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森金融庁長官記者会見の概要

(平成13年10月29日(月)17時00分~17時39分)

【質疑応答】

問)

長官の方から何かございますでしょうか。

答)

特にございません。

問)

先週、中央三井信託銀行が持株会社を設立して、三井グループから増資を引き受けてもらうという記者発表をされたのですけれども、金融庁としての受け止め方、評価をお聞かせください。

答)

中央三井がそのような発表をされたことは良く承知しております。当然、事前に当方も話を聞いているわけでございますけれども、我々の聞いた限り及び理解する限りにおきましては、基本的には二つの目的、経営の効率化という目的と、もう一つ財務基盤の強化という目的、この二つを目的としたものだと理解しております。

経営の効率化という意味におきましては、大和銀行も同じ様な方式をすでにとることを表明したわけですけれども、いわゆる専業信託におきましては、リテールの信託とホールセールの信託を分けた方が効率性が追求できる。即ち、リテールの信託はご承知の通り、各支店という一つの営業網と密接に関連しているものである。従って、各支店にくっ付ける。即ち、バンキング部門とくっ付くという性格を当然有するものだと。

一方において、ホールセールというのは基本的には、代表的には年金信託のように商品の開発力と、そして運用力と、そこで勝負する舞台なわけですね。そういうことを考えますと、ある意味で相当性格が違うものでございますので、中央三井が三井住友から、さくら信託というホールセールの基盤になるものを買収した。今のところは中央三井の100%子会社としてぶら下げているわけですけれども、それをむしろ兄弟化して、そこにホールセールの信託を移すと。そしてその二つ、今の名前で言えばさくら信託ですけれども、まあ名前を変えられるのかどうか承知していませんが、さくら信託と本来の中央三井信託というものを持株会社化すると。それはそれとして、大和銀行の場合と同様に、経営の効率性を追求するものとして意義のあることだと思っております。

さらに、この中央三井信託銀行グループ、まあその持株会社の名前を三井トラストホールディングスと仰るというふうに報道で聞いておりますけれども、三井トラストホールディングスグループ全体に対して三井グループが増資という形で支援すると。それによって全体の財務基盤を強固にして、今後に対して中央三井グループ全体の信認を高めると、そういうものとして一定の評価が出来るものと考えております。ただもちろん、今後、分割のところ、さらに持株会社の認可というところで正式に申請があると思いますし、そうした際には、法令に則って適切に審査をして参りたいというふうに思っております。

問)

予て、配当原資目当ての持株会社は認めないとの方針を示しておりますが、今回のケースはどう判断されるのでしょうか。

答)

我々が話を聞いている中で、配当原資が枯渇するからこういう形にして配当できるようにするなんて話は一切出ておりません。配当の「は」の字も聞いておりません。あくまで、中長期的視野に立った中央三井銀行グループの財務基盤の強化と経営の効率化を目的というふうに聞いておりまして、その配当に関する話は一切聞いておりません。もちろん、今までと我々は姿勢を変えたわけではございません。配当原資を確保することを目的としたような持株会社は認可するつもりはございません。しかし、この会社がそういうことを専ら目的としたものだとは認識しておりません。

問)

RCCの機能拡充についてですけれども、先週、与党合意がなされましたが、改めて金融庁の受け止め方、あと今後の不良債権の処理に与える影響について長官の見解をお聞かせください。

答)

与党の皆様にいろいろご議論いただきまして、まず一つは、買取価格を時価とする価格決定方式の弾力化という内容。二番目といたしましては、相対だけではなくて、入札にも参加できるというようにするという内容、まあ買取方法の多様化と言って良いと思いますけれども、そういうことを二番目の要素だと思っています。三番目の要素といたしましては、法律の中に言わば入り口、即ち資産の買取、債権の買取だけではなくて、出口のところまで明らかにしていただいた。明らかにしていただいた内容というのは、ご承知のように、一つは処分方法の多様化、単に回収だけではなくて、譲渡もございますよというようなことですね。二番目としては、可能な限り3年を目途として処分に努めるということ、これが二番目の内容。三番目の内容といたしましては、その際に債務者の再生の可能性を早急に見極めて、可能性のある債務者については速やかに再生に努めること。

