問)
-
税効果の議論が出てきた背景に、16年度末までに不良債権額を半分にするという目標を達成するための議論として出てきたと思うのですけれども、今回具体論が先送りされた結果になっているのですけれども、これがなくても実現できると、十分なメニューであるというご認識をされているのですか。
- 答)
-
税効果の問題については先程お話をさせていただいたように、3つの視点の中でこの議論を深めて、そして目的は金融機関、主要行の資本の質というものを良くして行く、世界的に遜色のないものに充実をさせて行くということであります。特にこの集中期間に入る前の、主要行の税効果の自己資本に占める部分というのは約20%位でありましたから、この集中期間が終わればその方向に向かって行くということに恐らくなるだろうと。それを確実なものにして、銀行の収益を通じて自己資本の質を向上させて行くために更に知恵を出せる部分があればそこに知恵を出し、世界的に見ても日本の金融機関の資本というものは「なるほど充実して行く方向になるんだなあ」ということを具現化できるように、努力をして行きたいということであります。
- 問)
-
特別支援の枠組みなのですが、こうした状況に陥った場合には以下に示す枠組みを適用する、(1)、(2)、(3)とあるわけですけれども、(2)番は現行の預金保険法による資本注入であるかと思いますが、これは従来の資本注入の要件と何か変化があるのですか。特別支援の枠組みで、(2)の公的資金の投入を行う場合というのは、条件の変化等あるのでしょうか。
- 答)
-
先程お話をさせていただいたように従来のものプラス申請をされた場合と、それから普通株に転換をして一定の割合以上を越えた場合ということでありますので。
- 問)
-
今ある預金保険法に基づいて公的資金を注入するということですか。
- 答)
-
これはまず日銀と連携して流動性を確保するということでありますから、その後どうして行くかというのは個々の具体的なケースによるのだろうと思います。
- 問)
-
預金保険法に基づく公的資金の注入の場合は、危機対応会議を開くなりする手続きが必要ですよね。それは従来通りの手続きをするのですか。
- 答)
-
それはもう法律に基づいてやって行くということになると思います。
- 問)
-
要件としても国会答弁等もありましたけれども、そこは変わっていないわけですか。
- 答)
-
そうですね、はい。
- 問)
-
新法というのは、例えば早ければ次の国会に提出するのですか。
- 答)
-
これについては色々な可能性を否定せずに議論をして行くということでありますから、新法ありきということではありません。
- 問)
-
金融問題タスクフォースというのは、これはどういうものですか。金融庁に創る話ではなくて、モニタリングを専門にやるというか、PTみたいな話も耳にされているのか、それはどういう所なのですか。
- 答)
-
これは不良債権問題を終局に向けて行くためのモニタリングをして行くと。それに当たって更に専門的な方々に集まっていただいて、そして大臣に対して助言をしていただくということであります。これからどういうふうにするかということについても、今後議論をして早急にこのあり方について明らかにして行きたいというふうに思っています。
- 問)
-
資産査定の厳格化で色々な内容がありますけれども、これは金融検査マニュアルの関係を書き換えることになると思うのですけれども、その場合はこれまでは案を作ってパブリック・コメントにかけてという、時間と手間をかけてマニュアルを作ってきたと思うのですけれども、同じような手続きになるのでしょうか。
- 答)
-
これは実務的に今後どういうふうに進めて行くかというのは、詰めさせていただきたいなというふうに思っています。
- 問)
-
これまでと同じような手続きだと、多分来年の3月というのはちょっと間に合わないのではないかという気がするのですけれども。
- 答)
-
そうしたことも含めて、これから作業させていただきたいと思います。
- 問)
-
RCCの活用で、企業再生もやりますということが書かれているわけですが、一方で産業再生機構というのがあって、もう一つ政策投資銀行がファンドに出資するなどして再生ビジネスを手がけていると。この辺りの役割分担がすごく不明確に思えるのですが、その辺りはどういう整理をされているのでしょうか。
- 答)
-
それぞれにそれぞれの持ち味がありますので、ある種再生の部分で重なる部分があるかもしれませんけれども、それをいかに有機的に連携をして行くかということが極めて重要ではないかと思っております。政府系の金融機関の役割というものも、この集中期間の中にやはりあるだろうということでこうした位置付けをさせていただいている訳でありますし、RCCの機能を更に強化することによって再生に役立つ部分もある訳でありますし、また新しい機構を作ることによってこれは政府の中全体の力を結集するだけではなくて、民間の方々の様々な力というものも活用させていただきながら、大変大きなテーマである産業再生というものを実現して行きたいということであります。
- 問)
-
