金融行政モニター委員と金融庁幹部との意見交換会(令和3年6月10日)  議事要旨

議事要旨

・日時:

令和3年6月10日(木)15時00分~16時05分

・場所:

Webexによる開催

・議事要旨:

金融庁から、金融行政モニター制度の運用について説明した後、金融行政モニター委員が把握している金融機関の金融行政に対する意見等について、以下のような議論が行われた。(○:金融行政モニター委員の発言、●:当庁の発言)

モニター委員からの金融行政に関する意見

  ○ 今回の銀行法改正によって業務範囲規制等が緩和されたが、銀行グループ単位の目線で   
   一層の緩和を進めても良いのではないか。例えば、銀行持株会社が予め認可を受けること 
   で銀行グループ内の会社に共通・重複する業務を営むことが認められているが、当該認可 
   を不要とする範囲として、福利厚生に関する業務や事務用物品の購入・管理業務だけでは
   なく、バックオフィス業務全般に広げても良いのではないか。
 

  ● 御指摘の点も踏まえ、政府令の策定に取り組んでまいりたい。
 
  ○ 高齢者向けの金融サービスについては、預金の払戻し等に関する取組みは進んでいるも
   のの、社会のニーズに応えたより深い対応が十分にできていないため、金融機関がリスク
   をとってリターンを稼げるよう金融庁としても後押しして欲しい。
 
  ● 高齢者向けの金融サービスは今後非常に重要な分野である。民間金融機関の創意工夫を
   促すために、金融庁としても何ができるか検討していきたい。
 
  ○ 「顧客本位の業務運営」はソフトローに依存し過ぎていないか。場合によってはハード
   ローで切り込む場面があると考えられるため、金融事業者の実務もにらみながら、ソフト
   ローとハードローの最適な組み合わせを検討して欲しい。
 
  ○ 「顧客本位の業務運営」に関する情報の開示については、金融機関自身が考えるべきで
   あるにもかかわらず、金融庁の意図が十分伝わっておらず、業界によっては統一的なひな
   型を作成する動きがあるなど、形式的・画一的な対応が一部見られる。金融事業者が自ら
   主体的に創意工夫を発揮する必要性について、金融庁も継続的に発信すべきではないか。
 
  ● 如何にプリンシプルベースで実効性を持たせるかが課題であると認識している。金融事
   業者が自ら主体的に創意工夫を発揮できるよう、金融庁としても情報発信の面で工夫して
   いきたい。
 
  ○ LIBORの公表は2021年末に恒久的に停止されるが、金融機関やその顧客である事業法人
   などにおいて、LIBORから代替金利指標への移行が十分に進んでおらずリーダーシップの
   不在も感じられるため、円滑な移行に向けて対応を促していく必要があるのではないか。

  ● 御指摘の点は重要であるため、金融庁も日銀と一緒になって金融機関に対する啓発をし
   ていきたい。

  ○ 今国会で預託法改正が成立したが、金融庁も消費者庁と連携して、悪質な商法の取り締
   まりにご尽力いただきたい。
    また、来年から成年年齢引き下げも始まるため、他省庁との連携を強化し、金融教育に
   取り組んでいただきたい。
    このほか、行政の相談員からの要望であるが、資金決済法の重要性が高まっているた
   め、行政相談委員に対する教育を支援いただきたい。
 
  ● 預託法改正については、法案成立時の附帯決議においても、消費者庁と金融庁の連携
   が強調されているところであり、尽力してまいりたい。
    また、成年年齢引き下げに向けた対応というのは政府としても大変重要なテーマであ 
   る。新型コロナウイルス感染症が蔓延する中で、対面授業はなかなか困難だが、オンラ 
   イン教材の充実等、色々工夫をしていきたい。
    さらに、資金決済法の周知や教育にも取り組んでまいりたい。
 
  ○ 銀証のグループ化が進んだ場合に、優越的地位の濫用や利益相反が金融グループ内で
   発生しやすくなる恐れがあり、この点を事業会社も心配している。金融機関への監督を
   強化するだけではなく、規制緩和による影響について事業会社から意見聴取してフォ
   ローしていくことも必要ではないか。
    また、金融機関への規律の利かせ方について、今は金融機関に業務改善や業務停止の
   処分を行う形をとっているが、それが今後も国際的に通用するのか考えていく必要があ
         る。
 
  ● 銀証ファイアーウォール規制の見直しについては、金融機関の顧客である事業会社か
   ら意見を聞くのは非常に重要であると考えている。
    また、ファイアーウォール規制の見直しは銀行が資本市場での取引・サービスを本格
   化させる際に、どのような規律を働かせるのかといった問題であり、そのあり方は継続
   的に検討してまいりたい。
 
  ○ 金融行政モニター窓口には金融機関から金融庁職員の対応に関する苦情も寄せられ
   るが、相手方の知識レベルに合わせて金融庁側が丁寧に説明するなど、事業者の事情を 
   勘案した親切な対応に努めることで、そういった苦情も未然に防げるのではないか。

  ○ 金融行政モニター窓口に寄せられた意見に対して、金融庁の所管ではない制度にも目
   配りをしながら対応しようとしていることは大変有難い。とりわけ、同じような金融商
   品でありながら、所管外の事業者で問題行為等が発生しているのであれば、金融庁から
   他省庁に何かしら働きかけができるのではないか。
 
  ● 金融行政モニター窓口に寄せられた意見に対して、金融庁がどのように対応したのか
   が重要であり、金融行政モニター制度のおかげで金融行政がより良いものになったとい
   うことを繰り返し発信していけるようにしたい。
                                      
                                     以上
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