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「金融資本市場及び金融産業の活性化等のためのアクションプラン」に関するヒアリング議事録

1.日時:

平成22年12月15日(水) 13時00分~15時00分

2.場所:

中央合同庁舎第7号館13階 金融庁第1特別会議室

○神崎政策課長

それでは、ただいまより「金融資本市場及び金融産業の活性化等のためのアクションプラン」に関するヒアリングを開催いたします。

初めに、東副大臣、和田政務官よりご挨拶を頂きたいと思います。

○東副大臣

どうも皆さん、本日は大変お忙しいところ、急なお願いにもかかわらず、このようにお集まり頂きまして誠にありがとうございます。金融庁の担当副大臣をいたしております東祥三でございます。

皆さんご案内のとおり、本年6月に閣議決定されました新成長戦略に従いまして、「金融資本市場及び金融産業の活性化等のためのアクションプラン」の策定に向けた検討を進めてまいりましたが、先週、7日でございましたけれども、中間案を取りまとめ公表したところでございます。今後、年内に最終版のアクションプランを取りまとめ、その後各施策の迅速な実現に取り組んでいきたいと、このように思っている次第でございます。中間案については既にご覧になってくださったと存じますけれども、今般のアクションプランの特徴は、言うまでもなく、成長著しいアジア経済圏とのつながりの強化を打ち出したことであり、そしてまた、我が国金融が、実体経済を支えること、みずからも成長産業として経済をリードしていくことという2つの役割を十分に発揮できるよう、金融庁として環境を整備するための各種施策を幅広く盛り込んだところでございます。

ただ、実際のところ、現実の経済・金融活動を担っていくのは、我々ではなく、今日お集まり頂いている金融機関の皆さん方、また金融機関を利用される利用者の皆さん方にほかなりません。本日は、ぜひご関係の皆様方より忌憚のないご意見を賜りたい、そのような思いで今日集まって頂きました。有意義な時間を過ごしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

○和田大臣政務官

自見大臣、東副大臣のもとで政務官をしております和田と申します。よろしくお願いいたします。

今日は本当にお忙しい中お集まり頂きましてありがとうございます。私どもがアクションプランとしてご提示申し上げているものをしっかりと実現していくためには、これから来年の通常国会等においてきっちりとした法案の形で国民の皆様方にお示しして、国会での議決を頂く必要がございます。そういった意味におきまして、その議決を頂くためには、まずもって、お金の流れに携わっておられる金融業界の皆様方、またお金の流れを活用し最終的に資産形成して頂きます国民の皆様方、そしてそういった方々の間を取り持って頂くことになりますが、実需を伸ばして、お金の回りを一層盛んにして頂く産業界の皆様方、こういった方々の連携がなければ成り立たない話でございます。

私自身、十数年前のことでございますが、アジアの大使館勤務をしていたときに、一国の経済が、為替がきっかけではございましたが、お金の流れが滞ったら一国全体がどんなに大変なことになるかを実体験してまいりました。平常時には国民の皆様方は普通に使うお金の感覚しか持っていらっしゃらないかもわかりませんが、いざというときに本当に国家を支えるのはお金でございまして、そういった意味におきまして、皆様方の各方面からのご意見をしっかりと総合させて頂き、法案成立に全力を傾けていきたいと思っております。

今日は忌憚のないご意見を頂きますようよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。

○神崎政策課長

どうもありがとうございました。

なお、和田政務官は所用のため、2時ごろに途中退席させて頂く予定でございます。あらかじめお断りさせて頂きます。

それでは、ヒアリングを始めさせて頂きたいと思います。

本日は、ご出席の皆様を4つのグループに分けて、それぞれお話を頂いた上で、グループごとに副大臣、政務官及び当庁側から質問をさせて頂く時間を設けるという形で進めさせて頂きたいと思います。申しわけなく存じますが、時間の制約もございますので、おひとり10分以内でお話をお伺いできればと思っております。

まず最初のグループとして、全国銀行協会の車谷企画委員長、全国信用金庫協会の小此木常務理事、全国信用組合中央協会の小安常務理事からご意見を頂きたいと存じます。

では、車谷企画委員長、よろしくお願いいたします。

○車谷企画委員長(全国銀行協会)

全国銀行協会の企画委員長を務めております車谷でございます。

本日は、御庁によるこのアクションプランの取りまとめに際し、このような意見を申し上げる機会を頂戴いたしまして、誠に感謝申し上げます。

それでは、早速お手元の資料に即しましてご説明をさせて頂きます。

1ページ目、お願いいたします。まず、「我が国の持続的成長に向けて金融が果たすべき役割に関する我々の基本認識」でございます。

ご高承のとおり、我が国では少子高齢化が進み、生産年齢人口が減少する中で、国内需要の一層の伸びに期待することが難しい状況にある一方、IMFによれば、左下の図表のとおり、アジア新興国の世界の名目GDPに占めるウェイトが2004年以降の10年間で約2倍に増加するなど、アジア市場の大幅な需要増加が見込まれているところでございます。

こうしたトレンドの中で、資料左上の「我々の基本認識」のところでお示ししておりますが、今後の我が国の持続的成長を実現する観点からは、こうした国々の高い成長性を国内に取り込むべく、日本とのリンケージの一層の拡充というものが不可欠でございまして、そこで我々金融が起爆剤の役割を果たさなければならないと考えております。具体的には、既に製造業を初め、日系企業の新興国への進出が相次いでおります。金融業界といたしましては、こうした動きを引き続き強力にサポートしていくとともに、今後、新興国経済の成長の果実を我が国に着実に還流していくために、金融業界自身も当該国・地域に積極的に進出し、円高で増価した「豊富な円資金」の仲介役を果たすことが必要と考えております。それはすなわち、国内の家計部門に対する、より幅広い投資機会の提供や、法人部門に対する成長資金の供給円滑化に資することになると考えております。

また、基本認識の2つ目に記載している通り、こうした役割を担う金融業は国内GDPに占めるウェイトが比較的高く、成長余地も大きいと考えております。その「成長産業化」を果たせれば、景気押し上げ効果も期待できるということでございます。具体的には、右下の図表にございますが、保険も含めました日本の金融業は、GDP全体の約6%、金額にして約29兆円にのぼります。一方で、米英と比較しますと、GDP全体に占める日本の金融業のウェイトは相対的にまだ低く、仮に、このウェイトが米国並みの7.5%へ増加した場合には、金額ベースで約8兆円のGDPの押し上げ効果も期待できるという試算もできます。また、そうした成長に伴いまして、仮に国内銀行の1株当たりの利益が、米国並みに高まっていくといたしますと、銀行株の時価総額も10兆円弱増加し、そうなれば資産効果の発揮による景気押し上げも期待できるのではないかと考えております。

このような基本認識を踏まえまして今回公表されましたアクションプランを見てみますと、金融の役割として「実体経済を支えること」「自身が成長産業として経済をリードすること」が指摘されております。また、プランの具体策として、「企業等に対する適切な資金供給」「アジアと日本をつなぐ金融」ということが掲げられておりまして、まさに我々金融業界が日頃考えているところと軌を一にしていると思っております。

続いて2ページでございます。本アクションプランの金融行政上の位置づけと評価について申し上げます。

今回のアクションプランの位置づけを考える前提といたしまして、これまで講じられてきました金融分野における各種施策の変遷を見れば、不良債権処理が急務でございました平成14年の「金融再生プログラム」から、緊急時を脱しまして、将来の望ましい金融システムのあり方を志向した平成16年の「金融改革プログラム」、更には平成19年の「金融・資本市場競争力強化プラン」に至るまで、いわゆる「規制強化」から「競争力強化」への非常に大きな流れをたどってきたというふうに認識をしております。

しかしながら、平成20年9月のリーマンショックを境にいたしまして、外需に依存してきた日本経済の先行きの不透明感が一段と強まる一方、アジアを中心とした新興国の更なる台頭が顕著となる中、我が国金融資本市場についても、国際的な地盤沈下がやや懸念される状況かと思います。

言うなれば、我が国金融・経済は「待ったなし」の状況にございまして、このプレゼンスの引き上げ、回復のためには、国内の金融・経済主体のみならず、外資においても参入・活動が容易な一段と開かれた市場へ変えていくことも不可欠であるほか、成長性の高い海外市場とのリンケージの促進を図っていくことが非常に重要だと思います。今回、取りまとめられたアクションプランも、そのような認識の下で策定されたものと認識しておりまして、プランに盛り込まれた各種施策の早期かつ着実な実行が、「新成長戦略」の趣旨を実現する上で非常に重要であると思っております。

3ページをお願いいたします。

以上を踏まえまして、銀行界より、今回のアクションプラン策定・実行に際しまして、ご考慮賜りたい事項を大きく3点に絞りまして申し上げたいと思います。

1点目は、先ほど申し上げました通り、我が国の金融・資本市場は、このままでは国際的な地盤沈下が懸念されるような状況にあること等を踏まえまして、アクションプランに盛り込まれた各種施策の早期かつ着実な実施はもとより、可能な限り、工程表に示されているスケジュールからの更なる前倒しもお願いしたいと思っております。具体的には、資料に幾つか例示させて頂いておりますが、例えば代理・媒介を含む銀行本体へのファイナンス・リースの解禁でありますとか、コミットメントライン法の適用対象拡大などは、我々銀行界としても要望をさせて頂いてきた項目でございまして、着実な実施をお願いしたいと思います。

2点目でございますが、本年6月に政府により閣議決定されました「新成長戦略」において、採り上げられている「金融戦略」のうち、企業の事業再編に係る施策など、御庁と他省庁間に跨る検討項目につきましては、今回のプランには未掲載でございますので、我が国経済の成長促進を図る観点からは、これらについても、是非、今後とも継続的な検討と着実な実施をお願いしたいと考えております。

3点目でございますが、今後各種施策の具体的な検討に際しましては、「利用者保護、適切な規制監督」と「円滑な金融機能の発揮」というバランスの確保にご留意を賜れればと思います。すなわち、今回のアクションプランには利用者保護や適切な規制監督の確保に係る施策も盛り込まれておりまして、当然のことながら、銀行界といたしましては、その趣旨を踏まえた対応を徹底してまいりますが、一方で、それが過度なレベルで求められることになりますれば、場合によっては円滑な金融機能の発揮を阻害することにもなりかねないということでございます。是非、具体的な検討・実施に際して、引き続き、銀行界との密な情報・意見交換をお願いしたいと考えております。