税制改正の所なのですけれども、後から取って付けたような感じで、他の部分は政府全体のプログラムということですが、税制改正についての議論も、これは政府が、という主語でよろしいのですか。
- 答)
-
これは私共が、ということであります。
- 問)
-
金融庁が、ということですか。
- 答)
-
はい、竹中大臣が、ということでございます。
- 問)
-
金融担当大臣としての竹中大臣が、ということですね。
- 答)
-
そういうことですね。
- 問)
-
特別検査なのですけれども、この間行われた特別検査は、債務者区分は、対象は大口問題先だったと思うのですけれども、その対象を広げるということですか。
- 答)
-
いや、これもどういう形で進めて行くかというのは、実務的に詰めて行きたいと思います。
- 問)
-
集中調整期間は銀行の収益力が顕著に上がるということはちょっと考えにくいと思うのですが、その間この税効果資本を圧縮した分を公的資本で埋めたら、それで資本の質というのが上がって、国際的に評価されるとお考えなのですか。
- 答)
-
ですから先程から繰り返しお話をさせていただいているように、この税効果の問題についてはご質問があるように税の部分、この税の部分をどうしていくのかと、それと会計の問題、それとBISの問題でありますから、その中でやはり税の問題は極めて大きな問題ではないかということで、私共としても具体的にこうした要望を関係府省の方に出させていただくということであります。
- 問)
-
RCCの買取価格についての表記が良くわからないのですが、自己査定であることを前提に何を判断するのですか。自己査定を買い取り額の参考にするということですか。
- 答)
-
ここは前提で「十分な引当を積んだ自己査定であることを前提に」ということになっていますから、この十分な引当を積んだという所が非常に重要なことではないかと思います。
- 問)
-
これは今までの場合、買取価格というのはRCC側の判断にかかっていたわけですけれども、いわゆる自民党で出たような実質簿価みたいな話との関係は、どういうふうに理解すればよろしいでしょうか。
- 答)
-
これはここに書いてあるように、十分な引当を積んだ自己査定であることを前提にということであります。
- 問)
-
「参考情報」とはどういうことですか。
- 答)
-
これは繰り返しになりますけれども、十分に引当を積んだ自己査定ということを前提にして、これを前提にしてそれで判断する際の一つの参考情報として採用するということであります。ここに書いた通りであります。
- 問)
-
参考にというのはどういう意味ですか。
- 答)
-
参考は参考であります。
- 問)
-
自分も意味がわからないのですけれども。さっぱり日本語になっていないと思います。要するに買取価格を上げるということですね。
- 答)
-
いやいや、ですからここに書いてあるように「十分な引当を積んだ自己査定」ということでありますので。
- 問)
-
売り手側の判断に擦り寄るということですか。買う側の判断ではなくて、売る側の判断にちょっと擦り寄りますよ、ということなのですか。
- 答)
-
いやいや、ここに書いてあるように「十分な引当を積んだ自己査定」ということでありますので。
- 問)
-
中小企業の貸出信託会社、いわゆるJローンというのですかね、そこの話を分かる範囲でもうちょっと具体的に。例えばアウトソーシングというか子会社を銀行同士が共同で作ってしまったり、色々なことがどうも考えられそうな感じがするのですが。悪く言えば飛ばしかもしれないけれど。具体的な話は、本当にこれはちょっと竹中大臣の話でも出たのですが、あるので、という感じもあったのですが、具体的に出ているのですか。いわゆる新しく貸出し専用の会社を作りたいとか、要望としてオフバランスにするのに作りたいという話があるのですか。
- 答)
-
そういうアイデア、あるいは構想をお持ちだということは聞いておりますけれども、その中で何か具体的なイメージをしている訳ではなくて、この信託というものを活用して、特に中小企業の資金ニーズに応えられるような資金チャンネルを開いて行きたいと、多様化して行きたいと、そのことも中小企業金融を円滑にして行く、一つ大切な柱ではないかという私共の問題意識です。
- 問)
-
中小企業に対する配慮が全面的に出ているプログラムだと思うのですが、前の公的資金注入の時のその後の銀行に対する計画などもそうなのですけれども、結局今銀行というのは利ざやの改善などをやる一方で、貸し剥がしとか貸し渋りというふうに言われていて、ある意味仕方ない部分があるような気がするのですか、その辺りは副大臣はどのように整理されているのでしょうか。
- 答)
-
私は中小企業のやはり現場の経営感覚というものをしっかり審査をして行くことが出来れば、私は中小企業がより再生をして行くチャンスというのは相当にあるのだと思います。その再生を通じて、銀行の収益を更に良くして行くことは出来るのではないかという問題意識を基本的に持っています。
- 問)
-
両立出来るというお考えでいいのでしょうか。
- 答)
-
両立といいますか、非常に銀行にとって中小企業貸し出しというのは大切ではないかと思いますが。極めて大きな収益の柱になる分野だと思います。
(以上)