五味金融庁長官記者会見の概要

(平成17年9月5日(月) 17時01分~17時10分 場所:金融庁会見室)

【質疑応答】

問)

保険会社の保険料を弾力化するという流れがありまして、認可を簡素化する流れということで、一部報道で一部の認可を不要にするとか、期間割引を解禁するといった内容が出ておりますけれども、「金融改革プログラム」にも示されていたことかとは思いますが、改めて方針なり検討状況を伺いたいと思います。

答)

保険商品というのは、保険会社による経営効率化への取組等の経営努力、これを保険料に適時適切に反映させるということをすることで、利用者の方の満足度が高い商品やサービスの提供というものはできるようになりますし、またそうなるように努力をしていっていただく必要があると考えています。

こういう考え方に立ちまして、経営努力等の成果が適時適切に反映されるような保険商品価格の弾力化を推進する。こうした観点から、商品審査のあり方を見直すということにいたしました。

「金融改革プログラム」、或いはその「工程表」におきまして今年中、17年中から順次保険商品の価格の弾力化を促進するという観点から、保険料のうち保険数理に直接よらない部分を中心に商品審査を簡素化するという方向で保険業法施行規則等を改正する旨、記載がございます。

私共金融庁としては利用者ニーズ重視という観点に立ちまして、保険商品の多様化、そして価格の弾力化を進めるための環境整備、これに向けた方策について今後幅広く関係者の御意見を伺いながら十分な検討をしていきたいと考えています。今幾つか例をお上げになりましたけれども、具体的な方針というのは、いずれにしても今後幅広く関係者の御意見を伺いながら検討してまいります。今の段階で具体的に決定したことがあるというものではございません。

問)

個別のことではあるのですけれども、一部報道で、明治安田生命に対して早期解約の実態調査を求めているとの報道がございまして、一般的に問題となりました保険金不払との関連性等について、あと事実関係等についてお伺いできればと思います。あとは一般論ということで、監督上の着目点としてそういう早期解約ということに着目する場合があり得るのかどうか、それがもしあるとすればどういった観点からということになるのでしょうか。

答)

まず前段のお話については、もちろん報道は承知しておりますけれども、個別の会社に関する監督のお話でございますからコメントは控えさせていただきます。

後段の一般論の方のお話ですが、これについては早期解約と言いますのは、それによって保険契約の募集締結にあたって、保険契約者等の利益が害されることがないか、こういう観点から監督や検査において適正な保険募集管理態勢の検証の一環ということで確認を行っています。お尋ねのようなどういった観点ということになりますと、やはり保険契約者等の利益が害されることがないかという視点から、この点を検証していくということになります。

問)

損害保険大手で保険金の未払いというものが自主的に調査され、その件数が拡大していると聞いているのですけれども、その点金融庁としての実態把握の状況ですとか、今後の監督上の措置についての考え方についてお伺いしたいと思います。

答)

大手の損害保険会社においては保険金の未払いがあったと、こういう報道がございます。この点については未払いの件数、或いは金額の規模等を含めた詳細について現在各社で自主的に調査が行われています。損害保険各社におかれましては、適時適切に保険金等の支払を行うということが、保険会社の基本的でかつ最も重要な責務であるということを認識していただいた上で、まずもって自ら適切な保険金等の支払管理態勢等の構築に努めるということが必要であると考えております。従いまして実態把握というのは、まず各保険会社において行っていただく、そしてそうしていただいているということでございます。当局の監督上の考え方としては適時適切な保険金の支払が行われるような管理態勢、これが確立されているかどうかということについて、監督、或いは検査において検証を行っているところです。今後とも監督指針、或いは検査マニュアル、こういうものに基づいて、この点について十分な検証を行っていきたいと考えております。

問)

行動規範についてお伺いしたいのですが、一応財務局の方にも発出されたと聞いております。もう少し具体的にと言いますか、仮にその監督する方が的確性を欠く話だとかした場合の受け皿と言いますか、どこにどういうふうに相談できるのかなどといったようなことが書かれておりませんので、もう少し詳細に長官の方から説明していただければありがたいと思います。

答)

行動規範そのものは金融庁職員に向けたものであり、同時にそういう姿勢で我々は監督、或いは検査を行いますという表明でもあるわけです。ですからこうした行動規範というものを金融機関の皆様なり、或いは一般市民の皆様方が御覧になって、実際の金融庁職員の行動に、それに反するものがあるのではないかという具体的な疑念をも持たれたということであれば、それは各財務局、或いは金融庁に直接その旨をお申し出いただければ私共なりにこれを点検いたします。本庁においては特にコンプライアンス対応室というものが設置されておりまして、そこで検討する必要があるというような事案であれば、第三者的な組織でございますので、その目を通して厳正に行動規範との関係でどうであるかということも検証してまいりたいと思います。またそうした問題ではなくて一般的な姿勢の問題としてというお話であれば、そうしたご指摘も踏まえて金融庁職員の行政の執行に問題がないかどうか、よくそうしたことを担当する部局において検討して、必要な研修ですとか、或いはもし個々の職員に注意する必要があればそうしたことも行っていきたいと思います。そうしたことでそれはお申し出いただければ真面目に対応いたします。

(以上)

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