五味金融庁長官記者会見の概要

(平成17年2月7日(月)17時01分~17時11分 場所:金融庁会見室)

【質疑応答】

問)

先週また発覚してしまったフロッピーディスクの件なのですが、経緯は我々説明を受けたのですが、長官は金融庁の行政の責任者としてどう受け止めておられるかお聞かせください。

答)

金融機関という信用を旨とする業態の皆様を監督するという、何よりも信用が大事な組織において、こうした事件が発生したこと、しかも二度目であるということについて大変遺憾で申し訳ないと存じております。心から国民の皆様にお詫びを申し上げたいと存じます。

問)

偽造キャッシュカードについて伺いたいのですが、二月中の金融庁からの金融機関に対する要請の検討状況について一つ伺いたいのと、もう一つ被害者への補償制度のあり方なのですが、法制化については我々が取材していると中々難しいのではないかと、したがって金融機関個別でそれなりの対応をするしか方法がないのではないかという声もあるのですが、長官として改めて法制化へのお考えをお聞かせ下さい。

答)

防止策についての金融機関への要請というのは、引き続き要請内容を検討中です。前にも申し上げておりますが、実態調査の結果等もよく分析した上で注目すべき問題点等を整理した上で今月中にご要請を申し上げたいと考えております。

それから、被害が発生してしまった場合の被害者の補償の仕組みでございますが、この点も以前から申し上げておりますが、大事なことは犯罪技術が巧妙化しているということ、状況が変わって来ていることなのです。それを前提にした上で実効性のある補償のあり方は何なのかを考える必要があると、こういう発想でおります。従って、この点について法制化ということを今から私の頭の中に方向性が決まっているわけではありません。しかし、現状のままの対応、約款の内容も含めて現状のままの対応でいいのか、或いは見直す必要があるのではないのかという点は真剣に検討しなくてはならない状況になっていると考えています。金融庁としては、そういう目でこの補償のあり方についての検討を行うということを進めていきたいと考えています。

問)

国家公務員の倫理規定について少しお伺いしたいのですけれども、政府は見直しを検討されていると思うのですが、所謂飲食等について1万円を超える場合は倫理監督官に許可を得なければいけないというようなことが、許可制から届出制になる等、そういった緩和を検討されているということだと思うのですが、この国家公務員のそういった飲食等については今まで厳しい規定というのがあったと思うのですが、これについて現状、例えば業界関係の方と意見交換するとか、情報収集するとかそういったものをやって行く上で、何らかの障害があるというふうに見られているでしょうか。それとも現状の厳しい規定の中できちんとそういったものはやっていけるのだというふうにお考えでしょうか。

答)

業界との情報交換や意見交換というのは、飲食を伴わないでも円滑にできるようにしておかなければならないというのが基本だと考えています。ただ飲食を伴った場合と比較するわけにもいかない。そういうデータがあるわけでもありませんから。決定的なことはそういう意味では「比べたらどうだ」と言われたら申し上げようがないのですが、基本は飲食を伴わないでもきちんと問題点を提示し合って、フランクに議論ができる関係を作っておくこと、これが行政にとっては少なくとも非常に重要なことであろうと考えています。今の御質問にストレートにお答えすることにはならないと思いますけれども、情報を収集したり意見を交換したりということですから、できるだけ円滑な形で進むように色々な工夫ができるならばそれに越したことはありませんが、他方で公務員倫理法というものができてきた経緯というものも考えれば、そちらが桎梏になっているから情報が取れないというのは単なる言い訳であって、そういうことを言うべきではないと私は思っています。

問)

今回多少緩和をするという検討がされているということなのですが、それによって何らかの今までと違って色々とやりやすくなる等、そういうことはあり得るとお考えですか。

答)

これは人間のやることですから、飲食を伴う意見交換というものは別に異常なことではないと思いますし自然なことですから、そうした機会が増えるのであればそれだけ意見交換の内容というのも充実したものになり得るとは思いますが、大事なのは何のために意見交換をしているかということでありますので、いくらフランクな話し合いがあっても大事な情報が取れていなければ意味がないわけです。そういう意味では、私は何をどう緩和されるのかというところをよく現状知らないものですから、飲食を伴う意見交換の機会というものが持ちやすくなるということは意見交換の内容を充実したものにするために、決して役に立たないことではないとは思いますが、やっぱりそのことと公務員倫理法という法律でそういう規制がかからなければならなかった実態というものとは両方きちんと頭の中に置いて対応しなければいけない話だと思います。

問)

今回の検討の中には、例の社会保険庁の職員の監修料についての関係も、例えば補助金が投入されていたり、国が大量に買い上げたりする場合は監修料の受け取りを禁止するというような、これについてもある程度の規定を設けるということが検討されているそうなのですが、金融庁は監修料についてどういうふうな扱いをこれまでやってこられていて、そこには問題がなかったということはきちんと確認されているのでしょうか。

答)

私の記憶では金融庁は何か編集等を行って監修料を受け取っているということが、発足以来一件もないはずでございます。これは私の記憶ですが、確認も必要でございますがそれで間違いないと思います。監修をしてと言うのは例えば正確を期す等色々な意味で官庁の専門家にチェックをしてほしいという御依頼があれば、職務に支障のない範囲ではお受けすることもあるかもしれませんけれども、基本は謝礼をもらって行うような話ということはしないというのが原則だと思います。内規でも例えば私が金融行政について色々なところで御説明をしたりするような場合であっても謝礼は受け取らないというのが決まりです。これは私の一存でやっているわけではなくてそういう決まりで行っています。それと同じ延長線上で考えればそのような話だろうと思います。むしろ謝礼でももらわない限りとてもやっていられない程の重たいワークロードになるのだということだとしたらお断りするしかないのだろうと思います。

(以上)

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