以上のように大きく1、2、3があって、3の中も3つの内容に分かれていると、こういうものを与党の皆様方に法案の内容として定めていただいた。今後は衆議院法制局におきまして、法案として形を作り、法案が提出されると思いますけれども、何とかこの法案をお認めいただきまして、不良債権処理という、今まではご承知の通り、破綻懸念先以下につきまして、銀行に対して2年、3年で処理して欲しいという要請が主であったわけですけれども、実際に処理する選択肢としてRCCが活用できるということが明確になったことにやはり意義があると、金融庁としては考えております。

問)

夕方に発表があったのですけれども、北陸銀行が国が引き受けた優先株を無配にするという発表があったのですけれども、足利銀行に続いてこういうケースが出て来たのですけれども、これについては長官としてはどう受け止められていますか。

答)

北陸銀行の方が中間決算の業績予想修正と共に、通期の予想修正もお出しになる会見をされているということは承知しております。そしてその通期において赤字が出て、配当もゼロの見込みであるという予想を出されたと認識しております。それ自体、資本注入を行った側としては極めて遺憾なことでございますけれども、一方において、北陸銀行がこのようになった原因は、800億円弱の強制評価損と、さらに不良債権処理を当初予定よりも600億円積み増して850億円まで不良債権処分損を出したというところが大きいかと思います。

これは正直申しまして、いろいろ北陸銀行の話し合いの中で、北陸銀行が自主的にそのような見直しを行ったわけですけれども、当方が申し上げましたのは、前もこの会見で申し上げたと思いますけれども、今の時代、銀行の信認を高めるためにまずしなければいけないのは、きちっとした不良債権処理だと。その姿勢を一貫して我々は貫いております。配当が出来るかどうかというのは結果であって、そういうものを斟酌した不良債権処理では銀行の信認は高まらないということを我々は強くどの銀行にも申し上げております。

結果として来年の3月期に配当財源がなくなるという予想を立てざるを得なくなったことは遺憾でございますけれども、私は北陸銀行としては、足利銀行同様、V字型回復、即ち来年の3月期に膿を出し切って、次の期からはきちっと利益の出る銀行になることを目指すという決意をされたというふうに思っておりますし、私はそういう膿を早く出し切って、V字型の回復をするということは我々の立場からしても、そういう方向、事ここに至ればそういう方向を取っていただくことがベターだというふうに認識しております。

問)

特別検査なんですけれども、10月ももう29日なんですが、本当に今月中からやるのでしょうか。

答)

はい。本日、対象行に対して予告をし、着手いたしました。

問)

何行で、対象は何社なのですか。

答)

前もこの席で申し上げたと思いますけれども、今回の特別検査は通常検査と異なりまして、言わば債務者に着目して、そのメイン先等に検査に入るということ、それは極めて債務者を風説リスクにさらす恐れがあるということ、そういうことから何行、あるいは選定基準、その結果としての債務者数等はコメントを控えさせていただきたいと存じますので、何卒ご理解のほどお願いいたします。

問)

今日通知したのは第一陣で、第二陣、第三陣というのは、これから出てくるということなんでしょうか。

答)

基本的に、対象行に対しては本日通知をいたしました。

問)

大手行全部と考えても良いのでしょうか、それは。

答)

コメントは控えさせていただきます。

問)

RCCの問題で伺いたいのですけれども、3年以内の処分というのはかなりスピーディーな処理だと思うのですけれども、これによってRCCが抱えている担保不動産なんかも早い段階で放出するのかなというふうに予想するのですが、これが地価の底値形成にどういうふうに寄与して行くのか、その辺については何かお考えはありますでしょうか。

答)

非常に難しいご質問だと思います。私らも地価という問題、これはいろんな意味で今後の日本経済の先行きを考える上で極めて重要なエレメントであり、やはりここも早く地価がボトムアウトすることが日本経済にとって大変重要な問題だと思います。その際に、いろいろ仰る人がおられまして、もっと競売等でどんどん放出した方が早くボトムアウトするという考え方と、こういう需要があるかないか分からない時にどんどん供給サイドが出て来ることは、一層の地価下落に繋がるのではないかという考え方と、二通りあるやに認識しておりますけれども、ただ地価の今後のデベロップメントという観点から言えば、私が今言ったようなことだろうと思うのですけれども、RCCにしてみれば、やはり保有している、まあ保有しているのは、むしろ不良債権を保有しているわけですけれども、土地との関連で言えば、もうすでに土地そのものを保有している場合と、担保としての不動産を所有している場合の二通りあると思うのですけれども、やはりそういうものは出来る限り早く処理して行くべきだというふうに考えております。

