平成23年1月19日
金融庁
株式会社アクロディアに係る有価証券報告書等の虚偽記載に対する課徴金納付命令の決定について
金融庁は、証券取引等監視委員会から、(株)アクロディアに係る有価証券報告書等の虚偽記載の検査結果に基づく課徴金納付命令の勧告を受け、平成22年12月10日に審判手続開始の決定(平成22年度(判)第33号金融商品取引法違反審判事件)を行ったところ、被審人から課徴金に係る金融商品取引法第178条第1項第2号及び第4号に掲げる事実及び納付すべき課徴金の額を認める旨の答弁書の提出があり、これを受けた審判官から金融商品取引法第185条の6の規定に基づき、課徴金の納付を命ずる旨の決定案が提出されたことから、本日、下記のとおり
決定(PDF:156KB)を行いました。
記
1決定の内容
(1)納付すべき課徴金の額金78,149,996円
(2)納付期限平成23年3月22日
2課徴金に係る金融商品取引法第178条第1項各号に掲げる事実
(1)被審人(株)アクロディアは、関東財務局長に対し、下表のとおり、平成20年法律第65号による改正前の金商法(以下「旧金商法」という。)第172条の2第1項及び第2項に規定する「重要な事項につき虚偽の記載がある」有価証券報告書等を提出したものである。
(2)被審人(株)アクロディアは、関東財務局長に対し、平成21年6月19日に重要な事項につき虚偽の記載がある平成20年3月期有価証券報告書(下表の番号欄1)、平成20年9月第2四半期報告書(下表の番号欄2)、平成20年12月第3四半期報告書(下表の番号欄3)及び平成21年3月第4四半期報告書(下表の番号欄4)を参照書類とする有価証券届出書を提出し、同有価証券届出書に基づく募集により、平成21年7月6日に1,600個の新株予約権証券を1,575,680,000円(新株予約権の行使に際して払い込むべき金額を含む。)で取得させたものである。
番号 | 開示書類 | 虚偽記載 | ||||
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提出日 | 書類 | 会計期間 | 財務計算に 関する書類 |
内容(注) | 事由 | |
1 | 平成20年 6月27日 |
第4期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成20年3月期有価証券報告書) | 平成19年4月1日~平成20年3月31日の連結会計期間 | 連結 損益計算書 |
連結経常損益が267百万円であるところを571百万円と記載 連結当期純損益が▲170百万円であるところを278百万円と記載 |
・架空売上の計上 等 |
2 | 平成20年 11月14日 |
第5期事業年度第2四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成20年9月第2四半期報告書) | 平成20年4月1日~平成20年9月30日の第2四半期連結累計期間 | 四半期連結 損益計算書 |
連結四半期純損益が▲322百万円であるところを▲156百万円と記載 | ・架空売上の計上 等 |
3 | 平成21年 2月13日 |
第5期事業年度第3四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成20年12月第3四半期報告書) | 平成20年4月1日~平成20年12月31日の第3四半期連結累計期間 | 四半期連結 損益計算書 |
連結四半期純損益が▲817百万円であるところを▲471百万円と記載 | ・架空売上の計上 ・ソフトウェアの架空計上 等 |
平成20年10月1日~平成20年12月31日の第3四半期連結会計期間 | 四半期連結 貸借対照表 |
連結純資産が3,163百万円であるところを3,958百万円と記載 | ||||
4 | 平成21年 5月15日 |
第5期事業年度第4四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成21年3月第4四半期報告書) | 平成20年4月1日~平成21年3月31日の第4四半期連結累計期間 | 四半期連結 損益計算書 |
連結四半期純損益が▲1,347百万円であるところを▲1,015百万円と記載 | ・架空売上の計上 ・ソフトウェアの架空計上 等 |
平成21年1月1日~平成21年3月31日の第4四半期連結会計期間 | 四半期連結 貸借対照表 |
連結純資産が2,598百万円であるところを3,380百万円と記載 | ||||
5 | 平成21年 8月14日 |
第5期事業年度第5四半期連結会計期間に係る四半期報告書(平成21年6月第5四半期報告書) | 平成20年4月1日~平成21年6月30日の第5四半期連結累計期間 | 四半期連結 損益計算書 |
連結四半期純損益が▲1,510百万円であるところを▲1,222百万円と記載 | ・架空売上の計上 ・ソフトウェアの架空計上 等 |
平成21年4月1日~平成21年6月30日の第5四半期連結会計期間 | 四半期連結 貸借対照表 |
連結純資産が2,440百万円であるところを3,177百万円と記載 | ||||
6 | 平成21年 11月27日 |
第5期事業年度連結会計期間に係る有価証券報告書(平成21年8月期有価証券報告書) | 平成20年4月1日~平成21年8月31日の連結会計期間 | 連結 損益計算書 |
連結当期純損益が▲1,644百万円であるところを▲1,389百万円と記載 | ・架空売上の計上 ・ソフトウェアの架空計上 等 |
連結 貸借対照表 |
連結純資産が2,772百万円であるところを3,476百万円と記載 |
(注)金額は百万円未満切捨てである。また、▲は損益計算書では損失であることを示す。
3課徴金の計算の基礎
(1)旧金商法第172条の2第1項の規定により、平成20年3月期有価証券報告書に係る課徴金の額は、
イ被審人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(828,325円)
が
ロ300万円
を超えないことから、300万円となる。
(2)旧金商法第172条の2第1項及び第2項の規定により、平成20年9月第2四半期報告書、平成20年12月第3四半期報告書、平成21年3月第4四半期報告書、平成21年6月第5四半期報告書(以下、「各四半期報告書」という。)及び平成21年8月期有価証券報告書に係る課徴金の額について、個別決定ごとの算出額は、
イ被審人が発行する算定基準有価証券の市場価額の総額に10万分の3を乗じて得た額(434,719円)
が
ロ300万円
を超えないことから、
a各四半期報告書については、4,250,000円(当該事業年度が1年以上であるため、300万円に当該事業年度の月数17を12で除して得た数を乗じて得た額に相当する額)の2分の1に相当する額である2,120,000円(金融商品取引法(以下「金商法」という。)第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨て。)
b平成21年8月期有価証券報告書については、4,250,000円となるが、これらの書類が同一の事業年度に係るものであることから、下記のとおり、旧金商法第185条の7第2項の規定により4,250,000円を個別決定ごとの算出額に基づき按分し、同第18項の規定により1円未満の端数を切り捨てた金額となる。
a’各四半期報告書については、
4,250,000×2,120,000/(2,120,000+2,120,000+2,120,000+2,120,000+4,250,000)
=707,776円
b’平成21年8月期有価証券報告書については、
4,250,000×4,250,000/(2,120,000+2,120,000+2,120,000+2,120,000+4,250,000)
=1,418,892円
(3)金商法第172条の2第1項第1号の規定により、平成21年6月19日提出の有価証券届出書に係る課徴金の額は、重要な事項につき虚偽の記載がある発行開示書類に基づく募集により取得させた株券等の発行価額の総額の100分の4.5に相当する額が課徴金の額となることから、
1,575,680,000円×4.5/100=70,905,600円
について、金商法第176条第2項の規定により1万円未満の端数を切り捨てて、70,900,000円となる。
(4)以上により、納付すべき課徴金の額は次のとおりとなる。
3,000,000円+707,776円+707,776円+707,776円+707,776円+1,418,892円+70,900,000円
=78,149,996円
お問い合わせ先
金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
総務企画局総務課審判手続室(内線2398、2404)