平成22年10月15日
金融庁

監査法人の処分について

金融庁は、平成22年7月13日、公認会計士・監査審査会から、同審査会が永昌監査法人に対して行った検査の結果に基づき、公認会計士法第41条の2の規定による当該監査法人に対する行政処分その他の措置を講ずるようPDF勧告を受けました。

同勧告を踏まえ、金融庁は本日、下記のとおり当該監査法人に対して、公認会計士法第34条の21第2項第3号に基づく処分を行いました。

1.処分の概要

  • (1)処分の対象

    永昌監査法人

  • (2)処分の内容

    業務改善命令(業務管理体制の改善)

  • (3)処分理由

    永昌監査法人については、別紙のとおり、運営が著しく不当と認められるため。

2.業務改善命令の内容

  • (1)監査業務の品質管理に対する責任態勢の強化

  • (2)日本公認会計士協会の品質管理レビューによる指摘事項、定期的検証による発見事項等の改善を組織的に行うことを含む品質管理のシステムの監視態勢の強化

  • (3)監査の基準に準拠した監査手続を実施するための態勢の強化(リスク・アプローチに基づいた監査計画の立案、会計上の見積りなど、検査において指摘された事項の改善を含む。)

  • (4)監査の基準に準拠した審査手続を実施するための態勢の強化(審査に諮るべき具体的事項を明確化していないこと、業務執行社員との討議による審査及び監査上の重要な判断に係る審査を実施していない監査業務並びに審査完了前に監査報告書を発行している監査業務がみられることなど、検査において指摘された事項の改善を含む。)

  • (5)上記(1)から(4)に関する業務の改善計画を平成22年11月15日までに提出し、直ちに実行すること。

  • (6)上記(5)の実行後、当該業務の改善計画の実施完了までの間、平成23年4月末日を第一回目とし、以後、6ヶ月ごとに計画の進捗・実施及び改善状況を取りまとめ、翌月15日までに報告すること。

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局企業開示課(内線3654、2764)

別紙

永昌監査法人の運営は、下記のとおり著しく不当なものと認められる。

  • 理事長及び品質管理委員長は、監査の基準において求められている監査業務の品質管理に関する必要な指示及び監督を十分に行っていない。さらに、監査業務に係る審査や品質管理のシステムの監視が実効性をもって実施されていないなど、その業務運営は、監査業務の質を合理的に確保するものとなっていない。

  • 監査業務の実施については、監査業務を行うために必要な要員が確保されていないこと等から、リスク・アプローチに基づく監査計画の立案及び会計上の見積り等の重要な項目について、監査の基準に準拠した監査手続が行われていない監査業務がみられる。

  • 監査業務に係る審査については、審査に諮るべき具体的事項が明確にされておらず、また、審査担当者において、監査の基準に関する理解が不足している。さらに、業務執行社員との討議による審査や監査上の重要な判断に係る審査を実施していない監査業務、審査完了前に監査報告書を発行している監査業務がみられるなど、審査態勢は著しく不十分である。

  • 日本公認会計士協会の品質管理レビューの指摘事項については、監査法人として具体的な改善計画を作成していないほか、品質管理委員長が改善のための必要な措置を講じていないことから、改善されていない事項等が多数みられており、改善に向けた取組が著しく不十分である。

(以上)

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