4ページでございます。

最後に、今後の我が国の経済の持続的成長に向けた銀行界の取組みとして、弊行、個別行の事例でございますが、幾つか簡単にご紹介させて頂きます。

三井住友銀行におきましては、成長産業分野への取組みを強化するために、従来からも行っておりましたが、資料中段に示すとおり、本年7月に部門横断的な組織としての専門組織、「成長産業クラスタープロジェクトチーム」というものを発足させ、業界に関する知見を集積、公的機関との連携強化、競争力のある高度なソリューションの提供等をに組織的に努めております。

具体的には、資料右下にある通り、マーケット規模や成長性等を勘案の上、「新エネルギー」「環境」「水」「資源」を4つの重点分野として選定いたしまして、政府官公庁や、JBIC等の各種関係機関と緊密に連絡をとりながら、国内のみならず海外の案件についても取組みの強化を図っているところでございます。既に、排出権取引や省エネ取引等の「環境」分野におきましては、シンガポールの「下水汚泥処理設備」の建設プロジェクトで、民間銀行としては初の排出権CMDの国連承認を得るなど、着実に実績を積み上げているところでございます。

最後、5ページでございます。

政府の「新成長戦略」でも重要テーマとして採り上げられております、インフラ関連の海外展開に関しまして、昨年度の日本のインフラ輸出案件におきましては、邦銀が全ての案件につきましてアレンジャーとして参画をするなど、プロジェクトファイナンス、こうしたインフラ関連のファイナンスサポートにおきましては、グローバルベースで欧米の金融機関に現在でも引けを取らないマーケットリーダーとしての取組みを展開させて頂いているというところでございまして、この分野についても今後とも強化をしてまいりたいと思っております。

ご清聴ありがとうございました。以上でございます。

○神崎政策課長

どうもありがとうございました。

次に、全国信用金庫協会の小此木常務理事にお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

○小此木常務理事(全国信用金庫協会)

小此木でございます。今日はありがとうございます。

現在、金融庁さんのほうで検討されている新成長戦略のアクションプラン、その中には実体経済を支えることが金融の役割であると位置づけておられまして、これは信用金庫がこれまで地域社会、中小企業に果たしてきた役割そのものでございまして、私どもの従来からの取り組みを後押しして頂けるものと非常に理解しております。こうした金融庁のアクションプランによる環境整備、取り組みに対しまして、まずお礼を申し上げたいと思います。

また、協同組織金融機関の役割、特性につきましては、東副大臣、和田政務官を初め、皆様方には既に十分ご理解の上、種々の政策に反映して頂いておりまして大変感謝しておりますが、念のため、この場を借りて少しだけ触れさせて頂きたいと思います。

資料の1ページ目でございます。そこに5点ほど業界の特性を列挙してございます。相互扶助を経営理念とする非営利の金融機関であること、事業地区が狭く限定されていること、貸し出し先は、その地域・地区内の原則として会員に限定されていること、そして出資(資本)は会員からの拠出に限定されていること、さらに、地元の小規模企業に対しまして小口多数貸し出しに努めることを貸し出しの基本方針としていること、こういったことでございます。

最後の点につきましては、次の2ページにグラフで示しております。信用金庫の取引先は、従業員規模で10人以下の小規模企業が86%を占めておりまして、中小企業専門金融機関として地域金融、中小企業金融で重要な役割を担っておると考えております。そこにございますように、平成20年3月末現在では123万先のうち、従業員の10名以下のところが85.8%を占めております。それが我々の特性であることということでございます。

次に、アクションプランにつきましては、広範で多岐にわたる内容でございますので、特に信用金庫業界に影響の大きいと思われる事項に限って、私どもの考え方、スタンス等について、やや身勝手な希望を含めまして申し述べたいと思います。

資料の3ページをお開き頂ければと思います。

3ページに3つほど書いてございますが、冒頭は中小企業・地域住民へのきめ細かで円滑な資金供給ということでございますが、まさにこれは先ほどお話ししましたように、信用金庫の社会的役割、使命そのものでございます。年末、年度末に向けまして、これから一層の地域密着型金融、課題解決型金融の推進に努めてまいりたいと存じます。

次は、2つ目に、信用金庫の特性に配慮した監督規制等ということでございます。その1行目に国際的な金融規制改革への積極的な対応ということを挙げております。アクションプランでは国際会議等の議論への積極的な関与等について触れておりますが、私ども信用金庫は、今お話ししましたようにドメスティックな狭い地域を基盤としておりますので、そこで議論されましたことがそのまま適用になりますと、非常に不都合なことが生じてまいります。その代表的なものが、そのわきに括弧書きで記しました新自己資本比率規制などということでございます。私どもに対する規制については来年以降に検討されると伺っておりますので、ややフライング気味であるということも自覚しておりますが、協同組織金融機関に多大な影響を与えることでございますので、あえて触れさせて頂いております。相対的に小規模で経営資源に余力のない信用金庫に対しまして、複雑で高度なレベルの監督規制を求められますと、一般論としてでございますが、信用金庫の活力を失わせ、かえって地域密着型金融の実践を阻害することになるのではないかと心配しております。国際的な活動を行う上場企業と同様の監督規制を課すことは、我々の身の丈を超えることになりますので、ぜひとも避けて頂きたいということでございます。

これをもう少し具体的な、やや詳細な点についてもご説明いたしますと、信用金庫は相互扶助、非営利の協同組織でございますので、その自己資本は限定された地域の会員から拠出される出資、それと内部留保だけでございます。株式会社の銀行さんのように株式や社債の形で市場から大量に資金を調達することは不可能なので、高い水準の自己資本比率等を課すのは避けて頂きたいということでございます。それから、同時に、私どもの業界では相互扶助の経営理念に基づきまして、低下した自己資本を業界の中で補完する相互支援制度を設けております。そして、その方法としましては、優先出資、劣後ローンによることとしております。普通出資は、信用金庫が信用金庫の普通出資を持つことは、会員でございませんので不可能でございます。したがって優先出資とか劣後ローンによることとしておりまして、これが中核的な自己資本、普通株等Tier 1という区分に含まれないということになりますと、この制度の有効性がなくなってしまいます。したがいまして、普通株等Tier1等の比率につきましては区分を設けないとか、あるいは設けた場合には内容を一考して頂きたいとか、そういった希望を持っております。ぜひこの点につきましてよろしくお願いしたいと思います。

それから2行目に、経営者以外の第三者による個人連帯保証等の慣行の見直しということでございますが、これにつきましては、「経営者」の範囲を形式的でなく実質的にとらえて頂きたいという希望を持っております。中小企業の経営者は、小規模なほど自社の経営資源のオーナーであることがほとんどでございますし、全責任を持って会社の経営に当たっておられます。このような経営者が信用金庫の会員となり借り入れを行う場合には、連帯保証人となるのがむしろ一般的でございまして、本人もそれに対して抵抗もほとんどございません。したがって、経営者の範囲については、実質的に経営に関与し影響力を行使し得る人を含めて頂きたい、実質的な判断に立って頂きたいということでございます。

さらに、保証人制度の見直しにより、監督上の着眼点についても検討を行い、今年度中に監督指針の改正等を行うこととされておりますが、監督規制の内容が金融機関に過度の事務負担を強いることになり、その結果、中小企業金融の円滑化を阻害することがないように、今後の検討に際しましては金融機関の意見に十分に配慮して頂きたいということでございます。

それから、3行目に、金融機関による中小企業のアジア進出支援体制の整備・強化ということですが、新興国の高い経済成長と円高の進行によりまして、私どもの取引先である中小企業においても、アジア等への海外進出意欲が高まっていることは事実でございます。個別の信用金庫の事業地区は、国内の狭い地域に限られておりますので、我々は海外に支店を設けることは認められておりません。これはもう当然のことと理解はしております。しかし、このような信用金庫は単独で海外進出する中小企業に対するサポートは行えませんから、今後信金中金とともに中小企業のアジア等への進出を支援できる体制整備を積極的に図っていきたいと考えているところでございます。したがって、業界といたしましては、政府やその関係機関等とも連携をして頂いて、アジア等へ進出する中小企業の支援ができればと考えております。

それから、その他ということでは2つほど掲げてございます。

1つ目は、銀行・保険会社等の金融機関本体によるファイナンス・リースの活用の解禁ということでございます。アクションプランでは、このリースの活用の解禁など各種の規制緩和要望について早期の実現に向けましてご尽力頂くことが明記されております。こうした規制緩和は、地域経済の活性化にとって大きな意味を持つものと期待しているところでありまして、この場をお借りしまして感謝申し上げる次第でございます。なお、ファイナンス・リースに関しては、現状でも取引先の企業のニーズに応じて関係リース会社を紹介する等の対応を図っているところでありまして、ファイナンス・リース取引の代理、媒介が認められることによりまして、こうした連携がより行いやすくなるものと期待しております。さらに、業界にはリース子会社を保有している信用金庫が1割から2割ぐらいありまして、本体でもファイナンス・リース取引が可能となれば、現在子会社として保有しているリース会社を本体に取り込むことで審査・推進体制の一本化などの効率化を図ることも可能となると思われます。また、取引先企業のニーズに応じてさまざまな組織形態を選択できるようになれば、信用金庫の経営の柔軟性が高まることになりますので、大変ありがたいと考えております。早期の実現に向けましてご尽力頂ければということでございます。

それから、最後になりましたが、金融ADR制度の着実な実施ということでございます。信用金庫におきましては、これまで苦情やトラブルが比較的少ないことから、当面は指定ADR機関を設置せずに、弁護士会の仲裁センター等の連携を見直して強化することによって現在対応しております。今後も苦情、トラブル等の内容や、その多寡、あるいは処理状況、こういったことを注視しながら、必要があれば適切な対応に努めてまいりたいと考えております。

以上をもちまして業界のお話をさせて頂きました。

○神崎政策課長

ありがとうございました。

次に、全国信用組合中央協会の小安常務理事、よろしくお願いします。

○小安常務理事(全国信用組合中央協会)

全国信用組合中央協会の小安でございます。

早速、アクションプランについての私どもの意見並びに信用組合業界の取り組みについて述べさせて頂きます。

私ども信用組合は、お手元にお配りしております資料の4ページ、5ページのとおり、小規模の経営実態にございまして、また取引先の8割以上が従業員4名以下の中小零細事業者でございます。したがいまして、アクションプランの冒頭にございます中小企業等に対するきめ細かで円滑な資金供給について項目を絞って述べさせて頂きます。

まず1ページのところでございますけれども、地域密着型金融の促進でございます。信用組合は、これまでも中小零細事業者の資金ニーズに迅速かつ適切に対応するとともに、経営相談、経営指導等のコンサルティング的な業務に、例えば中小企業応援センターを活用して積極的に取り組むなど、中小零細事業者の事業の発展に資するため、日々努力しているところでございます。

