高木金融庁長官記者会見の概要

(平成15年1月27日(月)17時02分~17時14分)

【質疑応答】

問)

長官の方から何かございますか。

答)

特にございません。

問)

生命保険会社の話なのですけれども、予定利率の引き下げ問題について自民党でも協議が行われていると聞いています。金融庁でも勉強を続けられているということだと思うのですけれども、実際に実効ある中身にするためには、自民党の中でもそのまま申請させるだけというものではワークしないのではないかというご意見もあるようなのですけれども、金融庁として勉強する過程で、実際に引き下げの制度をワークさせるためにはどんな工夫が必要かというところの議論は、どのようになっていますでしょうか。

答)

いずれにしても生保の問題については、いろいろ幅広く勉強している状況なのですね。与党・自民党でもいろいろ議論がなされているようですけれども、そういう点も含めて広く勉強したいというふうに思っています。

問)

具体的に、申請方式で十分ワークすると現時点でお考えなのでしょうか。

答)

具体的な論点についてどうかというところまでは、まだ検討が詰まっていないので、そういういろいろな議論も踏まえながら、更に突っ込んだ勉強をして行きたいというふうに思っています。

問)

法案提出期限との関係で実際に法案化するかどうか、この辺についてはいつ頃判断するということでしょうか。

答)

いずれにしても予算非関連ですから、3月の中旬が政府としての提出期限になっていますし、それまでに一応の手続きもあるようですから、そういう手続きに間に合うように意思決定しなければいかんと思っております。

問)

生保関係でもう一点ですけれども、IASBの審議会で、生保の負債サイドについても時価会計を2007年にも導入ということが方針として固まったということなのですけれども、国内生保は協会長を含めて皆反対の立場を採っているようですけれども、金融庁としてはこの負債サイドの時価評価についてどのようにお考えで、実際導入となったらどんな影響があるのかということについてお考えを聞かせて下さい。

答)

国際会計基準審議会で生保の会計基準について議論がなされていることはその通りなのですね。概要が現在どういう状況になっているかということについて申し上げますと、資産側についてはもう既にIAS39号というのですか、専門的な用語はちょっと定かではありませんが、時価評価が入っているわけです。

それで今後どういうふうにするかということについて、IASBはフェーズを二つに分けて今議論しているようですね。最終的には2007年かどうかは必ずしも決まったわけではないのですけれども、包括的な会計基準について結論を得ようということで議論している、これが言わば二つに分けている最終フェーズ、フェーズ2と呼んでいるようですけれども、そういう方向を目指して検討を進めていると。それまでの間、包括的な会計基準が導入されるまでは、ディスクロージャー等いくつかの論点について暫定的に適用すると言いますか、他の部分について検討をしていると。ですからフェーズ1でそういう整備をやって、それでフェーズ2では必ずしも2007年と決まっているわけではないのですが、そういう負債側も含めた会計処理基準をまとめるべく今議論がなされているという状況ですから、我々もその状況を良く見ながら、今後良く検討をしたいというふうに思っています。

問)

銀行の関係で、先週21日ですか、みずほグループが業績予想の修正と共に引当水準の強化とか繰り延べ税金資産の見直しみたいなものを発表されていますけれども、かなり中身が盛り沢山だったと思いますが、もう一週間位経ちまして咀嚼もされているかと思うのですが、内容についての評価というのはどのようになっていますでしょうか。

答)

金融再生プログラムを公表して以降、いろいろな銀行がいろいろな財務基盤の強化とかいろんな不良債権処理の加速とか、いろいろな努力をされているので、私はこれはトータルでは非常に良い動きだと思っています。

個々のものについて評価というのはコメントを差し控えさせていただきたいと思いますが、各銀行がこういった努力を真剣に行うことによって一層健全な金融機関と言いますか、不良債権処理の加速も進むし、それがきちっと実っていくということを期待しているということであります。

問)

基本的には金融再生プログラムの目指すものの表れの一つだと、そういう評価でしょうか。

答)

トータルとして向かっている方向はそういう方向で、各金融機関が一生懸命に努力をしているというふうに理解しています。

問)

3月の中旬までに出すというのは、予定利率を引き下げる法案ですか。

答)

いいえ、法案を出すとすれば、3月の中旬までに出すと。具体的には3月14日だったと思いますけれども、一応、政府の決め事として、それまでに法案を出すということになっているのですね。ですから、そういう法案を出すとすれば、それまでに出さなければいけませんから、自ずから結論もそれに間に合うように出していかなければいけないということを申し上げただけなのです。

問)

その場合は、パブリック・コメントとかはとるのですか。

答)

ちょっとそこまでは、まだ詰めていないのですけれども、いずれにしても法案として国会に出すわけですから、そこでいろんな議論がなされますから、そういう国会でご審議いただくものについて、パブリック・コメントに必ずしも付さなければいけないというものではないというふうに理解しています。

問)

貸し渋り・貸し剥がしについて、改めてご見解をお聞かせいただきたいのですが。例えば優良な中小企業向けの貸し出しなどが滞りなく行われているかどうかということへのご認識はいかがでしょうか。

答)

今の優良な貸出先については、収益率の向上だとか、収益性の向上だとか、財務の健全性から見て、当然、各金融機関は一生懸命に融資に努力していると思います。ただ、ミクロの世界でどういうふうになっているか、必ずしも我々も行政として把握できないのですけれども、ご承知のように、貸し渋り110番のようなものも設けて、いろんなご意見もお伺いしながら、適切な融資に金融機関が努めるように、今いろいろと努力しているということであります。

問)

ということは、全く優良な企業への貸し渋りが行われていない、とは思わないということですか。

答)

思う、思わないというか、そういうことのないように、行政として、この前の金融再生プログラムには織り込んでありますけれども、ああいうことで最大限努力しているということであります。

問)

今日の金融審議会のいわゆるプロジェクトチームというか自己資本比率プロジェクトチームの会合ですが、延びたということのようなのですけれども、それは何か理由といいますか。

答)

そこは、ワーキングの話ですから、それほど詳しく承知していないのですけれども、いずれにしても、出来るだけ早く開催しようということで委員の先生方の日程調整を今一生懸命やっているというふうに聞いていますけれども。

問)

9月期の早期健全化法の健全化計画の中小企業貸出の未達について、報告徴求をとられたと思うのですが、業務改善命令の発動も含めた検討状況というのはどうなのでしょうか。

答)

今、報告を受けて、内容をよく精査しているという状況であります。

問)

どのくらいで結論が出るのですか。

答)

ちょっと私も報告そのものを見ているわけではありませんから、報告書を受けて精査するに当たって、金融機関から更に話を聞いたりとか、いろいろとやっているのだと思いますけれども。いずれにしてもきちっと報告書を精査した上で検討したいというふうに思っています。

(以上)

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