- ホーム
- 記者会見
- 平成16年1月~6月
- 高木金融庁長官記者会見の概要
高木金融庁長官記者会見の概要
(平成16年6月14日(月)17時01分~17時10分)
【質疑応答】
- 問)
-
国有化した足利銀行の決算と経営計画について、週末発表がありました。これに対して評価と、望むところと言いますか、期待するところを教えていただければと思います。
- 答)
-
決算では、将来のリスクを徹底的に排除する等々、色々新しい目線で厳しい見直しをして作られているなという気がいたしております。
また、経営の計画の方では、収益計画とかビジネスモデルとか、そういうものを明示し、また、それを実現するための具体策と言いますか、色々織り込まれていると思います。そういうことで、再生に向けた枠組みがしっかり示されているというふうに思っております。
今後は、こういった計画に沿って、経営の改革を進めていただきたいと思いますし、金融の円滑化、地域金融の円滑化、それから中小企業の再生等に積極的に取組んでいただきたいというふうに思っております。そういう努力によって、企業としての価値をしっかり高めていただきたいというふうに期待をいたしております。
- 問)
-
金融庁としては、努力を見守ると言いますか、どういう状況にあるのでしょうか。
- 答)
-
しっかりとした計画をお出しいただいたところでございますから、まずはその計画に沿った努力を良く見てまいりたいというふうに思っております。
- 問)
-
今の足利銀行の話は、一応計画は3年ということになっていまして、その3年間は見守りたいということでしょうか。
- 答)
-
3年間は見守るという話と言いますか、そういうことで頭の中が整理されているわけではなくて、あのような計画をお作りいただいたわけですから、まずはしっかり計画に沿って努力をお願いしたいということで、その状況を見ていこうということで、別にその3年間見守るということではなくて、今からその計画に沿った努力をしっかり見ていきたいというふうに思っております。
- 問)
-
足利銀行の債務超過額のレベル感をお伺いしたいのですが、今回発表した決算では6,790億円の債務超過になっていると。3年間で5,819億円まで圧縮するというのですけれども、これは公的資金の注入額になる可能性があるわけで、こういった数字はどうなのでしょうか。予想していた数字より大きいのか、それとも圧縮されているものなのか、その辺りのレベル感をお伺いしたいのですが。
- 答)
-
そもそもその計画で、3年後に債務超過が5,000億余りですか、それは新しい経営陣の方々が厳しい目線で財務内容を見直して、且つ、さっきも申し上げましたようにしっかり経営に取組んでゆくということで見通しを立てられているわけです。ですから、もちろん計画以上の色々な努力をお願いしたいと思いますけれども、しっかりした努力をお願いしたいと思っております。
ただ、公的資金との関係で言いますと、公的資金の額がいくらになるかということは、いつ処分するということがまだそういう段階に全くないわけで、そういうことは申し上げられないのですが、いずれにしても処分する段階でそれまでの損益がどうだとか、買い手と、財務諸表に現れない色々な評価をすべき点がある、いわゆるのれん代等々と言われたりしますけれども、そういったものを総合的に勘案した上で処分額が決まってくると思いますから、公的資金はその結果として決まってくると思うのです。
いずれにしましても株価等々と同じで、将来性と言いますか、収益力と言いますか、そういうものがしっかりしていると、その瞬時瞬時の財務の内容を形式的に比較したのと違って、将来性・収益力があると見られると株価というのは非常に高くなると思うのですね。それと同じように、処分に当たっての収益力と言いますか、そういった色々な意味で足利銀行の将来に向けての実力はどうかという点も含めて評価されてくるのだというふうに思います。
- 問)
-
リスクを先取りして償却したと言えば聞こえはいいのですけれども、例えば要管理先で保全率が9割を越えているのですが、これは過剰な引当ではないかというような質問もあるのかと思うのですけれども、民間の通常の金融機関と比べて極めて高いのですけれども、ここの辺りはどのように…。
- 答)
-
いずれにしても一つはちょっとお話しとピントがずれますけれども、債務者区分をしっかりしたと。それからその債務者区分に応じてどう引当をするかということについては、実績の実態と言いますか、足利銀行の実態・実績を踏まえながら、しっかりした引当をしたということであります。
また、もちろんですけれども、監査法人もそれをチェックした上で決算が作成されているということだと思います。
なお、今お話のあった要管理で9割というお話であったのですけれども、要管理の引当率は5割だと思います。
- 問)
-
このままの状態で行くならですね、時間をかけて再生しますというので良いのですけれども、いずれ売却されるところが決まっているわけで、そうなると、要するに出口がいつかわからないということは、もちろん出口が決まっているとかえって混乱するところもあると思いますが、いつ出口になるのか分からないということになると、例えば3年掛けて再生するところは2年で売られるとそこでアウトになるわけですし、1年で再生できるところはセーフということになる。つまり地元で何かあらぬ不公平感を呼んでかえって混乱が増しませんか。
- 答)
-
御質問の御趣旨は分からないでもないのですが、現状は今経営に関する計画の詳細版を作ってこれから取組もうとしているわけですから、まずは計画に沿った努力をしっかりお願いしたいということだと思います。それで先程と申し上げることは同じになりますけれども、収益力等々、しっかりした銀行になってくる、あるいはなってくるというふうに評価されると処分もやりやすくなりますし、企業価値も上がって国民負担も少なくなるというふうに思います。
現時点で、いつ処分というのはなかなか、まだこれからという状況ですから、申し上げるのは難しいと思うのです。いずれにしても今後の状況をよく見守っていきたいというふうに思います。
(以上)