次に、資料の2ページでございますが、信用組合の成長分野への取り組み事例を紹介させて頂きます。私どもの系統中央機関でございます全国信用協同組合連合会(全信組連)では、今月から成長分野の中小企業の発展を対象といたしました「くみれん地域サポートローン」の取り扱いを開始しております。対象分野はご覧のとおり、研究開発、起業、事業再編をはじめとするさまざまな分野で信用組合が成長基盤強化に資する貸付けと判断したものが対象となっております。まだ取り扱いが始まったばかりで実績もございませんが、今後、業界全体で積極的に活用して参りたいと考えております。

次に、コミットメントライン法の適用対象の拡大についてでございます。現行では事実上資本金が3億円以上の株式会社に限定されておりまして、私どもは取り扱いができない状況にございますが、中小企業の資金調達手段の選択肢が広がれば、組合員等からの資金調達に関する相談や資金調達手段の提案が可能になりまして、金融の円滑化、地域密着型金融におけるコンサルティング機能の発揮ができ、組合員等の資金調達の多様化及び経営の安定化を図ることができるものと考えておりますので、適用対象法人の拡大に際しましては特段の配慮をお願いしたいと存じます。

続きまして、金融機関本体によるファイナンス・リースの活用の解禁についてでございます。金融機関の子会社で取り扱っておりますリース業務を本体で行うことは、リスクの一元化や営業推進面で事業コスト等の効率化に通ずるものと期待しております。金融機関本体によるファイナンス・リースについては、取引先に対する資金供給手段の多様化を進める上で必要なものと思われます。また、信用組合の規模等を踏まえますと、一朝一夕に取り組んでいけるものとは言えませんが、リース業取引の代理、媒介による対応が可能であるようでございますので、このあたりの実態を勘案した法整備をご検討頂きたいと考えております。

そして、経営者以外の第三者による個人連帯保証等の慣行の見直しについてでございます。ここでは信用組合業界の取り組みについて紹介させて頂きたいと存じます。資料の3ページをお開き願いたいと思います。個人事業者向けの無担保融資商品「しんくみパートナーズ」でございます。これは、組合員等の個人事業者の資金需要に対応するため、系統中央機関の全信組連の子会社でございます全国しんくみ保証(株)を通じて融資を行う、保証人を原則不要とする小口の保証商品でございます。ご覧のとおり、融資金額は50万円から500万円で、融資期間は5年以内、運転資金、設備資金等の事業資金としております。現在60の信用組合で1,000件を超える取り扱いとなっております。

以上、項目を絞って説明させて頂きましたが、信用組合といたしましては、これまで以上に中小零細事業者や生活者の金融の円滑化、資金繰りの支援に対応するべく、スピード感を持って全力で取り組んでまいる所存でございます。ありがとうございました。

○神崎政策課長

どうもありがとうございました。

それでは、頂きましたご意見につきまして質問をさせて頂きます。

○東副大臣

まず初めに、忌憚のないご意見を頂きまして本当にありがとうございます。そしてまた、アクションプランの考え方、あるいはまた内容そのものについて基本的に支持を頂いていることにつきましては、本当にうれしく思います。

ご指摘にありましたとおり、アクションプランの中の各施策については、可能な限り早急に実施してまいりたいと思っています。また、他の省庁所管の施策についても、本日承ったご意見は必ず伝えたいと思います。そしてまた、小此木常務理事のほうからありました国際会計基準との絡みの中で、バーゼル III 等で議論されていることが自分たちのところにも大きな影響を与えてくるのではないかと、こういう点に関しては、当然バーゼル III を踏まえた国内基準の検討については、実態が重要でありますから、この国内金融機関の実態を踏まえた上で検討してまいりたいと思っています。

また、個人連帯保証の見直しについては、非常に難しい問題であるということは十分こちらも承知しているところです。この点についても実態を踏まえつつ、さまざまな要素を考慮しながら検討していきたいと思っておりますので、またいろいろ知恵をお貸し頂きたいと思います。

○和田大臣政務官

先ほど司会のほうで述べて頂きましたとおり、私は途中で退席するものですから、今頂いたご意見に限らず全体として皆様方にお話を差し上げたいと思います。

まず、今、3つの団体から、お金を貸して頂く金融機関についてお話し頂きました。銀行、信金、信組、さまざまございますけれども、それぞれのレベルで資金ニーズがある方々にきっちりとお金を流すという使命感を持って頂いていることは、我々としてもありがたい限りでございます。

皆様方だけではなく、国全体としてこれから発展を遂げるために考えなければいけないのは、もう一度原点に立ち返って、リスクはあるけれども、必ずどこかで日本の発展に寄与して頂けるという産業に対する資金をどうやって工夫してつぎ込むかということだろうと思います。金融危機を経験している中で、国も、民間の皆様方も、さらには国民の皆様方も、ともすると安全資産だけの運用という、傾向に走ったのではないかと反省することがございます。そういったところから、国全体として、リスクをとりつつも最終的にはそれが発展を遂げて資産として返ってくる世の中をつくるために、ぜひ引き続きお力をお貸し頂ければというふうに思います。

それぞれの施策項目につきましては、すでに副大臣がおっしゃったとおりでございまして、我々としては、金融の役割を果たすことに資するような具体的な項目は、できるだけ早く、できるだけ多く取り込んで法案化するということに尽きるかと思います。

また、これから行われるご発表も、本来ならばぜひお聞かせ頂きたいところでございますが、全体として申し上げたいことは、先ほど申し上げたとおり、私自身、実はタイだったんですが、あの通貨危機が発生したところで仕事をさせて頂きました。その際に、国民の皆様方が通貨危機の前後でどのような行動をとられていたかということを本当に肌身に感じて帰ってまいりましたが、一つには、多分皆様方のお話に出るであろう安全な国民資産の運用、こういったものについて金融業界全体としてどれだけ応えることができるかが重要です。他方で、もう一つには、むしろそれと対立する概念ですが、先ほど申し上げたとおり、金融機関からすれば、リスクをとって貸すけれども、それを最終的にはきちんとリターンとして得るということをどこまで確保するかということ、国民の皆様方からすれば、選択の幅を広げるという意味で、さまざまなリスク・リターンのものにどれだけ勇気をもって投資するかということが、文化的に形成できるような環境をつくる必要があると考えています。両者のバランスをとらなければいけないと思いますが、そういったことが全体の法体系の中でどのように担保できるかということを、私どもも全力を挙げて考えていきたいと思っています。どうぞこれからも、ぜひ忌憚のないご意見を頂ければと思います。ありがとうございました。

○神崎政策課長

それでは、続きまして、生命保険協会及び日本損害保険協会からご意見を頂きたいと存じます。

まず、生命保険協会の金井一般委員長、よろしくお願いいたします。

○金井一般委員長(生命保険協会)

生命保険協会一般委員長を務めております金井でございます。本日は、このようなヒアリングの場を設けて頂きましてありがとうございます。

私からは、現在我が国が置かれています社会環境を踏まえまして、生命保険事業における課題と、その対応の方向性に触れながら、本アクションプランについて意見を述べさせて頂きます。

まず1ページをご覧ください。ページ番号は左上に丸で囲んで記しております。

人口構造の変化ですが、高齢化とともに総人口が減少して、生産年齢人口が50年後に現在の約半分の規模にまで急速に減少すると予測されております。また、未婚化の進展によりまして、今後本格的に中高齢層での未婚率も上昇しまして、中高齢層の単身世帯が増加すると言われております。こうした世帯は、失業ですとか疾病、災害といいました社会的リスクに対する支援を相対的に多く要する世帯でございまして、これをいかに社会全体で支援していくかが重要な課題だと認識しております。

2ページをご覧ください。

こうした環境の変化による影響といたしまして、まず生活保障への影響が挙げられます。公的な社会保障制度はもとより、国民一人一人が行う自助努力の必要性が従来以上に高まっております。これに対する課題としては、官民総力で国民の生活保障をいかに支えていくかということでございまして、我々生命保険事業による自助努力の増進が極めて重要であると考えております。

経済面では、市場の縮小、労働力の減少、資本投入量の減少が想定されます。これに対する課題としましては、ICTを格段に有効活用することなどで国民の利便性を高めるとともに、官民における生産性の向上を図る必要がございます。それと同時に、成長分野への積極的な投資によりまして、事業の担い手である業界の収益力向上を図るという意味から、海外への展開ですとか投資環境の整備を図る必要があるものと思っております。

こうした諸課題への対応の観点から、当面の対応の方向性といたしまして、政府が掲げています新成長戦略に大いに期待しておりまして、また着実かつ迅速な実行を望んでおる次第でございます。あわせまして、今般の金融分野におけますアクションプランにつきましても、こうした課題を解決する一環として賛同できるものでございます。具体的には、当協会が要望いたします保険会社による海外不動産投資や外国保険会社買収などの障壁となる規制の見直しを始め、生命保険事業にかかわります項目も幅広く取り上げて頂いております。利用者、保険契約者などの保護を前提としながら、このアクションプランについて着実な推進をお願いいたします。

3ページをご覧ください。ここからは、先ほど課題として挙げました3点についての対応を記載しております。

まず、生活保障の充実につきましては、冒頭に述べましたとおり、社会全体での支援を要する世帯が増大している状況にもかかわらず、社会保障給付にかかわる負担が増えていっているといった状況にございます。こうした中で、国民生活の安定の確保に向けて官民を挙げた生活保障の充実が必要でございまして、私どもが担う生命保険事業におきましても、国民の生活保障システムの一翼を担うということで、その社会的役割と責任を果たす責務を感じております。業界としまして引き続き努力してまいりますとともに、自助努力の増進を担うに足る体力を身につけるといった観点から、今般のアクションプランを始め、生産性の向上、成長分野への投資を積極的に推進できる環境整備に関する支援を引き続きよろしくお願いいたします。

4ページをご覧ください。

国内市場の縮小、労働・資本投入量の減少が見込まれる中で、いかに生産性高く事業を行うかといった点につきましては、当業界にかかわらず重要な課題と認識しており、現在、政府では共通番号制度や国民ID制度の検討が行われているところと承知しております。多数の顧客と長期にわたる取引を行います生命保険事業にとりましては、さらに官民が保有する情報の共同利用の道が開ければ、ICTの活用の効果が遺憾なく発揮できるものと認識しております。

