高木金融庁長官記者会見の概要

(平成16年3月1日(月)17時01分~17時07分)

【質疑応答】

問)

先週発表されました中小企業向け融資の検査マニュアルの改訂ですが、このタイミングで改訂されることの狙いと、その改訂によってどういう効果を期待されていらっしゃるのか、お聞かせください。

答)

まず、御承知のように今回の改訂につきましては、リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラムに沿って改訂するという作業を進めてきたわけであります。2月中にということで2月26日に公表したというものでございます。今回の改訂の狙いでございますけれども、一言で申し上げますと、中小企業金融の一層の円滑化を図るということでございます。そういった観点から、金融機関の中小企業とのコミュニケーションだとか、あるいは、企業再生に向けた中小企業への働きかけだとか、あるいは、その取組みの状況といったことを促していくということにしております。そういった観点から、検査におきましても金融機関のそうした取組みを評価していくということにしたものでございます。金融庁としては、今回の改訂が金融機関の取組みを促し、また、金融庁の検査を通じて中小企業金融の一層の円滑化が図られていくということを期待しているということでございます。

問)

熊本ファミリー銀行が先日、不良債権処理の拡大で、この3月期決算が赤字に転落し、優先株の配当を見送るという発表をしましたけれども、大手行に比べて地域金融機関の経営改善が少し遅れているような印象もありますけれども、どのように受け止めていらっしゃいますか。

答)

熊本ファミリー銀行が、お話のような内容の発表をされたということで、大変遺憾ですし、残念だというふうに思っております。今後、同銀行につきましては健全化に向けた一層の努力を促してまいりたいというふうに思っております。

それで地域金融機関全体の話でございますが、これにつきましては、アクションプログラムに沿って各金融機関は、先程もお話申し上げましたけれども、中小企業の再生と、地域経済の活性化に真摯に取組んできております。御承知のように15年9月期の不良債権比率が低下するとか、そういったことで着実に経営の改善は進んでいるというふうに認識はいたしております。引続きこういった取組みを通じて一層の経営改善と地域経済の再生、地域経済の活性化を促してまいりたいというふうに考えております。

問)

熊本ファミリー銀行ですけれども、健全化に向けた一層の努力を促していくということを、もうちょっと具体的に突っ込んだ言い方をすればどういうふうに促して行くのでしょうか。どういう点を注意して・・・。

答)

ガイドラインに書いてあるところに従って、適切に管理・監督していくということでありますけれども、それを申し上げますと、抜本的な収益の改善策等を求めていくということになります。当局としてはそういった改善策が真に実効性があるものか否かをよく精査して、実効性のある抜本的な収益改善策だとか、責任ある経営体制の確立等を含む計画を出していただき、その実施を求めていくということになってまいります。そういったガイドラインに沿って適切に監督してまいりたいというふうに思っております。

問)

熊本ファミリー銀行のようなケースが今後、新年度、今期中あるいは期が明けた後、同様のケースが続出したりとかそういう可能性はありますか。

答)

今時点で同様のケースは聞いておりません。

(以上)

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