森金融庁長官記者会見の概要

平成13年9月4日(火)
13時40分~14時20分
北海道財務局大会議室

【森長官あいさつ】

私、平成10年の12月に金融再生委員会が生まれた時に、金融再生委員会事務局長に就任いたしました。ご承知の通り金融再生委員会の役目というのは、金融機関の破綻処理ということと、そして金融機関への資本注入という2つの役目を背負っていた訳でございます。それが、今年の1月に金融再生委員会が門を閉じまして、その機能も金融庁に一元化いたしまして、同時に金融庁長官に就任いたしまして、半年ほど経ったところでございます。

その間、全国の金融機関の監督、その健全性のチェックというのが私に課せられた任務な訳でございますけども、残念ながら北海道につきましては、日本経済が大変な不況の中でも、特に北海道経済というのはいわば非常に不振を極めている。そういう中では、当然不良債権も発生しやすい訳でございまして、金融再生委員会の時代も通じまして、北海道の地域金融機関の動向というのは絶えず注視をして参りました。その関係で、有り難いことに、北海道財務局から毎日のように皆様の新聞を届けて頂きましたものですから、そういう訳で全国版には載らない北海道地域における金融機関の動向も十分に把握させて頂きました。そういうことで皆さんのお筆に感謝している訳でございます。

北海道では拓銀が平成9年の暮れに破綻した。これは一番大きな、北海道の金融における一番不幸な事だった訳でございますけども、その後、地銀ベースで言えば、第二地銀ベースで、ご承知の通り、北洋と札幌の持株会社を通じての統合ということもございました。北海道銀行自体につきましては、国が資本注入をさせて頂きました。更に、信金につきましては、色々な再編の、不幸な破綻も少しあったかと思いますけれども、今はむしろ再編の動きの中で、北海道は信金王国とも言われていると思うんですけども、信金が懸命に力を強めていこうと、競争力を高めていこう、効率性を高めていこうとしている時かと思います。信組は確かピーク時は15くらいあったと思いますけれども、国に信用組合の監督検査が移管された後で3つ破綻いたしまして、現在9つになっているかと思います。

私は各業態それぞれ重要な役目を持っているものだと思っております。特に北海道の中小零細企業にとってみれば、信組の存在というのも大変重要なものだと思っております。そういう意味で、非常に環境は最悪である訳ですけども、各金融業態、各金融機関が懸命にリストラあるいはその他の策を講じて、収益力を高めて不良債権をキチッと処理して、ペイオフを来年の4月に控えて、頑張っていって欲しいという気持ちでおります。

本日は、金融庁長官として北海道財務局を視察させて頂くとともに、地元の金融機関の方達と意見交換をすることを目的に訪問させて頂きました。よろしくお願いいたします。

【質疑応答】

問)

信用組合への公的資金の注入期限が来年の3月末までですが、今のところ一つも手を挙げた所は無いと思いますが、これから3月末までに手を挙げてくるところが出てくるのでしょうか。

それに関連しまして、仮にそういう動きが出てきた場合、その資本注入の条件として、地元の自治体又は経済界の資金協力というのは必要になってくるのでしょうか。

答)

現在、全国ベースで言えば信用組合は240弱ほどに、破綻信組を除きますと240弱というくらいある訳でございます。その中には若干過少資本になっておるところもございますし、更に仮に自己資本比率が4%を超えていても、それでは十分でなく、もっと強めたいと思っているところもございます。そうした中から、ご質問のような国からの資本注入ということをお考えの信組も幾つかあると、そして水面下では当方への接触といいましょうか、相談も受けております。ただ、すぐに話が纏まって、もうしばらくしたら発表というような段階までにはまだ至っておりません。