この官民の情報の共同利用のイメージを説明させて頂きますと、現状、官と民、または民間同士で国民に関する情報が断絶しているという状態にございます。そのために、国民は各種の手続を、行政や民間事業者と取引する都度、市役所などから証明書類を取り寄せたり、類似の内容の申請書面を各手続先に提出する必要がございまして、国民の利便性が高いとは言えず、行政、事業者にとっては事務負荷が大きい状況でございます。共同利用が実現しますと、本人が自身の情報をコントロールする前提で行政と民間で情報共有が可能となりまして、国民は各種の手続をワンストップで行うことができます。これにより国民の利便性が向上しまして、行政や民間事業者の生産性も向上するものと思料いたします。具体的には住所変更の手続などをイメージして頂ければわかりやすいかと思います。

5ページをご覧ください。

情報の共同利用における個々の手続のイメージを記載しております。中央の情報連携にかかわる基盤を介し、住基ネットワークなど国民に関する情報基盤と連携することによりまして、本人確認、通知の閲覧、異動情報の把握などが可能になってまいります。例えば、お客様の住所が把握できなくなった場合、現状では我々事業者は自治体への確認や訪問などによりまして住所確認を行っております。取引のあるすべての事業者がそれぞれコストをかけて、1人のお客様に対して同様の確認を行っているわけです。この図で書いているような情報連携が可能になれば、各事業者が重複して負っている負荷が軽減されるといったことはもちろん、行政における膨大な証明書の発行や照会対応の負荷も軽減されます。もとより国民の利便性が増すということは確実でございます。

これを実現するに当たりましての課題は、個人情報の万全な保護を図るためのセキュリティー環境の構築や、あるいは行政が保有する情報の民間への利用が禁止されている関連法の改正といったところがございます。このような点は、現在政府において進められております共通番号制度や国民ID制度におきまして、あわせて検討が行われているといったことは承知しております。

社会保障、これは税にかかわる番号制度につきまして、今月初めに中間整理案が示されています。そこで掲げられました理念にも、「社会保障がきめ細やか且つ的確に行われる社会の実現」、「過誤や無駄のない社会の実現」、「国民にとって利便性の高い社会の実現」などとございまして、目指すべき方向は一致しているものと思っております。

また、総務省の電子政府推進対応ワーキンググループが10月にまとめました報告書では、行政組織間、または行政と民間の間で、行政情報の共有や利用・活用を行うに当たっての具体的なニーズを明確化する目的で、実証実験に着手し、実行することが明記されました。政府部内での検討が進められていますが、こうしたインフラを行政内部で終わらせるのではなくて民間も巻き込むことで、国民の利便性や行政、民間の生産性が飛躍的に向上し、我が国全体の競争力強化に役立つと思料しております。この官民が保有します情報の共同利用につきましては、当協会や日本経団連などによりまして、関係省庁に対して意見を表明しているところでございますが、国民の利便性、それから行政事務の効率化のほか、金融機関の生産性向上による事業競争力の強化の観点から、ぜひ力強い後押しをよろしくお願いいたします。

6ページをご覧ください。

成長分野への積極的な投資につきましては、今般のアクションプランにおきまして幾つかご提示頂いておりますが、市場の縮小などに対しまして、生産性の向上とともに成長分野への積極的な投資を行いやすくする環境整備をお願いしたいと考えております。アジアを始めとしました海外新興国への積極的な投資を促進するといった観点から、海外不動産投資や外国保険会社買収などの障壁となる規制の見直しにつきまして、海外法制との整合性も踏まえてご検討頂くことで、共同投資による海外不動産投資や、買収時に外国保険会社との競争条件の格差が解消することによる海外展開の促進が期待されます。生保各社とも海外展開を積極的に行っておりますけれども、ご参考として、左下のほうに第一生命の進出状況を掲載しております。

また、投資を行う環境の整備の面では、保険会社における資産運用比率規制の撤廃や金融機関本体によるファイナンス・リースの活用の解禁、こういったことなど、資産運用面での負荷軽減や多様化、選択肢の拡大が期待されます。

最後でございますが、7ページをご覧ください。

結論としまして、新成長戦略の一環としての本アクションプランの実行に期待しております。それとともに、本日ご紹介申し上げました情報の共同利用なども含めまして、自助努力、私的保障の推進、それから保険事業の担い手の強化に向けて、生産性の向上、成長分野への投資を積極的に推進できる環境の整備を引き続き幅広くご検討頂きたいと考えております。

私からの説明、以上で終わります。ご清聴ありがとうございました。

○神崎政策課長

どうもありがとうございました。

それでは、次に、日本損害保険協会の伊東一般委員長、よろしくお願いします。

○伊東一般委員長(日本損害保険協会)

日本損害保険協会、一般委員長の伊東です。本日は、このような機会を頂き、誠にありがとうございます。

それでは、早速ですが、お手元の資料に沿ってご説明申し上げますので、1ページ目をご覧ください。

我が国の損害保険業界の概要は記載のとおりで、一般企業の売上高に相当する正味収入保険料は7兆円弱の規模です。損保マーケットは経済成長との相関性が高く、モータリゼーションとともに順調に拡大してきましたが、近年は伸び悩んでおり、今後は人口減少の影響も大きく受けることが予測されています。また、収益面でも大変厳しく、直近では基幹商品である自動車保険を中心に損害率が高止まりしており、保険事業の収益性を表すコンバインドレシオ(お客様から頂いた保険料に対してのお支払いする保険金と事業費を足した金額の割合)は、多くの会社で100%を超過している状況です。加えて国際的な金融規制の議論が活発化しており、その影響も懸念されています。

このような環境下で、私どもは国内での成長の回復、収益力の向上に加え、成長が著しいアジアをはじめとする海外マーケットの開拓が課題となっており、それらを実現していくためには、各社の経営努力はもちろんですが、早期の国内外の規制緩和など事業環境の整備をお願いしたいと考えています。

2ページ目をご覧ください。

こちらは、6月30日に公表しました協会長就任時のステートメントの抜粋です。私どもの考えは、まさに新成長戦略が目指すところと同じで、金融が実体経済を支え、金融自身が成長産業として経済をリードしていかなければならないと考えています。損保業界のチャレンジに資するような新成長戦略を早期に実現して頂くことを期待しています。

3ページ目をご覧ください。

まず、国内制度の改正についてご説明させて頂きます。アクションプラン中間案には、かねてより私どもからお願いしていた規制改革要望事項を盛り込んで頂いています。いずれも私どもの業務運営に有益なもので、是非とも早期の実現をお願いします。

1つ目の資産運用比率規制の撤廃によって、資産運用戦略の自由度が増し機能的な運用が可能となります。ALMの深化、統合リスク管理の高度化に努め、これまでにも増して自律的な資産運用戦略をしっかり練った上で、市場経済の発展を支える役割を果たしてまいりたいと考えています。

2つ目の業務の代理・代行に係る手続負担の軽減によって、グループ内の経営資源の有効活用が図られ、消費者の皆様にお役に立つビジネスモデルをタイミングよくご提供できることになります。

3つ目の外国保険会社買収等に係る規制の見直しにつきましては、外国の保険会社を買収した際に、その会社が既に持つ子会社等に対して、買収と同時に本邦の規制がかけられることになり、幾つかの子会社を手離さなければならないケースがあります。国際競争を勝ち抜く力強いグローバル金融機関を目指したいと考えていますので、実現に向けたご検討をお願いいたします。

4ページ目をご覧ください。

中間案には、私どもから規制改革要望としてご提案させて頂いていないものについても、ここにお示しした3項目も含め、損害保険に係る規制改革事項を盛り込んで頂いています。これらは将来を見据えた事業戦略の選択肢を拡大するものであると認識しています。なお、中間案に盛り込んで頂いた事項以外につきましても、私どもからは保険契約の移転単位の見直しや各種手続の簡素化など、幾つか規制改革要望をご提案させて頂いており、今後も引き続きご検討頂きますようお願い申し上げます。

5ページ目をご覧ください。

次に、海外制度の改正についてご説明いたします。アジア諸国の保険規制に対する要望につきましては、資料記載のとおり、この地域の損保市場の成長は著しく、私どもの成長戦略の柱の一つとしてアジア市場の開拓を強化しています。アジア諸国におきましては、私ども進出する保険会社に対するさまざまな規制、具体的には記載のとおり、外国資本の出資比率の制限、再保険取引に関する制限などが依然として残っています。これまでアジア各国政府と日本政府の協議に際して、これらの規制の国際調和に向けた要望をお願いしています。直近では、8月に行われました中国との日中ハイレベル経済対話の際に、自見大臣から私どもの要望を直接お伝えして頂いており、この場をお借りし、厚く御礼申し上げます。成長著しいアジア諸国における活動領域の拡大に向け、必要に応じ政治主導も発揮頂くなど、ご支援をよろしくお願いいたします。

また、アクションプランでは、本邦企業のアジア進出に対する支援を金融機関に期待頂いています。私ども損保業界では、現地の保険事情や法規制などの情報提供によって中小企業も含めた本邦企業の海外進出をご支援させて頂いています。こうした施策の一層の展開も産業界全体の成長に貢献するものと考えています。

6ページ目をご覧ください。

最後に、国際的な金融規制改革への対応についてご説明いたします。金融危機以降、国際的な金融規制改革が進展していますが、1つ目の国際的な保険監督機関であるIAISにつきましては、金融庁から早崎参事官が執行委員会の副議長を務められるなど、積極的にご対応頂いています。IAISにおきましては、コム・フレームが国際的な保険グループに対する世界共通の規制の枠組みとして議論されており、各国の規制の共通化を進めるものと認識しています。私どもとしても、オブザーバーとしてIAISの各種会合や意見照会において業界意見を表明しており、引き続き金融庁当局による国際会議への参加や国際機関への職員派遣等について、積極的に連携させて頂きたいと考えています。

2つ目は、現在EUにおいて新たな健全性規制であるソルベンシー II が2013年1月に導入される予定となっています。ソルベンシー II と本邦規制の同等性評価手続が今後行われる予定とお聞きしており、私どもとしてもご協力させて頂きたいと思っています。これらの国際的な規制・監督の議論におきましては、国際的な整合性を保ちながら、本邦と各国・地域との間の二重の監督規制にならないような形を指向していくことが重要だと考えています。これ以外にも国際基準の策定ということで言えば、先日、IASBによる保険IFRSの公開草案が提案されましたが、私どもは保険ワーキンググループへの委員派遣等を通じ、基準作成に積極的に協力してまいりました。今回の公開草案の内容は、おおむね私どもの財務諸表の有効性を向上させるものと考えていますが、一部には測定結果の信頼性や実務上の懸念点などに疑問がある内容が含まれており、先月、IASBに業界意見を提出したところです。引き続き国際的な金融規制改革への積極的なご対応や国際基準策定動向の情報共有をよろしくお願いいたします。

