五味金融庁長官記者会見の概要

(平成16年7月5日(月)17時01分~17時12分)

【質疑応答】

問)

UFJ銀行への業務改善命令について3点ほどお伺いします。18日に4種類の業務改善命令が出まして、それに対する改善計画の提出期限が当時の公表で今月下旬、20日とか26日、その辺に予定されていたと思います。長官としてUFJグループの今後の経営について期待されること、何を期待されるかそれについてお話ください。

答)

一言で言うと、信頼の回復に全力を挙げて欲しいということでございます。業務改善命令に対しては、業務改善計画を策定して提出をしていただくと。それから、その着実な実施をしていただく。こういうことを業務改善計画の中で求めているだけで、これについてきちんとしたお答えをいただきたい。特に様々な事案が対象になったわけですが、こうしたことの再発を防止するということ、それから、合わせて経営姿勢ですとか経営管理ですとかこういったことを見直して信頼回復に全力を挙げていただく。やはり信用が大事だというのは前回も申し上げましたし、特に公共的な使命を銀行の場合は他の企業に比べてより色濃く負っているわけです。社会的責任もそういう意味ではより強いということもありますので、信頼の回復にまずは全力を挙げて取組んでいただきたい、これを期待したいと思います。

問)

業務改善命令の後、株主総会等もあったのですけれども、その過程で一部執行役員の追加退任とか人事の刷新策を改めて打ち出されました。その過程で検査忌避の関係役員の責任明確化ということがあったこともあって、どの役員が辞めるべきかということについて、金融庁の意向が働いた、圧力が働いたという報道が一部にあります。まず、この報道が事実かどうかということと、もし事実であれば、それはルールに基づいたいわゆる裁量行政と言えるものかどうかについて長官のお考えを…。

答)

金融庁が個別の銀行の人事に介入するといったことはありません。人事というのは自らの経営判断でもってやっていただく話でございます。従って事実はないと、こういうことでございます。今ご質問の中に順次人事処分等が出たというお話もございましたけれども、業務改善命令というのも一定の時間を経てから発出されておりますし、私はそういったことなども踏まえた経営の御判断で人事が行われたものだというふうに理解をしております。なお、特定の人事についてのコメントというのはいずれにせよ差し控えるというのは当然でございます。

問)

業務改善命令の発動の折に、これは大臣等のぶら下り会見でもお話がありましたが、検査忌避の刑事告発についてはそれはそれで検討するというお話がございました。その結論についてはいつ頃出されるのか、これについてお願いします。

答)

刑事告発を行うかどうかということにつきましては既に御説明もしていると思いますが、いくつかの要因を総合勘案した検討が必要です。第一に本件について言えば、本件検査忌避等の悪質性がどうであったかということ、第二に今後の検査一般の実効性にどういう影響を与えるものであるかということ、第三に金融行政の目的遂行を確保するために必要な話であるかどうか、目的遂行と言いますと銀行法に書いてあります信用秩序の維持、預金者等の保護、金融の円滑化の確保、そういった金融行政の目的ですね。それから第四番目に一般国民、或いは私企業といったものに処罰を求めると、そういった方達の処罰を求めるということは重大なことですから、その事柄の重大性、こういったようなものを総合的に勘案をして検討をする必要があります。そういう非常にタッチーな問題であるということでございまして、いつまでにというその時期についてコメントをするということは控えさせていただきたいと思います。もちろん刑事告発するしない、どちらの場合においてもコメントは差し控えさせていただきます。

問)

最後に一つお願いなのですが、告発するしないも含めて、今、コメントしないということでございましたが、一応検討はするということになっていることもあり、そのするしないの結論を出された場合は、する場合はもちろんですけれども、しない場合も含めて速やかに公表していただければというお願いをさせていただきたいのですが、それについては如何でしょうか。

答)

刑事告発をするしないというか、ある意味で、するかしないか自体は今の段階では仮定のお話ですから、それについてはお答えはし辛いのですが、するかしないかではどちらか一つだから、仮定ではないだろうと言われるかもしれませんが、こういう話というのは捜査にも関わってくる話ですね、どちらの場合であってもですね。ですからこれはそもそも公表ということに馴染む話ではないと私は思っています。ないということだけ申し上げておこうと思います。

問)

UFJに対して信用の回復が大事だということを重ねて仰っていたのだろうと思うのですけれども、これから改善計画の中で彼らが具体的に示してくるのだろうと思うのですけれども、最近で言うと、まずは財務部の独立ということを一つ公にしています。それでは小さいことかもしれませんけれども、一つそういったことの積み重ねというものを求めていくということをお考えなのでしょうか。

答)

業務改善計画の内容について予断を持ってコメントするのは具合が悪いと思います。ただ、信頼の回復ということを考える場合には、これはどんな組織でも、信頼が失われたと考えた時にやることはいくつかありまして、当然その人事に関連した措置であったり、或いは、組織に関連した措置であったり、信頼を損なうような事柄がどういう原因で起こったのかということをきちんと確認をしていただいて、その原因を取り除くために必要なことを小さな話であっても、大きな話であっても、果断に実行するということが極めて重要だというふうに思います。業務改善計画の内容については、従ってコメントや予測を述べることは控えますけれども、そうした起こった事柄の原因を確認した上で、それを取り除くということできちんとしたものをいただけることを期待しています。

(以上)

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