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伊藤金融担当副大臣記者会見の概要

(平成15年2月26日(水)14時01分~14時16分)

【質疑応答】

問)

副大臣の方から何かございますか。

答)

私の方からは特にございません。

月曜日に公認会計士協会の奥山会長と会談をさせていただいて、そして昨日、公認会計士協会の方からその会談内容について具体的なご報告があり、またそれに対応して、金融検査マニュアルの改訂についても事務方からご説明があったと思いますので、皆様方からご質問がありましたらお願いします。

問)

それに関連して、一連の施策で今後それをもって、これからの金融行政をどうされて行くかということと、それから、それを受ける主要行の受け止め、どういった対応を望まれるかお願いします。

答)

私共といたしましては、金融というのは非常に信頼というものが大切でありますので、そうした視点から金融再生プログラムをまとめさせていただき、作業工程表に従って取組を今日までさせていただいて来たところでございます。そうした中で、繰延税金資産の合理性というものをしっかり確認して行くということで、公認会計士協会の会長通達ということで主要行の監査人の方々にその通達をしていただき、また、金融再生プログラムを作るにあたっては、この信頼というものをより強固にして行くために資産査定というものをしっかりやります、そして銀行の自己資本というものを充実させて行きます、更に金融機関の方々のガバナンスというものを強化していただきたい、そういう視点の中でこの再生プログラムをまとめさせていただいたわけでありますので、それを具体的に実現して行く方向でやらさせていただいているということでございまして、この金融再生プログラムに基づいて各金融機関が様々な前向きな努力をしていただいているということでございますので、更にそうした取組が進んで行くことを大きく期待しているところでございます。

問)

3月を前に、最近のところ株価が下落しております。このことについてのご所見と、特に銀行株自体も下落していますので、銀行が保有する株式という側面と、それから銀行株そのものが落ちていると、この2点についてお願い出来ますでしょうか。

答)

今、ある意味では国際的な情勢というものが極めて不透明なところもございますし、まあ株価についてはいろんな要因がございますので、私の方から特別なコメントを出来る立場にはございませんが、株式市場については私共も注視しているところでございます。

銀行の株価についても、銀行はそれぞれいろんな前向きな努力をしていただいていますので、そうしたものがこれから市場で評価されることに繋がっていただければなと、そういうことを期待して行きたいというふうに思っています。

問)

そんな中、与党側の方で株式保有制限について延期を検討しても良いのではないかという考えがあるのですが、これに対して金融庁としてそういった方針が出た場合に、特にそれに反対しないのかと、そういったところについてお伺い出来ますでしょうか。

答)

まだ与党の方々からこれについて具体的な方針が最終的に決定されたということではございませんので、これについて今、この時点で何かどういうふうに対応して行くということを私共が考えているということはございません。

今日まで取得機構があり、また日銀としても株式の買い取りというものをしながら、いわゆる保有制限を導入することによる保有リスクというものをどう軽減して行くのかということで、それぞれ連携をしながら取組がなされているわけでございますので、そうした中で与党の方々もいろんな視点から議論をされているというふうに思いますので、その議論を見守りたいというふうに思います。

問)

生命保険の予定利率の問題なのですけれども、まだコンセンサスが出来ていないということで、当面、協議を続けて行くことになりましたが、そんな中、どうも政治側の事情としては統一地方選があるので、それまでは少し議論を止めておこうかという話もあるようですが、副大臣であり、かつ一代議士として、その辺の事情はお分かりになりますでしょうか。

答)

事情は私も全て承知しているわけではありませんし、繰り返し繰り返しになりますけれども、私共としては引き続き勉強させていただいているところでございまして、金融庁として何か具体的な方針を決めたということでは全くございません。私共としましては生命保険のセーフティーネットについての関連法案を、予算非関連法案として提出に向けての準備をいたしておりますので、予定利率の引き下げの問題については大臣もお話をさせていただいているように、与党の皆様方と相談をしながら考えて行きたいというふうに思っています。

問)

昨日の公認会計士協会の奥山会長のレクでは、「今までにないことだ」と、いう奥山会長の説明があったのですけれども、どんな印象ですか。

答)

ある意味では内外から、やはり金融機関の皆様方、主要行の決算というものがどうなって行くのか、どういう姿になって行くのか、そして、その会計を巡っては昨年来いろいろなことがあったわけでありますので、その会計の信頼というものをしっかり確保するという視点からも、また金融再生プログラムの趣旨については奥山会長は一番良くご存知の一人でもいらっしゃいますので、そうした視点の中で今回の会長通達というものをお出しになられたのではないかというふうに思っております。これはもう私が言うまでもなく、公認会計士の皆様方の役割、使命というものは極めて大きなものがございますので、そういう意味からは繰延税金資産の問題も含めて、この決算に当たって監査人の方々がその使命、期待に応えられるお仕事をしっかりされるということだというふうに私の方は思っております。