以上、日本損害保険協会としてアクションプランへの期待を述べさせて頂きました。私どもとしても、アクションプランの施策も含め、成長戦略を自ら描き実行することで、実体経済を支え、成長産業として経済をリードできるよう努めてまいりたいと考えておりますので、引き続きご支援のほどよろしくお願いいたします。

○神崎政策課長

どうもありがとうございました。

それでは、頂きましたご意見について副大臣のほうからご発言をお願いいたします。

○東副大臣

金井委員長にちょっとお聞きしたいのですが、現状認識としては恐らく皆さんにも共有いただけると思いますし、生命保険協会としてもいろいろな統計を持っているのではないかと思いますが、人口が減ると、経済そのものが衰退してしまう。昔からそうなのですが、日本の場合は、人口減をどのように補っていったらいいかについての解決策がまだ出ていないんですね。国内で人口を増やすか、あるいは外国から連れてくるか。ただ、日本人は他のカルチャーと接触することがうまくないので、なかなか難しい。

そういう意味では、人口減や生産年齢人口の減少は進んでいくのだと思いますが、他方、これからはやはり女性の力を借りていかなければならない。専業主婦の活力をどのように生かしていくのかというのが、一つの大きな論点ですが、一方で、女性が社会に進出してくると逆に結婚して子供を産むという統計もあります。御協会においては、今後を展望して、こういった点も踏まえた上でのシミュレーションなどはされているのかどうか、教えて頂けないでしょうか。

○金井一般委員長(生命保険協会)

現状認識、あるいは将来の方向観について、世の中言われていますものと大きく違ったものは持っておりません。シミュレーションや対策を私どもはやっておりますけれども、できることを何でもやるということでないと、この少子高齢化に我が国として対応していくことは非常に難しいという認識は、皆さん方と同じであろうと思っています。

業界としましては、伝統的にメインのチャネルとして機能、稼働している営業チャンネルとしての女性に加えて、内部事務職につきましても、ダイバーシティーの意識を持って、各社がさまざまな取り組みをしているところでございます。女性の労働力も活用することによって、労働力減少に対応していくとともに、女性にとっても安心して子育ての費用を賄えるようになるといったプラスの面もあるのではないかと考えております。

○東副大臣

ありがとうございました。

伊東委員長にお聞きしたいのですが、私もいろいろなところで今日まで仕事をしてきましたが、諸外国と比べた日本のすごさはどこにあるかというと、例えば災害が起こっても、それに乗じた犯罪はほとんど起きないんですね。防災担当の副大臣として先日奄美大島に行ってきて、大雨による被害で3名の方が亡くなりましたが、この際、どさくさにまぎれて盗難が起こるといったことは、ほとんどありませんでした。私はこれは奇跡に近いことだと思っているのですが、阪神・淡路大震災のときも、皆さんご案内のとおり、そういうものは見られない。いろいろな保険のリスクを考える上で、このような日本の持っている良さがどのように統計上反映してくるのか、とても興味があります。アクションプランでは、日本の金融をアジアに推進していくための施策が多数盛り込まれていますが、他方、日本人の持っている特質(どんどん失われつつあることも事実ですが)を反映した特殊な商品というのは、損保業界において既に考えられているのかどうなのか。その辺についてはどういうふうにお考えでしょうか。

○伊東一般委員長(日本損害保険協会)

日本における各種の災害の状況や、盗難車の状況などについては、日本損害保険協会で毎年統計をまとめております。諸外国と比較してそれをどのように用いるのかどうかについては、確認できればご連絡させて頂きたいと思います。

ご指摘のあった外国に進出することに伴うリスクに関しましては、保険というのはそもそも偶発的な事故などを想定しており、カントリーリスクのようなものを想定した保険は、個人の方に対しては海外旅行傷害保険などがありますが、企業分野については今のところないように思います。技術革新など、世の中が進化していくことに応じて、新しいリスクも出てまいります。分かりやすく言うと、昔は火災保険と海上保険しかなかったわけですが、モータリゼーションに伴って自動車保険が出てくるとか、あるいは航空機が出てくることによって航空保険が生まれたりしています。そういったことを踏まえると、さまざまな新しいリスクが出てきたことに対する保険設計については、業界として考えていかなければならないと思っております。

○東副大臣

ご指摘のあったいろいろな要望については、現時点においては対応可能な要望はできるだけアクションプランに盛り込ませて頂いていますが、それ以外の要望については、保険契約者の保護の観点も踏まえ、今後皆さん方とも連携をとらせて頂きながらさらに詰めていきたいと思っております。また、アジアの金融当局ともこれからさらに連携を密にしていって、日本の企業がちゃんと進出できるように取り組んでいきたいと思っておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。

○神崎政策課長

それでは、続きまして、日本証券業協会の前会長からご意見を頂きたいと存じます。よろしくお願いします。

○前会長(日本証券業協会)

まず、証券税制につきまして、政務三役初め金融庁の皆様方には大変ご尽力頂きました。心から御礼申し上げます。これから証券業界挙げて、この成果を生かせるように、株式市場が活性化するように全員で頑張っていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。

ただ、現状の日本の株価が1万円ちょっとということで、世界各国と比べても非常に低い数字になっておりまして、日本の経済成長のためにも株式市場が大事だということで頑張っていきたいと思っています。今回の証券税制とともに、このアクションプランの中間案を出して頂きまして、これに沿った形で物事が進めば証券市場はかなり活性化すると、私どもも思っており、今回こういう機会を頂きまして誠にありがとうございます。

それでは、アクションプランにつきまして、証券界として特にお願いしたい点をお示ししたいと思います。

まず、新興市場の問題から入らせて頂きたいと思います。

証券界では、新興市場の活性化は、我が国経済の成長、活性化に向け、大変大きな問題だと思っております。成長性の高い新興企業へのリスクマネーの供給拡大に向けた取り組みを進めていかなければ「元気な日本」復活の糸口は見えてこないと、強い危機感を持っているところでございます。

まず新興市場の活性化につきましては、新興市場の位置づけを明確にして上場機会を拡充し、成長可能性がある企業を円滑に上場させる。また、上場維持が不適格な企業の退出を促し、参入も退出も活発な市場にすべきであると、このように考えております。その前提として、市場の透明性を向上し、投資家、企業の双方からの信頼をさらに高めていくことは、新興市場の活性化に向けた重要な課題であります。今回中間案でお示し頂いた上場審査期間の短縮、内部統制報告書制度の見直しによる上場企業の負担の軽減、取引所による新興企業のアナリストレポートのカバレッジの拡充、有価証券報告書等の虚偽記載の防止に向けた情報共有などの具体的な方策は、新興市場の活性化、信頼回復に必要不可欠な取り組みであります。

また、本協会が運営するグリーンシートは、各取引所の新興市場への取り組みや東証のプロ向け市場の創設などにより、現在その性格が変化してきており、見直しの必要があると認識しております。見直しに当たっては、株券の取り扱い─これは株券不発行の市場ではありません─や決済制度等も含め、取引所も新興市場のあり方の一環として検討していく必要があるのではないかと考えております。本協会では、新興市場の担い手としてその役割を果たすとともに、今後設置される協議会のもとで金融庁、取引所、日本公認会計士協会、市場関係者と一体となって、その内容の具体化につき検討を行い、早期の実現を目指して全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。こうした新興市場の活性化、信頼回復の実現に向けて、引き続き政務三役のリーダーシップのもと、強力なご支援を頂きたく、お願い申し上げます。

次に、社債市場の活性化についてであります。

社債市場は企業の重要な資金調達チャネルでありますが、我が国では社債による資金調達は、依然として銀行等からの借り入れに比べ必ずしも機動的ではない状況であり、社債市場の規模は米国と比べてはるかに小さい市場であります。社債市場が活性化、円滑に機能することにより、企業は安定的、効率的な資金調達が可能となり、投資家の投資運用機会の拡充が図られます。社債市場の活性化は、我が国企業の競争力強化、金融資本市場の機能強化に必要不可欠な取り組みであります。本協会では、こうした認識のもと、昨年7月に広く市場参加者、有識者の方にご参加頂いて懇談会を設置し、社債市場が抱える諸問題を整理するとともに、社債の機動的な発行、低格付社債市場の整備、流通市場の透明性・流動性の確保に向けた具体的な取り組みの検討を進めております。今回、金融庁においてこうした検討、取り組みを積極的に支援して頂くことが盛り込まれたことは大変ありがたく、本協会でも官民連携のもと、スピード感を持って総合的、着実に取り組みを進めてまいる所存であります。

次に、総合的な取引所の創設についてであります。

本件につきましては、総合的な取引所検討チームで検討が進められている事項でありますが、総合取引所構想は市場インフラの整備を飛躍的に進め、我が国経済の成長、活性化に大きく寄与するものと考えております。同チームにおける先日のヒアリングでも当協会から述べさせて頂きましたが、単に取引所の統合ということではなく、(1)規制監督の一元化、(2)システム・清算機関の統一、(3)税の一体化、この3点が実現する必要があると考えております。

次に、ライツ・オファリングは、時価発行公募増資や第三者割当増資が既存株主の持ち分の希薄化を招いてしまうのに対し、全株主が参加して希薄化を回避しつつ資金調達できる制度であり、その普及が望まれているところであります。

また、今回、ブロックトレードに関する証券会社の仲介行為を「買い集め行為」から適用除外することが提案されておりますが、証券会社の仲介機能が一層発揮できることとなりますことから、市場の活性化にも寄与するものと認識しております。これらは従来より証券業界から強く要望しているところであり、本中間案に盛り込んで頂いたことにつきましては大変感謝しているところでありますが、その実現に当たっては実務界の意見を十分に聞いて頂き、実効性のある制度にして頂ければと思います。

その他、今回の中間案においては、企業の過度な負担を軽減するとの観点から、開示制度などの見直し・簡素化が盛り込まれており、市場の効率化の観点からは歓迎するところでありますが、その検討に当たっては企業側の視点だけでなく、投資家側の視点にも配慮して頂ければと思っております。また、今回、資産流動化スキームにかかわる規制の弾力化が打ち出されておりますが、リーマンショック以降、不動産証券化市場が低迷している中、証券化の手法を活用した不動産の取得、開発、再生等を促す方針が示されましたことは望ましいものであると考えております。

