森金融庁長官記者会見の概要

(平成13年9月12日(水)1時22分~1時41分)

【質疑応答】

問)

クラブを代表して幹事の方から一点お願いがございまして、夜も時間も時間でございますので、対策本部の重要決定事項等に絞ってまずコメント頂きたいと思います。

答)

それはみなさんの一番の関心事項は、明日、東証が開くかどうかだと思います。それにつきましては東証とも連絡をし、かつ大臣とも連絡をし、その結果としては、明日は特段の事情のない限り、今後特段の事情のない限り通常通り開くことと致します。投資家には冷静に対応して頂きたいと思います。以上でございます。

問)

よろしいでしょうか。株式市場以外の市場についても同様の対応ということでよろしいわけですか。

答)

株式市場以外ということになりますと、何があるかということで、少なくとも金融庁が管轄している市場については同様でございます。ですから例えば為替市場等は管轄外でございますので、それは財務省の考えだろうと思います。ただ金融庁が管轄している市場につきましては、今申しました通り特段の事情のない限り通常通り開くということでございます。

問)

その決断の理由なんですけれども、海外では閉めているところもあると聞いているのですが、その辺の背景について説明して頂けますか。

答)

それはですね、確かにアメリカはSEC委員長が全米全ての証券取引所を停止すると表明したと聞いております。ただし、FRBは追加的な資金供給を行う旨発表しました。これは何を意味するかというと、FEDは現在のところ決済システムは止めることはない、ということを意味しています。ただし、その実際に決済システムに従事している人間が避難している状況がございますので、今動いているというわけではないということです。ただしFEDとして止めるということではないと、ただし現実にああいう世界貿易センタービルがこういう状況で、取引する人間がいなくなってしまっているので実際に止まっているということでございます。

米国はそうですけれど、一方ヨーロッパは市場を開けました。私が認識している限りは時間どおりまでやったと。その状況というのも入っておりますけれどもいろいろな下落した指数は入ってきております。ただその今特段の事情のない限り、特段の事情って何ですか、という質問が次に来ると思いますけど、それは明日の朝まで何が起こるかによってであり、今なかなか憶測はできないと。この問題は柳澤大臣だけではなく、官房長官にも話をさせて頂いているのですけれども、やはり何が起こるかわからないので今から絶対開くということはなかなか言えないと。ただし特段の事情のない限り開くと。つまり投資家に逃げ場がないようには絶対できないと。ロンドンも開いた、東京では何で閉めるんだと、投資家に逃げ場を何も無くすということは、今のグローバリゼーションの下でそれはなかなかできないという認識に立っております。

ですから特段の事情のない限り開くというのは土田東証理事長とも話をし、柳澤大臣ともお話をさせて頂いた結果でございます。

問)

それは官邸にもお伝えになったと。

答)

はい。

問)

その他お決めになられた対応というのはございますか。

答)

その他は特にございません。ただテクニカルなことを言えばですね、開くということと、明日、東証がですね、不測の事態に対してどういう対応をするか、いろんな東証のルールがございますから、大変乱高下した場合には何かをしなければいけないと、それは話が別です。但し市場は開かなければいけないというふうに思っております。

問)

邦銀関係者の安否についてどのような状況ですか。

答)

申し上げます。最新の12時45分現在ですから30分くらい前ですけれども、第一勧銀、300人のうち数人確認取れずと。興銀、これ48階から50階なんですけれども全員無事。富士銀行、72階から82階にいるんですけど、ほぼ全員の安全の確認、数人と連絡取れず。ちょっと申し上げますけど、これは我々一生懸命情報収集して、その中には皆さん方マスメディアの情報も入っているということを、つまり完全に銀行で確認の取れている情報ではないと言うことを申し上げておきます。あさひ銀行、貿易センタービル1の60階、63人全員無事、とNHKは言っていると。全員無事と5人と連絡が取れないということがどういう関係にあるのかはわかりません。中央三井信託銀行、貿易センタービル2号棟の83階、15人のうち1人の無事確認、14名とは連絡が取れていないということでしょうね。その次、横浜銀行、46階、連絡取れず。山陰合同銀行、84階、7人無事確認。7人が全員かどうかはちょっとわかりません。次に百五銀行、4月2日に移転。これについてはもしかしたら残務整理している人間がいるかもしれないと、これについては情報なしと。中国銀行、90階、7人全員無事確認。ただしこれはCBS情報です。西日本銀行102階、3人の安否不明。ただし西日本銀行は9月6日にこの支店の廃止をしております。次に静岡銀行80階、全員無事。これは共同通信情報です。日興インターナショナル、79階、20人ほどの社員のうち何名か無事確認、13人無事確認。13人無事確認という部分は時事通信情報です。岡三証券については情報なし。富士火災36階、1人無事。1人が全員だそうです。次に三井海上、あいおい損保。三井海上が全員無事、あいおい損保は1人確認中。これは担当課の方で確認しております。次に、住友海上火災、1号棟の90階、17名のうち、日本人8名は無事。つまり17名が多分従業員全員で、その中で8人が日本人なんでしょうね。日本人は無事を確認したと、そういう情報ですね。みずほキャピタルマーケットコーポレーション、80階ですけど、これについては情報はありません。以上です。

