高木金融庁長官記者会見の概要

(平成16年1月26日(月)17時00分~17時10分)

【質疑応答】

問)

幹事社から数点質問させていただきます。

まず一点目、UFJ銀行に関する昨年の特別検査で、正式な貸出先の資産査定資料とは別の資料が見つかったという事を先週末、各紙が報道しておりますが、この事実関係について長官の方からお願いできませんか。

それで、仮に事実であった場合、この資料の信憑性を確認するような調査等、どういった対応を取られるのか併せてお願いいたします。

答)

個別の金融機関の検査に関するご質問でございますので、大変恐縮でございますけれども、お答えは控えさせていただきたいと思います。

いずれにしても、特別検査等に当たっては、しっかりした検査を行っていくというのは当然だというふうに思っております。

問)

二番目に、その特別検査なのですけれども、改めて実施時期や規模、どうなりそうでしょうか、予定をお伺いできればと思います。

答)

前回も申し上げたと思いますけれども、16年3月期に向けて特別検査を実施するということは、そういう方向で今検討しておりますが、その内容等につきましては今、検討中でございますので、まだ申し上げられる段階にはないということでございます。

問)

三番目ですが、銀行の口座の不正使用を避けるために、名義者本人の静脈や瞳孔、虹彩等といった生体反応を利用した本人確認を導入する銀行が増えていますが、不正使用に対するこういった銀行の口座管理体制に対してどのように見ていらっしゃいますでしょうか。

答)

今、お話にございました口座の不正利用につきましては、その問題につきましては、昨年9月に全銀協をはじめとする各金融団体に対しまして、適切な管理を徹底するように文書で要請をした訳でございます。その後、各金融団体の方ではこの問題につきまして、しっかりした取組みをなされているというふうに承知しております。その一環として、本人確認の一環としてICキャッシュカードの導入だとか、あるいは、今お話のあった生体認証の導入といった新たな対応に向けた検討が進められているというふうに承知をいたしております。いずれにしても、色々な角度から広くご検討いただいてこの問題にしっかり取組んでいただくことを期待しているということでございます。

問)

UFJの件なのですけれども、今日の株価、ご存知のようにUFJは大変下がっておりまして、UFJ側は、一応事実ではないという主旨のコメントを出しているのですけれども、事の性質上、検査については語られておられないというのが、これまでのことは知っておりますが、何か少しご発言されないとですね、これが止まらないということになるかと思うのですけれども、その辺についてどうお考えですか。

答)

いずれにしても、個別金融機関の検査の話について、当局が何かコメントするということは、適当ではないと思います。

問)

事実かどうかについてもコメントできないと。

答)

お話の主旨が多分、検査の内容等に関わる事でございますから、それにつきまして当局のほうからコメントすることは、従来からもそうですし、差し控えさせていただきたいというふうに思います。

問)

今日の統合ATMの入出金トラブルについて何か聞かれていますか。

答)

統合ATMシステムにつきましては、今年の1月から新しいシステムに移行したわけでございます。

今日、私が報告受けている限りでは、他行のカードを使う場合に、ATMが繋がりにくくなっているという報告を受けております。

現在、その実態調査と言いますか、原因究明にしっかり取組むように、今お願いをしているという状況です。

問)

今のは全行的な話として考えてよろしいでしょうか。

答)

そうです。統合ATMシステムですから、全行にまたがるシステム、それにつきまして、他行カードによる取引が繋がりにくくなっているという状況だというふうに聞いております。

問)

特定行からという話ではないのですか。推移は聞いてますか。

答)

特定行というよりは、システムの問題だというふうに現時点では聞いております。

問)

今ので少し細かいですが、お願いしている先というのはどのように。

答)

すみません。そこまで詰めて聞いていないのですが、全銀協の方で開発しているシステムだと思いますから、総合的に管理している方に調査等をお願いしているのだというふうに思います。

先程の御質問で、今そういう状況ですから、派生的に他の問題があるかどうかという、詳しくは把握しておりませんから、金融機関によって個別の事情も絡んでいるというケースもあるかも分かりませんが、現状、その基本的には統合ATMシステムの問題だというふうに聞いております。

問)

UFJに関係することです。金融庁の検査関連の情報の、金融庁内での管理体制というものに何らかの問題点があったのかどうかという点についてはいかがですか。

答)

金融庁はこういう非常に守秘性の高い仕事をいつも行っておりますから、金融庁としては、そういう守秘の取扱いについてはしっかりやっているというふうに思っております。

問)

最初のUFJの報道からですね、元々こういう情報がどこから出たのかということが色々な所で話題になっているわけですけれども、繰り返し同じような質問なのですが、金融庁の方から出ることはあり得ないというふうにお答えいただいたということでよいですか。

答)

先程から申し上げてますように、そういう情報の真偽も含めてですね、お答えすることはできないということでございます。

一般論として、金融庁はこういう仕事でございますから、情報管理には常日頃からしっかり取組んでいるというふうに考えております。

(以上)

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