五味金融庁長官記者会見の概要

(平成17年6月27日(月) 17時03分~17時09分 場所:金融庁会見室)

【質疑応答】

問)

偽造キャッシュカード問題に関するスタディグループの最終報告が発表されましたけれども、全体的な評価をお聞きしたい。それから防犯対策については指摘事項が多岐に渡っておりますけれども、特にどの辺りが優先度・重要度が高いとお考えかお聞かせください。

答)

偽造キャッシュカード問題に関するスタディグループは19回という回数で、精力的な御議論をいただきました。委員の皆様方には本当にその御努力を多とします。

最終報告書では、提言が顧客サービスに直結する事項と、主として金融機関サイドで取組む事項という分類の中で、例えば顧客サービスに直結する事項としては、ICカード化ですとか、暗証ですとか、ATMの利用限度額といったような事項が掲げられております。また金融機関サイドで取組む事項として、システムセキュリティ対策についての標準や、評価基準の整備、或いは被害の偽装対策といったような事項、こういった事柄について提言がなされています。これらの提言につきましては、今後金融機関等がATMシステムにおけるセキュリティ対策を講じていく上で重要な指摘が数多く含まれていると、このように考えています。従って金融関係団体、そして各金融機関におかれましては、このスタディグループの最終報告書を踏まえて、被害発生の予防策等について真剣な検討を行っていただきたいと考えております。

提言のうち特に優先度の高いものというお尋ねがございました。この点についてはもちろん提言された対策のいずれもが重要な指摘であると考えますが、最終報告書では対応することが必要、或いは必須という形で記述されているものと、望ましいというように記述されているものに分類されております。この提言の中で必要、或いは必須といった形で提言されました事項については、特に速やかな対応が求められているものだと考えています。

問)

最近、「ウィニー」と呼ばれるファイル交換ソフトが絡んだ機密漏洩事件が発覚しましたけれども、こうしたソフトに関連して金融庁のシステム管理に何か問題点はないのでしょうか。また、金融機関にも同様の心配がないのかどうか教えてください。

答)

当庁のLANシステムにおきましては、ファイアーウォールによりましてインターネットを介したファイル交換が行えないという措置を施しています。従って話題になっております当該ソフトウェアを利用することはできないという設計になっています。また、庁内の内規であります「金融庁セキュリティポリシー」、これにおきまして職員が利用するクライアント端末に許可なくソフトウェアのインストールを行うことは禁止されております。確認をいたしましたが、現に当該ソフトウェアはインストールされておりませんでした。このように当庁のLANシステムをはじめとする各種システムの管理に、現状特段の問題はないと考えておりますけれども、今後とも情報の適正な管理には引続き万全を期していきたいと考えています。

それから金融機関の方についてはどうかというお話ですが、この「ウィニー」のウイルス感染による情報流出という問題に関しては、現状金融機関からそうした被害報告は受けておりません。ただ当局としては今後とも引続き注視していきたいと考えております。

問)

経済産業省の前企画室長が外郭団体研究費の余剰金をカネボウ株等の購入等に流用していた問題で、前企画室長の株取引はインサイダー取引に該当するかどうかについて、経済産業省の杉山次官が「検査当局から該当するとは聞いていない」と否定していたそうですが、金融庁としても証券取引等監視委員会がそうした判断に立っているとの報告を受けているのでしょうか。

答)

個々の株取引について、それが証券取引法に違反するかしないかという点についてのコメントは差し控える必要があります。いずれにせよ一般論として法令違反があれば適切に調査し対応いたします。

(以上)

サイトマップ

ページの先頭に戻る