問)

長官、確認なのですが、先程仰られた金融庁所管の証券取引所ということは当然大阪、名古屋も入るということなのでしょうか。

答)

そこは明日の朝までにやりますけれども、まだ大阪証券取引所と連絡はしておりません。まず東証と、一番のポイントでございますので、そことやったということでございます。だけど当然大阪というのはそれは倣うと思います。フォローすると思います。

問)

大阪以外の地方の取引所はどうなりますか。

答)

ですからそれもみんなフォローすることになるのではないでしょうか。東証が閉まっている時にですね、地方の取引所が開くということはあまり考えられません。

問)

先程特段の事情のない限りと言われましたけれども、対策本部としてですね、これからマーケットが開けるまでどういう活動を続けらっしゃるのでしょうか。

答)

これから大臣も登庁されまして、どういうことをこれ以上やるかということを協議致します。リスク管理ですから、何か落ちているところがないかどうかということをこれから点検しますということです。この時間にあえてやるのは、皆さんの時間の関係もありますからとりあえず重要事項について報道しようと思うことからこれを決めたわけでございます。

問)

マーケットを開いて乱高下した場合にはどうなるかわからないうんぬんかんぬんという話ですけれども、どういう場合に市場を閉じるのか、開いた後にですね。

答)

いや、私は閉じるとか閉じないとかいう話ではではなくて、値幅制限とかそういうことが当然東証のルールとしてあり得ますよと言っただけです。閉める、開くの話とは違います。

問)

値幅制限の基準はどうなんですか。個別の銘柄・・・

答)

それは東証で決まっています。

問)

個別銘柄ですか。

答)

それは個別銘柄ですね。そんなアメリカでゲリラが起きたから特別な値幅制限なんてことは考えられません。

問)

それはあくまで個別銘柄ごとにということですか。

答)

それはそうですよ、当然。

問)

FRBの方が追加的資金供給を行うという話は我々も聞いているのですが。それに関連して、日銀との連絡も含めてですね、アメリカとの関係で連絡を取り合う、もしくはいろいろな・・・

答)

それはやっております。大久保参事官がやっておりますが、残念ながら電話がダウンしている場合が多くて、うまく情報の意思疎通ができておりません。それはこの夜中にかけてやります。

問)

日銀とは連絡を取り合っているのですか。

答)

もちろん取っております。

問)

確認ですが、邦銀の決済システムにも特段影響はございますでしょうか。

答)

邦銀の何ですか。クロスボーダーの決済システムということですか。そういう意味ですか。

問)

受け渡しのリスクとか。

答)

それは日銀に聞いて頂きたい。日銀の所管の話ですけれども、我々はそういうことは円滑にしなければいけないと思っております。

問)

大臣はこれからすぐに登庁されるのですか。

答)

そうです。ただし、大臣は一旦宿舎に帰られましたけど、絶えず電話で私は大臣と連絡を取っておりまして、もう電話でやるのももどかしいと言って登庁されるということでございます。

問)

オニール財務長官との会談が、中止になってしまいましたけど、その経緯と、オニール財務長官は、もう向こうに出発したのですか。

答)

アメリカはとにかく何も民間飛行機で移動しなければいけないことはないので。不明ですけれどもいくらでもできるということです。

ただ大臣との会見のキャンセルだけは、はっきりしたということです。

問)

民間金融機関に対して通常以上のリスク管理の徹底とかですね、普通の状態以上の何か対応などについて連絡とかされる予定はあるのでしょうか。

答)

それは今の御質問にあった民間金融機関ということになると、今のこの起こっている事件との関連は何かということになるとですね、ドルの調達とかそういうことになるわけですね、資金調達とか。それは各銀行は当然こういう事態を踏まえてやっていると思いますし、私は正直申しまして今の状況、量的緩和した状況の中で日本の邦銀がですね、海外ドルを今すぐ調達しなければいけない、それがアメリカが閉まっているから上手く行かないなんていうことが起こるとは思っておりません。

問)

参考までに、金融庁の職員の方は現地に今現時点で何名いるのですか。

答)

証券取引等監視委員会の高橋委員長、その同行の人達、ニューヨークには国際課の職員、企画課の職員、検査局総務課の職員、5人おります。ワシントンには国際課、金融庁で言えばですよ、国際課、企画課、3人おります。

ただ、高橋委員長の安否はちゃんと確認できており、シカゴに緊急着陸されています。

問)

現地スタッフの方とはもう御連絡取れているんですか。

答)

今、言った出張者ということですか。

問)

ええ。

答)

2名は確認中です。8人のうち、6人は安否の確認が取れたという状況です。

(以上)

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