高木金融庁長官記者会見の概要

(平成14年11月18日(月)17時02分~17時12分)

【質疑応答】

問)

長官の方から何かございますか。

答)

特にございません。

問)

株安が続いていますけれども、現行の株価水準が銀行の経営に与える影響についてはどのように見ていらっしゃいますか。

答)

現時点で、各銀行の健全性に問題があるという事は全くないというふうに思っています。いずれにしても株価の動向については、従来から申し上げていますように、十分注視して行きたいというふうに思っております。

問)

自己資本比率に与える影響についてはどのように見ていらっしゃいますか。

答)

自己資本比率がどうかというのは、今、各銀行が9月の中間決算の作業中ですから正確な事は申し上げられないのですけれども、現状、どういう水準かという具体的な数字は承知していませんけれども、健全性の観点から問題があるような事はないのではないかというふうに思っています。

問)

総会屋への利益供与事件で日本信販の役員が逮捕されましたが、監督官庁として、日本信販に対して何らかの報告を求めたり、あるいは何らかの行政処分をしたりするお考えはありますか。

答)

これは今、捜査中の案件でもありますし、現時点でコメントは差し控えさせていただきたいというふうに思います。ただ、一般論として、貸金業規制法上、必要があれば必要な報告徴求だとか、事実関係の確認をしていくという事になってくるというふうに思います。

問)

現時点では報告徴求をされるお考えはないわけですか。

答)

現時点では、今、捜査中の状況でもありますから、もう少し事実が分かったところで判断したいというふうに思います。

問)

本日の報道で、金融再生プログラムに盛り込まれていた、銀行に対する公的資金投入に関する新しい法律の制定については、事実上先送りするという旨の報道があったのですが、これについての現段階での検討状況を教えていただきたいのですけれども。

答)

事実上先送りするという意味がどうか、ちょっとよく分かりませんが、いずれにしても、確か再生プログラムで「必要性も含めて検討する」ということになっていたはずで、正に今後、プログラムに沿って対応して行くということで、何らそれを今、何か変更したり、考えを変えたという事はありません。

問)

大手銀行の株価なのですけれども、株価が下がっていることについてはどのように受け止めていらっしゃいますか。

答)

まあ株価はいろんな要因で市場で決まってきますから、個別のそれぞれの銀行の株価水準がどうかという事については、先程も申し上げましたようにコメントは差し控えさせていただきたいと思います。ただ、金融行政としては、それぞれの財務内容等については、日頃から注意をして見ているわけです。現状、何か大手金融機関に特段の問題があるという事は、そういう事はないというふうに思っています。

問)

市場が関心を持っているのは、現状というか9月末の中間決算というよりは、プログラムに沿って資産査定が厳格化された結果どうなるかというところだと思うのですけれども、それに対して、今の金融庁の認識はいかがですか。

答)

それは株価がどういう事で決まってくるかと言うと、それはいろいろですから、我々がコメントする立場にはないと思うのです。再生プログラムにつきましては、既に10月30日に公表して、あのプログラムに則って今後いろいろ検討して行くということで、これ以上のことは申し上げようがないと思います。

問)

竹中大臣が9月末に就任された当初は、市場の信頼を得たいということを仰っていたのですが、大手銀行の株が非常に下がっていることに対してどう思われますか。

答)

その問いについては先程も申し上げましたけれども、市場の株価というのはいろいろな要因で決まってきますから、そのことについて何が原因で、どうなっているということは一概には言えませんから、コメントは差し控えたいというふうに思います。

問)

金融再生プログラムが市場から信任されていないということではないのでしょうか。

答)

繰り返しになって恐縮ですけれども、いずれにしても市場の株価がどういうふうに決まってくるかということはいろいろな要因で決まってきますから、やはりコメントはし難いと思いますね。

問)

工程表は今月中に固まって公表される見通しでしょうか。

答)

再生プログラムにそう書いてありますから、その方向で議論を詰めて行きたいというふうに思っています。

問)

出来れば早い段階でということですか。

答)

毎度そうなのですが、出来るだけ早くきちっとした議論をして詰めて行くというのが基本ですけれども、いずれにしても今月中には工程表を公表するということですから、きちっと対応したいというふうに思っています。

問)

工程表は、例えば諮問会議に報告するというような性格なのでしょうか。どういう形で公表されるのですか。

答)

工程表自身は金融庁の行政ですから、金融庁として公表することになると思います。それをどういう形でやるかということについては、まだ今後、中でよく議論して行きたいというふうに思います。要は詰めるのは金融行政として詰めて、最初にどういう形で公表するかということですね。その辺りは大臣ともよくご相談して、今後検討したいと思います。

問)

来週、銀行の決算発表がありますけれども、金融庁としてはどういうところに着目しているのでしょうか。

答)

業務純益がどの程度で、不良債権処分損がどの程度で、利益がどの程度、それからそういう処分の中で自己資本比率がどういう状況になっているとか、どれがと言いますか、ポイントはそういうことだと思いますけれども。

問)

取り立ててここ、というものはありますか。

答)

取り立ててというものはないですね、ないというと変ですけれども。今申し上げたような項目に尽きると思います。

問)

大和証券SMBCの元部長がインサイダー取引で告発されるのではないかという報道があるのですけれども、これに対しての金融庁のご対応は。

答)

我々が聞いておりますのは、大和証券SMBCの方から、元部長によるニチメン・インフィニティ―株にかかるインサイダー取引が行われて、監視委員会により調査が行われているという報告を受けているという状況なのです。本件は今申し上げた通り、監視委員会の調査に関する案件ですから、監視委員会の事務局の方にお聞きしていただきたいというふうに思います。いずれにしても我々金融庁は、詳細が判明した場合には、それを受けて適切に対処するという立場だというふうに思っております。

(以上)

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