平成24年10月5日
金融庁

J.フロントリテイリング株式会社株式に係る相場操縦に対する課徴金納付命令の決定について

金融庁は、証券取引等監視委員会から、J.フロントリテイリング(株)株式に係る相場操縦に係る検査結果に基づく課徴金納付命令の勧告新しいウィンドウで開きますを受け、平成24年8月31日に審判手続開始の決定(平成24年度(判)第21号金融商品取引法違反審判事件)を行ったところ、被審人から課徴金に係る金融商品取引法(以下「金商法」といいます。)178条1項14号に掲げる事実及び納付すべき課徴金の額を認める旨の答弁書の提出があり、これを受けた審判官から金商法185条の6の規定に基づき、課徴金の納付を命ずる旨の決定案が提出されたことから、下記のとおり決定(PDF:127KB)を行いました。

決定の内容

被審人に対し、次のとおり課徴金を国庫に納付することを命ずる。

  • (1)納付すべき課徴金の額金135万円

  • (2)納付期限平成24年12月4日

課徴金に係る金商法178条1項14号に掲げる事実

被審人は、東京証券取引所市場第一部、大阪証券取引所市場第一部及び名古屋証券取引所市場第一部に上場されているJ.フロントリテイリング(株)の株式につき、同株式の売買を誘引する目的をもって、別表記載のとおり、平成22年8月2日午前9時27分ころから同月13日午後2時53分ころまでの間、9取引日にわたり、A証券会社及びB証券会社を介し、売り最良気配値以上の複数の価格帯に約定させる意思のない売り注文を合計789万4000株発注したり、買い最良気配値以下の複数の価格帯に約定させる意思のない買い注文を合計968万株発注するとともに、合計343万8000株の売買を自己に有利な株価で約定させ、もって、自己の計算において、12回にわたり、同株式の売買が繁盛であると誤解させ、かつ、同市場における同株式の相場を変動させるべき一連の売買及び委託をしたものである。

(別表)

(単位:株)
番号 行為期間
(平成22年)
委託株数 売買株数
売付 買付 売付 買付
A証券 B証券 A証券 B証券 A証券 B証券 A証券 B証券
1 8月2日09時27分
~8月2日10時44分
74,000 120,000 343,000 0 41,000 0 41,000 0
2 8月2日12時17分
~8月2日14時54分
203,000 485,000 616,000 0 144,000 0 144,000 0
3 8月3日09時27分
~8月3日14時34分
338,000 730,000 1,147,000 0 201,000 0 201,000 0
4 8月4日09時08分
~8月4日10時54分
158,000 360,000 843,000 0 114,000 0 114,000 0
5 8月4日12時29分
~8月4日14時50分
274,000 600,000 1,010,000 0 153,000 0 153,000 0
6 8月5日09時13分
~8月5日14時57分
217,000 435,000 1,108,000 0 218,000 0 218,000 0
7 8月6日09時24分
~8月6日13時37分
162,000 290,000 350,000 0 53,000 0 53,000 0
8 8月9日09時23分
~8月9日13時43分
377,000 585,000 1,312,000 0 200,000 0 200,000 0
9 8月10日09時35分
~8月10日12時05分
85,000 100,000 261,000 0 44,000 0 44,000 0
10 8月10日12時14分
~8月10日15時00分
225,000 840,000 1,256,000 0 204,000 0 204,000 0
11 8月11日09時32分
~8月11日10時48分
100,000 275,000 561,000 0 116,000 0 116,000 0
12 8月13日12時27分
~8月13日14時53分
196,000 665,000 873,000 0 231,000 0 231,000 0
小計 2,409,000 5,485,000 9,680,000 0 1,719,000 0 1,719,000 0
合計 7,894,000 9,680,000 1,719,000 1,719,000

課徴金の計算の基礎

金商法174条の2第1項の規定により、当該違反行為に係る課徴金の額は、以下の(イ)から(ハ)の合計額として算出されるところ、別表番号1~12のいずれの違反行為についても、当該違反行為期間内の売付け等の数量と買付け等の数量が同数であることから、各行為期間に係る課徴金の額は、(イ)により計算される。

なお、算出された課徴金の額のそれぞれについて1万円未満の端数があるときは、金商法176条2項の規定により切捨てとなる。

  • (イ)当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量に係るものについて

    (当該違反行為に係る有価証券の売付け等の価額)-(当該違反行為に係る有価証券の買付け等の価額)