我々、昨年の6月に協同組織金融機関への資本注入の考え方という、一つのガイドラインを世の中に発表させて頂きました。もちろんそれは、ペイオフ解禁が本来ならば本年の4月からだったのが、まだ信用組合については国に移管されて間もないという事で、ペイオフ1年延期と、こういうふうになって、それとともに資本注入の期限も、協同組織金融機関については1年延長いたしまして来年の3月迄とした。そんな中で、ガイドラインを発表した訳ですけど、その時はもう少し多くの信組にもちろん資本注入することを頭に置いておりました。それがまだ今日まで無いというのは、一つ状況の変化がございまして、全信組連が資本注入するという、全信組連の資本注入スキームというものが成立いたしました。これは皆さんご承知かと思いますけども、15億円を限度にして、基本的に3%まで自力で這い上がってきて頂いたら、後は全信組連が考えましょうというスキームでございます。これに乗っかった全信組連からの資本注入を受けた信組が幾つももう出てきております。従って、ちょっと私どもが最初考えた時から一段階中に入りまして、全信組連がまず資本注入を考えると、それから国だということになったもので、ちょっと我が方への申請ということを考えるところが減ってきているのかなあという感じを一つ持っております。

そして、今のお聞きになられた記者の方のポイント、即ち、それだったら資本注入を受けるのなら、地元の支援というのは必要なのかというご質問でございますけれども、我々それにつきましては、協同組織金融機関への資本注入の考え方で述べさせて頂きました通り、二つの形態をその時考えました。一つは、再編。つまり再編をして効率性を上げて、そうするので、それを支援する意味で国からの資本注入が欲しいと、これについて、そういうところがあるのなら資本注入を是非させてもらおうということが一つの形態でございます。もう一つの形態は、地元にとってその信組が是非必要であって、その信組が無くなるならば中小零細企業への金融に大変影響が出る、従って、地元が一体となってその信組に支援をし、かつ、その存在というものが絶対不可欠だと訴える。そういうところがあるならば、それは国が資本注入すべきだと、こういう二つの形態についての資本注入の考え方を出させて頂きました。

考えますと、今、北海道も信金レベルでは色々再編が進んでいますけども、信組レベルでの非常に広い地域での再編ということになると、再編効果、再編によるシナジー効果、例えば支店の重複があるならば再編したら相当コスト削減になるとか、そういうような事情というのが、なかなか北海道を頭に置きますと考え難いのかなあと、再編という意味では。そうであるならばもう一つの形態、やはり地元の支援も含めた必要不可欠性、こういうような信組というものがあるならばそれは資本注入いたしましょうという意味におきまして、やはり地方公共団体なり、地元の商工会議所なり、あるいは地元の企業等の支援というのはやはり一つの大きな要素であるというふうに、その2番目のタイプの資本注入であるならばですけども、そういうふうに考えております。

問)

もうご存じかと思いますけども、先月末に旭川で新信組の動きがあったのですが、それが地元で残念ながら断念してしまったんですけども、それについて長官としてどのような感想をお持ちかお伺いしたいのですが。

答)

そのニュースは新聞紙上でよく承知しております。正直言いまして、旭川商工信組の経営が思わしくないということになってから、いろいろ旭川商工信組を支援する動きがあった訳で、そしてその破綻が現実化した時には、新しい信組を受け皿にして、旭川商工信組の今後を考えるということで、確か、旭川商工会議所の副会頭さんですか、がトップになって、発起人会というんでしょうか、準備委員会というんでしょうか、そういうものが出来て、私自身もその動きに期待をし、注目もしておりました。それが断念というニュースをつい最近皆様方の新聞で承知した訳ですけども、大変残念だと思っております。しかし、旭川商工信組の善意かつ健全な借り手というのは大勢いる訳でございまして、そういう方々の今後を考えますと、是非、地元の何処かの金融機関が受け皿になってもらいたい。そしてその交渉は、国が選任いたしました金融整理管財人に託している訳ですけども、私自身も金融整理管財人に是非その努力をして頂きたいということを申しておりますし、是非受け皿との交渉が早く始まり、成功することを強く期待しております。

問)

逆上った議論になって恐縮なんですが、商工信用組合が、都道府県の監督指導下にあったということについて、関係者、都道府県の方々、それから国の機関、財務局などの話を総合してみますと、もっと1年でも早く国への移管ということがあれば、特にこの脆弱な北海道の中で、こういった不幸な事態が次々と起きなかったのではなかろうかという、その温度差を指摘する声もあるのですが、長官としてそのあたり率直なところをお聞かせ下さい。

答)