最後に、新成長戦略に関連した本協会の取り組みをご紹介いたします。

証券市場の発展、より一層の信頼向上を目指した検討を行うため、この9月に「証券市場の新たな発展に向けた懇談会」を設置したところであります。これまでも本協会を始め、証券投資への信頼性向上に向けた幅広い施策、あるいは提言がなされてきたところでございますが、個人金融資産に占める有価証券の状況などを見る限り、十分な効果が得られたとは言いがたい状況にあると考えます。こうしたことを踏まえ、原点に立ち帰って議論するためにも、現状における幅広い証券市場の利用者の声に耳を傾けるべく、本年10月にアンケート調査を実施し、約4万1,000名の利用者からの回答を得ました。時間の関係から詳細の説明は省略いたしますが、利用者からは、現行の法律やルールがわかりにくい、複雑であるといった声が多数寄せられております。こうした声を踏まえ、今後懇談会などにおいて検討を行い、さまざまな提言を行っていければと考えておりますので、金融庁におかれましても、引き続き我々の検討にご配意頂ければと思っております。

また、本年2月からは証券・金融商品あっせん相談センター(FINMAC)が業務を開始いたしましたが、本協会では引き続き金融ADR制度への取り組みに協力するとともに、さらなる連携の強化を図ってまいります。

さらに、今回の中間案においては「アジアの主たる市場」という視点が強調されておりますが、我々証券業協会においても日本市場の国際的なプレゼンス向上のための取り組みを幾つか行っております。その一例をご紹介いたしますと、我が国の実情や取り組みについて官民一体となった海外への積極的なPRを行うため、「日本証券サミット」を平成20年以降毎年開催しており、次回の日本証券サミットを来年3月1日にニューヨークで開催する予定であります。このほかにも、アジア・オセアニア地域の指導的業界人が一堂に会する「アジア証券人フォーラム」を始め、市場関係者や自主規制機関の相互交流の促進、アジア債券市場の育成等、我々としてもさまざまな国際的な取り組みを推進してまいりたいと存じますので、ご支援頂ければと存じます。

以上、縷々本協会の意見を述べましたが、本協会といたしましては、証券市場のさらなる発展のため全力を尽くしてまいりたいと思っておりますので、引き続きご理解、ご支援を賜りたくお願い申し上げます。ありがとうございました。

○神崎政策課長

どうもありがとうございました。

それでは、副大臣のほうからお願いいたします。

○東副大臣

前会長、ありがとうございます。

我が国の実態として、日本の株価はリーマンショック以前の水準まで回復していません。震源地であるアメリカは、ほぼ同水準に戻ってきています。震源地でない日本が、その間接的な影響を受けて、非常に状況が悪くなり、そこからなぜ回復できないのでしょうか。投資の対象がないからか、努力が足りないからか、あるいは政治がだめだからか、率直に、何が最大の原因だと思われますか。

○前会長(日本証券業協会)

株価は最高値の4万円から1万円という4分の1になっています。ただし外国為替の観点から見れば、ドルは固定レート時代の360円から90円に、やはり4分の1になっています。日本の株価は安いと日本人は言いますが、海外からドルベースで見ると少し違った姿になっているといえます。この点が、外国人の持株比率が上がってきている大きな原因になっています。一方、日本人が国内で考えた場合には4分の1になっています。このギャップが、いまだにこのデフレ経済の中で回復してきていないために日本人が日本の株を買わない。これが、一番の原因だと思います。

これを直すためには、今の円高水準が本当に国民にとっていい水準なのかどうかということを考えて、政策を考えていく必要があります。企業が海外に行くとか行かないとか、生産基地を移すとか移さないとか、これはほとんど為替の関係です。また、日本はこのところ賃金がほとんど上がっていませんが、これも円高の影響です。海外に行ったときには日本の賃金は水準が高い。こういうことも考えた上で、国際比較の中での日本はどうなのかということをよく考えていかないと、政策を間違ってしまう。森を見て木を見ないとか、木を見て森を見ないという大きな間違いを、日本は今までしてきたのではないか。そこを直す方向からいろいろなことを考えていくことが大事ではじゃないかと、私は思っています。

○東副大臣

ありがとうございます。

○神崎政策課長

続きまして、Foster Forum良質な金融商品を育てる会及び日本弁護士連合会からご意見を頂きたいと存じます。

それでは、Foster Forumの永沢事務局長、よろしくお願いいたします。

○永沢事務局長(Foster Forum良質な金融商品を育てる会)

市民グループ、Foster Forumの永沢でございます。本日は、金融商品の利用者という立場から、ご用意頂きましたアクションプランについて意見を述べさせて頂きたいと思います。

まず、資料1-1の金融の役割について、「実体経済を支えること」とありますが、今、家計のお金が金融機関を通じてどこに流れているのか、ここにいらっしゃる皆様もよくご存じのことと思います。第一に海外、そしてデリバティブではないかと思っております。すべての根源は国内の金利が低過ぎることにあるようにも思いますけれども、それはさておき、長期にわたる低金利もありまして、家計の投資意欲は衰えるどころかFXなどの投機に流れています。また、金融機関が熱心に販売されているのは、仕組み商品と呼ばれるデリバティブを投資対象とした非常に複雑な仕組みの商品です。さらに、未公開株やファンド絡みの詐欺の被害額も驚くばかりです。事件化していないものも相当あることを考えますと、巨額の家計のお金が虚構、やみの世界に消えているわけです。ご本人たちは実体経済に投資をしていると思ってお買いになっているのですから、ここでもやはり実体経済に向かうべき家計のお金が実体経済に入っていないということになります。

そこで、アクションプランには「適切な投資機会の提供」とありますが、こうした現状をしっかりと踏まえて、何が家計にとって適切な投資機会なのかをある程度明確にして頂くことが必要なように思います。そこには、一定の価値判断が伴うことになるでしょう。踏み込んでは申しませんが、実体経済を支える役割を担われる金融機関におかれましては、主力の投資商品のあり方について、ぜひともお考え頂きたいと思います。

詐欺的金融商品の撲滅は、国として真剣に取り組んで頂きたい課題です。詐欺的金融商品の横行は、金融ビッグバンにより投資ビジネスが登録制になり、基本、要件を満たせば誰でもできるようになったことと無関係ではないように、私どもは感じております。実体のない会社やファンドを厳しく取り締まって頂くと同時に、果たしてこのままの登録制というあり方でよいのか、家計にとって適切な投資機会を提供できる事業者とはどうあるべきかという観点から、この10年余りの検証を踏まえて方向性の再確認をして頂きたいとも思っております。

次に、金融の役割の2つ目として、「金融自身が成長産業として経済をリードすること」とあります。異論はありませんが、どうぞ金融業界の繁栄が家計を犠牲にするものとならないようにお願いしたいものです。最近の投資信託の販売を見ておりますと、金融機関は手数料が高いものを積極的に勧めるという傾向がさらに強まっているように思っております。金融機関の経営環境が悪化し、手数料収入の必要性が高まっていることはわかりますが、家計からの信頼があっての金融業の繁栄ということをどうぞ忘れないで頂きたいと思います。金融商品取引法制定前には、金融機関の受託者責任が重要なテーマとして議論されていた記憶がありますが、最近この言葉をすっかり聞かなくなりました。金融機関は顧客の利益を第一に考えて商品設計をされているでしょうか。顧客にとって一番適している商品を勧めてくださっているでしょうか。この視点を忘れてしまうと、結局は国民の金融に対する信頼を失うことになるのではないでしょうか。

時間も限られておりますので、アクションプランの3本柱については、資料の1-2の9ページの最後のところですけれども、「国民の資産を有効に活用できる資産運用」のところに限って意見を申し上げたいと思います。

まず、投資信託・投資法人法制の課題の把握・見直しの検討については、ぜひとも進めて頂きたいと思います。投資信託については、投信法がつくられて半世紀以上がたっており、いろいろと制度疲労が見られることは各所から指摘されてきたところです。何よりも投信法そのものが戦後の財閥解体のときに放出される株の受け皿として議員立法としてつくられたという経緯もあり、投資家が制度の中心に据えられていないという大きな問題点が残っております。また、さきの金融制度改革の折に投資法人が認められ、それを利用したREITなど新しい投資信託がつくられましたが、こちらについても利益相反は本当にないのかなど、投資家の信頼を得るにはまだまだ課題が残っているように思います。どうぞ国民が信頼して資産を託すことができる器として頂きますよう、一層の制度改革をお願いいたしたいと思います。

次に、環境整備の方向性として、運用の分野における一層の規制緩和をお考えであるということが伺えます。規制緩和を否定するわけではありませんが、規制緩和によって新たに開発される商品や参入が可能になる事業者が、直ちに一般の家計に販売勧誘できるような状況はぜひとも避けてほしいと思います。医薬品では治験というものがあります。金融の世界でもあってしかるべきでしょう。国民のお金が実験台というのでは困ります。

投資運用業の規制緩和についてですが、なぜまたそんなに急いで対応されるのか、どこからこのような要望が出されているのか、具体的な背景を知りたいとは個人的には気持ちもありますが、それはさておき、確かに日本では独立系のファンド運用会社というものが全くと言っていいほど育っておらず、そのために販売会社である金融機関の市場支配が続いて、そのことが投資家の利益よりも販売会社の利益を重視する商品設計や販売戦略につながっているということは否めないと思います。したがって、一定の顧客を集めればファンド会社をやっていけるという規制緩和は、日本にもアメリカのウォーレン・バフェットのようなファンドマネジャーが育ってほしいという要請がありますので、強く望む声もあるのだろうという点は理解できますが、しかし、その場合には、そういう会社のお客様はファンドの運営者に近い一定の範囲に限られるべきだと思います。先ほども申しましたように、広く一般の投資家に販売し、自分のお客様の顔も見えないようなファンド運営者については、国民の大事な資産を預かる役割を担うのですから、果たして登録制という形式が満たされればオーケーというような制度でいいのかとも思っております。規制緩和一辺倒ではなく、規制緩和をすべきところはするけれども、規制を強化すべきところはするというきめ細かな対処が求められているのではないかと思っております。

最後になりますが、新成長戦略の基本は国民が豊かに暮らせるための金融であり、国民が豊かになるための金融であって頂きたいと願っております。現状では、高齢者に資産が偏在していることもあり、また若い人たちが早くから住宅ローンといったローン商品を買ってしまうこともあって、個人の投資の主体は高齢者に偏ってしまっていますが、ここは変えていく必要があるのではないでしょうか。若い人たちが毎月数千円という少額からでもこつこつと資産形成していけるような、そしてそれを支援するような環境づくりも今後の経済成長、金融の発展には欠かせないと思っております。

