平成18年9月22日
金融庁
クレディ・スイス投信株式会社に対する行政処分について
平成18年6月9日、クレディ・スイス投信(株)(以下「当社」という。)から多数の発注伝票の未作成及び記載不備が社内検査で発見されたとの報告があったことから、同年7月25日、当社に対して投資信託及び投資法人に関する法律(以下「投信法」という。)第39条第1項に基づく報告書の提出を求めた結果、同年8月24日に提出された報告書において以下のとおり不適切な業務の状況が認められた。
当社内部監査部が平成16年2月に実施した運用部トレーディングチーム(以下「運用部」という。)に対する内部監査の結果及びそれを受けた運用部の調査の結果、多数の発注伝票に未作成及び記載不備が認められた。
当該行為は、投信法第36条及び同法施行規則第69条に規定する帳簿書類の作成及び保存義務違反に該当するが、当社は、事実確認及び発注伝票の復刻作業に多大な時間を要した結果、当該法令違反行為を認識して以降2年以上の間、当局に対する報告を怠っていた。また、当社は、平成17年10月の兼業(※1)承認申請時に当該法令違反の事実を認識しているにもかかわらず、当社の法令遵守の状況について良好である旨(※2)申請書に記載し、同年11月に承認を受けていた。
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※1関連会社(クレディ・スイス信託銀行)の廃業に伴う顧客等への対応支援業務
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※2事務ガイドラインにおいて、承認要件として法令等遵守状況が良好であることが求められている。
このような当社の業務の状況は、投信法第40条第1項に定める業務改善命令の要件となる「投資信託委託業者の業務の健全かつ適切な運営を確保し、投資者の保護を図るため必要があると認めるとき」に該当するものと認められる。
以上のことから、本日、当社に対し、以下の行政処分を行った。
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○業務改善命令
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(1)法令等遵守態勢を含めた内部管理態勢の充実・強化
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(2)発生原因の詳細な分析及びそれを踏まえた再発防止策の策定・実行
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(3)実効性ある内部監査態勢の確立
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(4)責任の所在の明確化
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(5)上記(1)から(4)に関する業務改善計画を平成18年10月23日までに書面で提出し、直ちに実行すること。
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お問い合わせ先
金融庁 Tel:03-3506-6000(代表)
監督局証券課(内線3353、3724)