平成23年7月8日
金融庁

PBAアセットマネジメント株式会社に対する行政処分について

  • 1.PBAアセットマネジメント株式会社(以下「当社」という。)に対する証券取引等監視委員会による検査の結果、以下のとおり法令違反等の事実が認められたとして、平成23年7月5日、行政処分を求める勧告が行われました。

    • 純財産額が投資運用業を行う金融商品取引業者の政令で定める金額(50百万円)に満たない状況

      • (1)純財産額が50百万円を下回る状況

        当社は、資産の大半をA社に対する貸付金が占めているため、その貸付金の内容について検証したところ、以下の事実が認められた。

        当社は、平成17年6月に、A社との間で金銭準消費貸借契約(元金180百万円、返済期限は同22年6月30日、連帯保証人は当時のA社代表取締役のB氏。以下「当該契約」という。)を締結しているが、当該契約に係る元金及び利息は、返済期限を超えた検査基準日(平成23年4月15日)までの間、全く返済されていない。

        A社の状況については、当社は、平成21年秋頃の当社株主総会、取締役会において、監査役等より当該契約に係る問題点を指摘されたが、当社経営陣は、既にA社が休眠状態であることを人づてに聞いていたことや、使用人Cからは、貸付金が返済される可能性は低く、不良債権となれば当社の純財産額は金融商品取引法(昭和23年法律第25号。以下「法」という。)第29条の4第1項第5号ロに基づく金融商品取引法施行令(昭和40年政令第321号)第15条の9で定める最低純財産額である50百万円(以下「最低純財産額」という。)を下回る旨の説明を受けたため、A社の返済能力の確認や返済の督促等を行っていなかった。

        今回の検査期間中、当社はB氏と面会し、A社は多額の負債を抱え、事務所もなく休眠状態であること及びB氏には多額の債務があり、定期的な収入、B氏名義の資産がなく、当該契約に係る担保提供や一部返済等の支払いは困難であることを確認している。

        上記のとおり、当該契約に係る元金及び利息の回収が極めて困難な状況にあることから、当該契約に基づく元金及び利息を当社の資産から控除して計算すると、平成23年3月末現在、当社の純財産額は最低純財産額を下回っている。

      • (2)経営管理態勢等の不備

        当社の純財産額は、法で定める最低純財産額を下回っている状況にあるが、当社のこれまでの対応については、以下の事実が認められた。

        当社の社長は、平成20年10月頃から常勤しておらず、他の非常勤の役員と同様、現状は2か月に1回開催される取締役会に出席するのみであった。また、コンプライアンス室長を兼務している非常勤の取締役は、実質的なコンプライアンス業務を行っていない状況であった。

        そのような状況の下、当社では、使用人2名が実質的な業務運営を行っていたが、以下のとおり極めて不適切な行為が認められた。

        • 平成22年10月、当社は、取締役会において、A社及びB氏に対して内容証明郵便により督促状を送付することを決定した。しかし、使用人Cは、純財産額が最低純財産額を下回ることを回避するため、経営陣に報告せず、自らの判断で、督促状を送付しなかった。

        • 平成22年12月、使用人Cは、当該契約に関して契約期間の延長で対応する旨を取締役会で報告したが、その後、正式な議題として取締役会に上程しなかった。

        • 平成23年1月、使用人Cは、純財産額が最低純財産額を下回ることになれば、金融商品取引業の登録取消しは避けられないため、これを逃れようと考え、事前に経営陣に相談しないまま、監督当局である金融庁に対し、「返済期限は平成23年12月30日である」と故意に事実と異なる報告を行ったうえ、契約書の返済期限を改ざんしようとしていた。

        このように、当社は、金融商品取引業の登録取消しに該当しうる状況について積極的に把握、改善することなく、また、使用人の不適切な行為を管理できていないことから、当社の経営管理態勢及び法令等遵守態勢には重大な不備があるものと認められる。

      上記(1)の純財産額が最低純財産額を下回る状況については、法第29条の4第1項第5号ロに該当すると認められ、監督上の処分事由を定める法第52条第1項第3号に該当するものと認められる。

      上記(2)のとおり、純財産額が最低純財産額を下回ることとなる状況における当社の経営管理態勢及び法令等遵守態勢には重大な不備があるものと認められる。

  • 2.以上のことから、本日、当社に対し、下記(1)については法第52条第1項の規定に基づき、下記(2)については法第51条に基づき、以下の行政処分を行いました。

    • (1)登録取消し

      関東財務局長(金商)第455号の登録を取り消す。

    • (2)業務改善命令

      • 顧客に対して、登録取消し、本命令の内容及び処分の理由について、速やかに、かつ、適切に周知徹底を行うとともに、当該事項をホームページに掲示すること。

      • 資産運用委託契約の解除等、金融商品取引業に係る全ての業務を速やかに結了させること。

      • 運用資産及び顧客の保護に万全の措置を講じること。

      • 会社財産を不当に費消する行為を行なわないこと。

      • その他、運用資産及び顧客保護のために必要な対応を行なうこと。

      • 上記イからホまでに関する対応状況を平成23年7月22日までに書面で報告し、当局からの求めに応じ随時報告すること。

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
監督局証券課資産運用室(内線3353、3359)

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