非常に難しいご質問と思います。ちょっと申し上げたいのは、実は国自体の検査自体が平成10年の3月までは、検査はしても、債務者区分あるいは債権の善し悪しの分類までは検査で見ますけれども、その引当ての是非、つまり要注意先ならどういう計算に基づいて幾ら引当金を積むのか、破綻懸念先ならどういう根拠に基づいて幾ら引当金を積むのかということが、実は平成10年3月まではされていませんでした。つまり、国は、債権の分類を I ~ IV 分類に分けて、それの正確性までは見ましたけども、それに伴う引当金の多寡というのは監査法人、あるいは公認会計士、あるいは公認会計士も監査法人も無ければ、その金融機関の判断に任せられていた訳です。

それが今から考えると、何でそんな不完全なことをしていたんだと言われるかもしれませんけども、事実はその通りでございます。そして、いわゆる自己資本比率に基づいて4%を割れば早期是正措置を打つなんていう、ああいう形になったのも平成10年4月からです。そして平成10年の6月末に金融監督庁が生まれました。何か世の中は、大蔵省なり都道府県の時代の検査は甘くて、監督庁になって非常に厳しくなったというように、一般にはそんなような受け止め方があるようですが、実は仕組みが、システムの大きな変化があった訳です。それは平成10年4月の銀行法改正からそういうふうになった訳で、それからは検査というものは、引当金の正しさもみる、正確性も見ることとなりまして、そしていわゆる検査に入って信組が破綻するとか、あるいは地銀が破綻するとかというのも、問題は資産査定というよりも、それに伴って起きる要追加引当金、要追加償却額で債務超過になっていく訳ですね。

そういうことを考えまして、私が何を申し上げたいかと言うと、監督当局とか、検査当局が都道府県か国かということではなくて、そういうシステムの変化によって、銀行の健全性というのが、あえて言えば、銀行任せというよりもその引当金の多寡の正確性まで当局が見る、すなわち今の銀行の健全性は、銀行の自己査定というのがあって、外部監査法人がそれをチェックすることがあって、それを更に金融当局がチェックするという、三重のチェックで健全性を図っている訳です。それが、今ご質問になられた方の仰った都道府県時代にはそういうことがなかったというところが、システムとして不完全であったということだと私は思っております。

問)

これから行われます道内の金融機関とのお話の中心というのはどのようことになるのでしょうか。また、先程話の出ていました旭川商工信組の受け皿の問題で長官からそのようなお話で何か触れられる点というのはありますでしょうか。

答)

結論を言いますと、そういうことをお話しすることはございません。というのは、結局意見交換と言いましても、今日の出席者は、3つの地銀、29の信金、9つの信組と、それから2つの証券会社、1つの取引所、あと協会の方との意見交換なものですから、どうしても私が最初講演みたいな形で今の金融行政の課題みたいなものを話させて頂く。その中心になりますのは、やはり今、金融庁の抱えております問題、まず1番目に不良債権の問題、即ち現在の金融機関が査定している不良債権というものが、いわばその資産区分、引当て共に信用できるのかということが世の中的にはいろいろ言われておりますものですから、それにつきまして金融庁はこう考えると。一言で言いますならば、今、例えば要注意先以下の全国の預金取扱金融機関で言いますと約140兆、141兆位でしたか、要注意先から下の債権、要注意先から下というのは、要管理先、破綻懸念先、実質破綻先、破綻先となっている訳で、つまり正常先を抜きにした貸出金というのが約141兆程ある訳です。これに対して、一部のアナリストなり、あるいは海外から聞こえてくる声は、まあその要注意先だけで約100兆あるんですけども、その100兆円のうちの半分は腐っているんじゃないかと、そういう声がある訳ですね。それに対して、要注意というのはまさに要注意で、つまり、金利払いも滞ってございませんし、金利の減免もしておりませんし、元本返済もきちっとしている。ただ、業況が振るわない、例えば赤字が2年続くとか、そういうところを正常から要注意にしているのであって、そういうところを全部不良債権だというのは、金融庁としては、全く会計の原理からそういう事は考えられないと、そういうことは認める訳にはいかないと。だから非常に極端な事を言う人は、50兆の半分位の25兆位の引当金をですね、要注意のところに積まなければいけないのではないかと言う。私から言えば、それはとんでもないことであって、今全国の信用組合を含めた預金取扱金融機関に25兆円の追加の引当金を積ましたらですね、大変な剰余金が吹っ飛ぶ訳ですね。配当原資が吹っ飛ぶ訳です、そういうことを勝手にすることは、ある意味で株主に対する背任になる訳です。そういう勝手な会計操作なんかは出来ませんよということを、私はアナリストとか、エコノミストとか、ジャーナリストとか、あるいは海外の国際機関とかに言っている訳です。まずそういう不良債権の問題を話したい。つまり、フォワード・ルッキングな、先行き日本経済はもうどん底なんだから、今の要注意先はいずれは不良債権になるから、今のうちに引当金を積んでおきなさいなどという議論は受け入れられませんよということを言いたいというのが、不良債権の問題ですね。