やや望ましい姿を考えるならば、改革先行プログラムにも一文入っておりますように、都市再生本部と連携いたしまして、そうしたRCCの抱えている不動産、あるいは担保不動産の放出が都市再生と繋がって行くということを目指したいと思っておりますし、そういう観点から連携を益々強めているところでございます。

問)

中央三井信託について伺いますが、先程のホールセールとリテールを分けたら効率化するというところの説明をもう少しして欲しいのですが。というのは、世の中で利益をより上げている信託銀行は全部一緒にやっているわけですし、それとこの中央三井信託は1999年に資本注入を受けるという一大決心をした時に、果たしてこういう絵をちゃんと示したのでしょうか。その点を伺いたいのですが。

答)

最後のところから言うと、その時の経営健全化計画には載っていません。そこは大和グループと違うところですね。

問)

そういう点からいくと、大和はちゃんと絵に描いていたのを実行したと思うのですが、これは非常に場当たり的だと思うのですが、いかがでしょうか。

答)

その場当たり的という言葉が当てはまるかどうかは分かりませんけれども、我々が中央三井から聞く限りにおいては、いろいろ顧客のニーズからして、つまり顧客とは年金信託の顧客という意味ですけれども、顧客のニーズからしてやはり分社化して欲しいというニーズが強いということを聞いておりまして、そういうニーズに合った形での分社化であるというふうに認識しておりまして、私はそうではない専業信託銀行もある、だからあなたのところもそういうことをしては駄目だという、行政として、そういうことを向こうのニーズなり、向こうの要望なりを否定するということは考えられないというふうに思っております。一定の効率性が認められるならば、それを認めて然るべきだというふうに思っております。

問)

従来、配当目的はだめと、単純な細胞分裂みたいな持株会社化はだめというご見解だったと思うのですけれども、その辺りは変わりはないということでしょうか。

答)

変わりはありません。私は基本的にどういう形態が配当目的かと言うと、いわゆる、「1/4」と「4/4」の差を使うようなものですね、一般的に考えられるのは。そういうものは私は好ましいこととは思っていません。確かに持株会社の場合は、資本金の1/4を超える部分については法定準備金から取り崩せることになっていますけれども、そして銀行の場合には、資本金を超える部分しか取り崩せないことになっておりますけれども、「1/4」と「4/4」の差を利用するような形での配当原資の作り方、これは我々は好ましいとは思っていないということを私は申し上げたと思いますし、それは今回においても変わりはございません。

即ち、まっさらなホールディングスカンパニーをどうやって作るかと言えば、子銀行の株がホールディングスに移るわけですね。そしてその子銀行の株を持っていた一般株主、その株がホールディングスに集まって、そのホールディングスの株が代替として株主に行くわけですね。つまり、そこではキャッシュは動かないわけです、一般的には。ホールディングスがキャッシュがないのに、何で配当出来るのですかと。それを配当しようと思えば、結局そのホールディングスが金を借りて来なければ配当出来ないわけです。それは商法上、金を借りて来て配当することはリーガリーに可能です。可能ですけれども私はそれは健全性の観点から好ましいことではないと、そういうことを申し上げているわけでございます。

問)

あさひ銀行についてなんですけれども、前の頭取と会長がお辞めになって、顧問は廃止されたのですけれども、社友として残るというような格好にも見えるのですけれども、その辺について、これまでと名前が変わるだけではないかという気がしないでもないのですがいかがですか。

答)

私が理解しておりますのは、社友というのは言わば制度として、つまり相談役とか顧問と同じ並びの制度として社友というものを残すとは聞いておりません。これはあさひ銀行として、言わば引継ぎ期間というものが当然、なにしろ来年の定時総会を待たずにこの10月に交代してしまった。そして若い頭取がリーダーシップを握る。しかし会長も置かない。そうすると全く引継ぎ期間がない。しかしそれは一つの組織として考えますと、やはり何らかの形の引継ぎ期間は必要だと。では引継ぎ期間の時に全く赤の他人にしておいて引継ぎというわけにはいかないので、その時に社友という名前を与えて引継ぎ期間を2年間過ごすというふうに理解しておりまして、そういう面では制度としての相談役とか、制度としての顧問とは違うものというふうに聞いております。

