平成18年12月26日
金融庁

主要行等向け監督方針及び証券会社等向け監督方針の付記について

  • 1.  平成18事務年度主要行等向け監督方針では、「主要行等においては、例えば、・・・( ii )不動産ファンド向け融資・・・の増加など新たな手法を通じた収益確保の動きが見られる。こうした新たな取引形態に伴うリスクが正確に把握・管理されているかについて検証を行う。」との重点事項が示されている。

  • 2.  また、平成18事務年度証券会社等向け監督方針において、「投資信託委託業、投資法人資産運用業、投資顧問業については、・・・忠実義務や善管注意義務の違反行為の有無について厳正なチェックを行う」「・・・業務の多様化・複雑化による潜在的な利益相反の増加等に伴い、法的リスクや風評リスクの適切な管理の重要性も増している・・・証券会社等によるリスク管理態勢について、総合的なヒアリング等を通じて検証していくこととする。」との重点事項が示されている。

  • 3.  当庁では、これらを踏まえ、平成18年10月~11月にかけて、各金融機関に対し、不動産ファンドに対する投融資の実態把握のためのヒアリングを実施し、その結果を踏まえ、以下の内容を留意事項として、監督方針に付記することとした。

    • (1)地価については、

      • 3大都市圏の商業地が15年ぶりに上昇しているが、これは一部地域の大幅な上昇が圏内の平均上昇率を牽引していることによる
      • 実際に賃料が上昇しているのは東京都心等の一部に限られ、これまでの地価上昇は将来の賃料上昇期待による面が大きい

      ことが伺えた。

    • (2)また、運用中の不動産ファンドが保有している不動産残高(簿価ベース)が、最近1年半で2倍以上になっているとの指摘もあるなど、不動産ファンド市場は拡大している。

    • (3)このような中で、

      • 信託銀行は、不動産管理処分信託にかかる今春の行政処分も踏まえ受託審査を厳格化している模様。

      • 他方、主要行等の不動産ファンド向けノンリコースローンは、各金融機関でその取組みにかなりの差がありつつも、全体としてみれば、17年9月期の5兆円から18年9月期6.6兆円へと約3割増加しており、業種集中リスク等を勘案した、適正なリスク管理が行われているかについて十分留意する必要がある。

      • また、J-REITの運用会社等に対しては、利益相反取引防止態勢、物件取得時のデューデリジェンス態勢等、業務を公正かつ的確に遂行する態勢の整備状況について、今後も注視していく必要がある。

      • 証券会社に対しては、J-REITの引受、不動産私募ファンドの募集及びCMBS(商業用不動産担保証券)等の組成の際の審査態勢や、それらの商品の販売時における顧客への説明状況について、今後も注視していく必要がある。

お問い合わせ先

金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
監督局 銀行第一課(内線:3751)証券課(内線:3353)

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