2番目の金融庁の抱えている課題は、銀行の株式保有制限及び取得機構の問題でございまして、これにつきましては皆様ご承知の通りの内容になっている訳ですけど、まあそれについてもちょっと触れたいと。どこの金融機関も株を持って、ただ、あまり地銀レベル以下になりますと、自己資本、Tier1以上に持っているところはそんなに無いとは思いますので、あまり北海道の金融機関にとってこの問題が大きなものだとは思っておりません。

3番目に話したいことと言えば、やはり証券市場活性化のための構造改革プログラムというものを金融庁で発表させて頂いた訳ですけれども、これはもちろんキャピタルゲイン課税の減税を中心にはしておりますけれども、その中で我々が一番力を入れたいのは株式投信です。50%以上株式の組入れ比率があれば株式投信と考えまして、そういう株式投信というものを何とか国民の基礎的な資産として広げたいと思っている訳ですけども、それについて、例えば損失の繰り延べ、ある1年間の株式投信で損をしても、その損を繰り延べて翌年の益と通算してくれとか、そういうことを主税局に要請している訳ですけども、これは税の面ですが、私どもは、税の面が、キャピタルゲイン課税がですね、例えば今申告分離で26%ですけれど、これを10%にという要求をしております。26%が10%に減税になったら、即国民が株を買い出すとは思ってません。そんなことは思ってません。一番重要なポイントは、やはり市場のインフラ整備、特に証券会社の信用の問題だと思うんです。やはり、証券会社が国民から信用されて、銀行に行くのと同じように証券会社を訪ねる。もちろん買う商品は株でなくてもいい訳で、投信になってもいい訳で、あるいは債券の投信、MMFみたいなものでもいいのですが、もう少し国民が証券会社のドアを開きやすい、証券会社がそういう信認を得るにはどうするかというそういう施策について、色々今回構造改革プログラムの中で提案させて頂いており、また一部については法律改正の必要のないものはもう既に実施している訳ですけど、まあそういうことについて触れていきたいということ。

最後に、ペイオフ。これはもう来年の4月からでございますけれども、これから国自体もペイオフについての広報というのは誤解のないようにしっかりとやっていきたいと思います。ただ国が出来ることは、ペイオフというのは何ですかと。1千万円しか返ってこなくなるというようなことではございませんよ。いわば1千万円以上の預金について、金融機関の状態によって一部カットされることがありますよというのが正確な言い方だと思うんですけれども。それが短絡的に、来年4月になったら1千万円までしか返ってこなくなるというような誤解を、国としては広報でしっかりと、今までもやってきましたけども、ペイオフの時期が近づくにつれ、それをしっかりやらなければいけないと思っております。今日私が訴えたいのは、むしろ金融機関自身がどういうことになるかというと、多分、おそらくペイオフの時期が近づいてきますと、「お宅の銀行大丈夫ですね」と、こういうお問い合わせが預金者から来ると思うんですね。私は、その時に「大丈夫です」というだけでは足りないんであって、きちっとディスクロージャーをしっかりし、「うちはこういう銀行だから、あるいはこういう信用組合だから、こういう信用金庫だから何の問題もありませんよ」というふうに預金者をきちっと説得できるだけのディスクロージャーをするべきでありますし、頭取あるいは理事長が先頭に立ってそういうことをやって頂きたいということを言いたいと思っております。

ということで、従いまして、一信用組合の受け皿がどうこうということについては、皆さん大勢いらっしゃいますので、それには相応しくないんでお話することはありません。

問)