問)

北陸銀行の件ですが、強制評価損が800億円弱というので、この数字にちょっと驚いているのですけれども、これは大手銀行のようにですね、この間に持ち合い解消とか、いわゆる株式の含み損対策というのをちゃんと進めてこなかったのでしょうか。それと注入時、99年9月だったと思いますが、注入時には株式の含み損対策とかそういった辺りは金融再生委員会の時、どういうような御判断があったのでしょうか。

答)

99年3月に大手行の資本注入、そして6月から9月にかけて地銀の資本注入とした時にも私は立ち会っておりますので、その時、何を自分として考えていたかということを今の御質問に対して考えたのですけど、我々はやはり株を持っていることのリスク、ボラティリティリスクというのは、十分当時の金融再生委員会の委員の皆も認識しておりました。そしてそれについてのリスクに対して一定の株価というものを想定した上でどれくらい資本注入して自己資本比率が十分だと考えるか、そんな議論もしていたと思うのでございますけれども、まあ今日から見ればリスクの程度というものがここまで一万円を割るような事態になるところまで考えていたかと言われれば、今から考えればそこまでの事態までは十分に留意の仕方が足りなかったのではないかと言われれば、そうなのかなあというふうに思います。

そうした中で北陸銀行、今回、含み損の方はほとんど残さずに強制評価損に踏み切ったということかと思いますけれども、これはやはり思い切ったV字型回復を狙うということで、目的とすることで、膿を出し切ると言うことで強制評価損に踏み切ったということだと思います。まあそうした北陸銀行のやり方については先程申しましたように、事がここまで至ればそういうやり方をされたということに対して一定の評価をさせて頂きたいと思います。

問)

北陸銀行のみでなく足利銀行も含めてということになると思いますけれども、来年の3月期の決算が確定してですね、実際に優先株が無配になった場合に発生する議決権ですけれども、どのような方針に沿って行使するのか、長官のお考えをお聞かせ下さい。

答)

仮定の話でございますけれども、本当に来年の3月期、国の優先株に対する配当ができなくなった銀行が出てくるとすれば、商法上、当然議決権が発生しますし、発生した議決権は何等かの形で行使するわけですけれども、その際の行使というのは我々は当然、そうした銀行に対していろいろな形でのサジェスションをし、強いアドバイスをし、我々が賛成できるような内容の経営健全化計画なり代替措置なりを作り上げてもらって、それを前提とした議案に賛成投票をすると、その一つしかありません。我々は潜在的な株主として、そうした事態に至るような銀行があるとすればそうした銀行に対して十分な影響力を行使できるものと思っています。

つまり、来年の株主総会の時にその銀行の目指す方向と我々の目指す方向が食い違っているような事態は我々はないと思っていますし、そういう事態は避けたいと、避けられるというふうに思っております。

問)

そうは仰っても仮に万が一、責任ある経営体制の確立とか、収益力とかですね、議決権の行使についてどういう方針で臨むかということも、もう紙で出ていると思いますけれども、そういうものに沿わない内容であれば当然反対票を投じられるということですか。

答)

そういう銀行が出てくるとは思いません。もしそういう銀行が出てくるとすれば行政の失敗です。そういうことは我々は考えておりません。必ず我々と軌を一にする代替措置なり経営健全化計画を作って頂けるものと思っております。あくまで仮定の話です。そういう銀行がでたならばという仮定の話で申し上げております。

問)

塩川財務大臣が大阪における記者会見で過剰債務企業を整理する際に一定の基準を設けた方が良いのではないかと。財務大臣が仰るには無配が何年も続いているとか、あるいは債務超過で債権放棄を受けているなど、ちょっと分からないところもあるのですが、何らかの形で一定の基準を設けて・・・・・・。

答)

何をする基準なのですか、それは。

問)

過剰債務企業を整理するということに関してですが。

答)

過剰債務企業を整理するということ。敢えて我々の言葉で言えば、銀行が破綻懸念先以下になった債務者を処理する、それの基準なのでしょうか。

そうだとすればですね、今、御質問になられた記者の言葉から私が想像するに、おそらく考えておられることは破綻懸念先以下の最終処理のやり方として、再建型があるわけですが、その場合に、グッドカンパニーとバッドカンパニーというものを分けて、バッドカンパニーは処理する、グッドカンパニーは残すと、そういうようなやり方をするかどうかについての基準なのかなあというふうにも思えますけれども。すみません、私がちょっと聞いたわけではないものですから、ちょっとお答えしようがないということで勘弁してください。

