平成22年7月14日
金融庁

日本ビクター株式会社に係る有価証券報告書等の虚偽記載に対する課徴金納付命令の決定について

金融庁は、証券取引等監視委員会から、日本ビクター(株)に係る有価証券報告書等の虚偽記載の検査結果に基づく課徴金納付命令の勧告を受け、平成22年6月21日に審判手続開始の決定(平成22年度(判)第7号金融商品取引法違反審判事件)を行ったところ、被審人から課徴金に係る金融商品取引法(以下「法」といいます。)第178条第1項第2号及び第4号に掲げる事実及び納付すべき課徴金の額を認める旨の答弁書の提出があり、これを受けた審判官から法第185条の6の規定に基づき、課徴金の納付を命ずる旨の決定案が提出されたことから、本日、下記のとおりPDF決定を行いました。

1 決定の内容

  • (1) 納付すべき課徴金の額 金7億760万円

  • (2) 納付期限 平成22年9月15日

2 課徴金に係る法第178条第1項各号に掲げる事実

  • (1) 被審人日本ビクター(株)は、関東財務局長に対し、下表のとおり、金融商品取引法(平成20年法律第65号による改正前のもの。以下「旧金融商品取引法」という。)第172条の2第1項及び第2項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」有価証券報告書等を提出したものである。


    開示書類 虚偽記載
    提出日 書類 会計期間 財務計算に
    関する書類
    内容(注) 事由
    平成19年
    6月27日
    第118期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成19年3月期有価証券報告書) 平成18年4月1日~平成19年3月31日の連結会計期間 連結
    損益計算書
    連結当期純損益が▲12,531百万円であるところを▲7,891百万円と記載 ・減損損失の不計上
    ・費用の過少計上
    ・引当金の過少計上
    平成20年
    12月26日
    第120期事業年度中間連結会計期間に係る半期報告書(平成20年9月中間期半期報告書) 平成20年4月1日~平成20年9月30日の中間連結会計期間 中間連結
    損益計算書
    連結中間純損益が▲12,155百万円であるところを▲8,095百万円と記載 ・費用の過少計上
    ・引当金の過少計上
    平成21年
    6月24日
    第120期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成21年3月期有価証券報告書) 平成20年4月1日~平成21年3月31日の連結会計期間間 連結
    損益計算書
    連結経常損益が▲16,520百万円であるところを▲10,307百万円と記載
    連結当期純損益が▲33,336百万円であるところを▲24,350百万円と記載
    ・減損損失の不計上
    ・費用の過少計上
    ・引当金の過少計上

    (注)金額は百万円未満切捨てである。また、▲は損失であることを示す。

  • (2) 被審人日本ビクター(株)は、関東財務局長に対し、平成19年7月24日、平成19年3月期有価証券報告書を参照書類とする有価証券届出書を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、同年8月10日、107,693,000株の株券35,000,225,000円で取得させた。

    被審人日本ビクター(株)が行った上記の行為は、旧金融商品取引法第172条第1項第1号に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」発行開示書類に基づく募集により有価証券を取得させた行為に該当すると認められる。

3 課徴金の計算の基礎

(1) 旧金融商品取引法第172条の2第1項の規定により、平成19年3月期有価証券報告書に係る課徴金は、

○ 当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(4,608,547円)

○ 3,000,000円

を超えることから、4,608,547円について、金融商品取引法第176条第2項の規定により、1万円未満の端数を切り捨てて4,600,000円となる。

(2) 旧金融商品取引法第172条の2第1項及び第2項の規定により、平成20年9月中間期半期報告書及び平成21年3月期有価証券報告書に係る課徴金について、個別決定ごとの算出額は、

○ 当該法人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(2,310,773円)

○ 3,000,000円

を超えないことから、

同半期報告書については、1,500,000円

同有価証券報告書については、3,000,000円

となる。

ここで、これらの書類が同一の事業年度に係るものであることから、金融商品取引法第185条の7第6項の規定により、下記のとおり300万円を個別決定ごとの算出額に基づき按分した金額が課徴金の額となる。

平成20年9月中間期半期報告書に係る課徴金の額は

1,000,000円

平成21年3月期有価証券報告書に係る課徴金の額は

2,000,000円

(3) 旧金融商品取引法第172条第1項第1号の規定により、重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類に基づく募集により取得させた株券等の発行価額の総額の100分の2に相当する額が課徴金の額となることから、

平成19年7月24日提出の有価証券届出書に係る課徴金の額は、

35,000,225,000円×2/100=700,004,500円

について、金融商品取引法第176条第2項の規定により1万円未満を切り捨てて、700,000,000円

となる。

以上より、課徴金の額は次のとおりとなる。

4,600,000円+1,000,000円+2,000,000円+700,000,000円=707,600,000円

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局総務課審判手続室(内線2398、2404)

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