平成18年8月30日
金融庁
金融庁業務継続体制の整備について
金融セクターにおける災害時等における業務継続体制については、先般(8月29日)、ジョイント・フォーラムが「業務継続のための基本原則」を公表したところである。また、本年6月10日に公表されたサミット財務大臣声明においては、鳥インフルエンザ発生のリスクに対して、金融部門も含め、非常事態への対応策に関する各国間の協力の促進を通じた準備が必要とされている。こうした点を踏まえ、金融庁では、今般、新型インフルエンザの大流行を含めた災害時等における金融庁の業務継続体制の更なる整備を図る観点から、以下のとおり対応を行うこととする。
(注) ジョイント・フォーラム:バーゼル銀行監督委員会、証券監督者国際機構(IOSCO)、保険監督者国際機構(IAIS)を母体とする合同会合で、業種横断的な課題を議論。
1. 「金融庁防災業務計画」の見直し
「業務継続のための基本原則」を踏まえて、「金融庁防災業務計画」を見直すとともに、同計画に定める防災業務体制の整備を図る観点から、所要の細目を定める。
(下記「金融庁防災業務計画の見直しについて」、「金融庁防災業務体制の整備について」を参照。)
2. 新型インフルエンザへの対応
新型インフルエンザを含め感染症等の大流行が発生した場合においても、金融庁等の中枢機能が継続して運営されるよう、「金融庁防災業務計画」等に基づきつつ、実効的かつ包括的な体制の整備に努めることとする。
(下記「感染症等の大流行時における業務継続について」を参照)
3. 金融機関等の業務継続体制の把握及び業界との協力体制の整備について
各金融機関等が適切な業務継続体制を構築しているかについて、今後とも、監督指針等に即しつつ、通常の検査・監督を通じて把握する。また、各業界と緊密に連携しつつ、金融セクター全般の業務継続体制の整備の促進に努める。
お問い合わせ先
金融庁総務企画局政策課(内線3704、3187)
Tel:03-3506-6000(代表)
金融庁防災業務計画の見直しについて
ジョイント・フォーラムによる「業務継続のための基本原則」の公表等を踏まえ、以下のとおり「金融庁防災業務計画」を見直すこととする。
(注) 「金融庁防災業務計画」は、災害対策基本法、大規模地震特別措置法等に基づき、防災等に関して金融庁の採るべき措置を規定している。
1.業務継続計画としての位置付け
金融庁が防災に関し採るべき措置に、(a)災害の発生時において金融庁及び金融機関等が、早期に被害の回復を図り、金融システムの機能の維持に必要な最低限度の業務を継続するために必要な措置を含めること、(b)災害の発生又は拡大の防止のための所要の応急措置に、金融機関等の中枢業務の継続又は復旧のための必要な措置を含めること、を明確化。
2.連絡・情報収集体制の整備
平常時より、庁内関係者、関係機関等、海外当局等及び金融機関等との間で、災害の発生時における連絡方法の確認を行うこととする。また、災害の発生時に、金融機関等の通常業務の継続が困難となった場合には、金融機関等又は財務局等に対して速やかな状況報告を求めるほか、必要に応じ、海外当局等との連携に努めることを明確化。
3.金融機関等の業務継続体制の確立に関する行政上の対応の明確化
金融機関等に対し、災害時における早期の被害の回復や金融システムの維持に必要な最低限度の業務の継続が可能となるような体制整備の実態把握に努め、必要に応じて改善を求めるほか、行政上の考え方、着眼点等を示すものとする。
4.その他
災害の発生時における金融庁職員の安全確保に関する規定等を整備。
(以上)
金融庁防災業務体制の整備について
金融庁防災業務計画に基づき、以下のとおり防災業務体制の整備を図ることとする。
1.中枢機能の維持及び復旧目標
(1)災害時等においても、最低限、継続すべき中枢業務を別紙のとおりとする。災害時においてもこれら業務の継続が図られるよう、連絡体制の整備、代替職員の配置等体制整備を図る。
(2)原則として、災害後(災害に伴い危機的状況が発生した場合には、その沈静化後)10営業日以内を目処として、別紙以外の業務等の復旧を目指す。復旧が遅滞する場合は、その旨及び復旧の目処を遅滞なく公表する。
2.担当者の設置
各部局に防災調整担当官を配置し、平常時における防災業務体制の整備について連絡・調整等を行う。
3.連絡・情報収集
以下の場合には、直ちに、内閣府等関係部局と連絡をとり事態の把握を行うことともに、必要に応じて、金融機関等の被害状況等の把握を行う。
(1)政府に非常(緊急)災害対策本部が設置された場合
(2)東京23区以内で震度5強以上の地震
(3)それ以外の地域で震度6弱以上の地震
(4)津波警報(大津波)が発表された場合
(5)東海地震注意情報が発表された場合 等
4.非常参集
