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高木金融庁長官記者会見の概要

(平成16年5月31日(月)17時01分~17時09分)

【質疑応答】

問)

大手生命保険会社の決算が出揃いましたけれども、内容を見ますと保有契約高の減少、あるいは逆ざやの問題といったあたりが重くのしかかっているということが改めて確認される形になったわけですが、この現状に対してどのように認識なさっているかということと、それからビジネスモデルが変わっていく必要があるのではないかという指摘もよく聞かれるわけですけれども、行政としての何かお考えがあれば教えてください。

答)

今お話のように、大手生保9社の決算が公表されたわけであります。それを見ますと保有契約高が減少しているとか、逆ざやが依然として課題であるということはお話の通りだと思います。

ただよく中身を見てみますと、保有契約残高といった場合には、これは死亡保険金の合計額を表しているわけで、この死亡保険金の合計額が減少しているということであります。他方で生保各社は保険契約者のニーズが変わってきているということも受けまして、第三分野への取り組みを積極化してきているということがございます。また逆ざやにつきましても、依然として逆ざやはあるわけですけれども、15年度で見ますと、一割近く逆ざや額は減少しているという状況にあります。9.4%減っているのですが。それから事業費を見ても、これもかなり削減努力をされているという状況にございます。

こういった努力の結果、保険本業の利益であります基礎利益を見ますと、2兆円を越えているという決算になっております。またソルベンシー・マージン比率を見ますと9社いずれも500%を超える水準になっているという状況にあるわけであります。

そういったことで色々な努力をされていると思うのですが、引き続き契約者のニーズの変化等に対応して、戦略的な経営だとか経営の効率化だとか経営の健全化に一層取り組んでいただきたいというふうに行政としては考えているということでございます。

問)

今日、カネボウの産業再生機構の支援がまとまって、まさに今、発表が始まったようなところだと思うのですけれども、現時点で御存知の限りで御所見をお伺いしたいと思います。

答)

カネボウの本体について事業再生計画の詳細が確定したということで、本日改めて支援決定を行ったというふうに承知をしております。今後カネボウにおいては、その再生計画の着実な実施等を通じて事業の確実な再生を図られていくということを期待したいと思います。

産業再生機構の支援の問題につきましては、我々がコメントすることは、基本的に今までもそうなのですが、差し控えさせていただいておりますから、何か御質問等あれば、是非再生機構の方にお聞きいただきたいというふうに思います。

問)

その関連なのですけれども、カネボウというところは三井銀行から三井住友銀行という主力銀行がメインだったわけですけれども、やはり債権放棄等の金融支援に伴う非主力行の経営への影響というのが我々としては気になるところなのですが、現時点、長官の御所見いかがでございましょうか。

答)

金融支援の問題は産業再生機構と各金融機関が協議して決めていくという問題でありますから、私共の方からコメントすることは適切ではないというふうに思います。

問)

あまり非主力行への経営への懸念というのは現時点・・・。

答)

正直に申しますと、詳細について今時点で私きちっと把握しているわけでないのですが、いずれにしても再生機構と金融機関で協議して、各金融機関が経営判断として対応していく話だと思います。ですから金融庁の方で、今御質問のようなことについてコメントするのは適当ではないのではないかというふうに思います。

問)

UFJが職員のボーナス、夏のボーナスを減らすというような方向を出しているようですけれど、御所見をいただけますか。

答)

まだUFJの方からきちっとお話を承っているわけではなくて、一般論としてUFJが4,000億円の赤字を出したわけですから、色々な意味で今後に向けしっかりした対応をしていきたいということで、色々御検討をされていると思います。そういうことであります。

問)

みずほの退職慰労金の再開方針について、与党等からも異論が出ておりまして、大臣は説明のつくような形にしてほしいと仰っておられましたが、長官の御所見をいただけますか。

答)

今のお話は個別金融機関の経営判断の問題だと思いますから、コメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として申し上げると、大臣も申し上げたことと同じになってきますけれども、早期健全化法に基づいて資本増強が行われた趣旨だとか、それぞれの金融機関の置かれている状況等を踏まえながら適切に対応すべきことだろうと思います。

問)

金融機能強化特別措置法なのですけれども、先週ようやく参議院での議論が緒についたというところですけれども、時間もそうなくてやきもきしているとも報道されておりますが、現時点の御所見をお願いします。

答)

お話のように、先週末の28日ですか、参議院の本会議で趣旨説明・質疑が行われたということであります。我々としては、前から申し上げておりますように、大変重要な法案だと思っておりますから、ぜひ国会の方でよく御審議をお願いしたいというふうに思います。ただ、国会の法案審議の見通し等については、これは国会ご自身の御判断と言いますか、問題でございますので、我々からコメントすることは適当ではないというふうに思います。

(以上)

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