問)

リアルタイムは、いわゆる非経常というか、DCF、それから特別検査については特異事項に当たるというか、そういったような判断は会計士、監査役の方にあるというふうに聞いたのですが、具体的にもう特別検査の影響はあるわけですが、そこはどういうふうに考えられるのでしょうか。

答)

今、特別検査というのは、通年・専担検査の一環として行われているわけですから、そうしたことも踏まえて、監査人の方々が、非経常的な特別な要因に当たるのかどうかということを、合理的にご判断をされることになるだろうというふうに思います。

問)

税効果の厳格化というのは、税制改正とセットで議論していくということになっていたと思うのですけれども、それなのに今回、実質的に厳正に監査されるということで、片一方の税制改正の議論はどうなっていくのかなというのが注目されているのですけれど、そこら辺はどう進められていくのですか。

答)

それはですね、税効果については、皆様方の方がよくご存知でいらっしゃいますけれども、税効果については三つの観点がございまして、一つは、今ご指摘がございました税の問題、それから企業会計としての問題、そして私ども監督する立場として、繰延税金資産というものが自己資本の中においてどういう比率が健全性の観点から適正なのかと、こうした三つの要因が絡み合っている問題でございます。税につきましては、与党の皆様方からも、税制改正の中で様々な議論がございましたし、私共としても、当局に対してこの点についての税制改正をしていただきたいという要望をさせていただいたことは、ご承知のとおりだというふうに思います。引き続き、私共としてもこれから、今、税の議論が国会で審議されておりますので、そうしたことを踏まえながらも、今後、この問題について問題意識を持っていきたいというふうに思っておりますし、また、与党の皆様方においても、同じように問題意識を持って、今後議論を深めていただけるのではないかというふうに思っております。今、公認会計士協会の会長から通達が出たというのは、会計実務指針に則ってしっかりとした対応をして行こうということでありますので、これを見ていただければ分かるように、会計実務指針の中では詳しくこの繰延税金資産についての取り扱いが規定をされている訳でありますので、その規定というものを厳格に運用していただいて、この繰延税金資産についてはマーケットからも様々なご意見がございましたから、そうした意見に応えられるような形で、しっかりとした決算を組んでいただく、繰延税金資産の取り扱いをしていただくということになっていただければと思っております。

問)

繰延のところで確認なのですが、特別検査は、通年・専担制だから、非経常的要因に認めるのは望ましくないというお考えで理解してよろしいでしょうか。

答)

これは、個々の金融機関によって、いろいろな事情が違うだろうと思いますので、そうしたことも踏まえて、監査人の方々がご判断をされるだろうというふうに思いますが、特別検査が通年・専担検査の一環だというふうにお話をさせていただいたのは、これから特別検査が入るに当たって、何か新しいやり方を持って特別検査に入るわけではございませんので、今、この特別検査というのは、リアルタイムで、銀行の皆様方にもご協力をいただいて、決算の正確性というものを期すために、この検査というものを、銀行の方々のご協力をいただきながら私共としてさせていただくということでございますので、そこのご判断を監査法人として適正にされるだろうというふうに思います。

問)

もう一点は、今回の厳格化の通達が、3月期末の銀行の決算に与える影響について、副大臣はどういう認識をお持ちでしょうか。

答)

それぞれの金融機関で、金融再生プログラムに基づいて決算に向けた取組がなされているというふうに思っておりますし、またそうした取組を私共として期待をしているところでございます。

問)

リレーションシップの件なのですが、少し古いのですけれども、地方銀行からは滋賀銀行さんが代表になって話をされたようなのですが、特にお聞きするところ、副大臣の推薦というか、これでどうだという話で決まったというふうに聞いたのですけれども、その事実関係は少し違うのですか。

答)

それはワーキンググループの中でお話し合いになられて、どういう方が良いかということで、ご判断されたのではないかというふうに思います。事実関係で言うと、私自身は、近畿の財務局にお伺いさせていただく機会があり、その中で地方の金融機関の代表の方々と意見交換をさせていただいたことがございますので、その中に滋賀銀行が入っておられました。

問)

ディスカウント・キャッシュ・フローは非経常ということでよろしいのですか。

答)

正確性を確保するということでございますので、詳しいことは検査局に確認をしていただければ間違いのないことではないかなというふうに思います。

問)

今日、長崎のハウステンボスが会社更生法を申請をするようですけれども、主力行の事情もあるのでしょうが、地域の金融機関に対する影響も少し心配されていますけれども、その辺りはどのように理解されているのですか。

答)

これは個別の案件ですので、私の方から仔細なコメントをさせていただくことはできないのですけれども、今ご質問のありました、一般論で言えば、金融機関に対して影響を与えるというような報告は私の方には上がってきておりませんので、関係金融機関の経営に直ちに影響を与えることはないというふうに考えております。

(以上)

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