第6回金融機能強化審査会 議事要旨
1.日 時:
平成21年9月11日(金)10時00分~12時30分
2.議 題:
○経営強化計画(みちのく銀行、きらやか銀行及び第三銀行)の審議
3.議事内容
○事務局より、みちのく銀行、きらやか銀行及び第三銀行から提出された経営強化計画の概要等について説明が行われた。
○みちのく銀行の杉本康雄頭取より経営強化計画の概要について説明が行われた後、質疑応答が行われた。概要は以下の通り。
- 顧客の満足を追求するビジネスモデルは良いと思うが、顧客向けのサービスを融資の付随としてある程度無料で提供するつもりか、それとも正当な手数料を取っていくつもりか。
⇒提携先経由で行うビジネスマッチング等について、紹介した企業にメリットがあれば手数料は頂きたいと思うが、無料で商談会を開催するケースもある。いずれにせよ、最初から手数料というのではなく、入口で経営者ときちんと話ができる仕組みを作る必要があると考え、現場を教育している。
- 地元にはどのような事業性資金のニーズがあるのか。函館への新幹線開通は、貴行にとってビジネス・チャンスとなり得るのか。
⇒地元の資金ニーズは全体的に落ち込んでいるが、アグリビジネスはニーズのある分野の1つ。また、平成27年度に北海道新幹線が函館まで開通すれば、函館-東京間の移動時間が函館-札幌間と同程度となる。地元経済界でも何とか活用したいという動きがあり、今よりもプラスになるものはあると考えている。
- この法律の精神は金融機能の強化のための取組みを強化し、中小企業金融の活性化を図ること。また、国民全員が株主になる面もあるので、そうした趣旨を全行員に周知し、一層の浸透を図って頂きたい。
- 顧客の満足を追求するビジネスモデルは良いと思うが、顧客向けのサービスを融資の付随としてある程度無料で提供するつもりか、それとも正当な手数料を取っていくつもりか。
○きらやか銀行の粟野学頭取より経営強化計画の概要について説明が行われた後、質疑応答が行われた。概要は以下の通り。
- 顧客とのリレーション強化のため、訪問頻度を上げるとのことだが、単なる訪問に止まらず、高度な提案をどのように行っていくのか。
⇒取引先企業にとってはキャッシュフローの改善が最も喜ばしいことと考えており、それに繋がるソリューションを中心に営業展開していきたい。
- コンプライアンスとは、過去の不正のチェックではなく、将来起こり得るリスクに対し、社会の期待に応えられる策を練って対応していくこと。見回りによる管理ではなく、行員一人一人の自覚から始まるものであり、そうした意識改革に繋がる施策を講じて頂きたい。
- 合併して間もない中で内部管理態勢の整備や効率化に取り組み、これから地域に対する金融機能を強化しようとの方向性は結構かと思うが、新規開拓を進める一方で、既存取引先のモニタリング・期中管理も重要であり、足下を踏まえた取組みをお願いしたい。
- 顧客とのリレーション強化のため、訪問頻度を上げるとのことだが、単なる訪問に止まらず、高度な提案をどのように行っていくのか。
○第三銀行の伊藤準一頭取より経営強化計画の概要について説明が行われた後、質疑応答が行われた。概要は以下の通り。
- 次期システムの導入を繰り延べるとのことだが、今後新しいことを行っていくための対応として現行システムは十分機能するのか。他行とのシステム共同化については、どのように考えているのか。
⇒システムのハード面は必要な都度更新しているが、今後の業務展開等を考えるとソフトウェアの開発等も重要。その時の対応としては、共同化への参画がコストダウンに繋がると考えている。現在のシステムで、他行と比べて顧客サービスに遅れはなく、トラブルも発生していないが、先のことを考えて検討を始めている。
- 金融機関が私的再生手続に協力するか否かを判断する際、「経済合理性」を理由に、足並みが揃わないまま法的手続に持ち込み、多額の損失が出るケースがある。この点についての行員の教育はどうなっているか。
⇒経済合理性よりも、当行が地域のためにどれだけきちんと対応しているかといった評価を大切にしている。行員にも常に経済合理性で割り切らないよう指導しているし、今後もそうしていきたい。
- 公的資金は税金であり、今後、多くの国民が地域を超えて貴行に関心を持つことになるが、横領事件や反社会的勢力との取引等が発生すると、国民としては、「何のための公的資金か」ということにもなりかねない。公的資金の有無にかかわらず備えておくべき話ではあるが、より一層そういったことが起こり得ないよう、フォワード・ルッキングな、リスク管理という視点でのコンプライアンス態勢を構築して頂きたい。
- 次期システムの導入を繰り延べるとのことだが、今後新しいことを行っていくための対応として現行システムは十分機能するのか。他行とのシステム共同化については、どのように考えているのか。
○3行の頭取が退室した後、経営強化計画について討議が行われた。その際の主な意見は以下の通り。
- 全体的な印象として、各行の計画はよく書き込まれていると感じた。地元の金融機関として近隣他県等へ進出する計画となっていることについては、「せっかく公的資金が入ったのに、うちには行員が全く来ない」といった不満が生じるといったことのないよう、当局としてもフォローアップをお願いしたい。
- 各行とも、地域で抱えている問題や、それに対するビジネスチャンスを見出している部分があるのだと思うが、本日の説明では必ずしも浮き彫りになっておらず、抽象度の高いものに止まっていた感じがする。実質的に煮詰まっていない部分があるのなら、今後、経営強化計画を履行していく中で、継続的に特色のある取組みを追加・見直していくことも必要。当局としてもしっかりウォッチして頂きたい。
○以上の討議の後、審査会としてみちのく銀行、きらやか銀行及び第三銀行の経営強化計画について了承することとされた。
お問い合わせ先
金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
監督局 総務課・銀行第二課(内線3759・3763)
本議事要旨は暫定版であるため、今後変更があり得ます。