以上、簡単でございますが、私からの意見とさせて頂きます。ありがとうございました。

○神崎政策課長

ありがとうございました。

それでは、次に、日本弁護士連合会消費者問題対策委員会の大迫副委員長、坂副委員長、よろしくお願いいたします。

○大迫副委員長(日本弁護士連合会)

日弁連から参りました大迫と申します。よろしくお願いいたします。

ただいま永沢事務局長のほうから大変力強いご意見を頂いて、同感だと思って聞いておりました。私どもは、その家計からやみへお金が流れているところの最前線から今日参りました。皆さん、どれぐらいご存じかわかりませんが、今の高齢者の金融商品絡みの被害は、目を覆わんばかりでございます。先ほど証券業協会のほうから社債市場のお話がありましたけれども、実は、証券業協会がおっしゃるよりも何歩も進んだ形で、家計からやみへお金が流れております。今、こうしている時間にも、社債を買うと思っている人がお金をつぎ込んで、そのお金がどんどんやみへ流れていっている、そういう状況でございます。その手口は大変組織的で、恐らく最終的には暴力団等にお金が流れているのだろうと思います。

これについて早く手を打って頂きたいというのが私どもの願いでありますが、今ここで規制緩和というお話が出ていることに対しては、非常に危機感を持っております。小規模ファンドの規制の問題が今回各論の中に出てきておりますが、49名以下の小規模ファンドがどれだけ悪用されているのか。限られたお時間ですけれども、少しご紹介します。

ある日突然、家にいる主婦のところに電話がかかってまいります。「何とかという社債を持っていませんか」と聞きます。持っていないと言うと、「今、世田谷区49名の方だけに売り出されている社債があって、大変すばらしいものなので3倍で買い取りたい。持っていたらぜひ売ってくれ」と。しばらくすると、また同じような電話がかかってきます。「ああ、そういう社債はすごいんだな」と思っていると、その社債募集のパンフレットがその人のところへ送られてまいります。「あっ、これだ」と思っていると、またかかってくる。随分しつこく言われるので、3倍で買い取ってくれるならと思ってお金を出してしまう。すると、もちろん電話はかかってこなくなります。「どうしよう、この社債」と思っていると、また電話がかかってきます。そうすると、また別の社債を勧めて、それを買うと今度は4倍で買うと言う。そのお金を足してみると、さっき買ったものと今回出したお金とを足して4倍で売れば損害は回復できる。またお金を出す。こんな形で主婦の方が、私の担当している事件では6,600万円をだまし取られています。その方は、ご主人がつくった資産を全部それにつぎ込んでしまって、もし回復できないのならば、自分の生命保険があるので、自殺して夫に弁償したいというご相談でした。

こんなことが行われているのが現状です。法律が改正になると、また手を変え品を変え、手口が変わってきます。ですから、規制緩和をするときには、ここにいらっしゃるような立派な方々の業界のことだけをお考えになるのではなく、その周辺領域にどういう影響があるのかを、十分踏まえて改正をして頂きたいと思っております。小規模ファンドをどんどん立ち上げてというお話ですけれども、そんなことをすれば、今言ったようなことがさらに増えるでしょう。

社債が狙われているのは、会社法の規制があまりにも甘いからです。私どもが、その名乗っている会社を突きとめようとして謄本をとると、そこに出てくる取締役というのは実在しない人間です。実在しない人間の三文判を使って登記ができるからです。このように、一つのところを緩和すると大きな被害が生まれてしまう。そういうところにまで全体的に目配りをした上で、規制を緩和して頂きたいと思います。私どもは、規制の緩和という言葉を聞くと、とても心配になります。ぜひ活性化したいという一点だけを見据えて改正を急ぐというようなことのないようにお願いしたいと思っております。

今日大変急いでおりましたので、この意見は日弁連として機関決定を得ているものではありません。私どもは急遽個人として意見を言うということで参りましたが、日弁連の姿勢は、今私が申し上げたことと、ずっと以前から変わりはありません。弱者の人権が侵害されることのないように、産業の活性化を急ぐあまり弱者に目配りのないような法律ができないように、これがずっと日弁連の申し上げていることでございますので、今日は個人の意見とさせて頂きますけれども、日弁連のほうから後にもし仮に機関決定のある意見が出たとしても、今日私が申し上げたものとぶれるものが出るということはないと思っております。

大変雑駁なお話で恐縮ですけれども、急ぎ参りましたので、私のほうからはこれだけにさせて頂きます。

○坂副委員長(日本弁護士連合会)

坂ですけれども、若干補足をさせて頂きます。

日弁連において今問題だと見ておりますのは、今お話がありました詐欺的な業者、グループによる未公開株や社債の販売と、先ほど永沢さんのほうからもご指摘がありました、デリバティブを仕組んだ仕組債、投資信託、それからもう一つは為替スワップ等のデリバティブ取引、この3つの課題です。こういった課題について、弁護士会ではこの間いろいろな意見書を公表してきているところです。

これを前提に3点ほど、簡単に意見を述べますが、1点目は、まず、投資者が今安心して投資できない状況になっているということです。先ほど来お話ししましたように、今、なかなか安心をして投資できる状況にない現状があります。金融商品のリスクといいますと、1つ目が市場リスク、2つ目に信用リスク、3つ目に流動性リスクということが言われますが、現状、これに加えてさらに2つのリスクがあると言わざるを得ません。4つ目が詐欺リスクです。勧誘をしてきている相手方が詐欺的商法であるリスク。5つ目が理解可能性リスク。つまり、複雑な商品がかなり多く出回っておりますが、これが果たして本当に理解できているのか。勧誘をされている側が理解できているのか、あるいは勧誘する側も理解できているのか。こういった理解可能性リスクも出てきております。日弁連は、時々の投資被害からいろいろな意見を申し上げておりますが、今申し上げた詐欺リスクと理解可能性リスクを除くためには、やはり、未公開株等についてきちんとした行政の監督を及ぼすような制度を整備していくことと、仕組債等のデリバティブを組み込んだ商品について不招請勧誘を禁止するなどの規制を及ぼしていくことが、必要であろうと考えています。

2点目は、先ほども指摘がありましたが、問題の性質が投資者保護の問題に限られなくなってきているということについて、ぜひ危機感を持って頂きたいと思います。つまり、いろいろな投資者が出したお金が、やみの世界を含めたいろいろな不適切なところに流れているという問題です。平成20年の国民生活白書が、こうした詐欺的な被害(これはもちろん金融分野だけではありませんが、)の損害額を2007年度で最大3兆4,000億円であると推計しております。こういった推計にも見られるように、かなり大きな規模の問題になってきている。それは実体経済にも影響を及ぼしているということにも注意するべきではないかと思います。デリバティブの分野では、中小企業に対して適合性審査が適切に行われず、リスクヘッジの必要性がない会社にデリバティブ取引が持ち込まれる、あるいは必要とされるリスクヘッジの規模を大きく超える取引が持ち込まれるといったような事態も起こっています。これは中小企業の健全な経営を損なうということにほかなりません。中小企業の健全な発展をはかるためには、やはりこういったデリバティブが適切に使われる、あるいは適切に規制されることが必要と思います。

3点目は、先ほど大迫副委員長からもお話がありましたように、規制のあり方を考えるときには、ぜひ全体的な検討をしてほしいということです。恐らく規制の緩和により、緩和された制度を有効に活用できる企業もあると思います。ただ、私たちが現場で見ているのは、それが悪用され、あるいは不十分な理解で利用されることによって、かえって以前よりも悪くなっている、以前なかった被害が生じているという現場であります。こういったことにも思いをいたして、ぜひ適切な形で規制が調うように、よろしくご検討のほどお願いいたします。

以上です。

○神崎政策課長

どうもありがとうございました。

それでは、副大臣のほうから質問等をお願いします。

○東副大臣

永沢事務局長、そしてまた大迫弁護士、坂弁護士、本当に大変貴重な、そしてまた示唆に富むご指摘、ご意見、本当にありがとうございます。

私どもも一つのことを進めるときに、明と暗のうち、どうしても明るいほうばかり見ていこうとする傾向にあることは否めません。しかし、私たちの目的の一つとして、利用者の保護が掲げられておりますから、これを抜いて存在することはないということは、まず申し上げておきたいと思います。

他方、政治家もよく「安心」という言葉を使いますが、私は非常に難しい言葉だと思います。人生において、本当に安心する人生というのは一体何なのかと、問いかけることがよくあります。もし「安心」を、「リスクのないもの」というふうにとらえるとすれば、それは違うのではないかと思っています。問題は、何かをやろうとすればリスクがある。それを自分自身が認識しているのか、認識していないのか。リスクがあるにもかかわらずリスクはないというふうに誘導されてその行動をとるのか、この点が重要だと思います。安心イコール「リスクのある金融商品を売ってはならない」ということであれば、それに対してはにわかに賛成しかねるものでありまして、問題は、リスクのある商品を、それを買う投資家がリスクがあることを知った上で買っているかどうか、そこをちゃんと指導しているかどうかということが、ポイントだと思います。金融庁としては、その点に焦点を当てて今後も進めていきたいと思います。また、ご指摘のあった部分に関し、私たちの目が届かない部分があれば、遠慮なくおっしゃって頂き、情報交換を密にさせて頂きたいと思います。

いずれにしましても、金融市場が成り立っていくためには、信頼の確立が前提条件だと思いますし、私はかつてリー・クアンユーに、規制とは一体何なのかということを教えてもらいました。そのときまでよくわからなかったのですが、規制というのは基本的に国民を守ることに全て収れんするのだと、私は理解しています。しかし、その規制が行き過ぎていけば、逆に国民の行動を縛ってしまう。だから緩和も必要であると。独裁国家や、あるいは一政党によって牛耳られてしまっている国というのは、その規制で上前をはねていくわけでありますが、民主主義の国というのは、まさに有権者の皆さん方が自分たちの代表を選び、その代表が自分たちを守るためにどういう規制をしてくれるのかというところに収れんしていくと思っていますので、基本的には3人がおっしゃったことは十分理解しているつもりでありますが、お話がありましたとおり、個々の具体的な部分について目の届かない部分はありますから、ぜひそのときはご指摘をして頂ければと思います。

今日は本当にありがとうございます。

○神崎政策課長

続きまして、日本公認会計士協会及び日本経済団体連合会からご意見を頂きたいと存じます。

それでは、日本公認会計士協会の山崎会長、よろしくお願いします。

○山崎会長(日本公認会計士協会)