先程、要注意先以下の債権の業況判断について仰ってらっしゃいましたですね。例えば、ちゃんと返済もされているのに2年連続赤字だからといって、それを即ち全て引当すべきではないと考えていると。日本国内の経済状況を見ましても、特に北海道は本州に比べて全体の経済状況が非常に悪いですよね。一生懸命ちゃんと返済しているにも関わらず、会社の業況が悪いがためにそれが要注意先以下に分類されて、結局最後は借りられなくなってしまう。一部の地元の金融機関にお尋ねすると、そういう業況のところまでも全国一律に判断されるのは堪らないという声も一部聞くのですが、それについては如何お考えでいらっしゃいますか。

答)

これは金融検査マニュアルの運用の中にですね、そういう状況による弾力性ということについては、細部の所には色々そういうことが書かれています。要するに地銀なのか、第二地銀なのか、信金なのか、信組なのか、業態にもよると思いますし、そういう地域にもよると思いますし、色々な事情があるんだと思います。そういう事情というものは考慮しなければいけませんということはございます。

ただ、今のご質問で受ける感じを申しますと、問題は不良債権とは何処からかというと、要注意の要管理になってからですね。要管理になる条件というのは二つある訳です。それは貸出条件緩和というのと、もう一つが3か月以上延滞という訳です。今ご質問なられた記者の方は、延滞はしていないんだと、ちゃんと払っているんだという事になると、それは3か月以上の延滞ということでは無くなる訳です。そうしますと、貸出条件緩和があるかどうかと、これが実はその某都銀の事で新聞を賑わせましたけども、その貸出条件緩和というものの定義がですね、これは金融検査マニュアルを読んで頂きますときちっと分かる訳なんですけど、何も調達金利を食い込んだからといってある銀行が支援しているという意味ではないんですね。そういうふうに受け取ると貸出条件緩和なんて一杯出てくることになってしまう。そうではなくて、同じ信用度の人がこちらに対して、利ざやを、スプレッドを1%取っているのに、同じ信用度のこちらの人からスプレッドを0.5%しか取っていない、といった場合はこちらは貸出条件緩和ですよ、というのが金融検査マニュアルな訳です。ですから、非常に専門的なご質問なので専門的に申しますと、私は金利は言われた通り払っているんです、私は元本も金利もキチッと計画通り払っているのです、といっても、不良債権、つまり要管理先になる要素があるのは、要するに何て言いましょうか、銀行は非常に要注意先も分類しているわけですけども、その分類が変わってしまったと、その債務者が、例えば要注意先1から4になったと。4になるというと、4のところに貸している利ざやよりも低い利ざやになると、それは検査いたしますと、そこは要管理債権、つまり貸出条件緩和になって不良債権化する、要管理先になるとやはり銀行のリスク管理も厳しくなる。そうなると、仰ったような苦情も出てくるということも考えられる。ですから、ここら辺の原理原則になると、なかなか業態によって変えるとか、地域によって変えるとかという訳にはいかないんで、そういう原理原則の所はやはり全国一律なんだろうという感じがいたします。いたしますけれども、まあおそらく苦情で言っている問題のそういう原理原則の面と、そうでない面と両方あるんだと思います。いろんな業態による事情、地域による事情というのは、検査の際に、ここでしたら財務局の検査になると思いますけども、斟酌されているんではないかと思っております。

問)

先程、旭川商工信組の受け皿の関係で、地元の何処かの金融機関という発言がございましたが、旭川の何処か特定の金融機関を想定していらっしゃるのでしょうか。

答)

すいません、地元という言葉が悪かったのかもしれません。何処でも地元なんでございまして、いわば当然、旭川商工信組の受け皿が東京の信組になる訳ではございませんので、そういう意味で、北海道の、更に旭川の近いところ、つまり商圏がですね、協同組織金融機関については定款で何処が営業範囲かというのが決まっておりますね。そういうものについて非常に縁が深いところということになるのだろうと思います。今でも金融整理管財人が入って、きちっとした信組として生きている信組でございます、破綻したとはいえですね。そこの定款には、自分はどこの商圏で、この場所で商いしますということがあるはずでございますね。ですから、そこの商圏と当然縁の深いところが受け皿になった方が、それはスムーズだろうという意味で地元と言った訳ございまして、何処か特定の所を想定したということではございませんので。

どうも皆さん有り難うございました。引き続きよろしくお願いいたします。特に北海道財務局をよろしくお願いいたします。

(以上)

サイトマップ

ページの先頭に戻る