以下の状況の場合は、非常時参集者は直ちに参集する。金融庁災害対策本部及び同幹事会構成員は、下記状況が生じたことを認識した際には、直ちに、非常参集者のいずれかと連絡をとるように努める。
○東京23区以内で震度6強以上の地震(首都直下型大規模地震)が発生した場合 等
5.庁舎管理
庁舎が使用不可能あるいは使用が危険である場合に、代替となる設備等(このためのシステム、データ、参集体制の整備を含む)を整備するよう努める。
(以上)
感染症等の大流行時における業務継続について
ジョイント・フォーラム「業務継続のための基本原則」(本年8月29日公表)においては、感染症の大流行が金融システムの重大な業務中断に結びつく可能性があるとされているところ。また、サミット財務大臣声明(本年6月10日公表)においては、鳥インフルエンザ発生のリスクに対して、金融部門も含め、非常事態への対応策に関する準備が必要とされている。
我が国においては、従来、震災等災害時における金融セクターの業務継続体制の整備に力を入れて取り組んできたところ。他方、新型インフルエンザの蔓延という、異なる性質の事態に備えるためには、金融セクターにおいて、これまで整備してきた業務継続体制を基本としつつ、更に、職員の大量欠勤といった新型インフルエンザのリスク特性を踏まえた追加的取組みが重要であると認識。このため、金融庁では、感染症等の大流行が発生した場合においても金融庁又は金融機関等の中枢機能が継続して運営されるよう、金融庁防災業務計画等に基づき、実効的かつ包括的な体制の整備に努めることとする。
なお、体制整備に当たっては、以下の点に留意する。
(a)「災害」時の判断
金融庁は、我が国において感染症がヒトの集団に広範かつ急速に広がり、大流行を呈する状況となり、金融庁又は金融機関等の業務継続が困難となることが著しく懸念される状況又は政府として国民の社会活動の制限を求める状況(新型インフルエンザ対策行動計画におけるフェーズ6B等)が生じた場合には、金融庁防災業務計画における「災害が発生したとき」とみなし、必要な対応を行う。
(そうした状況以前においても、必要に応じて、金融機関等への検査等の立ち入りの抑制や不急の海外出張の制限等を検討する。)
(b)最低限、継続すべき中枢業務
上記(a)の場合においても、最低限継続すべき中枢業務として、金融庁防災業務計画第1条における「金融システムの機能の維持に必要な最低限度の業務」(別紙参照)及び以下の業務を指定し、その継続を図る。
(1)各種受付業務(別途、金融庁が指示する場合を除く)
(2)一般国民からの問い合わせ業務(来訪による面談を除く)
(c)連携すべき関係機関等
上記(a)(b)の場合、厚生労働省及び政府における対策本部等関係機関と緊密に連携することとする。
(以上)
総務企画局 | 担当 | |
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金融庁職員の安全確保等に関する業務 | 総務課 | |
金融庁災害対策本部の庶務 | 政策課 | |
連絡体制の整備、関係職員の参集に関する業務 | ||
政府災害対策本部との連絡窓口 | ||
第四合同庁舎、代替施設等の管理 | 管理室 | |
生活必需品等の管理 | ||
災害時等における金融庁の対応等に関する情報の一般国民への発信 | 広報室 | |
情報システムの管理等 | 情報化・業務企画室 | |
海外当局等との連携に関する業務 | 国際室 | |
総務企画局職員(総務課、政策課を除く)の安全確保等に関する業務 | 企画課 | |
証券取引所等の運営に関する業務 | 市場業務室 | |
検査局 | ||
検査局職員の安全確保等に関する業務 | 総務課 | |
監督局 | ||
監督局の業務のとりまとめ等総合調整 | 総務課 | |
監督局職員の安全確保等に関する業務 | ||
災害時等における預金等取扱金融機関の業務に関する業務(災害業務計画や災害時以降の金融庁の指示に基づき提出される報告の受領以外の金融機関からの受付業務等を除く) | 銀行第1課 銀行第2課 協同組織金融室 |
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災害時等における保険会社の業務に関する業務(災害業務計画や災害時以降の金融庁の指示に基づき提出される報告の受領以外の金融機関からの受付業務等を除く) | 保険課 | |
災害時等における証券会社の業務に関する業務(災害業務計画や災害時以降の金融庁の指示に基づき提出される報告の受領以外の金融機関からの受付業務等を除く) | 証券課 | |
証券取引等監視委員会 | ||
証券取引等監視委員会の職員の安全確保等に関する事項 | 総務課 | |
公認会計士・監査審査会 | ||
公認会計士・監査審査会の職員の安全確保等に関する事項 | 総務試験室 |