英語版はこちら新しいウィンドウで開きます

平成23年12月16日
金融庁

シティグループ証券株式会社に対する行政処分について

  • 1.シティグループ証券株式会社(以下「当社」といいます。)に対する証券取引等監視委員会による検査の結果、以下のとおり法令違反の事実が認められたとして、平成23年12月9日、行政処分を求める勧告が行われました。

    • 報告徴取命令に対する対応の不備

      当社は、当社役職員のユーロ円TIBOR(以下「TIBOR」という。)及び円LIBORへの関与等に関し、金融庁から、金融商品取引法第56条の2第1項の規定に基づく報告徴取命令を受けて同庁に報告書を提出している。

      今回検査において、報告書の内容について、その正確性及び十分性を検証したところ、呈示レートに関する不適切な働きかけに係る重要な事項について、記載に漏れがあり、かつ、事実と異なる記載及びこれに基づく結論付けが行われており、不適切な内容となっていた。

      当社の報告徴取命令に基づく報告書への重要な事項についての記載漏れ及び事実と異なる記載は、金融商品取引法第56条の2に基づく金融庁長官の報告徴取命令に違反しており、かかる当社の行為は、同法第52条第1項第6号に規定する「金融商品取引業に関し法令に基づいてする行政官庁の処分に違反したとき」に該当するものと認められる。

    • ユーロ円TIBOR等に係る不適切な行為

      当社常務執行役員金利商品本部長(当時。以下「A本部長」という。)は、遅くとも平成22年4月頃から、TIBORのレートを呈示するシティバンク銀行株式会社の職員(以下「呈示担当者」という。)に対し、また、金利商品本部円金利トレーダー(当時。以下「Bトレーダー」という。)は、当社に入社した平成21年12月から、TIBORのレートを呈示する他の銀行の職員(又は、そのグループ証券会社の職員。以下、呈示担当者と合わせて「呈示担当者等」という。)に対し、A本部長及びBトレーダー(以下「A本部長等」という。)が行っていた円金利に係るデリバティブ取引に有利になるようTIBORを変動させることを目的として、呈示レートの変更を要請するなどの働きかけを継続的に行っていた。

      A本部長等が行った当該行為は、TIBOR(3ヵ月)が株式会社東京金融取引所において上場されているユーロ円3ヵ月金利先物の取引対象であり、A本部長等が当該取引所において当該先物の取引を行っていたこと及びTIBORは金融機関が資金を調達・運用するときの基準金利となるなど極めて重要な金融指標であることに鑑みれば、著しく不当かつ悪質であり、市場の公正性を損なうおそれがあるなど、公益及び投資者保護上、重大な問題があると認められる。

      更に、Bトレーダーは、平成21年12月から、シティバンクグループが呈示する円LIBORの呈示レートについても、変更を要請するなどの不適切な働きかけを継続的に行っていた。

      金利商品本部の営業責任者でもある当社代表取締役社長は、上記行為を認識していながら、これを看過し、また、当社としても適切な対応を行っていないなど、当社の内部管理態勢には重大な問題が認められた。

      このように、(a)A本部長等は、TIBORについて、当社の自己取引として行っていた市場デリバティブ取引のために呈示担当者等に対し働きかけを行ったものであり、当該行為は当社における金融商品取引業に関し行ったものと認められること、(b)当該行為は、市場の公正性を損なうおそれがあるなど、公益及び投資者保護上、著しく不当かつ悪質であると認められること、(c)Bトレーダーは、TIBORだけでなく円LIBORについても働きかけを行っていたこと、(d)当社の内部管理態勢に重大な問題が認められること、から、当社の行為は、金融商品取引法第52条第1項第9号(金融商品取引業に関し、不正又は著しく不当な行為をした場合において、その情状が特に重いとき)に該当するものと認められる。

    • 上級管理職による外務員登録外の外務行為

      A本部長は、平成21年11月12日から市場デリバティブ取引を行っていた。

      しかしながら、当社は、A本部長について、平成22年6月16日に至るまで、市場デリバティブ取引を行うために必要な一種外務員登録を日本証券業協会に対し行っていなかった。

      また、当社代表取締役社長は、A本部長が登録外の外務行為を行ってることを認識した後も、コンプライアンス本部等の関係部署に対応を指示するなどの適切な措置を講じていないなど、当社の内部管理態勢には重大な不備が認められた。

      当社は、登録を受けた者以外の者に外務員の職務を行わせており、かかる当社の行為は、金融商品取引法第64条第2項に違反するものと認められる。

  • 2.以上のことから、本日、当社に対し、金融商品取引法第51条、第52条第1項第6号及び第9号の規定に基づき、以下の行政処分を行いました。

    • (1)業務停止命令

      平成24年1月10日(火)から平成24年1月23日(月)までの間、TIBOR及びLIBOR関連のデリバティブ取引(既往の契約の履行に伴う取引等を除く。)の停止。

    • (2)業務改善命令

      • (a)上記法令違反に係る経営責任の明確化。

      • (b)役職員の法令遵守の徹底。

      • (c)経営管理・業務運営態勢の抜本的な充実・強化を含む再発防止策の策定。

      • (d)上記(a)~(c)について、その実施状況を平成24年1月16日(月)まで、さらに(b)、(c)については同日後の進捗状況を平成24年3月30日(金)まで及びその後3月毎に、また必要に応じて随時に、書面で報告すること。

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)
監督局証券課(内線3370、3356)

サイトマップ

ページの先頭に戻る