日本公認会計士協会の会長の山崎でございます。

本日は、アクションプランに対する私どもの意見、考えをお話させて頂く機会を設けて頂き、誠にありがとうございます。今般のアクションプランでは、私ども公認会計士、日本公認会計士協会に関係し、また私どもがご協力できる幾つかの施策が盛り込まれておりますので、それらについてアクションプランに沿って所見を述べさせて頂きます。

まず3本柱の1つ、「企業等の規模・成長段階に応じた適切な資金供給」の中に、1番目、「中小企業等に対するきめ細かで円滑な資金供給」、その2つ目に、中堅・中小企業の実態に応じた会計基準、内部統制報告制度の見直しが挙げられております。また、3番目、「機動的な資金供給等」に、四半期報告の大幅簡素化が挙げられております。私どもは、中小企業の会計に関する指針の策定や内部統制報告制度、四半期報告制度の円滑な実施、対応につきまして、これまでにも関係諸団体とともに種々ご協力をさせて頂いてきたところでありまして、その見直しにおいても私どものできる範囲で協力いたす所存でございます。

それから、同じく3本柱の1つ目の(2)の「新興企業等に対する適切な成長資金の供給」の1番目に、新興市場等の信頼性回復・活性化が挙げられておりまして、別紙に9つの取り組むべき課題が示されております。もとより資本市場の活性化は我が国経済の回復に向けた原動力であり、私ども日本公認会計士協会は、新たに金融庁及び市場関係者により設置される協議会等を通じて、新興市場の信頼性回復・活性化に向け、協会として必要な意見を発信していく等、その活動に協力していくとともに、必要に応じて会員に対して監査上の対応に関する適切な指導を行う等、必要な措置を検討していく所存であります。

また、2つ目の柱、「アジアと日本をつなぐ金融」における、「アジアの主たる市場における日本市場の実現」の3番目に、企業における会計実務充実のための会計専門家の活用の促進、それともう一つ、会計基準の国際的な収れん(コンバージェンス)の対応が挙げられております。後者の会計基準の国際的収れんへの対応等につきましては、日本公認会計士協会は上場企業の連結財務諸表への国際財務報告基準、IFRSの導入を全面的に支持しており、この前提として、現在、単体の会計基準については制度面の差異等の課題を克服しつつコンバージェンスを継続していくことが重要であると考えております。このため、企業会計基準委員会、ASBJが継続して行うコンバージェンスに向けて、より高品位な会計基準の開発活動を、そのガバナンス機能の強化も含めて支援していく所存であります。

同じく3番目の企業における会計実務充実のための会計専門家の活用の促進で述べられております、公認会計士試験・資格制度のあり方の検討は、まさに私どもに直接関係する課題であり、私どもの意見、考えをぜひともお話しさせて頂きたいと思います。

平成15年の公認会計士法の改正による新たな公認会計士試験制度が平成18年から実施されております。この新たな試験制度のもとで、近時、試験合格者の急激な増加の中で、その試験合格者の処遇をめぐる幾多の問題が生じてきていることは、副大臣におかれましてもお聞き及びのことと思います。こうしたことから、昨年来、公認会計士制度に関する議論が行われておりますが、企業活動の多様化、国際化とともに、国際財務報告基準、IFRSを中心とした会計監査の基準をめぐる国際的な動向など、公認会計士を取り巻く環境はグローバルベースで急激に変化してきております。我が国の公認会計士試験・資格制度の議論においては、まず国際的に要求されている教育の基準、レベルとの整合性が図られる必要があると思います。もとより国家資格試験制度への信頼性は、その制度が安定的に運用されていくことにより確保されていくものでありますが、公認会計士監査制度というのは、我が国経済の根幹である資本市場の国際的信頼を支える非常に重要な基盤であることから、公認会計士試験・資格制度においても国際競争力を維持・向上するものであることが必要と考えるところでございます。また、IFRSの導入を踏まえたときに、財務報告を作成する企業側にも実務経験の必要性、重要性を認識した上での一定の会計の専門的見識を有する者が配される制度設計が必要であると思います。

会計職業専門家となるためには、試験合格とともに相応の実務経験が必要となりますが、そのためには、どこかに就職をして実務経験を積む場を確保しなければいけないということがついて回ります。就職活動は経済・景気の影響を受けることから、その動向によっては制度の目的が達せられない事態に陥ることの懸念があります。現在、そういう懸念が起こりつつあります。こうした懸念を払拭するためにも、私ども公認会計士業界は、もちろんのこと、私どものできる限りのことを行っていきますが、産業界も含めたところで我が国の経済インフラの重要な一端を担う公認会計士の資格試験への魅力、あるいは受験者の受験意欲に十分配慮した会計職業専門家の就職の機会を含む教育・育成の基盤を整備していく必要があると考えます。

最後に、企業を取り巻く投資家、債権者などの広範な利害関係者に当該企業が開示する財務報告への信頼性を担保する監査証明業務の公益性、中立性にかんがみ、監査証明業務を独占的に行うことができる公認会計士の質を確保する観点から、私ども公認会計士協会による自主規制強化を一層強化・充実するための手当てもまた重要な施策であると考えて、強力に推し進めているところでございます。

ご静聴ありがとうございました。

○神崎政策課長

ありがとうございました。

次に、日本経済団体連合会の久保田専務理事、よろしくお願いします。

○久保田専務理事(日本経済団体連合会)

経団連の久保田でございます。本日はこのような機会を設けて頂きましてありがとうございます。

また、新成長戦略に沿いまして、「金融資本市場及び金融産業の活性化のためのアクションプラン」を取りまとめて頂いたことに対し、敬意を表す次第でございます。今日は、このプランの中間案のうち、経済界の関心の高い項目について、幾つかコメントをさせて頂きます。

まず、国際的な金融規制改革につきましては、アクションプランの中にも、進展する国際的な議論に積極的に対応してプレゼンスを高めていくと記載されております。経済界としましても、拙速な規制強化は企業の円滑な資金調達、資金繰りに悪影響を及ぼして実体経済に打撃を与えかねないと考えております。金融庁にはこうした考え方をご理解頂いており、これまではそういった方向で成果が出ていると評価しているところでございます。引き続き我が国の考え方を積極的に主張して改革案に反映されるよう、ご尽力をお願いしたいと考えております。

次に、四半期報告の大幅簡素化と内部統制報告制度の運用の見直しに向けた作業が、現在進められていますことを、私どもとしては、高く評価しているところでございます。最終結論はまだ出ておりませんけれども、ぜひ今検討が進められている方向で、円滑な実施に移して頂きたいと考えているところでございます。

次に、本アクションプランの柱の一つであります「アジアと日本をつなぐ金融」に関しまして、お手元に資料8として、経団連が昨日まとめました提言をお配りしてございます。資料8の最後のページに概要がございますので、そこを参照して頂ければと思います。経団連の考え方とアクションプランの考え方は、大筋において同じ方向にあると考えております。私どもの提言では、アジア域内のインフラ整備や企業の事業活動に要する中長期資金を安定的に供給するために、アジア債券市場整備の加速化を求めているところでございます。これは新成長戦略が掲げております「アジアのメインマーケットたる日本市場の実現」と平仄の合う内容でございまして、アジア各国の政府や企業による日本市場の利用拡大を通じて、日本市場がアジアのモデルとしての地位を確立すれば、それがとりもなおさず整備されたアジア債券市場となるという考え方に立っているものでございます。

提言では、その実現のために、第1に、海外企業が参加しやすい日本市場の実現が重要であると指摘しております。利便性の高い金融資本市場の実現のために、アクションプランが提案しております英文開示の範囲拡大、会計専門家の活用促進、会計基準のコンバージェンスへの対応については、我々も大いに歓迎しているところでございます。

また、アクションプランが機動的な資金供給策として触れておりますプロ向けの社債発行・流通市場の整備も我が国の債券市場のプレゼンスを向上させるものと考えており、私どももその推進を求めているところでございます。その際、低コストかつ簡素な手続の導入を、ぜひ可能として頂きたいと考えております。また、アクションプランでは触れられておりませんが、サムライ市場の利用促進というのも重要な課題だと考えております。例えば、発行に係る規制の緩和、手続の簡素化を推進するとともに、JBICの保証業務による支援の拡充を期待しているところでございます。

第2に、アジア各国に対し、我が国の法制度と整合的な法制度を普及させることが重要な課題であると認識しております。会社法、破綻法制がとりわけ重要です。同時に我が国は、金融当局や自主規制機関などの市場運営にかかわる人材育成を推進していく必要があると考えております。こうした考えはアクションプランにも盛り込まれており、心強く思うとともに、今後、技術支援、人材育成を通じた着実な、我が国と似たような法制度の普及実現に期待しております。並行しまして、税制措置を含めて日本市場の魅力を向上させる方策を講じていくということも重要だと考えております。

また、アクションプランには盛り込まれておりませんけれども、こういった方策を加速化させるためにも、ASEANプラス3のフレームワークで官民対応の場である債券市場フォーラムに、我が国官民が積極的に参加してリーダーシップを発揮していくことが重要だと考えております。

以上、特に関心の高い項目について触れさせて頂きましたが、日本経済の活性化のためには、この経済活動を支える金融資本市場が十分に機能を発揮するということが必要不可欠でございます。金融庁におかれましては、このアクションプランを着実に実施して頂くことを強くお願いするところでございます。

以上でございます。

○神崎政策課長

どうもありがとうございました。

それでは副大臣のほうからお願いいたします。

○東副大臣

どうも、今日は長い時間ありがとうございました。

山崎会長より、会計監査の基準をめぐる国際的動向、あるいはまた財務書類作成における会計処理能力の向上の観点から公認会計士試験をちゃんと見直していきなさいというご指摘がありましたので、ご指摘を踏まえて検討していきたいと思っております。

また、久保田専務理事からのご意見に関しては、アクションプランに掲げられている施策について、着実に実施してまいりたいと改めて決意を述べさせて頂きたいと思います。頑張りますので、どうぞよろしくお願いします。

○神崎政策課長

それでは、以上をもちましてアクションプランに関するヒアリングを終了させて頂きます。本日は、貴重なご意見を頂きましてどうもありがとうございました。頂いたご意見なども参考にしながら、今後年内に最終版を公表する方向で作業を進めてまいりたいと存じます。

なお、現在、金融庁のホームページを通じてアクションプラン中間案に関する意見募集を行っておりますので、本日のご議論などを踏まえまして、さらにご意見がございます場合には、17日金曜日正午の締め切りまでに、提出を頂ければと思います。よろしくお願いいたします。

本日は、お忙しいところお集まり頂きましてどうもありがとうございました。

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