問)

今の質問に関連して、塩川大臣の発言を、大阪からの情報なのでちょっとよく分からないのですが、一応柳澤大臣なり金融庁なりに相談しているということで、自分の試案として閣僚懇で正式にちょっとお話ししたいと思っているという趣旨の発言もされているようなのですけれども、その辺は長官、聞いていらっしゃらないでしょうか。

答)

もちろんこれまでのいろいろな話の中でですね、塩川大臣のお考えになっている一部は聞いておりますけれども、私の聞いた限りでは今言ったような話でございまして、ちょっと比喩がいけないかもしれませんけれども、一つは私的整理ガイドラインを載せる時にどういうものを私的整理ガイドラインに載せるかみたいな話がございましたですね。ややあれに似たような話なのかなと、つまり最終処理のやり方の一つの基準としてですね、お考えになっているところがおありなのかなと。もし、今御質問になった記者の方の言った通りであれば、またお話は来ると思いますけれども、その時に金融庁としても検討させて頂きたいと思っております。貴重な意見として検討させて頂きたいというふうに思っております。ただ、今のところはちょっと漠としておりますので、何ともお答えしようがないです。

問)

この問題でですね、あまり硬直的な基準を作ると、生きる可能性のある企業まで絞め殺すのかなという気がするのですけれども。だから検査マニュアルとかああいう対応があるというふうに理解しているのですけれども、今更そういう話を蒸し返す必要があるのかどうかというのは、少し疑問に思っているのですけれども。

答)

一つのステージとしてメインバンクがですね、ある企業を最終処理する、その時どういうような姿勢を取るのかという、民の問題ですね。これは民の問題というのはメインバンクなり関連銀行の経営判断の問題でございますので、なかなか我々が介入できない分野かなあと。もう一つの段階というのが各銀行が破綻懸念先以下をRCCに持ち込んだ後、RCCが最大の債権者としてどういう行動をとるかという際の一つの目安として何を考えるかということはあろうかと思います。ここはもうRCCとなれば国そのものでございますので、その場合、正に当該債務者企業が再生可能であるのかどうかというギリギリの判断をするわけでございますけれども、そうした時には先程話に出たようないろいろな尺度なり、そういうものは参考になるものだと思いますけれども、それを今、御質問になった記者の方がの仰るように極めてリジッドなもので、99点なら不合格、100点でなければ合格しないという、そのようなものとはもっと定性的にいろいろなことを考えるのではないかなあというふうに思いますけれども、いずれにしてもちょっとまだそこまで詰めた議論と言うのはなされていないと思います。

問)

仮定の話でまた恐縮なのですが、先程、行政の失敗というのは考えないというふうに仰ったのですが、トップの解任権というのは当初の銀行法では当然あるというふうに私共の方は思っておったのですが、あまりそういう議論というのは中ではされておられないのでしょうか。

答)

そういうことはしておりません。いや、それは法律的に言えばいろいろな仮定が考えられるわけでございまして、先程、ちょっとそれができないのは行政の失敗というのは言い過ぎたかもしれませんけれども、当方の示す方向に合意せずにですね、頑張るということであるならば、そんなようなことも理屈の上では考えられるかもしれませんけど、問題はその銀行をどう早く回復させるかがポイントでございまして、それは銀行サイドにとっても行政サイドにとっても目標は同じなわけですね。そういうような目標が同じな中でですね、ある銀行の頭取だけが頑としてそれを何か我々の示す方向に改善しないとか、そういうようなことをちょっと考えづらいものですから、そんな解任させてどうこうというようなことは我々の議論の中にはございません。

問)

今のお話の中で長官は北陸銀行の件で、V字型回復という言葉をお使いになられたのですが、そういう意味では次年度の復配というのは極めて重要な要素の一つになるのでしょうか、計画の中で。

答)

それはその通りですね。次年度以降の復配、つまりそこまで中身が改善されるというのは非常に重要なことだと思っております。やはり無配が2年連続して続くなどという事態は絶対避けたいと思っております。

(以上)

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