  • (ロ)当該違反行為に係る有価証券の売付け等又は買付け等の数量が当該違反行為に係る有価証券の買付け等の数量を超える場合について

    (当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の最低価格×当該超える数量)-(当該超える数量に係る有価証券の売付け等の価額)

  • (ハ)当該違反行為に係る有価証券の買付け等の数量が当該違反行為に係る有価証券の売付け等の数量を超える場合について

    (当該違反行為が終了してから1月を経過するまでの間の各日における当該違反行為に係る有価証券の最高価格×当該超える数量)-(当該超える数量に係る有価証券の買付け等の価額)

  • (1)番号1の違反行為に係る課徴金の額

    当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量は41,000株である。
    (398円×17,000株+399円×24,000株)-(397円×41,000株)

    =65,000円

  • (2)番号2の違反行為に関わる課徴金の額

    当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量は144,000株である。
    (390円×88,000株+392円×34,000株+393円×22,000株)

    -(389円×24,000株+390円×91,000株+392円×24,000株
    +393円×5,000株)
    =95,000円

  • (3)番号3の違反行為に係る課徴金の額

    当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量は201,000株である。
    (387円×25,000株+388円×34,000株+389円×29,000株
    +390円×17,000株+392円×36,000株+394円×20,000株
    +395円×13,000株+396円×27,000株)

    -(386円×3,000株+387円×56,000株+390円×46,000株
    +392円×36,000株+393円×33,000株+394円×3,000株
    +395円×24,000株)
    =84,000円

  • (4)番号4の違反行為に係る課徴金の額

    当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量は114,000株である。
    (386円×22,000株+387円×71,000株+388円×21,000株)

    -(384円×17,000株+385円×10,000株+386円×18,000株
    +387円×66,000株+389円×3,000株)
    =82,000円

  • (5)番号5の違反行為に係る課徴金の額

    当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量は153,000株である。
    (388円×62,000株+389円×55,000株+390円×36,000株)

    -(387円×70,000株+388円×14,000株+389円×69,000株)
    =128,000円

  • (6)番号6の違反行為に係る課徴金の額

    当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量は218,000株である。
    (396円×13,000株+397円×38,000株+398円×33,000株
    +399円×54,000株+400円×80,000株)

    -(395円×63,000株+397円×31,000株+398円×54,000株
    +399円×19,000株+400円×36,000株+401円×15,000株)
    =234,000円

  • (7)番号7の違反行為に係る課徴金の額

    当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量は53,000株である。
    (391円×10,000株+392円×27,000株+397円×11,000株
    +398円×5,000株)

    -(391円×32,000株+392円×5,000株+396円×5,000株
    +397円×11,000株)
    =32,000円

  • (8)番号8の違反行為に係る課徴金の額

    当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量は200,000株である。
    (390円×40,000株+391円×47,000株+392円×88,000株
    +393円×25,000株)

    -(389円×12,000株+390円×69,000株+391円×103,000株
    +392円×16,000株)
    =175,000円

  • (9)番号9の違反行為に係る課徴金の額

    当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量は44,000株である。
    (400円×44,000株)-(399円×44,000株)=44,000円

  • (10)番号10の違反行為に係る課徴金の額

    当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量は204,000株である。
    (395円×31,000株+396円×35,000株+397円×39,000株
    +398円×66,000株+399円×13,000株+400円×20,000株)

    -(395円×56,000株+396円×39,000株+397円×66,000株
    +398円×10,000株+399円×33,000株)
    =130,000円

  • (11)番号11の違反行為に係る課徴金の額

    当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量は116,000株である。
    (386円×4,000株+387円×21,000株+388円×71,000株
    +389円×20,000株)

    -(386円×49,000株+387円×14,000株+388円×47,000株
    +389円×6,000株)
    =97,000円

  • (12)番号12の違反行為に係る課徴金の額

    当該違反行為に係る有価証券の売買対当数量は231,000株である。
    (381円×64,000株+382円×50,000株+383円×117,000株)

    -(380円×64,000株+381円×50,000株+382円×117,000株)
    =231,000円

  • (13)納付すべき課徴金の額

    納付すべき課徴金の額は、上記(1)~(12)で算出された各課徴金の額について1万円未満の端数を切捨てた額の合計となる。

    60,000円+90,000円+80,000円+80,000円+120,000円+230,000円
    +30,000円+170,000円+40,000円+130,000円+90,000円+230,000円

    =1,350,000円

お問い合わせ先

金融庁 Tel 03-3506-6000(代表)

総務企画局総務課審判手続室(内線2398、2404)

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