- 金融行政モニター委員と金融庁幹部との意見交換会(令和4年4月12日) 議事要旨
金融行政モニター委員と金融庁幹部との意見交換会(令和4年4月12日) 議事要旨
議事要旨
・日時:
令和4年4月12日(火)14時00分~15時00分
・場所:
Webexによる開催
・議事要旨:
金融庁から、金融行政モニター制度の運用について説明した後、金融行政モニター委員が把握している金融機関の金融行政に対する意見等について、以下のような議論が行われた。
(サステナビリティ開示)
○ 金融機関のサステナビリティ開示について、気候関連財務情報開示タスクフォースのコンソーシアムにお
ける発信等も含めて、金融機関の取組みを支えていただきたい。
のであれば、法律を変えるべき。
○ 欧州の議論に左右されるのではなく、日本にとって何が現実的で望ましい選択なのか考え、忘れないこと
が必要。
(サステナビリティ融資)
○ 気候変動については、火力発電や化石燃料採取などに対する融資自体を問題視する(止めようとする)動
きが欧州で強まっているが、現実的なトランジション・ファイナンスをむしろ後押しするよう、日本の立場
を主張していただきたい。
(金融機関における融資実務のあり方)
○ 倒産事案の激減とともに、金融機関の審査部門の対応能力の低下を感じる。具体的には、事業再生や破綻
処理の経験が継承されず、経験のある担当者が減ってしまっていると聞いている。平時と危機時の二分論で
はなく、まだ間に合う中間の段階で、金融機関が融資先企業とコミュニケーションを取って早めに対応でき
るように融資実務を変えていくことを、当局としてサポートいただきたい。
(資金決済法の改正)
○ 今回の改正で、ステーブルコインについて一定の枠組みができるものの、海外発行のものについて同じ規
制を及ぼすのは現実的でなく、海外の規制動向をふまえ、更なる対応が必要であると理解している。日本が
ガラパゴス化しないよう注意いただきたい。また、マネロン対応の共同機関につき、その機能を拡充してい
くことができるのではないかと考えており、今後も柔軟に対応いただきたい。
(顧客本位の業務運営)
○ 顧客本位の業務運営について、概念は日本に定着してきたように思うが、本当の意味でのフィデューシャ
リーデューティーが実務に定着していないのではないか。顧客本位の業務運営について、力を入れていただ
きたい。
○ 5年物など、償還期限を短く設定しているESG関連の投資信託が出てきており、本来の投資信託の趣旨と
異なるのではないか。顧客本位の業務運営がなされるよう、ご指導いただきたい。
(公開買付規制・大量保有報告規制)
○ 日本の公開買付規制・大量保有報告規制は、英国法と米国法の中間にあるような規制の建付けとなってい
る。英国型に行くのか米国型に行くのか、あるいは今のままとどまるのか、規制のあり方を見直す時期に来
ているのではないか。
(コロナ後の監督やモニタリングのあり方)
○ コロナにより、監督やモニタリングは、新しいリモートの形になっているが、コロナ後にどういう形にし
ていくか考えることが必要。
(金融経済教育)
○ 金融トラブルについて、従前は高齢者が多かったが、現役世代の方々がトラブルに巻き込まれる事例が増
加しているように思う。金融庁が作成している教材を活用しながら、金融経済教育の推進をお願いしたい。
(金融機関の人材育成)
○ 中堅クラスの職員と金融庁の職員が交流できる機会があると良いのではないか。
(保険会社の経済価値ベースの資本規制に関する取組み)
○ 契約者保護を前提として、保険会社の組織能力を高め、国際的に活躍できるようにといった目的で整備さ
れたものだが、本来の趣旨を理解せず、保険会社によっては、規制に則ってやれば良いといった姿勢でいる
ところがある。より高度な契約者保護ができるよう、各社のトップの意識をどう変えられるかが重要。今ま
での資本規制と異なるものであることが分かるようにする必要。
(今後の金融行政のあり方)
○ 金融サービスのニーズは常に存在し、金融庁はこれを育成する必要があるが、現在の市場の発展は投資家
のみならず金融機関も従来型の発想ではついていけない状況になっている。金融サービスの発展を支援し、
個人投資家が参入しやすい金融市場を作るために、大きな視野を持って金融行政を進めることが重要。
(金融行政モニター制度の運用)
○ 実際に寄せられる意見は、金融サービス利用者相談室を案内するような個別の事例が多い。こうした個別
の事例から一般的にも問題となる点を拾い上げて議論ができるものも増えてきているが、金融行政モニター
制度が本来の目的を果たせるよう、より多くの金融機関職員が、金融行政モニター窓口に現場の状況を申し
出る制度となることを期待している。
以上
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